【新型肺炎】ダイヤモンド・プリンセス号のルート/ウエステルダム号との違い
公開:2020-02-09 15:33:37 最終更新:2020/02/18 11:23
ブログ主の覚え書きとして、現在横浜港に寄港しているダイヤモンド・プリンセス号のルートと新型コロナウイルスに感染した香港人男性の足取りをメモしておきます。
先に、現在「難破船」状態になっているウエステルダム号との違いを佐藤正久議員がツイートされていたので、それをご紹介します。
https://twitter.com/SatoMasahisa/status/1226320596948013057
【那覇で日本検疫を受けたのち、横浜に来たクルーズ船、新型肺炎 国内の感染確認64人に 】
ダイヤモンド・プリンセス号は英国船籍。ただ、一旦、日本に入港を認め、検疫等を終えた後は、日本の感染症法等の国内法が適用される。これが入国拒否のウエステルダム号との違い。
船籍に関しては、公海上の船舶は所属国に主権があり(「旗国主義」)、本来、日本の管轄権は及びません。しかし、ダイヤモンド・プリンセス号は「一旦、日本(那覇)に入港を認め」たので、日本の責任(日本政府の判断?)で乗客・乗務員をケアしてしいる、ということのようです。
後述しますが、感染者が見つかったのは既に那覇に寄港した後でした。タラレバですが、もう少し早く発覚していたら、少なくとも那覇には寄港させなかったでしょう。しかし、3,700名ほどの乗客の内、日本人は約1,200名とのことなので、結局は横浜への入港を許可せざるを得なかったのではないかと思います。
これも後の祭りですが、入国後速やかに各国からのチャーター機を受け入れて、本国への乗客の移送を行うようにすべきだったのだと思います。結局、アメリカやオーストラリアなどが移送を計画したのは14日間の経過観察期間がほぼ終わる頃でした。
そこで、ダイヤモンド・プリンセス号のルートですが、1月20日に横浜港を立ち、2月4日に再び横浜に戻るという16日間のクルーズでした。
香港男性は1月20日からクルーズ船に乗船しましたが、その前に中国を訪れていました。船に乗り込む前から咳があったとのことですが、1月22日には鹿児島で観光(バスツアーに参加)し、25日に香港で下船しています。(記事後述)
この男性が感染源とは限りませんが、香港政府が感染を発表したのは2月1日深夜だったため、クルーズ船はベトナムや台湾で寄港した後、2月1日は那覇でも着岸、乗客2,600名が下船して観光しています。
2月5日付沖縄タイムスの記事(『感染者が乗っていたクルーズ船 乗客2600人が那覇で一時下船、県内を観光していた』)によると、
- 厚生労働省那覇検疫所の検疫官が船舶内で乗客・乗務員計3722人に検疫し、サーモグラフィーによる体温測定を実施した後、多くが一時下船し県内を観光した。発熱状態で下船した客はいない。
- 乗客13人と乗組員9人の計22人は下船後、そのまま飛行機で県外にたった。
- 関係者によると、4日現在、県内に滞在する乗客や乗組員はいないという。
とのことですが、検疫というのは恐らく空港と同じで、自己申告、サーモグラフィーは発熱が無ければ通ってしまうので、感染者がいたものと思われます。
乗船客の鹿児島上陸からは現時点(2月9日)で18日経過、沖縄上陸からは8日経過していますが、発症せずに完治してしまうこともあり得るので乗客からの二次感染の心配が収まるのはまだ時間が掛かるでしょう。
さて、ウエステルダム号ですが、下図のように2月1日に香港を出て以来、4日に高雄(台湾)に寄港しました。
このクルーズ船は、米ホーランド・アメリカ・ラインが運航するオランダ籍の船舶です。
香港人男性の感染の報道があったので、台湾政府は「4日に高雄に到着した別のクルーズ船「ウエステルダム」で、中国への渡航歴なしで症状が見られた38人の乗客に対し、船へ戻るよう求め」ました。(2020/02/05付フォーカス台湾『中国・香港・マカオ停泊のクルーズ船、台湾は寄港拒否へ 新型肺炎』)
入港は許可し、感染の疑いがある乗客がいたにもかかわらず、検査はせずに出港させたことになります。
この後、石垣市に寄港予定でしたが、日本政府が許可せず、7日付NHKの記事(後述)によると、香港に帰るよう要請するそうです。この船には日本人乗客が数名乗船しています。
【2020/02/11追記】
https://this.kiji.is/599772702893900897?c=39550187727945729
香港発のクルーズ船、乗客下船へ
タイ中部に13日入港
2020/2/11【ロサンゼルス共同】新型コロナウイルス感染の疑いを巡り日本政府から入港しないよう要請された香港発のクルーズ船「ウエステルダム」の運航会社は10日、タイ中部レムチャバン港で13日に乗客を下船させると発表した。乗客乗員には日本人計5人が含まれているが、日本の国土交通省はいずれも新型肺炎の症状は出ていないとしている。
乗客は下船後、タイの首都バンコクに移動し、それぞれ帰国の途に就く予定。ウエステルダムはレムチャバン港でクルーズを終えた後、同港を離れる。クルーズ代金は全額返金するという。
運航会社は米シアトルに拠点を置く「ホーランドアメリカライン」。
【関連記事】香港人男性の足取り
https://www.asahi.com/articles/ASN224FCTN22UHBI00C.html
香港の80歳が新型肺炎 クルーズ船で横浜から帰国
2020年2月2日香港政府は1日深夜、横浜から大型クルーズ船に乗って香港に帰国した男性(80)から新型コロナウイルスによる肺炎が確認されたと発表した。香港での感染者は14人目。男性は香港から日本に行く前に中国本土を訪れていたが、感染経路は分かっていない。
発表によると、男性は1月10日、香港から中国広東省深圳市に入り、数時間滞在。香港に戻った後、17日に飛行機で東京へ移動した。20日に横浜から乗船し、25日に香港に到着したという。
男性は大型クルーズ船に乗り込む前日からせきが出始め、香港到着後の30日には発熱したことから、病院で検査を受けた結果、陽性反応が出たという。
香港紙によると、大型クルーズ船は横浜を出航後、22日に鹿児島に停泊した。乗客の約8割が日本人だったとしている。(香港=益満雄一郎)
【関連記事】ウエステルダム号寄港拒否
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200207/k10012276001000.html
香港発のクルーズ船 入港認めず香港に戻るよう要請へ 政府
2020年2月7日新型コロナウイルスへの感染の疑いがある乗客を乗せて、日本への入港を予定している香港発のクルーズ船について、政府は乗船する外国人の入国を拒否するとともに、入港そのものも認めず、香港に戻るよう要請する考えです。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、横浜港に停泊しているクルーズ船とは別に、香港発のクルーズ船「ウエステルダム」が感染の疑いがある乗客を乗せて近く、日本への入港を予定していることが明らかになりました。
政府関係者によりますと、「ウエステルダム」は香港発着のクルーズ船で、今月1日に香港を出発しましたが、台湾などで入港を拒否され、沖縄への入港を認めるよう日本側に求めてきたということです。
これを受け、政府は6日夜、出入国管理法に基づき、特段の事情がないかぎり、乗船する外国人の入国を拒否する方針を決めました。
また、日本人の乗客は数人にとどまるとの情報なども踏まえ、クルーズ船の入港そのものも認めず、香港に戻るよう要請する考えです。そしてクルーズ船が香港に戻ったあと、日本人の乗客の帰国に向けた支援を検討することにしています。
一方、国会では7日も衆議院予算委員会で新型コロナウイルスへの対応などをめぐって論戦が続き、来週12日には安倍総理大臣らに出席を求めて、集中審議が行われます。
与党側は新型コロナウイルスの感染拡大による景気への影響を抑えるためにも、新年度予算案の年度内成立を図りたい考えです。
野党側は「桜を見る会」をめぐって、公文書管理を担当する北村地方創生担当大臣の答弁が不十分だなどとして引き続き追及する方針です。
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