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2020/05/16

【韓国】『中央日報』コラム-「約束は破ってもいい」/「ウリ」の論理

韓国の新聞『中央日報』が興味深いコラムを書いています。日本と韓国では「約束」の意味が異なり、韓国では一度約束したことでも、特別な事情があればひっくり返してもいいという内容です。

日本人には到底理解できない論理ですが、これが個人間の約束ならともかく、国家間の約束、即ち、協定や条約にも通用すると言うのです。

この社説をご紹介する前に、なぜ、このようなことを書いたのか、思いあたることがあり、それを咲にご紹介します。

それは、シンシアリーさんの『なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか 韓国人による日韓比較論』(扶桑社新書)から文春が『金を借りるのは当然の権利……韓国に蔓延する「ウリ意識」の底にあるものとは?』と題して記事にしたもので、どうやら、これが韓国でも紹介されたようで、カイカイ反応通信で『日本メディア「韓国人は借りたお金を返さない」=韓国の反応』という記事になっていました。

おそらく、これを受けての社説だと思います。

文春の記事の内容を簡単に要約すると、

  • 日本人は「恥」は「かくもの」、韓国人は「かかされるもの」
  • 韓国人は金を借りることは「情が多い(情に厚い)」関係が成り立っている「正常」な関係=「恥のない状態」。一方、日本人は、金を借りている状態は負い目や引け目を感じるので、金を返して初めて正常な関係になる。
  • だから、韓国で貸した方が「金を返せ」と言えば、その正常な関係を壊すものであり、両者の間に「上下関係」が生じてしまい、借りた方は「恥を掻かされた」ことになる。
  • 日本人にとっては「約束」だが、韓国人にとっては「約束」と捉える。

という感じでしょうか。

 

これを踏まえて、以下の社説を読むと、「理解」できるかと思います。

 


https://s.japanese.joins.com/JArticle/266005
【コラム】約束の差を理解してこそ韓日葛藤は解消
2020.05.16 10:50

韓日両国は1965年の韓日基本条約締結でひとまず植民地時代の請求権問題が解決されたと同時に、正常な国交が結ばれることになった。その後、韓国の半導体とIT関連産業の急速な発展と共に、韓国と日本の間には製品生産と必須素材供給の緊密な経済パートナー関係も形成された。しかし過去の問題と韓日条約の解釈問題をめぐる両国間の認識の違いが浮上するたびに韓日関係は冷え込み、これは経済だけでなく文化、社会全般にわたる両国間の交流に多くの支障を来してきた

もちろんこれらすべての問題の根源は日本が韓国を支配した過去にある。被害者と加害者のそれぞれ異なるアングルで見るため視点の違いが大きいと言える。しかし具体的な要因としては次の二つを挙げることができる。一つは、両国間には文化的な違いによる誤解の余地が存在するという点だ。もう一つは、両国関係の信頼形成に責任がある政治指導者が本意かどうかはともかく両国関係を国内政治局面の転換用として利用するケースがあるという点だ。

まず、文化的な違いが存在するが、その一つが約束に対する認識の違いだ。韓国で約束をするということは、「ほかの特別な事情がなければ」という、約束よりさらに重要な事情がある場合は相手を説得できるという無言の前提が入っている。これに対し日本で約束をするというのは、「人の力で統制不可能な天災地変でない限り」という、先約を最優先する前提がある

慰安婦や徴用工の問題も同じだ。日本としてはひとまず1965年の韓日請求権協定で5億ドルを賠償し、これですべての請求権を抹消することに韓国と約束したと考える。一方、現在の韓国としては当時の状況とは事情が大きく異なり、当時被害を受けた一人一人の立場を加害者の日本が必ず考慮しなければいけないという立場だ。こうした約束に対する文化的な違いをお互い理解できず不信感は深まり、日本は経済的報復というカードまで取り出すことになった。

次は国内政治の転換用として韓日関係が利用されているという点だ。大統領が任期末期に政権の支持率を挽回しようと突然、独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問するのがその例だ。こうしたイシュー以降は、日本国内の韓流ブームが薄れ、嫌韓論が強まることになった。そしてこれによる精神的苦痛と経済的損害はそのまま日本国内の韓国人、そして韓日間のビジネス従事者が被ることになった。

日本の一部の政治家も韓日外交問題を自身の政治的地位を固めるために利用してきた事実があったことを否定できないだろう。首相として初めて韓国を訪問するなど在任中に韓日関係の改善に努力し、日本の大政治家として尊敬されている中曽根康弘元首相は生前、「内政と外交を混交してはいけない」と強調した。中曽根元首相の政治的信条には韓日の政治家も耳を傾ける必要がある。

血を流した無数の戦争の歴史を持つ欧州も対話と妥協を通じて共同体を誕生させた。激しいグローバル競争の下で仲良く互いに助け合うべき隣国が、不信感を抱いて経済紛争まで起こすなどお互い足を引っ張って攻撃し合うことは決してあってはならない。経済的にも切り離せない重要なパートナーである日本とは、過去とは別に相互協力する発展的な関係を築かなければいけない。

李秀チョル(イ・スチョル)/名城大学経済学部教授(環境経済学)
 

 

「約束」に対する日韓の相違について書かれている部分の直前に「これら(日韓の関係が冷え込むこと)すべての問題の根源は日本が韓国を支配した過去にある」と書いていることから分かるように、韓国人には、前提として「日本が『恥』を掻いている」状態(=韓国が「上」で日本が「下」)という関係があるのです。

日本は韓国を併合した事実があり、ここではこれについては論じませんが、これに対する謝罪、あるいは国益の為に国交正常化を優先した、等々様々な理由を基に経済協力を行い、日韓基本条約を締結しました。この時点で「貸しも借りも無い」状態と考えますが、韓国では日本が「恥を掻いている」状態は絶対なのでしょう。

この上下関係或いは対等な関係というのは、呉善花(オ・ソンファ)氏の本を読むと、日常的なシーンで見られる具体的な例で説明されています。韓国では友人の間では消しゴムを無断で使ったり、お弁当のおかずを無断でつまんだりするのは普通で、日本でこれをやって怪訝な顔をされ、最初は日本人は冷たいと感じたというエピソードです。もちろん、その後、「親しき仲にも礼儀あり」という日本人の考え方を受け入れた後だから書けるエピソードですが。

これを上の論理で説明すると、黙って消しゴムを貸し借りする仲=正常な状態であり、「悪い、消しゴム貸してくれない?」と言ったら、その関係を壊す行為になるのでしょう。

   

約束の意味の違いについては、以前も書いたことがあるのですが、これは韓国語の「正しい」=「オルバルダ」が日本語の「正しい」とは異なるということを知ればより理解できるかも知れません。

日本語で「正しい」と言えば、「嘘偽りが無く事実である」ですが、韓国語では「道理に適っていること」だと教えて下さった方がいます。

日本語でも韓国語のような意味はありますが、「約束を守る」ということは道理であり、この道理や価値観は不変的なものです。

しかし、韓国では道理や価値観は不変では無いのです。

昔は今ほど反日感情はなかったそうですが、その後の教育などで「日本統治時代=悪」という価値観が生み出され、それが益々強固になると、「状況が変わった=特別な事情」となり、約束を反故にする理由になるのでしょう。『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河氏から聞いたのですが、20年ほど前から「併合不法論」が盛んに言われたそうで、そこで新たな価値観が定着したのだと思います。

韓国ではよく「歴史の立て直し」と言いますが、歴史をあるがままに見ず、ある価値観を持って「善・悪」の評価が加わります。だから、歴史上の人物の評価も善悪の評価で変わります。「親日=悪」という価値観が変わらない限りは、歴史上の人物の評価もこの価値観で評価する限りは、たとえ『漢江の奇跡』を成し遂げた朴正煕大統領も「悪」です。また、この価値観がある限り、4月の選挙がいい例ですが、野党側に「親日派」というレッテルを貼れば、そこで優位に立てるのです。韓国人のコメント(Yahooのコメント欄のようなもの)を読んでいると、「与党こそ『親日派』だ」という表現をよく見かけるので、「親日」は「悪」と同義語で使われているものと思われます。

 

さて、私たちは韓国人の論理を「理解」はしましたが、「受容」できるでしょうか?

お金の貸し借りなら「ウリ(私たち)」の間だけでやっていればいいことですが、国家間の約束に対しても「これはウリの文化だ!理解して受け入れろ!」と主張されてはたまったものではありません。

少し前に、西村幸祐氏がTwitterで「韓国は日本を別の国と思っていない節がある」ということを呟いていらっしゃいましたが、他国には示さない「ウリの論理」を押しつけるところから、どこか、身内だと思っている部分はあるのかもしれません。迷惑な話ですが...

 

私たちは「降りかかった火の粉」は払わなければなりませんが、それ以外は「静かなる無視」(小野寺五典元防衛大臣がよく使う言葉)を決め込むしかないでしょう。

 

【参考記事】産経:【朝鮮半島を読む】韓国はなぜ約束守れない 「遡及法」がまかり通る国

この記事についてのエントリー『【産経】韓国はなぜ約束守れない/「春秋の筆法」とは

 

 

 

  


 

 

 

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