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2019/11/10

【首里城】火災原因が特定されるまで国は安易に再建を約束してはいけない

公開:2019-11-10 16:57:25  最終更新:2019/11/11 18:33

前回のエントリーでは現時点で判明している火災発声直近の状況をまとめました。

断定はできませんが、管理ミスによる失火の可能性もある得る状況で国が再建を約束しましたが、これには反対です。

 

玉城デニー沖縄県知事は、火災時、観光客誘致のために韓国を訪問中でしたが、火災の方を受けて切り上げて帰国するとすぐさま中央政府に行き、再建費を無心しました。年間約3000億円の復興予算とは別枠でと念を押して。

しかし、彼が真っ先にすることは、管理者のトップとして、国の資産を燃やしてしまったことを国や国民に謝罪することでしょう。

そして、那覇市もすぐにクラウドファンディングやふるさと納税での支援を呼びかけましたが、まず、市民や県民に呼びかけるべきでしょう。もちろん、県外から寄付したい方は大勢いるのでそうした窓口を作ることは良いのですが、「沖縄の魂」だのなんだの言っているくせに手回しが良すぎて他力本願ばかりが目に付きます。

なお、お金に色が付いているわけではないので、ふるさと納税だと一緒くたにされて市の財政に入るだけですよ。

沖縄選出の日本維新の会の下地議員が安室奈美恵さんに歌を首里城再建を祈念する歌を唄って欲しい(=再建費用を稼いで欲しい)という厚かましいお願いをして炎上していました。

早速、沖縄県では再建プロジェクトチームを立ち上げるとかで、県民の声を集めるために玉城デニー知事の直属の「県民会議」も設置するそうですが、「万国津梁会議」のようなお仲間を潤すための組織のようにならないでしょうか。

【2019/11/11追記】やはり、那覇市や沖縄県に集まった寄付は、国に渡してしまうと県が自由に使えないため渡さないと言い出しました。→ブログエントリー『【首里城】那覇市や沖縄県への寄付は再建に充てられず!?「再建するのは国だ!」

 

ただ、再建にはやる玉城デニーを牽制するように、衛藤晟一沖縄北方担当相が防災対策を含めた復興計画をと発言しました。

 


https://www.sankei.com/politics/news/191108/plt1911080007-n1.html
衛藤沖縄北方相、首里城焼失 「防災対策の不備の指摘ある」
2019.11.8
 衛藤晟一(せいいち)沖縄北方担当相は8日午前の記者会見で、火災で焼失した首里城(那覇市)について「防災対策の不備があったのではないかとの指摘もある」と述べ、復元には防災の観点を踏まえる必要があるとの認識を示した。

 衛藤氏は首里城の復元の方向性について「有識者や専門家、県とも十分に話をする」と強調。その上で、「前回の復元時の資料などを参考に議論を進め、基本コンセプトをまとめていく」と述べた。

 

マスコミも火災当初は首里城の建造物は「世界遺産ではない」ことに極力触れないようにしていました。沖縄県民もそのことを知らない人が多いと知りましたが、恐らく他県ではテレビニュースだけを断片的に観ている人は知らないのではないでしょうか。

 

今回の事故がきっかけで過去の記事なども読んでみましたが、そもそも、再建前は「圧政の象徴」と、特に左翼陣営からは反対の声が多かったようです。

また、11月5日付け読売新聞に寄稿された沖縄初の芥川賞作家である大城立裕氏の文にはこのようなことが書いてありました。1992年の再建を祝う祝賀行列で冊封使節の仮装行列を見た時の感想だそうです。

「戦前にはかつて中国と縁が深かった歴史については、公には劣等感をよんでタブーであった。日本の一員であることを誇りにしていたから。」

しかし、これは、「琉球の独自文化に目覚めた自覚の証」と喜ばれています。

ネットで大城氏のインタビュー記事を読んでみると、「捨て石にされた」とか、お決まりの歴史観のようですが、上述の戦前の雰囲気というのは思想とは関係ない者で、意外な発見でした。

 

前回のエントリーにも書きましたが、首里城の運営・管理は、「美ら海水族館」と共に今年の2月から国から沖縄県に移譲されました。自由に色々なイベントができるようにという理由だそうで、例えば、首里城でオペラを計画したところ、国から「琉球の文化ではない」と却下されたことを書いているブログを見つけました。その方は、県への管理移譲を喜んで、「かつて苦い思いをしたことがある」と上記のようなエピソードを書いていたのです。

管理移譲については、沖縄タイムスの社説(『[首里城運営 県移管へ]地元との関係を大切に』2017年6月7日)にこのようなことが書いてありました。

 

民主党政権下の2012年5月、宜野湾市で開かれた復帰40周年記念式典で、野田佳彦首相は首里城を「18年度をめどに県に移譲する」ことを明らかにした。

当時、県民の中には「琉球王国のシンボルである首里城を取り戻す」という発想から、県への移譲を歓迎する意見があった。地元の声に応えて県への移譲を打ち出した形だが、政府の中で各種経費の削減圧力が高まっていたことも見逃せない。

(しかし、維持管理にはコストがかかるという専門家の意見を紹介し、)

まずは今後の維持経費を精査する必要がある。国が引き続き所有権を保有するのであれば、維持経費についても応分の負担をするのが筋

 

沖縄タイムスの主張も含まれているのでしょうが、建てて貰っておいて「首里城を取り戻す」って...

そして、お金、お金...

さもしいんですよ。

 

今回の事故で政府が復興支援を約束すると、選挙で苦戦を強いられている沖縄で、県民の要望に応えることで理解を引き出したい思惑もにじむ。などと感謝もせずに穿った見方をしています。これも沖縄タイムス。(『首里城火災で政府与党、異例のスピード対応 「政争の具にしてはならない」』2019年11月3日)

 

スプリンクラーがなかったことを指摘されると『県幹部は「大家さんは国だと例え、「スプリンクラーなど、勝手には新しい設備は付けられない」と、所有者と管理者の関係性を説明する。』。

これも沖縄タイムスですが、発言者は沖縄県幹部です。(『「大家さんは国だ」 首里城、スプリンクラーが未設置だったワケ』2019年11月7日)

もしかしたら、県の管理になって電気設備を“魔改造”したからこのような火事が起きたかも知れないのに。

 

更に、管理していた財団は、保管していた文化財の状況を聞かれ、「何がどこにあるか分からない」と言って答えられませんでした。(『首里城に所蔵されていた国宝級の工芸品 被害状況分からず 財団は「現在確認中」』2019年11月1日)

 

担当者は、収蔵品の保管先に関しては「現段階ではどこにあるのか正確な場所を把握できていない」と話す。首里城内で収蔵庫などに保管されていた場合は焼失の可能性があるが、首里城以外の場所で保管されていたかを含めて同財団が確認を進めているという。

 

沖縄県でも玉城デニー県知事の言動や管理体制を批判する方も多く、上述したことは県民が言っている訳ではないのに、メディアが、市が、県がこんな調子なので、「だから沖縄県は...」と馬鹿にされるのです。

県民こそが怒るべきことではないでしょうか。

 

 

 

  


 

 

 

 

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コメント

奥穂3190様

>貴Twitterのリツイートで知りましたが、放水銃と正殿の間に設置された壁!これは駄目でしょう・・。是非今後の記事に登場させてやって下さい。
>
>焼け跡の航空写真を見て正殿前の庭の散乱物は、正殿崩壊物だと勝手に思い込んでいましたが、設置された舞台の成れの果てでしたか。壁は舞台袖を見えなくするためのもので、写真からは焼け残った骨組みが見て取れます。

那覇消防署が公開した火災の動画を観ると、正殿の骨組みが崩れずに燃えている状態で中庭(御庭)の地面が燃えています。壁はもうないのですが、手前に伸びた舞台らしきものが。

>貴ブログの通り11月1日の午前10:30には「国王・王妃出御」の第一回目が予定されていたことが首里城祭HPから判ります。HPの写真にある国王・王妃出御には舞台はないので、今年から(?)舞踊・組踊にも利用する意図で舞台を設置していたのでしょう。この作業が10月31日の午前1時頃まで続いていたのですから、かなりの光量が必要だった筈。北殿はショップ・カフェ、南殿は展示室、いずれも(通常なら)閉園時にはブレーカーを落とす場所で、庭で作業をした業者の証言通り作業電源は正殿以外から引いたというなら、一旦落ちたブレーカーを入れ直したのでしょうか?正殿から引いてたんじゃないの~?

下は催し物のスケジュールで、今年は数も増えていますが、舞台は組踊300周年記念の組踊用ですね。
H30:http://oki-park.jp/shurijo_fes2018/
R01:http://oki-park.jp/shurijo_fes2019/

庭で作業していた業者が使っていたと言う電源は、記事は失念してしまったのですが、確か正殿と向かい合っている建物(奉神門?)から取っていたようなことを言ってたと思います。

とにかく、有料エリアに客を入れたいが為のイベントが多すぎですよ。文化財ではないにしても、貴重な木材や職人が手間暇掛けた文化財級の建物と理解していたら、あんなに近くで催し物なんてやれるはずがない。
 

貴Twitterのリツイートで知りましたが、放水銃と正殿の間に設置された壁!これは駄目でしょう・・。是非今後の記事に登場させてやって下さい。

焼け跡の航空写真を見て正殿前の庭の散乱物は、正殿崩壊物だと勝手に思い込んでいましたが、設置された舞台の成れの果てでしたか。壁は舞台袖を見えなくするためのもので、写真からは焼け残った骨組みが見て取れます。

貴ブログの通り11月1日の午前10:30には「国王・王妃出御」の第一回目が予定されていたことが首里城祭HPから判ります。HPの写真にある国王・王妃出御には舞台はないので、今年から(?)舞踊・組踊にも利用する意図で舞台を設置していたのでしょう。この作業が10月31日の午前1時頃まで続いていたのですから、かなりの光量が必要だった筈。北殿はショップ・カフェ、南殿は展示室、いずれも(通常なら)閉園時にはブレーカーを落とす場所で、庭で作業をした業者の証言通り作業電源は正殿以外から引いたというなら、一旦落ちたブレーカーを入れ直したのでしょうか?正殿から引いてたんじゃないの~?

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