自民党・有村治子参議委員の5月31日『参議院決算委員会』での質疑を文字起こししました。(正式な議事録が公開されたらリンクを貼ります。)
動画は参議院インターネット中継のアーカイブスから視聴することができます。(リンク先は直接有村治子議員の質疑にリンク)
また、数日後には有村治子議員のYouTubeチャンネルに動画がupされるかと思います。
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有村治子委員: 自由民主党の有村治子です。多くの皆様のご理解とご協力を戴いて、今日、この発言の機会を戴いていることに、謹んで感謝を申し上げます。
慰安婦問題はこの30年間、日韓関係を揺るがす最大懸案の一つであり続けてきました。何が事実であったのか、なかったのか。ただひたすら、真実と公正性を探究したい。この思いで、今日は質問に立たせて戴きます。
慰安婦に対するお詫びと反省を表明した「河野談話」が発出されてから、28年が経ちました。政府が明言されているとおり、「河野談話」を作成した頃と現在とでは、歴史の真実を巡ってとても大きな環境変化があります。「暴力の限りを尽くして何百人もの慰安婦狩りをした」と訴え続けた吉田清治氏が、完全な作り話の詐欺師であったことが判明し、これを長年、積極的に担いできた『朝日新聞』が、関連記事の数々を取り消し、謝罪しました。
政治的決着として、軍による何らかの強制性を認めることを、日韓両国で予め合意し、韓国の依頼に基づいて、宮沢〔喜一〕内閣では、「河野談話」を出し、その内容も、韓国政府と詳細な摺り合わせを重ねたことが、平成26年〔2014年〕の「河野談話」検証過程で明らかになりました。
韓国からの反論に怯まず、この検証を完遂された当時の安倍内閣、菅官房長官のご判断は、まさに、歴史の評価に耐ゆる政治判断でありました。
一方、韓国において、元慰安婦を支援してきたと言われる「正義記憶連帯」の尹美香(ユン・ミヒャン)前代表は、元慰安婦が「アジア女性基金」の償い金を受けて和解することを邪魔したり、実態は、慰安婦支援と言うより、慰安婦を食い物にして自らの私腹を肥やすような言動を重ねてきたことが、昨年、元慰安婦から曝露されました。韓国の国会議員となった現在も、業務上横領罪、詐欺罪、業務上背任罪、寄付金管理法違反など、8つの容疑により、現在、在宅起訴されています。
また、この正義連が舌鋒鋭く喧伝してきた旧日本軍による強制連行についても、事実としては、強制連行を示す証拠が、日本からも、また、韓国からも、現在に至るまで一点たりとも出てきていないことが政府答弁で明らかになっています。
このような史実が次々と明らかになり、「河野談話」を取り巻く環境は劇的な変化を遂げています。しかし、国際世論において、「日本は歴史を修正し、女性の人権を軽視している」という、言われなきレッテルを貼られ、国際世論戦で、我が国や、「孤立する」という事態を避けねばならない日本政府としては、「『河野談話』を全体としてして検証する」という苦渋の選択をし、そのスタンスを国際社会に伝えてきました。
菅内閣においても、談話を継承されるというのであれば、その意図をしっかりと整理し、日本の尊厳と信用にかけて、我が国の立ち位置を的確に発信することこそ、今を生きる私達の責任ではないでしょうか。
日本政府は歴史の真実に対して忠実であって欲しい。また、偽りの情報によって、日本が不当に貶められている国際世論については、毅然と向き合い、真実を粘り強く訴えて欲しい、という国民世論の存在を、私自身、身に染みて感じております。
そこで、官房長官にお伺いします。
「河野談話」を継承することによって、国民を代表する日本政府は、一体何にお詫びと反省の気持ちを表明しているのか、また、何に対して、事実に反すると、毅然と反論しておられるのか。それぞれ、明確にお答え下さい。
加藤内閣官房長官: まず、1993年8月4日の内閣官房長官談話、所謂「河野談話」において、「慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置・管理、および慰安婦の移送については、旧日本軍が直接或いは間接に、これに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が、主としてこれに当たったが、その場合も、甘言・弾圧による等、本人達の意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担した事もあったことが明らかになった」と、記述されているところであります。
このように官房長官談話は、慰安婦について、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、政府として、その出身地の如何(いかん)を問わず、慰安婦として数多(あまた)の苦痛を経験され、心身に渡り癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対して心からお詫びと反省の気持ちを申し上げたものであり、その点については、私どもは引き続き継承させて戴いております。
なお、官房長官談話の中に、所謂「強制連行」という言葉は用いられておりませんが、当時の会見に於いて、「強制連行」についても議論がなされた(※)ところであります。
※ブログ主註:談話文発表後の記者との質疑応答で、河野洋平が「強制連行」をあったと認める発言。
これまで日本政府が発見した史料の中に、軍や官憲による、所謂「強制連行」を直接示すような記述は見つかっておらず、これらの点については、これまでも国会の場や質問主意書に対する答弁書においても明らかにしております。
また、これまでの経緯を踏まえ、政府としては、官房長官談話にある「従軍慰安婦」という語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、「従軍慰安婦」または「いわゆる従軍慰安婦」ではなく、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切であると考えており、近年、こうした用い方をし、その旨も私の記者会見等々でご説明をさせて戴いているところであります。
有村: 今、関連のごへんちゅう(ご返答?)がありましたが、この度、従軍慰安婦等の表現に関する維新〔日本維新の会〕・馬場議員の質問主意書に対して政府答弁書が出されました。日本軍の組織的関与や残虐性を印象づけるため、1970年代に新たに出てきた造語である「従軍慰安婦」という言葉のまやかしを、菅政権で明確に「不適切」だと否定されたことで、今後は教科書に於いても「従軍慰安婦」の記述がなくなって行くことが期待されます。
これは菅内閣の“クリーンヒット”〔野球:見事な当たりのヒット〕であり、大きな一歩です。答弁書をまとめ上げられました加藤官房長官のご尽力に対して、心からの敬意と共感を申し上げます。
その一方で、この政府答弁書では、「軍による強制連行」という見方が広く社会に流布した原因として、吉田清治の虚偽を大手新聞社が事実であるかのように大きく報道したことを理由に挙げています。
嘗て国連でも日本政府代表の杉山外務審議官が、強制連行の誤解について、朝日新聞の非を、社名を明らかにして公式に発言されており、慰安婦問題に於いて、歴史的な誤報を連発した朝日新聞が、往年の記事を18本取り消し、お詫び記事を掲載したことは公然の事実であります。
朝日新聞は、「吉田証言の真偽は確認できない」との認識を1997年に記事にしていたにも関わらず、2014年に自らの過ちを公表するまで、実に17年間、虚偽情報を放置したままでありました。
また、「資料-1」の通り、「女子挺身隊を慰安婦にした」という全くの虚偽の開設や報道を、8年間、20件以上も続けており、これら真実に悖(もと)る情報によって国内世論が作られ、韓国世論に飛び火し、更には国際世論で反日感情を広げ、在外邦人が蔑まれ、その子女達が虐められ、どれだけか、日本の信用と国益が減じられたことか、計り知れません。
その深刻な影響を考えれば、今更「大手新聞社」などと匿名にする必要など全く無いと考えます。「朝日新聞」だと明言される方が、みんなにとって公正であり、国際社会に向けても、メッセージが明確になるのではないでしょうか。
官房長官にお伺いします。
加藤: ご指摘の質問主意書の書きぶりについては、これまでの質問主意書の書き方等を踏まえて「大手新聞社」と記載をしたという風に承知をしておりますが、ここにある「大手新聞社」とは朝日新聞であります。
当時、朝日新聞が報じていた吉田清治氏の証言により、あたかも軍による強制連行があったかのような事実に反する認識が、韓国を始め国際社会に於いて広まったこと、まあ、我が国に於いてもそうでありますが、これは極めて問題である、という風に考えております。
有村: 「資料-2」は、韓国以外の国々で、近年設置されてしまった慰安婦像の例です。公用地に建てられております。
ドイツ、米国など、日韓以外の第三国でも広がっている慰安婦像や碑文には、被害者数として20万人、何十万人、数十万人と、夥(おびただ)しい数の説明書きがありますが、そもそも、この「慰安婦20万人説」はいったいどこから出てきているのでしょうか。また、政府が、「慰安婦20万人説」を否定する根拠はどこにあるのか、教えて下さい。
内閣官房・川上内閣参事官: お答えします。慰安婦の総数について「20万人」という数字が出てくることでございます。〔しかし〕具体的な裏付けがあるものではございません。
慰安婦の総数については、政府の調査によって発見された史料にて、その総数を示すものはなく、これを推認するに足る史料もございません。政府として、20万人という数字はもとより、これまで慰安婦の総数について具体的な数字を出したことはございません。20万人という数字につきましては、嘗て、委員ご指摘の通り、慰安婦問題に関して朝日新聞が「太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万とも言われる」と報じた経緯(※)がございます。
しかし、その後、同社2014年8月5日付の記事で、これを訂正しておりまして、「女子挺身隊と慰安婦は別である」とした上で、「20万人の数字の元になったのは、女子挺身隊と慰安婦を混同したことにある」と認めたものと承知しております。
※ブログ主註:20万人の出所は韓国→千田夏光の小説『従軍慰安婦』だと思われる。
有村: ありがとうございます。今、政府がご答弁戴いたことでございますが、では、女子挺身隊と慰安婦、これは多くの新聞社も同じ間違いを続けてきましたけれども、その女子挺身隊と慰安婦の違いを明確にご説明戴きたいと思います。
川上: お答えします。委員ご指摘の通り、慰安婦問題を取りあげられるようになった90年代には、女子挺身隊と慰安婦を混同する報道も相次いでおりました。しかし、女子挺身隊は国内体制強化の一環として、労働力を増強するために、1944年、昭和19年の「女子挺身勤労令」(※)に基づきまして、工場でありますとか、政府の作業所等に於いて労働に従事していたものでございまして、慰安婦と女子挺身隊は全く異なるものでございます。
※「女子挺身勤労令」は朝鮮半島には出されなかった。(工場等で働くレベルの教育を受けた女性が少なかった為)但し、官斡旋での女子挺身隊はあった。(Wikipedia『女子挺身隊』→朝鮮における官斡旋の挺身隊)
有村: この女子挺身隊と慰安婦の違いというのは、大手新聞社はほとんど、また、当時の著名な国語辞典も、みんなこれを混同して孫引きをして、世の中が全て騙されているような、そんな風潮がございました。やはり、歴史は真実に基づいて戴きたい。しっかり調べて戴きたいという風にあらためて思います。
国連人権委員会に於ける「クマラスワミ報告書」に於いても、日本を糾弾する際、「慰安婦は軍性奴隷」、「military sex slave」と表現をされていますが、日本政府はこの「性奴隷」という表現に反対をしています。
実は、慰安婦であった韓国人女性(ブログ主註:李容洙のこと)が「性奴隷という汚い言葉を使って欲しくない」と訴えていたにも関わらず、正義連の尹美香代表は「いやいや、性奴隷という言葉を使うのは、米国人が怖がって聞く耳を持つようにするためです。」「米国人が聞いてくれるようにするためです。」と説明していたことを、昨年、韓国の『中央日報』が報じています。
そもそも、元慰安婦であった方自身も嫌がるような「性奴隷」というおどろおどろしい言葉は、一体、いつ、誰が国際社会に定着させたのか。また、「性奴隷」という表現を日本政府が再三否定されている根拠を明らかにして下さい。
外務省・石月(いしづき)大臣官房参事官: お答え申し上げます。日本政府としましては、性奴隷という表現は事実に反するので使用すべきでないとの立場です。
この点は2015年12月の日韓合意の際に、韓国側と確認しており、この合意に於いても一切使われておりません。
政府の立場は以上の通りであり、「性奴隷」という言葉の出所(※)については、お答えする立場にはございませんが、いずれにせよ、政府としては「性奴隷」という表現は事実に反するので使用すべきではないとの立場でございます。
※ブログ主註:「性奴隷(sex slave)」という言葉は戸塚悦郎弁護士が国連人権委員会で広めた言葉であり、自身で誇らしげに語っている。
有村: 今まさに政府答弁がされたように、日本と韓国の正式な合意では、この「性奴隷」というのは適切ではないということで、2015年の慰安婦日韓合意でも使われていないということを、私達は、もっともっと伝えていかなければならない、という風に思います。
今、ご答弁戴いたように、まさに「性奴隷」という言葉は、二国間の懸案であった慰安婦問題を国際問題に「格上げ、発展させ」、括弧付きです。「女性の人権問題という普遍的な価値を日本が蹂躙したものだ」との歴史認識を国際世論に定着させる“鍵”となる、戦略用語、マジックワードでありました。事実、欧米世論は、この言葉に引き寄せられます。
今春、ハーバード大学のラムザイヤー教授は、学術論文を発表したことで、韓国主導の国際世論からは集中砲火を浴びました。
「軍人に対する性の提供・受益」に対して、金銭の移動があり、また、慰安所経営者と慰安婦の間に、例えば6対4、例えば5対5、等の売上分配の取り決め、即ち「契約」があったという、当時、公然の商習慣をもとに慰安婦問題の解明を試みたラムザイヤー論文が発表されると、韓国主導の国際世論が前提とする「性奴隷」というロジックの根幹が崩れてしまうからこそ、ラムザイヤー教授は警戒をされ、言われなき中傷をばらまかれ、学術論文の撤回すら要求をされました。
しかし、実際には、当時の新聞紙上に於いても、民間業者による慰安婦の募集広告が掲載されており、「資料-3」の通り、そこには、「月収300円以上」、そして「前借金3000円迄可」と書かれています。即ち、戦地に於けるリスクの高い慰安婦が、高い報酬を謳われて募集されていたことは、当時、衆知の事実でありました。
左は上の広告と同じもの。右の広告には前借金の上限(三千円迄可)も明記されている。
このことを、皆、世間が知っていたからこそ、慰安婦の方々は、ドイツの慰安婦像の碑文に書かれている言葉を、そのままそっくりお借りすれば、「故郷に帰った後でも恥と孤独の中で」生きておられたのでしょう。
だからこそ、韓国政府は、元慰安婦の方々の名誉回復のために、「このような境遇の女性は、高い報酬に釣られて自発的に慰安婦になった訳ではなく、自らの本意ならず、慰安婦にならされたのだ」と、日本政府に認めさせることを政治課題とし、当時の日本政府もまた、「本人の意思に反して」という意味での「強制性」を、日本の善意として認める事によって韓国政府の要望に応え、もって両国は、1993年の「河野談話」の発表を区切りとして、慰安婦問題の政治的決着を図ろうとした、というのが、事の真相ではないでしょうか。
今の時代を生きる私達の感覚では、父兄が娘を身売りすることなど到底考えられないことですが、当時、男性が圧倒的に強い立場にあった「家父長制度」的風土の中で、父親が斡旋業者から前借金(借金)を受け取り、自己決定権の無い娘が、その借金を背負わされる形で、業者が身元を引き受けることも少なくなかった時代背景があります。
貧しさもあり、一族が生き延びるために、父兄の一存で女衒に身売りされる不憫な女性が少なからずいらした時代背景に思いを致します。
その上で日本は、慰安婦の方々の名誉回復と、そのお気持ちに寄り添うことについては、日本の善意としてもベストを尽くす。けれども、当時は「売春・買春」を合法とする公娼制がとられており、現に、高い金額を提示して慰安婦募集がなされており、事実、多くの日本人と韓国人女性が、これに応募しており、実際に、多くの兵士達が慰安婦にお金を払って、慰安所を利用していたという数々の証拠がある事実まで、慰安婦の名誉回復という大義の下、全て無かったことにする、というのは、歴史の事実に反します。
それ故に、「河野談話」作成当時の石原官房副長官は、「全ての慰安婦に強制性があったなど絶対に言えない」と、日本政府の譲れない点を主張しておられました。
慰安婦の名誉回復を図ること自体は、戦後の大事な勤めですが、だからと言って、「全ての慰安婦が本人の意思に反し、日本軍によって無理矢理慰安婦にさせられた」等という、事実に悖(もと)る責めまで我が国が背負い込み、日本の尊厳が不倒に毀損されて良いわけではありません。
「資料-4」をご覧下さい。今年1月、元慰安婦等が日本政府に対して損害賠償を求めた訴訟の判決をソウル地裁が出した際、韓国政府は、「日本軍慰安婦被害者問題は、世界で類を見ない、戦時の女性の人権蹂躙である」と断罪(※)をしています。
※ブログ主註:4月の慰安婦裁判では「主権免除」により訴えが棄却されたが、ここでも日本に対して同様の批判をしており、国家犯罪故に「主権免除」が適用されるという、看過できないロジックを使っている。
この期に及んで、文在寅政権が、このような新たなレッテル貼りを吹聴し、国際社会で日本を不当に貶める、次なる印象操作を展開するに至っては、つくづく、善意を全く生かし切れていない、この30年間の日韓関係の不毛さと国民性の違いを痛感致します。
そこで、政府にお伺いします。そもそも、戦時、兵士のための慰安所は、どのような理由で設営されていたのでしょうか。
内閣官房・安中(あんなか)内閣参事官: お答え申し上げます。1993年8月に発表されました政府調査結果によりますと、各地に於ける慰安所の開設は、当時の軍当局の要請によるものであるが、当時の政府部内資料によれば、旧日本軍占領地域内に於いて、日本軍人が住民に対し、強姦等の不法な行為を行い、その結果反日感情が醸成されることを防止する必要性があった事、傍聴、即ち諜報活動を防止する必要があった事、性病等の病気による兵力低下を防ぐ必要があった事、等が慰安所設置の理由とされております。
有村: まさに今仰って頂いた通り、強盗・婦女暴行による民心離反、暴動等の治安悪化を避けるため、また、戦争遂行に必要な機密情報が不特定多数に漏洩するのを防ぐため、また、部隊に於いて性病の蔓延を防ぐため、これが最も大きかったかも知れません。
今仰った慰安婦設営の目的は、果たして日本特有のものでしょうか。日本の尊厳が掛かっているので、この公式の場で、勇気を振り絞って、敢えてお尋ね致しますが、世界中で、旧日本軍の男性だけが、戦時、性欲があったのでしょうか。「資料-5」をご覧下さい。
朝鮮戦争時、韓国軍と米軍を始めとする国連軍の性の相手をするために韓国人慰安婦が動員されたことは、当時の東亜日報にも書かれています。
加えて、韓国陸軍本部が朝鮮戦争について出版をしている公文書『後方支援(人事編)』には、特殊慰安活動・慰安隊の記述があります。韓国政府はこの存在をどう説明されるのでしょうか。また、朝鮮戦争後の韓国に駐留した米軍相手の韓国人慰安婦は、基地村女性と言われてきました。これら、数多の韓国人女性達は、米軍駐留と外貨稼ぎに貢献する愛国者と持ち上げて正当化し、米軍の依頼に基づいて、徹底した性病管理のために、性病罹患女性の身柄を拘束(※)するなど、女性の人権を巡って訴訟を起こされているのは、一体どこの行政機関でありますでしょうか。
※ブログ主註:性病罹患女性を収容する施設は「モンキー・ハウス」と呼ばれた。
翻って、戦後直後の日本に於いても、占領軍による日本人女性への強盗等の性犯罪事件は、GHQによる検閲の対象となり、厳しく報道規制をされていましたが、進駐軍による強盗や陵辱などの婦女暴行の被害を低減するため、程なく、RAA(Recreation and Amusement Association/特殊慰安施設協会 ※)が結成され、日本の全国各地でアメリカ軍専用の慰安所が設営され、その慰安婦集めには全国の警察が協力をしていました。
※ブログ主註:詳細は『慰安婦と戦場の性』P.166~170
即ち、米軍も韓国軍も、旧日本軍も、故郷を離れた軍人の性欲を部隊としてどう制御するかは、およそ軍隊組織が避けては通れない重要課題でありました。「戦場に於ける最大の敵は性病だ」と言われるくらい、性病罹患者の多い部隊は、最早戦闘集団たり得ず、各部隊は性病の蔓延に四苦八苦していました。
そこで、外務大臣にお伺いします。実際のところ、戦地や駐屯地に於ける軍人の性の問題は古今東西、各国各部隊が頭を悩ませてきた課題です。古くは紀元前から、また、ナポレオン戦争に於いても、また、第一次・第二次戦争に於いても、日露戦争に於いても、みんな、以下に性病を少なくするかという記録が残っています。にもかかわらず、韓国政府は、「世界で類を見ない戦時の女性の人権蹂躙」などという新たなレッテルを貼る事で、日本を不当に貶めて孤立をさせ、事実に基づかない歴史認識を国際社会に喧伝をしています。この、文在寅政権の主張は、歴史の公正さから見ても到底受け入れられるものではありません。
こと、慰安婦問題となると、日本はただひたすら防戦一方ですが、日本政府には是非とも事実に基づく反論を毅然と進めて戴きたい。同時に、真に女性の人権と安全が尊重される国際貢献、各自有事には、女生徒子供に、本当に不条理なことが起こりやすくなるというのは世界の常でございます。この現実を直視して、私達は立ち上がっていかなければなりません。真に女性の尊厳と安全が尊重される国際貢献を進めて、国際世論で確かな渡り合いを、日本として進めて戴きたいと思います。
外務大臣のご見解と展望をお伺いします。
茂木外務大臣: 確かに、有村委員が仰るとおりに、古今東西、海外に出掛けて行っている若い兵士、これに対する様々な対処をどうするか、それぞれの国が、軍が、苦労してきた。特に第一次大戦の時は、それぞれ塹壕戦の中で大変な思いをするという中で、避妊具というものが圧倒的に広まった。それも第一次大戦以来のことだと、こんな風に思いますが。政府としてこれまでも慰安婦問題を含みます歴史問題について、有村委員の方からご指摘戴いたような正確な事実関係、そして、政府の考え方について様々な形で国際社会に対して説明し、発信をして来ました。対外発信の最前線である在外公館の体制強化を図りつつ、各国や地域毎の特徴も踏まえて、例えば、海外にあるコミュニティでも、日本人コミュニティはもう100年以上経っていて、どちらかと言うと非常に結束が緩くなっている。一方、例えば韓国のコミュニティはまだ50年くらいで結束がある。そういった特徴の違いもあるわけであります。そういった中で、オピニオンリーダーを始めとする様々な関係者に対して、理解を深める取り組みを進めてきております。
率直に申し上げて、韓国によって、せっかくの“ゴールポスト”が常に動かされる。こういう状況があるわけですが、今後も政府の考え方であったり、これまでの取り組みについて、国際社会から正当な評価が得られるよう、引き続きしっかり取り組んでいきたい。
一方、20世紀に於いて、戦時下、世界各地に於いて多くの女性の尊厳や名誉が深く傷つけられた事実があったということは事実であると思っております。安倍前総理の「戦後70年談話」の通り、21世紀こそ、女性の人権が傷つけられることが無い世紀とするため、日本として世界をリードしていきたい。このように考えております。
有村: 今、外務大臣がいみじくも仰いました。やはり、戦時に於いて、本当に不条理なことが行くのは女性であり、子供であったりします。現在は戦時ではありませんけれども、コロナ感染下で、やはり女性の自殺率が増えたり、或いは、子供にしわ寄せが行ったりということが起こっています。
今日はいみじくも自民党の質問者は、森まさこ先生、有村、自見はなこ先生と、全て女性でございます。そして、森先生も自見先生も、本当に女性の問題、また、子供の問題を一所懸命やって戴いております。やはり、歴史認識ということは、歴史の素材を扱っていますが、現代の情報戦でございます。
外務大臣が仰って頂いた通り、在外の韓国人、中国人の方が、国際的な世論戦の最前線に立っているという現実、ロビイストに相当なお金と労力を付けているというこの現実の上で、私達は日本の名誉を守って行かなければなりません。今回の慰安婦問題を研究して分かることは、韓国の主張されていることは、実は、韓国のオリジナルではなくて、日本から、このような事実に基づかない、また、日本を貶められる情報が相当出てきたと言うことを、右からも左からも、研究者が指摘をしています。そういう意味で私達は、右だ左だのレッテル貼りではなくて、真実がどうだったのかということに共感を得られるような活動を地道にしていかなければならないという風に思います。
その上で、外務大臣、国際世論の前線に立たれていらっしゃる訳ですけれども、引き続き、国際世論の共感を得られるようなご尽力を戴いて、私達みんなが歴史の評価に耐ゆるような政治決断を重ねて行きたい。私自身もその分を担っていきたいという自らの決意を改めて申し上げ、私、自由民主党の有村治子の質問を終わります。ありがとうございました。
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