【韓国】戦後3年間の在日朝鮮人引き揚げ推移(1948年で60万人が残留→59年には61万人=所謂「在日韓国人・朝鮮人」)【軍艦島の真実】
公開:2020-08-25 20:02:15 最終更新:2020/08/30 9:32
『軍艦島の真実』のサイトには「関連資料ライブラリー」というコーナーがあり、様々な資料が掲示されています。この中に「日本における朝鮮少数民族 1904-1950」という本の書き起こしがあります。
この本はの著者、エドワード・W.ワグナーという人物は朝鮮米軍政庁にいた人で、朝鮮研究の第一人者とのことです。原著は1951年に書かれており、日本語訳は日本の外務省アジア極北東アジア課によりなされ、1961年に刊行されました。上記サイトは原著(画像)と日本語版のテキストが掲載されています。
内容は日本と在日朝鮮人との間の対立問題で、占領軍のことは棚に上げて書いていますが、日本人と在日朝鮮人に関して第三者が書いたものとして読む価値はあります。
今回は、この本の中から、在日朝鮮人の引き揚げ経緯をまとめます。
下記概念図は、西岡力教授が「歴史問題研究会」に発表した論文『朝鮮人戦時動員に関する統計的分析』(PDF)に掲載した「戦時動員概念図」(後の号で若干修正)をベースにしてブログ主が作成したものです。
何度か他のエントリーにも提示した図ですが、再掲したのは右端の列に「在日朝鮮人数」の推移(1939年~1945年)が書かれているからです。終戦直後は約200万人の在日朝鮮人がいたことをご確認下さい。
以下は、冒頭にご紹介したワグナーの本から要約したものです。
* * * *
戦後朝鮮人の引き揚げ経緯
終戦時(1945年8月15日)、日本には約200万人の朝鮮人がおり、1948年8月15日(大韓民国建国)までの3年間に約140万人が帰国する。残りの60万人は、日本で事業を行っている等の理由で残留したことになる。(GHQの指令により、帰国者に対しては途中から資産の持ち出し制限がかかったことも原因。)
【帰国者140万人の内訳】
朝鮮人の帰国は大きく3つの時期に分けられ、【第1期】が1945年8月15日~11月末の約3ヶ月半で約80万人が帰国した。11月1日に引き揚げ手続きについての指令が出されるが、この期間は概ね無許可で且つ自力での帰国者が多く、そうした帰国者は52.5万人位いた。彼等は本州南西部や九州の港に行き、漁船を借り入れたり盗んだりして帰国の途に就いた。
【第2期】は1945年12月1日~46年末の1年間で、これは46年末を引き揚げの期限としたためである。徐々に引き揚げ手続きが整えられていき、従って厳格さを増したが、そうした手続きを経て帰国した朝鮮人が約52.5万人で、この網をかいくぐって帰国した者は5万人ほどいた。
この後(1947年1月1日~48年8月15日)も引き続き引き揚げは行われ、これを【第3期】とすると、この期間に約1.5万人が帰国した。日本側の総司令部もこれを好ましいと思い、朝鮮側の軍政庁当局も特に反対はしなかったからである。また、日本政府もできるだけ多くの朝鮮人を厄介払いしたかったので上陸地までの鉄道運賃を無料にすることを申し出た。この頃には日本への不法入国を企てる者も多く、逮捕した朝鮮人を送還するための配船が認められたので、その船を利用することができたため、結局第2期と同様の条件で帰国することができた。
* * * *
残留した60万人とその後に密入国などでやって来た朝鮮人が在日朝鮮人1世と2世(その子供)ということになります。
【追記】下は、1959年7月13日付朝日新聞の記事。
これには「在日朝鮮人の総数は約61万人だが、この内戦時中に徴用労務者として日本に来た者は245人に過ぎないとされている」と書かれています。
概数なので、正確な人数は分かりませんが、1948年8月15日時点でおよそ60万人の残留朝鮮人がいたので、11年ほどの間に約1万人増加したことになります。
記事の後半には「終戦後、昭和20年(1945年)8月から翌年12月まで、希望者が(中略)合計140万人帰還したほか,北朝鮮へは昭和21年(1946年)3月、連合国の指令に基づく北朝鮮引き揚げ計画で350人が帰還」とあり、この期間はワグナーの記述によると【第1期】に当たりますが、帰還者数は3年間の合計が書かれているようです。
ここから朝鮮総連や民団といった組織が生まれてくるわけで、上記本にも多少触れられていますが、これについては別途エントリーにしたいと思います。
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