【東京五輪】韓国が放射能を心配して24時間の食事サポート!?-冷静に記事を読んでみよう
韓国での報道を和訳し、そこに付けられた韓国人の反応も紹介してくる韓国人のYouTuberがいらっしゃり、ブログ主も参考にさせて頂いています。従って、このことを批判するつもりはなく、ここではメディアリテラシーの観点から考えてみたいと思います。
【3行まとめ】
- 韓国五輪委が選手のために場所を借り切って食事サポートをすること自体は日本もやっていること。
- 放射能アピールをさせないことが大事。
- 韓国選手に「食事制限令」が出ているかどうかは不明だが、事実でも知ったこっちゃない。
その動画で紹介された記事は聯合ニュースの『韓国五輪委 東京のホテル借り切り選手に食事提供へ=放射能懸念で』の韓国語版とJBpressの『文政権の「食事制限令」が韓国の東京五輪惨敗を招く』(日本の記事)のようです。
韓国のメディア(だけでなく、日本のメディアもですが)はかなり偏向しており、これは韓国では労働組合の力が大きく、編集権まで握っているからです。当然、こと日本に関しては読者に反日感情を煽ったり、日本に関しての誤った印象を与えるような記述になっており、それをYahooニュースなどがそのまま転載することで、日本人読者の嫌韓を助長する、という悪循環が感じられます。
中央日報や朝鮮日報など、韓国メディアの日本語版サイトは、日本人に読ませる目的で、どうしても日本関連の記事がトップページに並ぶため、これもまた日本人に嫌悪感を抱かせます。しかし、韓国語版のサイトを見れば、それほど重要な記事として扱っていないことが分かります。また、日本語版は内容を変えていることも多く、日本人を煽るのが目的ではないかと思うこともしばしばあります。
YouTuberの方は記事を正確に引用しているのですが、「そもそも、元記事にどれほどの信憑性があるのか?」という意識を持つ必要があります。
以上を踏まえて、問題の記事を見てみますが、その前に、中央日報の記事で報道の骨子を確認してみます。
https://japanese.joins.com/JArticle/261139
大韓体育会「東京五輪、韓国産食材で選手団に24時間食事提供」
ⓒ 中央日報日本語版2020.01.03大韓体育会が2020東京オリンピック(五輪)に出場する韓国選手団のために韓国産食材を使った食事を東京のあるホテルで提供することにした。
今月2日、体育会は「昨年末、東京で東京五輪期間に韓国選手団の給食支援センターを用意した」と明らかにした。体育会が借りたホテルには80人を収容できる食堂があり、東京五輪を参観する多数の関連団体関係者らもこのホテルを利用する予定だ。体育会は韓国産食材を供給して鎮川(ジンチョン)選手村の調理師を派遣する計画だ。
東京に派遣される韓国調理師は14人で、一日平均200個の弁当を作り、日本産食材は徹底的に排除する方針だと伝えられた。調理師は韓国選手団に24時間食事を提供する。
ホテルは選手村から車で20分距離に位置しており、五輪期間中にホテルの台所と食堂をまるごと賃貸するのに約17億ウォン(約1憶5700万円)の費用がかかった。これは五輪期間に韓国選手団の給食支援センターに使われる金額では最高額だ。
詳しくは書かれていませんが、別の記事(韓国語記事の翻訳)によると、このホテルは『変なホテル』(ロボットが接客するユニークなホテルで、正しい名前。千葉県ということなので舞浜。)で、後述する聯合ニュースの記事によると、韓国文化・飲食などの広報拠点「コリアハウス」も設置・運営するそうです。
拠点を設けて普段食べ慣れたものを選手に供給することは日本もリオ五輪から「Gロードステーション」(※)と名付けて行ってきました。平昌冬季五輪の時は食事のサポートだけでなく、「ジャパンハウス」を設置して日本食をアピールする場として利用していました。
韓国五輪委が日本食材を排除することは勝手だし、お弁当を用意することも勝手です。日本も、Gロードステーションのような拠点を持つまでは現地の日本食レストランの協力を得て「おにぎり」等を選手に供給していました。
問題は、韓国がこの場を“放射能五輪”などといった誹謗中傷の場に利用するかどうかで、そのようなことをさせないよう、日本は毅然とした態度で対処すべきですが、ホテルを借り切って云々ということを問題視すべきではないでしょう。ましてや、場所を提供した『変なホテル』を中傷することは避けるべきです。尤も、ホテルには、「東京五輪を誹謗するようなプロパガンダをさせない」という態度は取って欲しいと思います。
※以下は日本五輪委(JOC)のサイトより、参考まで。
https://www.joc.or.jp/sp/games/olympic/riodejaneiro/news/detail.html?id=8184
【リオ・リポート】選手の活躍を支えた食のサポート施設 「JOC G-Road Station」
2016.08.248月21日で閉幕したリオデジャネイロオリンピック。今大会では連日多数のメダリストが誕生し、日本代表選手団は、過去最多となる計41個のメダルを獲得しました。そうした選手団の好調の要因のひとつに、今大会から日本オリンピック委員会(JOC)が設置した「JOC G-Road Station」の存在があります。
ロンドン大会から実施しているハイパフォーマンスサポートセンター(旧マルチサポートハウス)の機能を補完するものとして、選手たちからの要望を受けて、いつでも好きなときに和軽食が食べられる施設としてJOCが設置。ビクトリープロジェクトの調理スタッフと管理栄養士が常駐し、味の素ナショナルトレーニングセンターにいるときと同じような栄養面のサポートを受けることができます。(後略)
https://www.joc.or.jp/sp/games/olympic/pyeongchang/news/detail.html?id=9796
【平昌リポート】平昌JOCジャパンハウスが開設 各国ゲストを日本食でおもてなし
2018.02.08日本オリンピック委員会(JOC)は8日、平昌冬季オリンピックで選手村外のJOC活動拠点となる「平昌JOCジャパンハウス」のメディア向け内覧会を行いました。ジャパンハウスは、2月9日から25日までの計17日間にわたって、平昌オリンピックスタジアムの程近くにある商業施設「The Ridge 354」に開設されます。公式オープンを翌日に控えたこの日は、報道関係者向けにジャパンハウスの概要説明や、施設内の展示を紹介しました。(中略)
ジャパンハウスでは、国内外関係者向けのホスピタリティサービスが提供されるほか、メダリストを中心とした日本代表選手団等の記者会見、国内競技団体のミーティングなどで利用されます。また、2026年オリンピック冬季競技大会の立候補プロセスである「対話ステージ」に参加している北海道・札幌のプロモーションブースや、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関するコーナーも設置されています。
中でも、ホスピタリティサービスの一環として提供される食事メニューは「いかに日本らしさを出すか」をテーマに、こだわりの日本食を提供。日本から呼び寄せた寿司職人が腕を振るう寿司をはじめ、おでん、てんぷらが常時提供されるほか、日替わりで焼き物など日本ならではのメニューが用意されます。
以下は動画で取りあげた記事で、まず聯合ニュースから。この記事は「放射能」を強調していますが、書いていることは中央日報と大差ありません。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191230002300882
韓国五輪委 東京のホテル借り切り選手に食事提供へ=放射能懸念で
2020.01.02【ソウル聯合ニュース】大韓体育会(韓国オリンピック委員会)の李起興(イ・ギフン)会長は2日、聯合ニュースとの新年のインタビューで、「昨年末に東京を訪問し、五輪期間中、わが国の選手団の食事をサポートする支援センターとの契約を終えた」と明らかにした。
東京五輪を巡っては、選手村で提供される食事に東京電力福島第1原発事故が起きた福島産の食材が使われるとして、韓国をはじめ各国から安全性を懸念する声が出ている。
大韓体育会は選手村から約15分離れたホテルを五輪期間中に借り切り、選手団のための拠点を用意した。
放射能汚染に対する懸念が払拭(ふっしょく)されていない中、大韓体育会は韓国選手団の食の安全を最優先に考え、韓国選手団のための食堂を用意すると早くから明らかにしており、先ごろ関係機関との契約を終えた。
忠清北道・鎮川の国家代表選手村から派遣された調理師が韓国から空輸された食材を使って選手団の食事を24時間サポートする。
同ホテルには80人が利用できる食堂があり、五輪を観戦する関連団体の関係者もこのホテルを利用する。
大韓体育会は韓国文化・飲食などの広報拠点「コリアハウス」も設置、運営する。コリアハウスは2004年のアテネ五輪以降、主な国際大会で設置された。
選手団の士気を高めようと報奨金も拡充した。(以下略)
次にJBpressの記事。(部分的に引用/青字はブログ主のコメント)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58838
文政権の「食事制限令」が韓国の東京五輪惨敗を招く
「放射能汚染」を理由に韓国選手団に対し自国産食材を空輸する愚
2020.1.4(...)
■自国選手に日本の食材を口にさせない「食事制限令」(...) 日本側としては全世界に「食の安全」をアピールする機会ともとらえている。
ところが韓国政府は大韓体育会を通じ水面下で自国の代表選手たちに選手村で用意される日本産の食材を使った食事を口にしないよう呼びかけ、それを実践させるための〝自衛策〟まで打ち出す方針を固めている。(この情報源は後ほど明かされる。)
東京五輪の選手村から約15分の場所に位置する日本のホテルを借り切って、韓国選手たちの臨時食堂を設営。国内にある国家代表選手村の専属シェフを日本へ派遣し、韓国から空輸された食材を使った料理を振る舞うというのである。
■「復興五輪」の足を引っ張る韓国
いくら何でも、これはやり過ぎだろう。(...)
■「食事制限令」が選手のストレスに
大韓体育会とも密な関係を築く在日韓国人の事情通は「代表候補の選手たちの多くも、この方針に心底呆れ返って失望している」と述べ、このように続けた。
(以下は括弧付きなので、その「事情通」の発言を直接引用していることが分かる。)
「東京五輪の選手村で用意される食事には手をつけてはいけない——。そんな言葉を密かに韓国側が代表選手団に徹底させ、露骨な『反日イズム』を押し付けようとしているのは目に見えている。
ただ、代表候補の選手たちからは『なぜ自分たちだけが離れた場所で食事を摂らなければいけないのか』『そんな面倒なことをせず設備の整った寝食のできる選手村で都合のいいタイミングで食事を摂れるような態勢にしてもらわないと、時間的なロスや精神面でのマイナス材料を招くのではないか』『こんな食事制限を設ければかえって逆効果につながってしまい、東京五輪では好結果につながらなくなってしまうのでは』などと不安を訴える者が続出していると聞く。
彼らが困惑しているのもうなずけますよ。我々のように日本に住む韓国人が普通に日本産の食材を美味しく、しかも安全に食べているのに結果を出さなければいけない代表選手だけが、こんなルールを押し付けられるのですからたまったものではありません。
東京五輪で母国のために戦う彼らが何だか気の毒にすら思えてきます。音頭を取っている黒幕の文政権は、無関係なスポーツ分野の五輪代表選手たちにまで自らの政治理念を強要しようとしているのです」(...)
食材を全て持ち込む事で選手に日本の食材への危険性を植え付け、口にしないようにプレッシャーをかけているのは確かで、また、選手の発言が事実なら「食事制限令」が出てるのでしょうが、「又聞きの又聞き」の情報源が単なる「在日韓国人の事情通」というのはどうなのでしょうか?
まるっきり疑っているわけではないのですが、「食事制限令」を事実と断定するためには、もう少し情報源の信頼性を担保する情報が必要ではないでしょうか?
ちなみに、YouTuberはこの情報源の部分もきちんと読んでいるので、判断は聞き手に委ねられます。
まあ、個人的には「食事制限令」でも何でも出して、韓国人選手の体調が崩れたとしても知ったことではないのですが...
« 【韓国】新「歴史」教科書が自虐史観に!? | トップページ | オーストラリアの山火事の原因は主に人災 »
コメント