【“徴用工”裁判】三菱マテリアルを訴え、8月11日に敗訴した裁判で、原告控訴せず判決確定
所謂 “徴用工裁判”(朝鮮半島出身労働者による裁判)は色々あって混乱しますが、この裁判の原告は、2017年に三菱マテリアルを相手取り、“徴用被害” の損害賠償を求めていました。
タイトルにも書いたように、8月11日の地裁判決では訴えが棄却されていたのですが、その理由が驚く事に「時効」でした。
そして、控訴を断念したというのが今回のニュースです。
以下、産経新聞の記事を引用します。
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https://www.sankei.com/article/20210902-66Z3AFDKVRNSHFBQR7GBPEHEYI/
徴用工訴訟で原告敗訴確定 控訴せず
2021/9/2
【ソウル=時吉達也】日本の朝鮮半島統治期に徴用工として動員されたと主張する韓国人の遺族が日本企業、三菱マテリアルに損害賠償を求めた訴訟で、韓国の1審ソウル中央地裁が原告側の請求を棄却した判決が2日、確定した。原告側は同日午前0時の期限までに控訴しなかった。
原告側は2017年に提訴したが、8月11日の地裁判決は、元徴用工らの個人請求権が消滅していないとした韓国最高裁の初判断(12年)から3年が経過した15年に民事訴訟上の時効が成立したと判断。同種訴訟で日本企業に賠償を命じた18年10月の韓国最高裁の確定判決後に相次いだ追加提訴についても、事実上「無効」とする判断を示していた。
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では、2012年の最高裁判決とはどのようなものだったのでしょうか?
2017年8月25日放送のBSフジ・プライムニュースのフリップで振り返ってみます。
上の図で「最高裁 係争中」とありますが、既に2018年10月30日に原告勝訴の判決が言い渡されました。
2012年に最高裁が高裁差し戻しとした時の理由をまとめたものが以下のフリップです。
これを見ると、「時効は許容できない」となっているのですが...
その理由とは別に「時効」があるのは理解できますが、「併合自体が不法なものであり、日本統治時代に行われた行為は不当」という基準に則れば、いくらでも原告勝訴に持って行けたはずです。
8月11日の判断は、シンシアリーのブログ『韓国、2018年最高裁判決による旧朝鮮半島出身労働者への個人賠償が10月で時効を迎える』に記事の翻訳と解説があるのですが、簡単に言うと、「原告が訴訟できると知った時(2012年)から3年以内に提訴しなかったので時効」というものです。そして、この時、原告側は「2018年の大法院判決を時効の起算日とすべき」と反論しています。
しかし、たとえそれを適用しても、今年の10月30日に3年の時効を迎えます。いずれにせよ、今後、日本企業相手には訴訟が起こせなくなります。
韓国司法も、現在抱えている裁判だけで、もう “徴用工” 裁判は終わりにしたいのでしょうか?
実際に、女性の人権うんたらかんたらの慰安婦問題に比べて “徴用工” は同情も引きにくい事は確かです。慰安婦像と事なり、徴用工像が増えないのは、あの像のモデルが、旭川新聞が1926年9月に報じた労働者虐待致死事件で提示した写真の日本人労働者だと韓国でも報じられ、多くの韓国国民が認識しているからです。

1926年9月9日、日本の旭川新聞に掲載された
「北海道土木工事現場で虐待を受けた人々」というタイトル
の記事に出てきた日本の労働者の写真。
右から2番目のあばら骨が浮き出た男性が特に徴用工像に似ている。
慰安婦関連なら(∩´-ω-)アーアーキコエナーイ するかも知れませんが、像の作者(=慰安婦像の作者の夫婦)が「モデルは日本人」と発言した人を名誉毀損で訴えても「(そう判断するのは)真実相当性がある」と敗訴しています。但し、この夫婦は、片端からスラップ訴訟(=口封じの為の嫌がらせ訴訟)を起こし、その一人が李宇衍(イ・ウヨン)博士ですが、何故か公判が何度も延期されています。
※関連記事:【韓国】「徴用工像のモデルは日本人。撤去しろ」と発言した政治家が名誉毀損で訴えられるも勝訴。地裁「日本人と認識するのは妥当」
ただ、“徴用工” については、まだまだ軍艦島に対するネガティブキャンペーンが続いています。
法的には壁がある事で、軍艦島の世界遺産取り消しにターゲットを絞ったVANKは益々執拗にキャンペーンを張るでしょう。既に、「明治日本の産業革命遺産」の構成要素である「松下村塾」も、“軍国主義の発祥の地”のような宣伝を始めています。
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