【首里城火災】火災発生当時、正殿前には木造の舞台が設置されていた
メジャーなメディアは報道しませんが、火災発生直前に業者が作業していたのは、正殿前の大きな木造の舞台でした。
画像はこちらのツイート(@YamatoTakeru_20さん)から拝借しました。
赤い丸印は埋め込み式の放水銃があるところです。
恐らく、今年新たに開催予定だった「組踊300周年記念」用の舞台で、正殿の前に3~4mはありそうな壁があります。舞台の袖で、材料は恐らくベニヤ板かなにかでしょう。
下は、那覇市が2017年12月に消防訓練をしているところです。
左端の放水が埋め込み式放水銃からのものです。
放水銃はこれ以外に3基、合計4基ありました。
なお、11月2日付け毎日新聞web記事で『 首里城火災 国が「放水銃」1基を事前に撤去 4基も使用できず /沖縄』と、まるで国が悪いようなことを言っていますが、記事を読むと、2013年に黄金御殿を増築する際に撤去されたもので、記事に添えられた図にもそう示されています。
こういう見出しとかリード部分で印象操作するのが毎日の悪いクセです。
記事より
当初は正殿の北側、東側、南側にそれぞれ1基と正面の御庭に2基の計5基があったが、13年12月に完了した黄金御殿の復元工事に伴って南側の1基が撤去された。
同財団の広報担当者は「復元工事は11年から13年にかけて行われ、この間のいずれかの時期に撤去された」と説明。
NHKが情報開示を請求して消防署が公開した火災の動画がありましたが、署員が駆けつけたときには既に壁は焼け落ちて、手前にせり出した舞台が残るのみです。これも間もなく炎に包まれます。
鎮火後の写真に投光器が写っていますが、これは左側の舞台の袖の「壁」の内側でしょうか。もう一枚の写真を見ると右側の壁の内側にも投光器があったようです。
電源は全て正殿向かいの奉神門から取っていたとの証言ですが...
以下、電源の供給場所についてメモしておきます。
11月1日 06:20 沖縄タイムス:焼失した首里城で作業の業者 終了時に電源を二重チェック 「異常なかった」
那覇市消防局も会見で、機材の電源は南殿付近から引いているとし、「現段階の聞き取りなどで、イベント設営と正殿の出火原因の関係性はないと思う」との見方を示した。
11月6日 07:06 沖縄タイムス:首里城の焼失施設と城郭 建設費260億円 防火設備「規定を満たし十分」 沖縄県、県議会で答える
首里城火災を受け、沖縄県議会は5日、総務企画、土木環境、文教厚生の3常任委員会を開き、(中略)総務企画委で、宜保勝参事は、30日夜からイベント準備で作業していた業者は自家発電と一部奉神門から照明や音響の電気供給を受けていたと説明した。奉神門と火元とみられる正殿の電気系統が同一かどうかは分からないという。玉城満氏(おきなわ)の質問。
舞台が無かったからと言って初期消火ができたわけではないでしょう。
しかし、文化財ではないにしても文化財級の材料(現在は輸出不可の台湾ヒノキ)や職人技で丹精込めて建造された正殿を、舞台用のセットか何かくらいにしか考えていない管理団体の扱いには疑問を感じます。何が「ウチナンチュの心のよりどころ」だと。
有料エリアでイベントをしないと儲からないからだと思いますが、かと言って御庭は狭い。そこで、正殿にピッタリ付けて舞台がないとならないのです。
片瀬江ノ島駅舎(←ググってね)みたいなもので十分じゃないでしょうか。
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