【慰安婦問題】『帝国の慰安婦』の著者
とあるコミュニティで、『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河氏のFacebookのエントリーが話題になりました。
「李容洙氏は偽者だと誹(そし)られるような人ではない」という内容です。
2020年5月、丁度、正義連の尹美香と自称元慰安婦の李容洙の対立が話題になって頃にエントリーしたもので、李容洙が初めて尹美香に電話をしてきた時に「友達の話なのだけど...」と話を切り出したエピソードを尹がFacebookに書いたことで、李容洙は偽者では無いか?と言われていたのを受けてのことのようです。
朴氏は、「李容洙氏の台湾での体験談と歌を聞かせて貰ったが、彼女は本物だ」という趣旨のことを書いていました。また、李容洙の証言がコロコロ変わることは、「記憶とは元々整然としないものであり、そう(いう証言を)聞きたがっている人達のせいだ」、とも書いていました。
これを読んで、彼女は文学者(感性の人)であり、歴史家(実証主義)ではないなと思いました。
戦時中、台湾は日本だったので慰安所はありません。仮に李容洙が台湾にいて日本軍人を相手にしたことがあっても、日本軍慰安婦ではありません。
尤も、現在の慰安婦に関する議論は「日本軍慰安婦だったか否か」ではなく、「日本軍慰安婦 “被害者” 〔=日本の官警によって拉致され性奴隷にされた〕か否か」であり、李容洙の場合は、“背中に尖った物を突き立てられて拉致された” 等という嘘を吹聴し回っている事が問題なので、台湾時代の証言もあらためて検証され、日本軍慰安婦では無かったのではないか?と、疑われているのです。
朴氏のFacebookは、そこまで深く李容洙の偽証を追及していないので、上記について彼女を批判するつもりはありませんが。
恐らく、朴氏は、『帝国の慰安婦』を書いた頃から情報がupdateされていないのではないかと思います。
ブログ主は、この本は話題になった頃に読んだだけで、現在手元にないのですが、従来の慰安婦像を打破する証言を引き出したことや、元慰安婦を利用する団体を批判したことなど、画期的な本だったと評価はします。また、韓国に於ける著者に対する言論弾圧は断固非難します。しかし、「帝国(=帝国主義の日本)の被害者」と位置づける事には違和感を覚えたことを記憶しています。
それで少し、最近の日本での言論活動を調べて見た所、毎日新聞に連載をされているようで、記事は有料ですが、ネットで拾えるものを読んでみると、未だに「日本は植民地支配の清算をしていない」と、植民地支配に拘っているようです。
つまり、『帝国の慰安婦』から進歩していないのです。
また、彼女の回りの日本人はリベラル系の文化人が多く、そうした人達の中には上野千鶴子氏の名前もあります。朴氏も基本的には進歩系の方なので話は合うのかも知れませんが、どちらかと言うと利用されているような気もします。〔講演のテーマも「ジェンダー」云々言っているので。〕
それはともかく、彼女は日本人に具体的に何を求めているのでしょうか?
国と国とでは利害が対立します。日本も、李承晩が日本漁民を拉致して人質に取ったり殺したことや、民間人資産を接収したこと〔←国際法違反〕などの不満を封じて、お互いに国交を樹立したのです。一旦、条約を結んだら、もう蒸し返さないのが国際ルールです。
結局彼女は、彼女が批判している正義連と同じ事をしています。
彼女の著書のタイトルにもありますが、“和解のために” として彼女が日本のメディアを通じ提案している事は、彼女の周囲にいる日本人はともかく、普通の日本人には受け入れられません。
彼女は “韓国と日本の間に立っている” 事を自認しているようですが、それは “中央” ではありません。
一時は「慰安婦問題」の寵児にはなりましたが、もはや周回遅れの人となってしまいました。
毎日新聞に重宝がられるのも無理はありません。
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