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2021/03/15

【ラムザイヤー論文・保坂祐二・金柄憲所長】既に場外乱闘の模様を呈してきた慰安婦議論

前回のエントリーのその後の状況をメモしておきます。

 

◆ラムザイヤー教授、追加の文章を準備中

前回書いたように、ラムザイヤー教授の論文は反論に対する教授の回答の期限が3月末となり、紙の雑誌の出版は4月にずれ込みましたが、出版される事に変わりはありません。シンシアリーさんの3月9日付ブログによると、ラムザイヤー教授は論文を補足する文章を準備中とのことです。

 

ラムザイヤー教授は(同僚教授へのメールで)「どのような内容を私が論文に入れ、除外したのかと、なぜそのような決定をしたのかについて、透明に説明する文と資料を準備中だ」と伝えた。先に彼は先月中旬ハーバードクリムゾンに2回メールを送信自分の論文を擁護する短い文章を準備中で、近いうちに完成すると紹介した。

 

このように書かれては、「その文章を発表するな」とは言えず、公開されたらされたでまた議論を呼ぶことは必須なので、面白くなりました。

 

◆李承晩TV、ラムザイヤー論文の批判に対する反論動画を公開

『反日種族主義』の執筆陣が運営する『李承晩TV』で、ラムザイヤー論文に反論する学者の論理がどれほどお粗末なものかという解説動画(日本語字幕版)がupされました。

一つは主にアメリカの学者、もう一つの動画は日本の吉見義明・中央大学商学部名誉教授です。

 

吉見教授の論点は、①慰安婦は奴隷だ、②日本軍の関与(よって、日本軍の責任)ということですが、朱益鍾先生に簡単に論破されています。

 

20210315_yoshimi01
20210315_yoshimi02

 

朝鮮の慰安婦問題については、どうしても素人娘(を装った?)元慰安婦ばかりが取り沙汰されますが、個人的には、慰安婦の大半は既に朝鮮にたくさんいた売春婦が応募したのではないかと思っています。

併合前の1894年に出版された『朝鮮雑記』(本間九介著)によると、キーセン(妓生)は官吏(両班)向けの芸者兼売春婦で、それ以外に私娼がいたことが書かれています。「妻を客人に勧める」という章では、ひと月10円で貸し出していたという記述があり、資本主義が発達していない社会なりに既に売春ビジネスがあったのですから。1920年代には既に中国に遠征する売春婦(←どこで読んだかど忘れしたので、要確認)もいました。

朝鮮戦争慰安婦についても、後に朝鮮人兵士が「職を失っている売春婦に働く機会を与えてやった人道的措置」のようなことを嘯いており、また、先進国にも関わらず、世界で1,2を争う売春婦輸出大国なのに、なんで、日本統治時代だけ、貞淑な乙女ばかりいたと思うのか、不思議です。

教育程度が低く、特別な技術を持たない男が肉体労働をして金を稼ぐように、売春は女にとって手っ取り早く金を稼ぐ方法の一つです。

上記動画のコメントは大半が解説に納得しているのですが、一部、どうしても「我が民族の女性が自分から進んで売春婦になるはずがない!日帝が強制したに違いない!」という閑雅に固執している人がチラホラいます。性をタブーとする儒教から離れられないのでしょうか。

 

◆金柄憲所長と保坂祐二元世宗大学教授の場外バトル

国史教科書研究所の金柄憲(キム・ビョンホン)所長のグチ交じりの『メディアウォッチ』のコラムがちょっと面白かったので、全文ご紹介します。金所長が保坂祐二にターゲットを絞っているのは、彼の本が稚拙で攻撃しやすいからだと思います。(機械翻訳+単語を確認して一部修正)なお、保坂氏は大学を定年退職したようです。

 

https://www.mediawatch.kr/news/article.html?no=255421
【コラム】指摘するのも恥ずかしい保坂祐二教授を批判
慰安婦問題を解決するどころか、むしろ一層かく乱して

メディアウォッチ編集部 mediasilkhj@gmail.com
登録 2021.03.15 09:32:36

【キム·ビョンホン韓国史教科書研究所所長】

保坂祐二の文章を指摘するたびに、心の中で「もうやめよう」と念をおしながらも、新しく発表される彼の文章を見ると、再びキーボードを叩くようになる。 常に、彼の文章には歴史的事実に無知だったり、史料を間違って理解したり、わずか数日前の言葉を変えるなど、研究者としての資質を疑うに十分な内容が含まれているためだ。 この3月12日、正義記憶連帯が主催した"ラムザイヤー教授'事態'を通じて本アカデミー歴史否定論"というテーマの画像の討論会で彼が発表した"公娼制と日本軍'慰安婦'制度の違い"というタイトルの文章も例外ではなかった。

▲(画像省略)慰安婦性奴隷説派らは最近、随時討論会などを開き、結束を誇示している。 しかし、議論の内容はほとんど糾弾や憤りなどの感情表出を中心に、「団結大会」のレベルだという評価が出ている。


まず、1938年2月7日の「時局利用、婦女自由誘拐事件に関する件」という文書について、「日本軍が業者を雇って女性たちを誘拐した」としたが、これは明らかな嘘である。 日本軍は民間業者に慰安所の運営を依頼しただけで、直接雇用しておらず、女性を誘拐することもなかったためだ。 もし、軍人が民間人の女性を誘拐したなら、重大な戦争犯罪として戦法裁判に送られ、法廷最高刑に処されて十分なことだ。 さらに、該当文書には、婦女誘拐容疑で取り調べを受けた民間業者から容疑が発見されず、別途の措置を取らなかった。 なのに、どうやって「女性たちを誘拐した」と言うのか理解できない。

"結論的に言えば、'性売買契約書'は日本内や朝鮮内には存在したかも知れないが、海外に送る女性については存在しなかった。"(保坂祐二、2021.3.12.公娼制と日本軍慰安婦の提案の差)"-'慰安婦ピヘジャ法'第2兆1項(定義)


保坂祐二は3月1日、宋永吉議員ら36人が連名で、ハーバード大学総長に宛てた「ラムザイヤー教授の論文に対する抗議書簡」と3月6日、自分のフェイスブックで、「朝鮮の女性は文字が分からないため、契約書自体は書けなかった」と主張したが、1週間も経たないうちに上記のように「朝鮮には存在していたかもしれないが」という巧妙な表現で全面否定を部分否定した。 そして、「海外に送る女性に対しては契約書が存在しなかった」としたが、彼が主張する「契約不存在」「強制連行」「誘拐」などは、すべて事実ではない。

当時、朝鮮で「醜業」〔※추업(売春婦)を目的に渡航しようとする際には、身分証明書の発給を受けなければならず、同証明書発給の申請の際には、稼業契約の確認が必須だった。稼業契約が確認されなければ身分証明書の発給を受けることができず、身分証明書がなければ渡航できないのは当然である。 さらに、発給の際は同一戸籍内にある最も近い存続または戸主の承認を得なければならず、渡航希望の婦女子に現地で醜業に従事するという事実を必ず説明するようにした。

上海を経由して現地に渡来(入国)〔※도래(입국)する時にも手続きが厳格なのは同じだった。 写真2枚を添付した臨時酌婦〔※작부営業許可員と親権者の署名と捺印のある承諾書、戸籍謄本、酌婦従事者に対する調査書などの書類を提出し、許可を受けなければならなかったためだ。 もちろん、このすべての書類も国内であらかじめ準備しなければならないのは同じだった。 このような厳格な手続きを経て、駐屯地、慰安所では慰安婦として働くことができたので、誘引、誘拐、拉致のような犯罪行為への渡航をして慰安婦になるというのは事実上不可能に近かった。

その中で最も重要な文書が、酌婦稼業契約書としての大半を紹介業者が作成するか、既存の印刷様式に必要事項を記入するだけだった。 「当然、文字が分からないから契約書を作成できなかったはず」という保坂の主張は、実情を知らずについたうそだ。 保坂の主張通りなら、8割を超える文盲国民は契約による取引が全くできなかったことになる。 それが可能なことなのか聞きたい。

次に、保坂はラムザイヤー教授が娼妓〔※창기(=売春婦)契約と酌婦契約を同じ性売買契約と断定したのは致命的な過ちだと主張した。 日本軍慰安所の慰安婦は酌婦契約書を作成したが、酌婦は売春をすることができなかったのに性売買契約と言えないというのだ。 だが、これも酌婦の概念をよく知らずに言った言葉だ。

1920年代とは違い、1930年代には芸娼妓と酌婦の境界が曖昧になり、酌婦の売春が黙認され、1937年、日本ではすでに酌婦が娼妓と同じ意味で認識されていた時期だった。 承諾書に「酌婦は娼妓と同じ」と付記してその業務内容を明らかにしたことが、これを証する。 ところがこれに対し保坂は、業者が無知な女性たちを欺き、後で起こりうる法的問題を未然に防止するために「娼妓と同一」という文言をこっそり入れたものとみられると述べた。 保坂の主張どおりなら、醜業目的で渡航する全ての女性たちが、虚偽のフレーズを挿入したことになる。

▲〔画像省略〕支那渡航婦女取締に関する件 - 日本軍慰安婦問題資料集(1), 2020

保坂は、他人を欺くために偽りの文句を挿入したというが、昭和十三年六月二十五日(1938年6月25日)付の「支那渡航婦女の取り締まりに関する件」では、「酌婦は内地の娼妓の如し」と明示している。 さらに、「醜業を目的とする父娘の渡航のために身分証明書を発給する際には、稼業契約その他諸事項を調査し、父娘の売買や略取、誘拐などの事実がないように特に留意すること」を注文した点を見ても、保坂の主張は全く説得力がない。

保坂祐二は、自身の発表文でラムザイヤー論文に対し、「致命的」という用語まで用いて誤りであると主張したが、いざ最初から最後まで誤りを犯したのはラムザイヤー教授ではなく、保坂自身であった。 何よりも、このような保坂氏の誤りは今回の発表文に限ったことではなく、放送や出版物などを通じて継続的に繰り返されているという点にその深刻さがある。保坂の慰安婦問題に対する歪曲と誤りは結局、乱麻のようにもつれた慰安婦問題を解決するどころかむしろもっとこじれさせる役割をしている。 一日も早く自分の過ちを悟らせ、反省する日が来ることを期待する。

 

この中で2種類の通達に言及されているので、後ほど確認しておこうと思います。

慰安婦は外地で働くので、とりわけその渡航には厳しかったという事があらためて分かります。従って、金学順のように親から女衒に売り払われて親権が移った場合や親が承諾した場合以外、例えば、李容洙(イ・ヨンス)のような、「ワンピースと靴に惹かれて男に付いていった」ような家出娘のケースは書類を整えることができず、従って、彼女は日本軍慰安婦ではなく、単なる売春婦だったのではないかと思います。

 

◆柳錫春(リュ・ソクチュン)元延世大学教授の公判

この件はシンシアリーさんのブログ「リュ・ソクチュン教授の公判、慰安婦問題討論の場に」に『ペン&マイク』の記事が翻訳されていますが、講義中に「慰安婦は売春婦の一種」という発言をして名誉毀損で訴えられた柳元教授の公判の様子をレポートした記事です。タイミング的に、ラムザイヤー教授の論文の代理裁判のような形になっています。

リュ教授は最近ネットメディアに出演されてラムザイヤー教授の論文について解説されたりしているので、かなり理論武装されています。一方、検察側証人は相変わらず「ハルモニの証言」(信憑性に欠ける)、「クマラスワミ報告」(吉田清治の証言をベースにしている)、「河野談話」(政治的発言で証拠にはならない)を振りかざすだけで、括弧内に書いたように、リュ教授は余裕で論破しています。まともな国の司法でしたら、裁判にすらならないのではないかと思いますが、韓国はまともな国ではないので、『帝国の慰安婦』の著者・朴裕河(パク・ユハ)教授の例もあり、予断は許せません。

 

  

  


 

 

 

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