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2021/02/03

【ラムザイヤー論文】韓国メディアや韓国人の反応/ディスカッション・ペーパー「COMFORT WOMEN AND THE PROFESSORS」

◆韓国メディアの報道とその反応

産経新聞が報じたラムザイヤー教授の論文の記事は、前回のエントリーに書いたように、まず『韓国経済』がほぼ全文を引用した記事を書き、保守系ネットメディアの『ペン&マイク』が報じました。(前回エントリーにリンクを貼った『シンシアリーのブログ』参照)

前回も韓国人読者の反応について書きました、もう少し考察してみたいと思います。

 

産経の記事については、1日経って、ようやく大手メディアが報じ始めましたが、シンシアリー氏によると、「河野談話と違う!の大合唱」だそうです。(『韓国マスコミ、「ラムザイヤー教授の論文は『河野談話』と違う」を積極的に強調』)

上記ブログでは引用されていない大手メディア、『中央日報』や『朝鮮日報』も報じました。

以下の『カイカイ反応通信』の翻訳記事はNAVERの翻訳ですが、元記事は中央日報のこちらの2月1日付(最終更新2日)の記事("위안부, 성노예 아닌 매춘" 하버드 교수 논문 파문…日 "큰 의미"

下記は朝鮮日報の記事です。

  1. 「慰安婦は性奴隷ではなく売春」…日本政府から叙勲されたハーバード大学教授の論文が波紋(記事後述/リンク先は韓国語記事)
    ※日本語版では「叙勲」と書かれてますが、韓国語版は「旭日章」となっている。
     
  2. '慰安婦売春'ハーバード教授、2年前にも強制動員は奇妙な主張"(原題:‘위안부 매춘’ 하버드 교수, 2년 전에도 강제 동원은 기묘한 주장”/これに関しては後述)

 

ブログ主はこれらの記事のコメント欄をざっと見てみました。

朝鮮日報以外は、ラムザイヤー教授に「肯定的:否定的」の比率は、数えたわけではありませんが、感覚として、1:9か0.5:9.5。

面白いことに、朝鮮日報の記事に直接付けられたコメントではこの比率が逆転して、8:2くらい。

NAVERでは10件に1件、肯定的なコメントがあるかないかと言ったところです。共感/非共感の数を加味したら、更にその比率はNAVERも朝鮮日報も開きます。

韓国では、イデオロギーによってコメントする掲示板も分かれているので、おそらく左派の掲示板もチェックしたら、ラムザイヤー教授の論文に批判的な韓国人は限りなく100%に近くなるのではないでしょうか。

 

コメントの傾向としては、肯定的な意見は、朴 裕河教授の『帝国の慰安婦』や『反日種族主義』を引き合いに出したり、自称元慰安婦の証言に信憑性が無いこと、正義連がやっていること(慰安婦をダシにして金儲け)などを理由にしており、確実に事実をきちんと把握していると思われるコメントが目立ちました。また、反論するなら感情ではなく、実証的に行うべきという意見もありました。

一方、否定的な意見は「日本から金を貰っているのだろう」とか「18歳まで日本で過ごしたから親日派だ」のような、内容ではなく個人を批判するものが多いようです。メディアや教科書で得た(誤った)知識を書いて反論する人もいます。

親日のアメリカ人が書いたと言うことで偏向しているというなら、韓国の学者が書いたものはどうなんでしょうか?w

 

これを、「少ないけれど、事実に目覚めた韓国人もいる」と肯定的に捉えるか、「やっぱり、殆どの韓国人は無知だ」と否定的に捉えるかはお任せします。(一応、ブログ主は前者です。)

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

◆ラムザイヤー教授のディスカッション・ペーパー「COMFORT WOMEN AND THE PROFESSORS」

さて、もう一つのテーマは掲題のディスカッション・ペーパーです。ディスカッション・ペーパーとは、議論を喚起するためのもので、論文とは異なるのですが、内容は、慰安婦に関する様々な教授・専門家の意見を集めたもので、章立てを見ると今回発表した論文と類似しています。

従って、おそらくこれをベースに今回発表した論文が書かれたのではないかと思われます。

これは公開されており、http://www.law.harvard.edu/programs/olin_center/papers/のサイトの2019年→No.995からダウンロードできます。(PDFのURL:http://www.law.harvard.edu/programs/olin_center/papers/pdf/Ramseyer_995.pdf

論文には含まれないでしょうが、吉田清治の証言や朝日新聞、挺対協などについても書かれているので、前回のエントリーでご紹介した『Japan Forward』の寄稿文『Recovering the Truth about the Comfort Women』のベースにもなっているようです。

このディスカッション・ペーパー巻末の参考文献一覧は論文の参考文献にもなっていると思われます。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/02/2021020280017.html
「慰安婦は性奴隷ではなく売春」…日本政府から叙勲されたハーバード大学教授の論文が波紋
2021/02/02

 知日派に分類される米国ハーバード大学ロースクールの教授が、日本軍「慰安婦」被害者は強制動員された性奴隷ではなく売春だったという内容の論文を発表した。日本軍慰安婦被害者を性奴隷と規定した国際社会の普遍的認識だけでなく、日本政府が慰安婦動員の強制性を認めて謝罪した1993年の河野談話とも反する内容で、論争が予想される。

 ハーバード大学のジョン・マーク・ラムザイヤー教授は、3月に出版予定の学術誌「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」第65巻に「太平洋戦争における性契約(Contracting for sex in the Pacific War)」というタイトルの論文を掲載した。

 論文情報サイトに載った抄録によると、ラムザイヤー教授は、慰安婦の女性たちと雇用主である慰安所は契約関係にあり、その契約の力学関係を調べると、両者には与えられた条件下で相手と相互作用しつつ最大限の利益を追求するという「ゲーム理論」の論理が反映されていた、と主張した。

 ラムザイヤー教授は、女性たちは戦時売春に随伴する危険と評判上の被害を相殺する条件を要求し、慰安所は直接監視できない環境で女性たちが十分かつ熱心に仕事をする動機を付与しなければならなかった-と明らかにした。こうした相互要求を充足するため、女性たちと慰安所は、十分な収益を創出した場合にあっては女性たちが早期に離れることを可能にする条件や、1-2年分の巨額の前払い金などを組み合わせた雇用契約を結んだというのだ。

 ラムザイヤー教授は、1954年に米国シカゴで生まれた直後、宮崎県に移り住んで18歳まで現地で暮らし、日本法と法経済学を専攻した。米国における日本学の発展と日本社会・文化の理解に寄与した功績を認められ、2018年に日本政府から旭日中綬賞(ちゅうじゅしょう)の叙勲を受けた。

 産経新聞の報道によるとラムザイヤー教授は、慰安婦は性売買を強要された性奴隷ではなく、慰安婦被害は朝鮮で行われた就職詐欺に伴うものだと主張した。産経は、同論文が「慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在であることを理論的実証的に示した」と報じた。右派寄りの産経は、同論文が「慰安婦=性奴隷」説に異議を提起するものであって「意義は大きい」と評価した。

 しかし、日本軍慰安婦被害者を「強制的性奴隷(enforced sex slaves)」と表現するのは国連の勧告事項だ。1996年に採択された国連人権委員会の報告書に「性奴隷」という表現が登場した後から、本格的に通用してきた。

 

 

  


 

 

 

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