『韓国「反日主義」の起源』雑記2-抗日の歴史の嘘
前回に引き続き、『韓国「反日主義」の起源』(松本厚治 著/草思社 /2019/2/27)に関し、覚え書きなどを書き留めます。
多少歴史に詳しい方は、既に、併合が強引なものでは無かったこと、3.1独立運動が騒擾程度で大したことがなかったこと、臨時政府は名ばかりで機能していなかったこと等は知っているかと思います。
従って、今回は「第二章 本当に反日したのか」の要約や補足の代わりに、韓国で最近出版された本をご紹介します。
この本のタイトルは、『조선 레지스탕스의 두 얼굴』(機械翻訳:朝鮮レジスタンスの二つの顔)といい、著者は진명행(眞明行)氏です。ペンネームらしく、銀行員の方だそうです。
タイトルからも想像できるように、韓国の誇張・歪曲された「抵抗の歴史」や「抗日の英雄」の真実を検証した本のようで、メディアが取りあげないにもかかわらず、現在、ある大手書店では売上6位に付けているそうです。
この本は、日本語の翻訳版の出版も予定されているとのことです。
表紙にはどちらかというと日本人には馴染みの薄い顔が並んでいますが、それについては後述するとして、この本がどのような内容かを、ネット書店の商品ページに掲載された、本書からの引用文の一部を転載して紹介します。
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「歴史の悠久さ」とは、私たちが単一民族という純血主義に対する錯覚、神話的想像力に過ぎない虚構を無理やり歴史の領域まで引き入れて、5,000年という長い淵源を捏造した無知の産物に過ぎない。 資源も金もなく無一文で建国した国で掲げるのは「精神」という観念的エネルギーだっただろう。
--- p.5
自国史中心の歴史は必然的に「ウリ」(我)を浮上させ、「ナム」(他人)を削る叙述になるしかない。 特に、日本に対する公然たる被害意識は、1920年代以降消滅してしまった武装独立運動闘争に対する貧弱な戦果を膨らませ、歪曲することを正当化する名分を与えた。 いまだに多くの人が青山里戦闘で日本軍3,000人を射殺し、鳳梧洞戦闘で大勝を収めており、金九は上海臨時政府を象徴する独歩的な存在として記憶している。 そして、その記憶は不変であり神聖なため、本当に事実なのか誰も疑わない。 この神聖不可侵をもとに、映画、マスコミ、放送、本、文化のすべての領域で広範囲な歪曲が行われている時、ある限りでは、日帝時代の生活ぶりや慰安婦に対する異なる意見の相違があったという理由で、講壇から胸ぐらをつかまれたまま引きずり降ろされ、そのまま罷免される浅薄な国家水準の断面を見せている。
--- p.8
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「鳳梧洞(ポンオドン)戦闘」とは、1920年6月に現在の中国吉林省の山間部で起きた朝鮮独立軍と日本軍の戦闘で、青山里戦闘(1920年10月)と共に、洪範図(홍범도/ホン・ボムド)が指揮したと言われます。表紙の一番奥の人物です。韓国人にとってはこの2つの戦闘は「二大勝利」とされているそうですが、その戦果は誇張されたものです。
金九(김구/キム・グ)は表紙の左端の人物で、朴正煕大統領は彼を英雄として祭り上げたのですが、実際は、単なる殺人鬼です。
表紙には描かれていませんが、日本人にとって、この本で取り扱う最大のビッグ・ネームと言えば、安重根でしょう。彼については二章を使って虚像を暴いており、そのタイトル(機械翻訳ママ)は、「13.日本中心の東洋秩序を追求した天皇主義者安重根」、「14. ファッション反日とマーケティングに彩られた安重根の精神」となっています。日本人にとっては既に分かっていることですが、これが韓国人にとってどれほど衝撃的な事実かは、想像がつくでしょう。
つまり、この本は、韓国にとっての伝説の英雄の虚像を暴く本なのです。
韓国で実質的に発禁処分となった『親日派のための弁明』の著者、金完燮(キム・ワンソプ)氏はその続編の『親日派のための弁明2』と併せて、抗日活動家の欺瞞を暴いていましたが、こうした本が無事に出版できると言うことは、ようやく時代が彼に追いついて来たとも言えるのかも知れません。
読者のレビューを読んでみましたが、一次資料が日本のものであっても、きちんと検証しているので納得しているようです。(韓国人は一般に、日本の史料なら「捏造」、第三国人の意見なら「親日」とか日本の「ロビー活動」だと反応する人が多い。)
最後に表紙の人物を紹介して終わりとします。
一番手前は金元鳳(김원봉/きんがんほう・キム・ウォンボン)で、文在寅大統領は、金元鳳を「韓国軍のルーツ」として尊敬しているそうです。その後ろは左から、前述の金九(김구/キム・グ)、同じく洪範図(홍범도/ホン・ボムド)、昭和天皇が皇太子時代に暗殺未遂を起こした李奉昌 (이봉창/イ・ボンチャン)、 右端は曺奉岩(조봉암/チョ・ボンアム)です。
恐らく、文在寅やその周辺の人達の思想に繋がるような人物が表紙に選ばれたのでしょう。
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