連続企業爆破事件を扱った映画『狼をさがして』を街宣右翼が妨害
連続企業爆破事件を扱ったドキュメンタリー映画『狼をさがして』(監督:キム・ミレ)の上映を日本の街宣右翼が妨害したというニュースが韓国で流れたようです。
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機械翻訳ママ
https://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=5187097&
[アンカー]
1970年代、日本帝国主義による戦犯企業にテロを加えた日本人の物語を描いた映画が、このほど日本で公開されました。
韓国人監督の作品で、日本の右翼がこれを「反日映画」とし、露骨な上映妨害に出た。
横浜からファン·ヒョンテク特派員です。
[レポート]
「映画上映が終わるとすぐ中止せよ」
横浜のある映画館の前。
スピーカー付き右翼車がいわゆる「騒音デモ」を起こしています。
日本の右翼デモ:『爆弾テロを繰り返してきた東アジア反日武装戦線』の資金を募金しようとする映画だ。
3月、日本で公開された映画の上映を中止させようと働きかけました。
映画は1970年代、戦犯企業に相次いで爆弾が仕掛けられた日本人の物語を描いています。
「戦犯企業は日本帝国主義の核心に寄生、植民主義に参加して植民地国民の血で体重を増やした」
一連の事件は、加害の歴史を消そうと努力していた日本社会に衝撃を与えました。
右翼がこの映画に激しく反対する理由もここにあります」
先週には映画館に男性2人が訪れ、「反日映画の上映を止めろ」と長時間騒ぎを起こしたりもしました。
劇場関係者:『映画館の中まで入ってきたのに、何が起こるかわからないので怖いじゃないですか。 身辺にとてつもない脅威を感じて非常門を通じて逃げました。
日本国内の30余りの映画館のうち1ヶ所は「騒音などで周りに迷惑をかけて大変だ」として結局映画を下ろしました。
配給会社側は法的対応を検討しています。
【馬奈木厳太郎配給会社諮問弁護士:「威力による業務妨害の疑いです。 刑事事件で警察や捜査機関に確かな調査を依頼しようとしています.]
右翼は3年前にも同じ方式で、慰安婦関連映画'沈黙'の日本国内の上映を妨害したが、裁判所の判決でブレーキがかかったことがあります。
横浜からKBSニュースファンヒョンテクです。
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日本人なら知っていますが、画像のような街宣右翼は暴力団です。
よく、街宣右翼は在日朝鮮・韓国人がやっているとも言われますが、正しくは暴力団にそういう人達が多いと言うだけでしょう。おそらく、このような映画にほとんどの普通の日本人、特に、70年代を多少なりとも知っている人は関心を持っておらず、上映に反対もしないでしょう。
表現の自由の侵害であり、彼らの行動は批判しますが、映画の公式サイトを見て、キム・ミレ監督も勘違いをしているように思いました。
以下、監督のコメントの引用です。
70年代の日本において、戦時中の日本国家に搾取され殺された東アジアの人々の「恨みと悲しみ」を胸に、自らが生活している社会の正義のため正しいと思ったことを行動に移し、最後までやり遂げようとした若者たちがいました。しかし、そのために8名の人が命を失い、多くの負傷者が出ました。彼らは逮捕されたのちに、刑務所の内外で長い期間にわたって、自らのために犠牲になった人々の死に向きあって生きねばなりませんでした。苦痛だったかもしれませんが、幸いにも「加害事実」に向き合う時間を持つことができたのです。8名の死と負傷者たち。それがこの作品の制作過程の間じゅう私の背にのしかかってきました。しかし、彼らと出会うことができて本当に良かったと思います。この作品は、私に多くのことを自問する時間をくれたからです。どう生きれば良いのか、今も考えています。観客の皆さんにも問いが生まれることを期待しています。
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【キム・ミレ氏プロフィール】1964年、韓国生まれ。韓国外国語大学ドイツ語専攻を卒業後、韓国独立協会の運営委員を務める。2000年頃から韓国と日本の労働運動や人権問題に焦点を当てたドキュメンタリー制作を始める。 初の長編作品We are Workers or Not (03)はフリブール国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞。その後、日本の日雇い労働者を描いた『土方』(05)でソウル人権映画祭人権映画賞を受賞。2007年に韓国で起きた女性労働者の占拠運動を描いた『外泊』(09)は山形国際ドキュメンタリー映画祭のアジア千波万波部門特別招待作品に選出された。SANDA: Surviving (14)では韓国のDMZ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀韓国ドキュメンタリー賞を受賞した。
彼女は、犯人達が “日本によって植民地支配された朝鮮人” にシンパシーを抱いていると思っているのかもしれませんが、彼らは単なる革命思想を抱き、破壊行為をする理由をつけていただけです。
1976年には『北海道庁爆破事件』が起こりましたが、その犯行声明の冒頭は、「すべての友人の皆さんへ。私達日帝本国人は アイヌ 沖縄人民 チョソン人民 台湾人民 部落民 そしてアジアの人民に対する日帝の支配を打ち砕いていかなければならない。」というもので、『アイヌ革命論』などの既存の思想に乗っかって、ルサンチマン(弱者などが持つ憎悪や復讐心)を利用しているだけです。
連続企業爆破事件の実行犯が名乗った「大地の牙」、「さそり」、「狼」などという名称からは、“中二病” 的なものを感じます。(Wikipedia『三菱重工爆破事件』も参照)
彼らの行動に何らかの「意義」を見いだそうとしても意味のないことです。
『浅間山荘事件』(1972年)はブログ主が小学生の時の出来事でした。それから、確か20年後だと思いますが、書店に関連書籍が並んでいたので、「彼ら(連合赤軍)が何故あのような事をしなければならなかったのか、もしかしたら、一部は理解できることがあるかも知れない」と思って、2冊ほど(※)購入して読んでみたのですが、語るほどの思想など持ってなかったことを知り、一片の共感も覚えなかった事を記憶しています。
※1冊は極左暴力集団の系譜等の概説から始まって事件全体を追ったもの、もう1冊は元メンバーの一人を取材したもの
今、このドキュメンタリーを観る人も、当時のブログ主のような好奇心かも知れないし、観たい人は観れば良いのです。ただ、監督の “バイアス” がかかっていることに注意すべきです。
70年代の極左暴力集団のテロのひとつであり、これだけ取り出して論じても全く意味がありません。
【映画評】 https://eiga.com/movie/94524/
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以下は『昭和63年 警察白書』より引用
第3節 「テロ、ゲリラ」の根絶を目指して
1 総合的な極左対策の推進
警察は、極左暴力集団による違法行為に対して、これまでも全力を挙げて取締りを行い、社会の秩序の維持を図ってきた。
「70年闘争」を中心とした集団武装闘争に対しては、「第1次羽田事件」等における警察活動を通じて得られた教訓を踏まえ、集団警備力の強化や装備資機材の開発整備を進めるとともに、捜査体制の整備充実を図り、現場での検挙活動を推進した。
また、暴走する極左暴力集団の行動に対して国民の非難の声が高まったのと呼応して、広報等による警察活動への協力確保を図り、また、出撃拠点となっていた大学の封鎖解除を進めた結果、46年ころから集団武装闘争等の街頭闘争は鎮静化していった。
一方、共産同赤軍派や日共革命左派神奈川県委、黒ヘルグループ等の小人数のグループは、革命を目指して直接行動に走り、連続企業爆破事件等の爆弾事件や猟銃強奪事件、金融機関連続強盗事件等を引き起こした。これに対して、警察は、情報収集活動の強化や徹底した被疑者の追跡捜査活動等を推進して、これらのグループ構成員を検挙し、グループそのものを解体した。
しかし、そのような中で、極左暴力集団各派、とりわけ中核派や革労協等既成の大セクトは、46年ころから、組織構成員の大量検挙に伴う闘争力の低下、街頭闘争の行き詰まりや社会における孤立化の中で、闘争後退への危機感や焦燥感を募らせ、内ゲバや「ゲリラ」を専門とする非公然・軍事組織作りを推し進め、集団武装闘争から「テロ、ゲリラ」へと戦術を転換していった。しかし、極左暴力集団は、54年ころから新東京国際空港開港等により闘争主眼を失い、その活動は表面的には低調に推移した。
そして、極左暴力集団は、数年にわたる組織、体制の再編、整備等の時期を経て、59年ころから再び活発な動きを示すようになり、59年以降261件に及ぶ「テロ、ゲリラ」事件を引き起こすに至った。
特に、「テロ、ゲリラ」の攻撃対象は、民間会社、個人宅から、鉄道施設等にまで拡大し、しかも、60年からは、再び爆弾を凶器として使用するようになったことにより、その被害は大きなものとなった。
また、これらの「テロ、ゲリラ」が、小さな組織ではなく、闘争力量の面で格段の相違がある中核派等の大セクトにより行われるようになったこと、その専門部隊である非公然・軍事組織により、極めて厳しい防衛を行いながら計画的に行われるようになったこと、発射装置を用いて爆発物等を遠距離から攻撃対象に撃ち込むなど一層巧妙となったことなどから、警戒警備や犯人の検挙等の警察活動の面で、新たな対策を講じることが必要となった。
このため、警察では、61年5月4日の「迎賓館に向けた爆発物発射事件」を契機に、緊急対策を講じ、極左暴力集団の非公然・軍事組織を壊滅して「テロ、ゲリラ」を根絶するため、国民及び関係機関、団体の理解と協力を呼び掛けながら、総合的な極左対策を推進している。
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