前回のエントリーの続きです。この答えは2018年9月に韓国による研究で既に出ており、13日付で各社報じています。
日本のソメイヨシノの起源は済州(チェジュ)にあるという主張が提起されてきたが、ゲノム分析を通じて日本のソメイヨシノと済州の「ワンボンナム(王桜)」は異なる種であることが確認された。これを受け、110年間続いてきた論争はやや呆気なく終止符を打つことになった。
山林庁国立樹木園は明知大・嘉泉大学チームと共同で済州に自生する王桜のゲノムを完全に解読し、その研究結果を含む論文を世界的ジャーナル『ゲノムバイオロジー』9月号に掲載したと13日、明らかにした。
(2018年9月13日付け『中央日報』:済州か日本か…ソメイヨシノ起源めぐる110年論争に終止符/韓国語:제주도? 일본?…왕벚나무 원산지 110년 논란 종지부)
上記は原文では「ソメイヨシノ」の部分は「왕벚나무」(ワンボンナム、つまり王桜)と書かれています。
それはさておき、では、どう違うのでしょうか?
9月13日付ハンギョレ新聞に詳しい記事が出ているので、後述しますが、先にまとめると、
- ソメイヨシノは江戸末期に染井村=現・東京都豊島区=で創り出された、エドヒガン(母系)と伊豆七島に自生するオオシマザクラ(父系)とを交配させたF1(=第1世代の)ハイブリッド(=雑種)であり、園芸種。
学名は、「Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. et Suzuki」。
- 済州島のソメイヨシノこと「王桜」は、自生するエドヒガン(母系)とオオヤマザクラ(父系)が自然に交配してできたF1ハイブリッド。
学名は「Cerasus ×nudiflora (Koehne) T.Katsuki & Iketani」。
です。
済州島の場合、F1である「王桜」が母系または父系となり、エドヒガン(母系)とオオヤマザクラ(父系)と更に交雑して、F2(第2世代の)ハイブリッドも生まれていることが分かりました。割合はF1が81%だそうです。
以下、ハンギョレの記事を機械翻訳してご紹介します。(一部誤訳を訂正/念のためサクラの名称は原文の単語を付記。)
◇ ◇ ◇ ◇
この記事の元となった論文は『Genome Biology』に掲載された「Draft genome sequence of wild Prunus yedoensis reveals massive inter-specific hybridization between sympatric flowering cherries」(Published: 04 September 2018)という論文です。
http://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/ecology_evolution/861962.html#csidxa29c8486e2885708af49f9f243ccba4
韓日「桜の元祖」論議終わり? 済州ソメイヨシノ「誕生の秘密」を確認
登録:2018-09-13 15:57修正:2018-09-13 23:00
(前略)成均館大生命科学科のキム·スンチョル教授チームは2014年に『アメリカ植物学会誌』に掲載された論文で済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム)が自生するエドヒガン(올벚나무/オルボンナム)を母系に、オオヤマザクラ(벚나무/ボンナム:サクランボのなる木、ヤマザクラ)を父系に自然に形成された雑種だと明らかにした。 彼らはソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の一部の遺伝子と葉緑体の分析を通じてこのような結論を得たが、日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) に関する研究は後続課題として残した。
国立樹木園の支援の下、明知(ミョンジ)大学·嘉泉(カチョン)大学の研究者が参加し、ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の全体ゲノムを解読した研究結果が科学ジャーナル「ゲノムバイオロジー」9月号に掲載された。 同研究では、済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) と隣接種はもとより、日本で初めてソメイヨシノが記録された東京大学付属植物園(小石川植物園)からソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の標本を確保し、分析した。 研究者らは13日「完全な遺伝体を比較した結果、済州ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) と日本ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) ははっきりと区別される異なる植物」という結論を下したと明らかにした。
【上】済州(チェジュ)のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) と日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) 、他の桜の近縁種の間の遺伝的分化の程度を示すグラフ。 ペク·スンフン他(2018)「ゲノムバイオロジー」提供(日本語や矢印はブログ主が追加したもの)
主著者の一つであるチェ·ギョン国立樹木園博士は「済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) と日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の間に遺伝的な錯綜はないことが分かった」と述べた。 これまで出回っていた済州のソメイヨシノが日本に渡って日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) になったとか、その逆だという主張は遺伝的根拠がないことが明らかになったわけだ。
著者で明知(ミョンジ)大学生命科学情報学科のムン·ジョンファン教授は「今回の自生ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) のゲノム解読を通じて、ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) をめぐる原産地と起源に関する論議を終えることができると期待する」とし「済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) は済州のもので、日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) は日本のもの」と述べた。 「通りと公園に植えた数多くの桜は日本で改良した吉野(요시노/ヨシノ)品種だが、刈り取るなど敵対的になる必要はない」とし「桜の起源を知って楽しめばいい。 木に何の国籍があるのか」と付け加えた。
今回の研究で、済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) は、エドヒガン(올벚나무/オルボンナム)を母系に、オオヤマザクラ(벚나무/ボンナム)を父系に生まれた第1世代の自然雑種であることが確認された。 同じ桜の中のこれらの種は3キロ範囲でともに分布し、3月末~4月中旬までの2週間の開花期が一部重複して雑種化する条件が整っていると研究者は明らかにした。 このような交雑の機会は稀に訪れるが、したがって済州ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の全体個体数は約200個体に過ぎない。
それなら、エドヒガン(올벚나무/オルボンナム) とオオヤマザクラ(벚나무/ボンナム) はどのようにして種の障壁を越えて雑種を成すことができたのだろうか。 研究者らは「桜(벚나무/ボンナム) は自分の花粉が雌しべに付いても芽を出さないようにする自家受粉抑制装置(자가수분 억제 장치)が施されているが、近い他の種には受粉(꽃가루받이)を認める特性があることが今回の研究で明らかになった」と明らかにした。 ムン教授は「このように近親交配を防ぎながら種間交配に柔軟性を与えたのは島という孤立した環境に適応した結果である可能性がある」と説明した。
自生する桜や桜の自然雑種として生まれた済州(チェジュ)のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) は、自然的に新しい種が誕生する証拠として学術的価値が大きいと、研究者らは明らかにした。 済州ソメイヨシノの81%はこうした第1世代の雑種で、残りはソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) が副·苗のエドヒガン(올벚나무/オルボンナム) やオオヤマザクラ(벚나무/ボンナム) とまた雑種を成す逆交配雑種で、雑種化が活発に進んでいる。
【上】済州ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の雑種形成過程。 ペク·スンフン他(2018)「ゲノムバイオロジー」提供(日本語はブログ主が追加したもの)
チェ·ギョン博士は「今回の研究は野生木本植物の中では世界で初めて済州ソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) の全体ゲノムを解読したという点で意味がある」と述べた。 植物のゲノム研究は、主に農作物などの草本と木のうち、リンゴなどの果実樹を対象に行われただけで、野生の樹木は優先順位から外された。
一方、今回の研究対象である済州のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) 記念木のうち1本は、ゲノム分析の結果、済州自生種ではなく日本栽培種とほぼ同じことが分かった。 この木は根元周囲3.45mの巨木で木の形と開花形質に優れ、2015年に国立山林科学院と済州島がソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) 資源化の基準となる'親の木'に指定した個体だ。 研究者らは、栽培していた日本のソメイヨシノ(왕벚나무/ワンボンナム) がどのような理由から、漢拏山に移されたものと推定している。
◇ ◇ ◇ ◇
無理矢理「벚나무」を 「オオヤマザクラ」と訳しましたが、ハングルではサクラの品種を示す語が貧弱なのが分かると思います。
おそらく、これを読んでも韓国人は理解できないでしょう。サラッと、通りや公園に植えられているのは「吉野品種」つまり、明らかに日本から移植された桜だとも言っています。
更にブログ主が呆れたのは、以下の部分。そんなことを今(2018年)に知ったのか?と。
>研究者らは「ヤマザクラは自分の花粉が雌しべに付いても芽を出さないようにする自家受粉抑制装置が施されているが、近い他の種には受粉を認める特性があることが今回の研究で明らかになった」と明らかにした。
と言うか、そもそも、今まで済州島に自生する桜を研究したことが無かったのか?
日本統治時代に持ち込まれたソメイヨシノは知っていたはずです。済州島にも良く似た桜が自生しているのを見て、学問的探究心が芽生えなかったのか? 調べもせずに、何故いきなり「起源」を主張するのか?
下は、前回のエントリーで掲載した画像ですが、王桜の学名には日本人の名前が入っています。つまり、これが新発見の品種だと発見されたのは日本人の学者によるものです。植物学会が認めた経緯があるはずで、何故それを調べずに、思い込み(願望)だけで否定するのか?
2021/03/31にGoogle検索した結果のキャプチャ
不思議ですが、少し思いあたる事があります。
桜ではないのですが、ブログ主はある本、確か、鄭大均氏の本だったかと思いますが、日本人は子供ですらセミの鳴き声を聞いて、複数のセミの名前を言うけれど、韓国人はセミの種類を知らない、興味がないということを知りました。儒教の影響で、韓国人の関心は「人間」に対してのみで、「自然物」ではない、という趣旨のことが書いてありました。
シンシアリーさんのブログにも『「桜」、韓国では表記すら安定していない』というエントリーがありました。ネット上で「桜」に当たる単語の誤記が多いのだそうです。
こういう事なのかも知れません。
それと、上のハンギョレの記事レベルの文章を、どれほどの韓国人が理解できるのか?という疑問があります。
同じくシンシアリーさんのブログで『久しぶりの文解力(読解力)関連記事』という記事があり、それによると、「学生がガジェ(仮題)、ピョンロン(評論)、キドゥククォン(既得権)、ヤンブン(養分)、チャドゥン(差等)、ジキン(職印)、ウィファガム(違和感)のような単語を正しく理解できない」のだそうです。
日本人なら、「仮題」を初見で「仮の」+「題」と理解します。「仮題」の意味を暗記する必要がある日本人はいないでしょう。英語でも「tentative(暫定的な) title」なので、同じ表音文字でも2つの単語の組み合わせだと理解し、意味も類推できるでしょう。しかし、「ガジェ(가제)」だけでは「仮+題」とはすぐには分からないようです。実際にこのガジェという単語は、「仮題」以外に、「加減」(足すことと引くこと)と「添削」の意味があります。
ここで気付かれた方もいるかと思いますが、英語は実は視覚的には語句を「訓読み」しているようなものなのです。一方、ハングルは表音文字のため、元は同じ漢字でも、音読みと訓読みが別々の文字で表記されるため、意味の共通性がすぐには分からないのでしょう。
シンシアリーさんが訳した元記事を読んだら、読者のコメントに、「詰め込み教育が批判され、最近は『単語暗記学習』をさせないから、語彙力が低下している」と嘆く声があり、驚きました。
日本人で、仮題や加減、添削といった単語を“暗記”する人などいるでしょうか? 中学生くらいの子供が「添削」を「てんさく」と読めないことがあっても、これを単語として授業で“暗記”することは想像がつきません。
詳しい記事があっても、読めない、読まない人は、日本人よりは多そうです。
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更に余談ですが、日本では盆栽で「実もの」を育てる人は結構多いと思います。下は姫リンゴの盆栽の検索結果。(各画像について調べていないので、姫リンゴではない画像が混ざっている可能性があります。)
ソメイヨシノと同じバラ科である姫リンゴは自家受粉しないのです。
それで、上のような実のなった姿を鑑賞したい場合、開花期が同じ別の品種(大抵は「海棠(カイドウ)」を一緒に育て、カイドウの花粉を姫リンゴの花に付けて受粉させます。
盆栽が趣味だったブログ主の父がまさにこれをやっていたので良く覚えています。
今回、カイドウの盆栽も画像検索してみましたが、実がなっている画像があまり多くなかったのは、カイドウは実が大きくならないのかもしれません。ブログ主の父もカイドウの盆栽に実を付けさせることにはあまり興味がなかったようです。花は桜のようできれいなので、開花だけ楽しむものとしていたのでしょう。(結実させるというのは鉢の小さな盆栽には負担になります。)
姫リンゴに限らずリンゴを盆栽に仕立てて、小さな木に大きな実を生らせるのが醍醐味なのかも知れませんね。
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原文
http://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/ecology_evolution/861962.html#csidx31a37ceee53a54bb9bd616fa261484c
한·일 ‘벚꽃 원조’ 논란 끝? 제주 왕벚나무 ‘탄생의 비밀’ 확인
등록 :2018-09-13 15:57수정 :2018-09-13 23:00
프랑스인 신부 타케가 제주도에서 왕벚나무를 발견한 것은 일본강점기 직전인 1908년이었다. 반세기가 지난 1962년 식물학자인 박만규 국립과학관장은 “벚꽃은 우리 꽃-한라산이 원산지”란 주장을 폈고, 실제로 한라산에서 우리나라 연구자로서는 처음으로 왕벚나무 자생지를 확인했다. 이로부터 벚나무의 ‘제주 원산지론’은 국민적 상식이 됐다.
벚나무는 일제히 피우는 화려한 꽃과 아름다운 나무꼴 덕분에 우리나라뿐 아니라 세계적으로 가로수와 공원수로 인기가 높다. 그러나 여의도 윤중제나 진해의 벚나무를 비롯해 전국에 심은 벚나무 대부분은 일본산 왕벚나무였는데, 제주 왕벚나무가 그 원조라는 주장이 그런 찜찜함을 가시게 해 주었다.
한라산에서의 자생 왕벚나무 탐사를 앞두고 박만규 국립과학관장이 <동아일보>에 한국이 벚나무의 기원임을 주장하는 글을 실었다. 네이버 기사 라이브러리 제공.
한국 원조론에 맞서 일본에서도 일본산 벚나무의 야생 원종을 찾아 전국을 뒤졌지만 실패했다. 일본 왕벚나무는 1700년대 도쿄 근처에서 자생종인 올벚나무와 오오시마벚나무를 인위적으로 교배해 만든 품종임이 밝혀졌다. 한국과 일본의 왕벚나무가 형태상으로 비슷하고 일본에서 못 찾은 자생지가 한라산에 있다면, 제주의 왕벚나무는 세계로 퍼진 일본 왕벚나무의 원조라고 할 만하다.
그러나 이런 ‘상식’은 과학적으로 뒷받침되지 않았다. 한라산 왕벚나무가 어디서 기원했는지, 두 왕벚나무가 과연 같은지 유전적으로 밝히는 연구가 본격화한 것은 최근의 일이다.
김승철 성균관대 생명과학과 교수팀은 2014년 ‘미국 식물학회지’에 실린 논문에서 제주 왕벚나무가 자생하는 올벚나무를 모계로, 벚나무(또는 산벚나무)를 부계로 자연적으로 형성된 잡종이라고 밝혔다. 이들은 왕벚나무의 일부 유전자와 엽록체 분석을 통해 이런 결론을 얻었지만, 일본 왕벚나무에 대한 연구는 후속 과제로 남겼다(▶관련 기사: 때 되면 한-일 원산지 논쟁, 벚꽃에게 물어봐!).
국립수목원의 지원 아래 명지대·가천대 연구자가 참여해 왕벚나무의 전체 유전체(게놈)를 해독한 연구결과가 과학저널 ‘게놈 바이올로지’ 9월호에 실렸다. 이 연구에서는 제주의 왕벚나무와 인접 종은 물론 일본에서 최초로 왕벚나무가 기록된 도쿄대 부속 식물원(고이시카와 식물원)에서 왕벚나무 표본을 확보해 분석했다. 연구자들은 13일 “완전한 유전체를 비교한 결과 제주 왕벚나무와 일본 왕벚나무는 뚜렷하게 구별되는 서로 다른 식물”이라는 결론을 내렸다고 밝혔다.
제주 왕벚나무와 일본 왕벚나무, 다른 벚나무 근연종 사이의 유전적 분화 정도를 보여주는 그래프. 백승훈 외 (2018) ‘게놈 바이올로지’ 제공.
주 저자의 하나인 최경 국립수목원 박사는 “제주 왕벚나무와 일본 왕벚나무 사이에 유전적 뒤섞임은 없는 것으로 나타났다”고 말했다. 이제까지 나돌던 제주의 왕벚나무가 일본으로 건너가 일본 왕벚나무가 됐다거나 그 반대라는 주장은 유전적 근거가 없음이 밝혀진 셈이다.
교신저자인 문정환 명지대 생명과학정보학과 교수는 “이번 자생 왕벚나무 유전체 해독을 통해 왕벚나무를 둘러싼 원산지와 기원에 관한 논란을 마무리할 수 있을 것으로 기대한다”며 “제주의 왕벚나무는 제주 것이고 일본의 왕벚나무는 일본 것”이라고 말했다. 그는 “거리와 공원에 심은 수많은 벚나무는 일본에서 개량한 요시노 품종이지만 베어내는 등 적대적일 필요는 없다”며 “벚나무의 기원을 알고 즐기면 된다. 나무에 무슨 국적이 있느냐”고 덧붙였다.
이번 연구에서 제주 왕벚나무는 올벚나무를 모계로, 벚나무를 부계로 태어난 1세대 자연 잡종임이 확인됐다. 같은 벚나무 속의 이들 종은 3㎞ 범위에서 함께 분포하며 3월 말∼4월 중순까지 2주 동안의 개화기가 일부 중복돼 잡종화할 조건이 갖춰져 있다고 연구자들은 밝혔다. 이런 교잡의 기회는 드물게 찾아오며, 따라서 제주 왕벚나무의 전체 개체수는 약 200개체에 불과하다.
그렇다면 올벚나무와 벚나무는 어떻게 종의 장벽을 넘어 잡종을 이룰 수 있었을까. 연구자들은 “벚나무는 자신의 꽃가루가 암술에 묻더라도 싹이 트지 못하게 하는 자가수분 억제 장치가 돼 있는데, 가까운 다른 종에는 꽃가루받이를 허용하는 특성이 있음이 이번 연구로 밝혀졌다”라고 밝혔다. 문 교수는 “이처럼 근친교배를 막으면서 종간 교배에 융통성을 부여한 것은 섬이라는 고립된 환경에 적응한 결과일 가능성이 있다”라고 설명했다.
자생하는 올벚나무와 벚나무의 자연 잡종으로 태어난 제주 왕벚나무는 자연적으로 새로운 종이 탄생하는 증거로서 학술 가치가 크다고 연구자들은 밝혔다. 제주 왕벚나무의 81%는 이런 1세대 잡종이고, 나머지는 왕벚나무가 부·모 종인 올벚나무나 벚나무와 다시 잡종을 이루는 역교배 잡종으로 잡종화가 활발하게 진행되고 있다.
제주 왕벚나무의 잡종 형성 과정. 백승훈 외 (2018) ‘게놈 바이올로지’ 제공.
최경 박사는 “이번 연구는 야생 목본 식물 가운데는 세계에서 처음으로 제주 왕벚나무의 전체 유전체를 해독했다는 점에서 의미가 있다”고 말했다. 식물의 게놈 연구는 주로 농작물 등 초본과 나무 가운데는 사과 등 과실수를 대상으로 이뤄졌을 뿐 야생 수목은 우선순위에서 밀렸다.
한편, 이번에 연구대상인 제주의 왕벚나무 기념목 가운데 한 그루는 게놈 분석 결과 제주 자생종이 아니라 일본 재배종과 거의 같은 것으로 드러났다. 이 나무는 밑동 둘레 3.45m의 거목으로 나무의 모양과 개화 형질이 뛰어나 2015년 국립산림과학원과 제주도가 왕벚나무 자원화의 기준이 되는 ‘어미나무’로 지정한 개체다. 연구자들은 재배하던 일본 왕벚나무가 어떤 이유에선가 한라산으로 옮겨진 것으로 추정했다.
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