韓国メディア「ペン&マイク」の西岡力教授インタビュー「韓国最高裁の徴用工判決に徴用工はなかった」
以前のエントリー『【徴用工問題】西岡力著『でっちあげの徴用工問題』韓国で出版』で、西岡力・麗澤大学教授の著書が韓国で翻訳・出版されたことを書きましたが、韓国の保守系ネットメディア「ペン&マイク」が西岡教授とのインタビュー記事を掲載しました。
本を紹介した記事はこちら→『2018年最高裁判所徴用工裁判解剖した「捏造された徴用工問題」韓国語版出版』(2018년 대법원 징용공 재판 해부한 《날조된 징용공 문제》 한국어판 출간)
以下はペン&マイクの記事のPapagoを使った翻訳です。明らかな誤訳(韓国語の同音異義語による漢字の間違いや翻訳の過程で漏れた単語の補足)以外は機械翻訳ママです。ブログ主は韓国語は分からないので、明らかに漢字がおかしいところのみ原文の単語を確認して日本語訳を修正しています。なお、Papagoはやや意訳が過ぎる傾向(※)があるので、予めご了承下さい。
※例えば、日本語の「日本統治時代」を韓国語に訳すと、一瞬直訳が表示された後、「日帝強占期」を意味する韓国語に修正されると韓国人が言っていたので、逆もまた然りかもしれません。
ペン&マイクは、登録者が66万人を越える、YouTubeではニュース番組や対談番組、歴史講座などを放送する等、日本には比較するメディアが見当たらない程の規模のメディアです。但し、保守(反共・反文在寅政権)の視聴者や読者が多いことは確かですが、彼らの多くが「反・反日」とまで言えるかどうかは疑問です。
なお、鄭奎載 (정규재/ジョン・ギュジェ)主筆は今年行われる釜山市長選挙の補欠選挙(前市長がセクハラで辞職)に、慰安婦像の撤去を公約に出馬するとのことで、朝鮮日報にはダークホース的存在と評されていました。
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http://www.pennmike.com/news/articleView.html?idxno=39445
「韓国最高裁の徴用工判決に徴用工はなかった」…西岡力教授との電撃対談。
パク·スンジョン記者
初承認2020.12.30 11:30:37
最終修正2020.12.31 14:38
コメント2
"数年前から韓国の勇気のある学者らと活動家が慰安婦や展示の労動者問題の嘘を暴露する活動を開始しました。 日本の保守派としてそんな方々と交流を深めたいです。」
【写真省略】西岡勉麗澤大学客員教授(写真=ペンアンドマイクDB)。
2018年に大法院(日本の最高裁判所に相当)が、いわゆる日帝時代の「徴用工」被害者原告らに対し、日本の関係企業が賠償すべきとの趣旨の判決が下された。 2年余りが過ぎた今、韓国司法府は当該訴訟の原告らに賠償金の支払いを拒否している日本企業の資産を強制売却するための手続きを進めている。 こうした中、韓国最高裁の判決には歴史的·法理的に深刻な欠陥があることを指摘した日本専門家の本が初めて韓国に紹介された。 『でっちあげの徴用工問題』の著者である麗澤大学客員教授をペンアンドマイクが会った。 以下一問一答
「親韓派」ではなく「愛韓派」と呼びますが、「愛韓派」という用語はどのような意味がありますか。
「愛情」とは、相手から受ける利益や相手の魅力などと関係なく相手のために無条件に行動することです。 祖国や家族に対する愛情であり、意志です。 私にとって韓国は10代後半の多感な時代から深い縁を結んできた第2の故郷、第2の祖国であり、韓国人は家族のような存在です。 そういう意味で、僕は「愛韓派」を 自称しています。
最近、「捏造された徴用工問題」の韓国語版を出版しました。 本書はいわゆる韓国最高裁判所の「徴用工の判決」に対する批判から始まるものですが、本の内容をもとに判決批判の要旨を簡単に説明してくださるとしたらどうでしょうか。
判決は、日韓両国の友好の基礎である1965年の日韓基本条約と付属協定である日韓請求権条約を全面的に否定したものです。 「日韓両国の多くの先人が築いた両国間の友好関係を破壊するのです」 両国で両国の未来を心配する心を持った人々が協力して、この判決を無力化させなければならないと信じます」
当判決の原告の中には「一人の徴用工」が(→も?)なかったという批判がありますが、当時日本に渡った朝鮮人労働者のほとんどが実は「自発的移住労働者」で、「募集」とか「官斡旋」といった「戦時動員」さえその規模が大きくなかったというのが学界の分析です。 先生が「強制連行」を否定される理由を韓国の読者が心で理解できるように簡単に説明してください。
1939年から1945年まで行われた朝鮮人労働者に対する「戦時動員」の本質は、高い賃金の雇用を探し出して内地(日本本土)に渡り、建設現場などで働こうとする人々の流入を統制し、比較的人気はありませんが、戦争遂行に必要な炭鉱、金属鉱山などに労働力を動員しようとした政策であったと言えます。 しかし、その政策は内地へ渡航した朝鮮人の一部を統制するのにとどまり、失敗しました。
1945年8月の終戦当時、サハリンや南洋群島などを除く日本本土内の在日朝鮮人の現況を見ると、約200万人でした。 戦時動員対象は、そのうち労働者32万人と軍人·軍属11万人の43万人でした。 つまり戦時動員で来日した彼らは在日朝鮮人人口全体の約2割に過ぎなかったのです。 残りの80%は、自発的に日本で稼ぐために渡ってきた彼らとその家族でした。
朝鮮から内地への人口流入を見てみましょう。 「朝鮮人移送計画」は1938年に成立した国家総動員法に基づき、1939年9月から始まりました。 当時、日本内務省が作成した統計資料によると、終戦まで約60万人が朝鮮から内地に戦時労働者として動員されました。 同時期、約180万人の自発的な渡航者がいました。 全体として渡航者合計は240万人でした。 そのうち、戦時動員は25%に過ぎません。 朝鮮から内地への渡航者は25%しか統制されていなかったのです。
韓国でも落星臺(ナクソンデ)経済研究所の研究委員であるイ·ウヨン博士などの研究を通じて、植民地時代、炭鉱などで民族間の賃金差別が全くなかったことを数値として証明しました。 「朝鮮人奴隷労働説が事実ではないことを本の内容に基づいて説明していただけますか」
奴隷というのは、人格は完全に否定され、持ち主が所有権を行使する対象になることです。 賃金を受け取ることができず、主人が自由に売買できる者を奴隷と言うのですね。 しかし、戦時に動員された朝鮮人労働者は高い賃金を受けました。 法的強制力のない「募集」や「官斡旋」だけでなく、強制力のある「徴用」の形で日本に渡ってきた人たちも、原則的には2年契約で民間企業で賃金労働を行っていたのです。 だから「奴隷」とは絶対言えないのです。 さらに、彼らのうち約40%は契約終了前に逃げてより待遇のよい職場に転職しました。
私は私が書いた本の中で、戦争末期の1945年8月、東京郊外の土木工事現場には朝鮮人労務監督者が運営する飯場(労働者の合宿所)で朝鮮人労働者たちが集まってマッコリを飲み、牛肉を食べるといった内容の「逃亡徴用工」の手記を紹介しています。
「韓国で反米関連理論の大半は、実はノアム·チョムスキーなど米国現地の反米左派学者たちが作ったものだそうです。 先生が著述した本の内容を見ると、徴用工の問題や慰安婦問題など韓国内の反日関連理論も、実は日本人の反日の左派系の学者たちが作ったという指摘があり、非常に興味深いことです。 日本人はどうしてそんなに自国の過去史を攻撃するんでしょうか。
大きく分けて二つの理由があります。 第一の理由は、アメリカ占領期前期に行われた日本の弱体化政策の結果、共産主義者が学界や教育界、労働界、政界などに広範囲に浸透していたという点です。 連合国に敗北した日本はアメリカ軍政を経験しなければなりませんでした。 1945年から1949年頃までの米軍の定期政策は、日本の弱体化でした。 東京裁判も軍備を禁止した現在のいわゆる「平和憲法」が制定されたのも、そうした政策の一環であった。 米占領軍司令部(GHQ)内にも実はソ連に忠誠を誓った共産主義者とその協力者たちが多数おり、彼らが日本の共産主義を保護し育成しました。 その結果、明治維新以来の日本の近代国家建設の歴史をすべて否定する「反日自虐史観」が深く根ざしました。
第二の理由は、1990年前後のソ連·共産圏の崩壊により、日本国内の共産主義者と彼らの同調者が大きな衝撃を受けた過程で、朝日新聞に代表されるほとんどの左翼が、自分たちの理念が間違っていたことを認めず、戦前の日本が犯した悪を暴露することで、自分たちは「良心的知識人」という慰めを求めていたことに見つけられます。 朝日新聞が権力による慰安婦強制連行があったという架空のキャンペーンを展開し、韓日関係を大きく悪化させたのは1991年に、すぐにソ連が崩壊したその年でした。 また、日本の左翼、弁護士たちと運動家たちが韓国に来て、昔の慰安婦たちと旧展示労働者を捜し出し、これらを日本の法廷で、原告に立てて日本政府を相手に補償を要求するようにし始めたのも1990年代序盤からだったと指摘することができます。
韓国では慰安婦問題と徴用問題は安倍政権や菅政権のような特定政権の問題として片付けるだけで、日本の一般国民の間でも、確固たる認識があるという事実を悟ることができずにいるようです。 日本の世論の厳しい現実についてもお話お願いします。
慰安婦問題についても、戦時の労働者問題についても文在寅(ムン・ジェイン)政権の下で過去の条約や協定合意を次々と破らせる動きが起こっていることに対して共産党とごく少数の反日左派を除いては、日本社会全体はこれを受け入れ難いという認識です。 安倍晋三元首相や菅義偉首相が韓国に対して強硬な姿勢を見せたのは、日本社会の全般的な支持があったためです。
【写真省略】1991年8月14日、日本軍慰安婦の実状を初めて暴露したという金学順ハルモニさん。(写真=連合ニュース)
この2015年、朴槿恵(パク・クンヘ)政府時代に行われた韓日慰安婦の合意について、日本では反日左派の朝日新聞も社説で"韓日関係の歴史的な進展"とし、"両国政府がしこりを超えてマイナスの歴史を克服するための賢明な一歩を刻んだことを歓迎したい"と言っています。 韓日慰安婦の合意を高く評価したものです。 そのためにこの合意を事実上破棄した文在寅(ムン・ジェイン)政権の態度を支援する勢力は日本内でも非常に少数に過ぎません。 また、2018年10月の戦時労働者問題に関して、韓国大法院の判決に対しても、朝日新聞を含むすべてのメディア、共産党を除くすべての野党が「国際法違反」として受け入れられないという立場を表明しています。
国と国、政府と政府が締結した条約や協定、さらには合意を、前政権がやったと守らなくてもいいと繰り返し破ってきた韓国の姿勢に、左派を含む日本社会の多くは疲労感を感じています。
韓日基本条約を通じて日本政府は自国経済が危うくなるほど巨額を拠出しており、また韓国に対する様々な請求権も日本は放棄しています。 日本人は条約締結と関連して不満はないですか。
1965年、日韓国交正常化に対して、日本国内では激しい反対運動がありました。 その論理は大きく二つに分けることができます。
一つ目の論理は、共産主義陣営の支持を受ける立場で韓国とだけ国交を結んではならないという論理でした。 北朝鮮との国交も同時に結ばなければならないという主張です。 このような主張をする彼らは、日米同盟に対しても反対でした。
二番目は国際法上いくら戦勝国としても、無償没収が禁止された在韓(在韓)民間資産に対する請求権や東海上、李承晩(イ・スンマン)ラインの内側で操業して韓国側に拿捕され、死亡、または負傷を負った日本人漁民に対する韓国政府の補償を日本政府が放棄してはならないという論理でした。 当時、当事者や野党が激しく反発しました。 当時第一野党だった社会党の幹部が国会で在韓財産放棄を批判したのが議事録に残っています。
これに対して、当時の自由民主党(自民党)政権は、韓国の自由民主主義を守り育成することは日本の国益だとして請求権放棄を国民に納得させる一方、韓国の対日請求権を補償し、反共自由民主主義国家として韓国の発展を支援するために、有償·無償も合わせて5億ドルという巨額の経済協力を断行しました。 当時、日本の外貨準備高は17億ドル程度だったので、対韓経済協力金は一時給ではなく、10年間に分けて支給しました。
当時、この巨額の資金提供に反対の声もあがっていました。 韓日国交正常化に反対するデモでは、「朴正煕に与えるつもりなら、私にくれ」という文句が書かれたプラカードを持って、デモに参加する人もいました。
戦時動員労働者問題に関して、日本はもはやこれ以上の譲歩はないという姿勢です。 韓国も、韓国国民が伝統的に持ってきた反日世論を追い風に、それを正当化する判決が下され、困惑している状況です。 両陣営とも政権存立の危機というありさまですが、今後の状況をどう思いますか。
楽観も悲観もしません。 文在寅(ムン・ジェイン)政権は韓国を海洋国家・自由民主主義陣営から離脱させて大陸国家・全体主義陣営に連れて行っています。 文在寅(ムン・ジェイン)政権がこれを成功させるなら、韓日関係は最悪の局面に陥るだろうです。 しかし、その路線に反対している韓国の自由勢力が存在します。 その中にも、韓国人の伝統的反日感情が「偽りの歴史観」の上に成立したという、韓国人にとっては認めがたい事実を直感する人々が現れています。 私はそんな人々に希望を持っています。
先生の著書目録を見ると、拉致被害者や北朝鮮人権問題、韓日の近現代史と関連した本をたくさん出版されていることが分かります。 韓日近現代史の問題はもともと先生の専攻ではなかったと思いますが、どんな理由で韓日近現代史の問題と関連した研究になったのですか。 2問お互いに繋がる部分があるんですか。
ご指摘の通り、私が専攻した分野は歴史学ではなく韓国·北朝鮮の現在の姿を研究する地域研究です。 だからこそ、当然、東アジアの現代史を見るときは共産主義の悪を直視しなければなりません。 そういう立場で、北朝鮮人権問題、特に北朝鮮による拉致問題を集中的に研究しています」 また関連市民団体の活動も行っています。
今回、翻訳された本で取り上げられた1965年の韓日国交正常化の過程での歴史問題の処理、日本の反日勢力による嘘キャンペーン、韓国の労働者たちに対する補償の歴史、2018年10月の韓国最高裁判所の判決分析など、私の専攻分野に属しますが、戦時労働の実態と関連した部分は、もともと私のような地域研究者ではなく、歴史学者が書かなければならない部分でした。 しかし、戦後日本の韓国史研究家たちは非常に偏っていて、事実に基づいた実証研究をしておらず、また日本帝国主義の罪悪を暴露するというような、結論をあらかじめ決めておいた研究しかできない人たちが大半です」 このような状況で歴史学者ではない私は、統計資料や労働者手記などを使って、歪曲なく事実に近づこうと努力しました。
歴史問題も調査してみると、北朝鮮の政治工作が深く介入しているという点で、韓日両国の左翼活動家たちとつながっていることが分かります。そのような意味で、慰安婦問題や戦時の労動者問題を研究する際にもいつでも北朝鮮の独裁政権の工作を意識しています。
日本の自由·保守右派勢力が韓国国民に真実を伝えようとする努力が、欧米地域の市民に対してする努力に比べると、多少足りないという指摘もあります。 真実を悟った韓国の若者たちが乗り出してくれれば、国際社会で日本のイメージ改善に役立つはずですが、いかがお考えでしょうか。
正しい指摘だと思います。 これまで日韓両国の左翼勢力がうそに基づいた反日感情を広めるために強い連帯をしてきたことにかんがみると、日本と韓国の保守勢力は真実を伝えるための連帯や努力が非常に弱かったといえる。
その理由は、保守派は愛国者で歴史問題や領土問題で対立しやすいからでしょう。 そのため、私は韓国の保守派について、北朝鮮の世襲独裁政権という共通の敵と戦うことを優先し、歴史問題については「一致しないことを相互認識する」(agree to disagree)という線で合意しようと述べてきました。
【写真省略】ソウル龍山(ヨンサン)駅前に不法設置された徴用共同像の撤去を促す記者会見を行っている反日銅像真実究明共同対策委員会の関係者たち(写真=朴スンジョン記者)。
韓国の保守派は日本統治時代を知っている世代を中心に慰安婦や戦時労働の実体を経験的に知っていました。 私は1970年代半ばから1990年代までその世代に属する人々から多くのことを学びました。 しかし、朴槿恵(パク・グンヘ)前大統領や朝鮮(チョソン)日報、東亜(トンア)日報などに代表される韓国の伝統的保守派は年長者が言うことを無視して日本左翼の反日宣伝に便乗しました。 彼らは左翼から'親日派'の音を聞くことに非常に強いコンプレックスを持っていることです。 1980年代から北朝鮮の工作によって韓国社会に広まっている反大韓民国史観に敗北したといえるでしょう。 反大韓民国士官(→史観?)という'韓国という国は建国以来、日本統治に協力して私益を追求した親日派が清算されず、反共・親米などに姿を変え、主流の支配勢力になった汚い国'というふうの歴史観を話します。
しかし、数年前から韓国の勇気のある学者らと活動家が慰安婦や展示の労動者問題の嘘を暴露する活動を開始しました。 日本の保守派としてそのような方々と交流を深めたいです。
西岡力整理=朴舜鍾記者francis@pennmike.com
コメント(2件)
ホン·ジョンジュ 2020-12-30 12:28:13
未だに自分は愛韓派だとおっしゃる西岡勉先生にお辞儀でもしたいです。 TT
アン·グンヒョ2020-12-3014:23:08
水増しした供述を事実確認もせずに判決した最高裁判所、
学者たちも反日感情的、
政治家も竹やり扇動~。
わが国は嘘つき天国になってしまった。
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