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2020/09/16

【札幌国際大学】日本語能力不足の中国人留学生大量受け入れと教授の懲戒解雇問題・誰が利益を得ているのか?【大月隆寛前教授が告発】

チャンネル北海道で取りあげていた問題ですが、単に、少子化による大学経営策では片付けられない問題が含まれているようです。

全国的には報じられていませんが、札幌国際大学(前身は静修短期大学)で語学力不足の外国人留学生(特に、中国人留学生)問題を巡って法人(経営側)と教授会が対立し、理事会は城後豊前学長の更迭を決定、大月隆寛教授が懲戒解雇となりました。

 

20200914_chhokkaido01

 

一見すると単なる内紛とも見えますが、そうとばかりは言えないようです。

札幌国際大学の場合、近年定員割れの状態が続いていたので大量に外国人留学生を受け入れる、と言うのは、納得はできなくとも経営のためにそういう方法もあるだろう事は想像できます。しかし、むしろ札幌国際大学の財政状況は悪化しており、そうなると、中国人留学生を受け入れることで誰が利益を得ているのか?という疑問を抱きます。

この大学の場合、瀋陽(しんよう)の小さな語学学校を留学窓口としており、中国国内の提携校も短期間で20~30校も一気に増えたそうです。こうした仕組みやネットワークを構築するのは容易ではないはずですが、思いついたからと言って、そう簡単にできるものか?

留学ビジネスの「スキーム」(図式というか雛形)がお膳立てされているのではないか? もう少し勘ぐれば、日本への“静かなる侵略”という中国側の思惑で垂らされた釣り針に札幌国際大学の経営陣が引っかかったのではないか?、とも想像される問題です。

 

【ch桜北海道】中国人留学生大量受入問題、追及したら懲戒解雇に![R2/9/14]

キャスター:小野寺まさる(元北海道議会議員)
      本間奈々(キャスター)
ゲ ス ト:大月 隆寛(元札幌国際大学人文学部教授)
      大高 未貴(ジャーナリスト)

 

以下、問題の経緯。(テロップより)

  • 2019年度入学より、上野八郎理事長以下法人側は外国人留学生を大幅に増やして定員充足率をあげる施策を採り始めた。
  • 2018年度内から準備を始め、海外提携校を大幅に増やし、中国の瀋陽に業務委託事務所を置いて学生を募集、入試等を行っていたが、その際、外国人留学生に求められる日本語能力の検証が適正にされないまま、事実上全員合格させていた。
  • その結果、2019年4月の段階から現場の日本語教師達から新入生の日本語能力に問題ありと声が上がり、独自のテストを行ったところ、「N2」(日本語能力試験のレベル)相当の日本語能力に満たない留学生が半数近くいることが分かった。
  • 教学側は能力別にクラス編成をするなど対処に腐心していたところ、これを法人の留学生政策に反対するものと考えた上野八郎理事長以下法人側が、理事等に城後豊前学長の更迭を打診
  • これを知った理事会が外部理事等を中心に事態の是正を求めたが、上野理事長以下法人側は、次期学長候補の選定委員会を立ち上げ、議事録も委員名も明らかにしないまま、次期学長候補を選定。城後前学長交代の理由として、城後前学長が理事会に提出した留学生の現状について作成したエビデンス資料を「怪文書」とし、「差別教育」を行おうとしたことが大学に対する背任行為にあたると一方的に主張。
  • 城後前学長、一部の外部理事の主張は一方的に圧殺され、内部での事態改善は求められないと判断した城後前学長が、今年に入り、外部の関係諸機関に実情を知らせ、報道機関にも協力を求め3月31日に北海道庁で記者会見を開いた。

 

大月隆寛教授の懲戒解雇理由(法人側言い分)は下記の通り。(テロップより)

  1. 3月31日に行われた記者会見に同席していた。
  2. ツイッターで本学の内部情報を漏洩した。
  3. 教授会全員の総意に基づかない文書を城後豊前学長が外部理事に手交する場に立ち会った。
  4. 教授会への出席回数が少ない。

大月教授はこれを大学側の解雇権の乱用、内部告発者への見せしめ的な恫喝・威圧であるとして、現在、地位保全と賃金仮払いの仮処分申し立てをしている。

 

ここまで、番組で提示された「事件」の概要で、以下、番組で語られた内容を纏めます。

 

◇ ◇ ◇

 

この4月から、元文科省役人で、天下り斡旋の前川喜平元事務次官の片腕であった嶋貫和男が理事に正式に就任している。島貫氏は、それ以前から経営戦略委員会という理事直属の組織に入り込んでおり、2018年春から経営に様々な指示を与えているのは議事録にも残っている。たとえば、留学生を招くには「N2」レベルの語学力があることを証明するのは大学の責任だが、「レベルに関しては大学側の裁量の余地がある」という助言を島貫氏が与えた証拠がある。島貫氏の理事就任は、事態を改善しようとしていた者を追い出したり、隅に追いやったりして片付けた後の事。

※ブログ主註:文科省の天下り斡旋事件では、島貫和男氏は発覚時点では既に退官済みだったので処分は下されていない。2017年に国会に参考人招致された島貫氏は天下り先で「月2日勤務で年収1000万円」という好待遇だと話している。(後述【参考記事④】)

 

20170207_shimanuki01
出典:産経web(記事後述)

 

◆留学生を本格的に受け入れる方針にした後、「国際センター」という組織が事務方に設置され、沢田某(不明だがググったところ、沢田隆氏?)という拓銀OBが入っているが、この人物は札幌国際大学に来る前、恵庭の文教大学でも同様の留学生ビジネスを仕切っていた。そのやり方を札幌国際大学でもほぼ踏襲している。この人物が瀋陽の語学学校を窓口にした。その後、2018年度に何度も理事長や事務方トップが中国を訪問し、提携校が20~30校増えた。これを札幌国際大学側だけでできるとは思えず、何らかのビジネスモデルの雛形が既にできているのではないか? 偶然かも知れないが、苫小牧駒澤大学を買収したり、稚内の北星学園にも関わっている京都の育英館という学校法人があるが、ここも瀋陽に日本語学校を持っている。(後述【参考記事②、③】

◆中国人留学生は提携校から直に入るのではなく、瀋陽の日本語学校を介して入学する仕組みになっている。この学校の経営者は中国の少数民族系(大高未貴氏の質問で朝鮮族らしいことが判明)。

◆これは大学のガバナンス(統治の健全性)の問題である。経営と教学側が良い緊張関係にあるのではなく、経営側が暴走しているのが今の状態。

◆「定員充足率をあげて留学生助成金や補助金を受ける施策」と経営側は説明するが、それで獲得できる補助金は2千万円程度。しかし、現理事長になってからの4年間で30億円位“溶かして”いる。(減少している) 初代の理事長はやり手で、百億円くらいお金を貯めていたと言われているが、現在の経営陣は数十億溶かしている。経理も“ザル”で、本丸はこの問題だろう。留学生やスポーツ特待生で定員充足率をあげても、むしろ経営的には4期連続の赤字になっている。では、誰が得をしているのか?

◆北海道だから(メディアの監視も無く)大きな問題にならない。理事長も「(北海道では)道新(=北海道新聞)と財界札幌を抑えておけば問題ない」と嘯(うそぶ)いている。閉ざされた世界でごまかせればどうにでもなると思っているのではないかと個人的に感じている。

◆昨年1500人位行方不明の留学生を出して問題になった東京福祉大学のような事態には今のところなってはいない。しかし、語学力が低く、大学に出てきても授業についてこれない(=授業に出てこない)生徒が出ている。留学生を受け入れると言うことは単に成績管理だけではなく、アルバイトの時間数等の生活面も把握しないとならないが、ある時期までは事務方が管理するだけで、教学側にデータを下ろしてこなかった。

札幌入管には通報しており、7月頃には大学に調査が入ったはず。我々(教学側)はそれに期待している。これで文科省がどこまで手を突っこんでくれるか...前川喜平元事務次官の片腕の島貫氏を堂々と理事に入れて表に出したのは、対文科省のシールド(盾)として期待しているのではないか?(【追記】→2020/09/18付北海道新聞によると、「(入管から)法令違反はないとされたが、指導が入った」由)

◆現在、大学ではお手盛りの「第三者委員会」を設置して調査しているが、全員法人側の人間なので、全く中立性に欠ける。結果は10月末には出るとのことだが、委員の一人は文科省OBで、現役時代に島貫氏から天下り斡旋を2回受けた人物

◆内部の問題だが、問題はあまりにも根深いと思う。だから、国民に広く興味を持って貰いたい。

◆(大高氏より「語学テストのスコアは誤魔化しようがないと思うが、どうやったのか?」の問いに、)正式な「N2」合格証を添付しているケースはいいが、それがない場合、独自のテストをする。ペーパー試験以外にスカイプを使った遠隔でのテストがあるが、その様子をチェックした現場の教師によると、どうも、プロンプターがそばにいるか、予め用意したものを読んでいるのでは?と思わせるケースがあった。留学生の試験は通常の試験と異なり、事務方(国際センター)が管理しており、ほぼ全入になるよう、圧力が掛かっていた証拠も握っている。入管に対してN2相当の語学力があることを証明するのは大学の義務だが、それができていないのではないか。

◆(小野寺氏)そんな留学生に我々の税金を使うのは問題だ

◆(小野寺氏の「学生はどう思っているのか」の問いに、)卒業生の有志が署名と抗議文を大学と文科省に叩きつけた。但し、大学からは未だに回答はない。現役の学生も同調する動きがあったが、仕返しをされる危険性があるので、こちらから抑えている。

◆大学側は「学生ファースト」などと言っているが、卒論を抱えた学生もいるのに、途中で担当教師が切られたわけで。学生にどう説明すべきかと問うたら、「退職したと言っとけ。どうせ分かりっこない。」と言われた。これは録音してある。

◆(小野寺氏「これは大学一つの問題ではない。入管や文科省、税金の話でもあるから、チャンネル北海道でも今後も追っていく。」)ありがたい。とにかく文科省の反応が鈍い。(→小野寺氏「知り合いの代議士に何人かに既に声をかけ始めている。」)

以上。

 

こちらのエントリーに続きます。

◇ ◇ ◇

【参考記事①】

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200801/dom2008010003-n1.html
札幌国際大を突然クビ…名物教授・大月隆寛氏が激白!「根拠なく違法」 背景に北海道の「外国人留学生問題」
2020.8.1

 民俗学者で評論活動でも知られる大月隆寛氏(61)が、北海道の札幌国際大学の教授職を懲戒解雇されたのは違法として、地位保全などを求める仮処分を札幌地裁に申し立てた。大月氏は夕刊フジの取材に、北海道の外国人留学生をめぐる問題が背景にあると主張した。

 大月氏は、民俗学や民衆文化論をベースに、地方競馬やマンガなど幅広い分野での評論や言論活動で知られる。国立歴史民俗博物館助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを歴任し、「新しい歴史教科書をつくる会」にも一時参加。2007年に札幌国際大教授に就任した。

 問題が表面化したのは今年3月。退任が決まっていた城後(じょうご)豊前学長が記者会見で、大学側が日本語能力が水準に満たない留学生を入学させたことを批判した。その会見に同席していた大月氏は、6月29日付で突然、懲戒解雇された。会見への同行やSNSで大学の内部情報を漏洩(ろうえい)したことなどを理由に挙げられたとする。

 大月氏は、「会見で発言したわけでもなく、ついていってその場に同席していただけで、懲戒解雇理由の根拠がない。学校法人側が話し合いに応じる気がないため、法的手段に踏み切った」と語る。

 大月氏によると、札幌国際大では定員割れの状態が続き、2017~18年ごろから外国人留学生を増やす方針をとったところ、昨年春以降、「教員の間で、留学生のレベルのばらつきが大きく、授業が成り立たないという報告が上がってきた」という。

 文科省は20年度から、学位が授与される正規の教育課程で日本語で授業を行う場合、留学生は日本語能力試験で難易度が5段階中、2番目に難しい「N2」レベル相当以上が目安としている。

 当時はこの目安は設けられていなかったが、大月氏は「自前で日本語能力テストを実施すると、どうみても『N2』能力のない生徒が半分近くいることが分かった」と振り返る。

 大月氏は留学生の在籍管理などのフォローについても、「本来、ゼミの教員など教学側が把握すべきだが、事務方が一括して教学側に情報をあげていなかった時期もある。特定の科目のみを履修する科目等履修生も、正規の学生といっしょくたにしていた」と指摘する。

 大月氏は「高校の先生や生徒、保護者らも含めて地元の人はこうした状況をよく見ている。いま在籍している学生たちもたまったものではないだろう」と憂える。

 これに対し、札幌国際大の事務局担当者は、「日本語留学試験や日本語能力試験を受けられなかった学生も、救済の意味で本学の独自の筆記試験と入学の面接試験、書類選考を行ったうえで入学させた」と説明。在籍管理についても「徹底している」と強調した。

 大月氏の解任理由については、「記者会見は最後の手段で、万が一不正があったというのなら、北海道庁や文部科学省の担当に行けばいい。同行した先生の罪はどんなに重いか。軽く考えてはいけない」と述べた。

 前出の大月氏は、北海道の外国人留学生をめぐる状況についてこう話す。

 「留学生は大半が中国人だ。専門学校生ビザで日本語学校に来て、『N2』レベルに達せずビザの切れた学生をいったん帰国させ、今度は改めて大学生として受け入れさせる『ビザ・ロンダリング』のようなことも起きている。日本語学校を転々としてきた30代の学生もいる」

 問題の根は深いのか。

【参考記事②】

https://www.sankei.com/life/news/170619/lif1706190008-n1.html
苫小牧駒沢大が中国化する 譲渡先法人理事「中国共産党員」系列高は田中将大投手ら卒業の名門
2017.6.19 08:22

 大リーグ・ヤンキースで活躍する田中将大投手やスピードスケートなどでオリンピックに7回出場した橋本聖子参院議員らを輩出した名門、駒澤大付属苫小牧高校を擁する学校法人駒澤大学(須川法昭理事長)が今年1月、傘下の苫小牧駒澤大学(以下苫駒大)を中国と関係が深い京都市の学校法人に無償で移管譲渡することを決めた。すでに協定書を交わし、文部科学省に設置者変更を申請、認可されれば、来年4月1日から、苫駒大の名前が消える。一部大学関係者や寄付行為者である曹洞宗の関係者の間では、移管譲渡までの経緯が不透明なうえ、苫駒大が“中国人大学”になり、駒大グループが“中国化”するのではないかという不安が広がっている。一体、何が起きているのか?

 移管譲渡を受けるのは「学校法人京都育英館」(松尾英孝理事長)。平成25年4月に設立され、京都看護大学や苫小牧市に隣接する白老町で北海道栄高校(生徒数371人)の運営を手がけている。同法人を設立した「学校法人育英館」(同理事長)は、京都ピアノ技術専門学校や関西語言学院(京都市)、四万十看護学院(高知県四万十市)を運営、中国・瀋陽市では、東北育才外国語学校を設立、経営している。

 ホームページによると、関西語言学院は、中国の高校や大学を卒業した学生を日本の大学や大学院に進学させるための日本語学校。在籍する学生は昨年7月現在で540人で、全員が中国人だ。東北育才外国語学校は東北育才学校(瀋陽市)と共同で設立した中高一貫校で、日本語教育を展開。東北育才外国語学校から関西語言学院、そして日本国内の大学へというルートを構築してきた。(以下略)

【参考記事③】

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53784410V21C19A2L41000/
北海道の稚内北星学園大存続へ 京都の学校法人が支援
2019/12/25 16:15

経営危機にある稚内北星学園大学(北海道稚内市)は、専門学校を運営する学校法人育英館(京都市)の支援を受け存続することになった。稚内市の工藤広市長が25日、市議会の全員協議会で表明した。情報メディア学部の単科大であることは変更せず現在、育英館理事長の松尾英孝氏が2020年度から大学理事長になり経営を一新する。

工藤市長によると、体制移行に向け市、大学、育英館で19年度中に協定を結ぶ。20年8月をメドに大学、法人の名称変更を検討している。

日本経済新聞の取材に松尾氏は「ビジネスの世界でロボットなどの情報技術の識見が求められ、情報メディア学部は有望な分野。地方で優秀な人材を育成する」と強調。「地元で広報をくまなく行い志願者増につなげたい」と語った。

育英館は京都府や高知県で看護専門学校や日本語学校などを運営。同じく松尾氏が理事長を務める別法人の京都育英館は苫小牧駒沢大学(苫小牧市)、北海道栄高校(白老町)を運営している。

稚内北星学園大は1987年に短大として開学し、2000年に4年制へ改組した。ここ10年は定員割れが続き充足率が50%台にとどまっていた。経営不振の大学に対する私学助成金を削減する国の方針で国庫補助金が減少。市は16年度から補助金5000万円を支援する一方、存廃を巡り大学と協議していた。

【参考記事④】

https://www.sankei.com/politics/news/170208/plt1702080016-n1.html
嶋貫和男氏「月2日勤務で年収1000万円」に驚きの声 国会内「おお~っ」、ネット上「天下り斡旋してよ~」
2017.2.8

 文部科学省の天下り斡旋問題で、7日に行われた衆院予算委員会の集中審議で参考人として出席した文科省の人事課OBの嶋貫(しまぬき)和男氏(67)が天下り先での厚遇ぶりを認め、波紋を呼んでいる。(中略)

 嶋貫氏は牧原秀樹氏(自民)の「斡旋の中心人物と認定されているが、事実か」との追及に「許される範囲のものと考え、人助けという思いで行ってきたが、監視委員会の報告を受け、自身の認識不足を恥じている。悔いてもいる」と反省の弁を述べた。これについてもツイッター上では「民間の立場で人助けって、そんな道理はない。だったらお金貰わず完全ボランティアでやりなさい」などの批判の声が上がった。

 文科省が6日に発表した調査結果によると、嶋貫氏は人事課で調査官や企画官など要職を歴任し、2009年7月に文科省を退職。保険代理店の顧問や財団法人の審議役に就く傍ら、人事課が作成した退職者リストを活用して再就職の斡旋に関与し13年ごろまでに嶋貫氏と人事課による斡旋体制が形成・拡充された。

 

  


 

 

 

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