李宇衍博士のワーキングペーパー『Ramseyer’s Paper, Criticism against it, and Counter-criticism for it』
タイトルは「ラムザイヤー論文、それに対する批判、それに対する再反論」とでも訳したらいいのでしょうか。
李宇衍博士ご自身が所属されている落星台経済研究所のサイトに、working paperを掲載されました。
公論化するための叩き台のような論文です。
PDFのURLは上手く貼れないので、そのサイトのリンクをご紹介します。
「20220120_WP2022-02.pdf」をクリックするとPDFをダウンロードすることができます。〔あるいは、ブラウザの別タブで開くことができます。〕
やや意訳していますが、working paperの章立ては以下の通りです。
Ⅰ.序論、Ⅱ.国内外の反日種族主義者の反応、Ⅲ.ラムザイヤー論文のポイント、Ⅳ.批判に対する反論、Ⅴ.身売り契約について&慰安婦達はどこから来たのか、Ⅵ.総括
Ⅴ章の、「慰安婦達はどこから来たのか」というのは、ラムザイヤー論文のシンポジウムに李宇衍博士が寄せたビデオメッセージでも仰っていたことで、慰安婦はどのような経緯で日本軍慰安婦になったのか、という考察をされています。
ブログ主はざっと一読しただけなので、再読してからもう少し詳しく書こうと思いますが、朝鮮の独特な事情を解説されています。
朝鮮では長らく「ノビ〔=奴婢〕の売買」、即ち人身売買が行われていた事、「身売り〔=年季奉公〕」は人身売買とは違う事、朝鮮社会では取引に於いて必ずしも紙の契約書は必要では無かった事〔※〕を解説し、慰安婦の供給源には、①親による「身売り」、②既存の売春婦の慰安婦への移行の2つが一般的だったと主張されています。
※李宇衍博士もこのworking paperで書いておられますが、そもそも「契約(行為)」には必ずしも「契約書」は必要なく、お互いの同意があれば成立するものです。
また、Ⅳ章では、慰安婦契約に於いては紙の契約書があった事実も述べられていますが、これは2021年3月7日付けJBpressに、『朝鮮人業者と契約し慰安所を転々とした慰安婦の証言』と題して同様の内容で寄稿されています。
この記事には『「契約書がない」というラムザイヤー論文に対する批判への反証』というサブタイトルがつけられており、元慰安婦の女性の、(前借金の連帯保証人として)親や祖父母の押印を貰ったという証言から、「紙の契約書」はあった、とするものです。
また、彼女は、転売禁止という約束だが、自分は不器量でこの店では儲けられないから、別の店に転売して欲しいと頼んだ話もしています。つまり、彼女は「契約」という意識があったのです。
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