茶室の躙(にじ)り口は犬の出入り口!?
茶室にある「躙(にじ)り口」というをご存知でしょうか。
下の画像はWikimediaから直接表示しているものですが、島根県松江市にある明々庵(めいめいあん)という古庵の茶室で、ここに映っている小さな入り口が躙り口です。
幅1尺9寸5分、高さ2尺2寸5分が定法とあるので、高さは90cm弱、当然、頭を下げて身体をかがめ、躙(にじ)って入らなくてはなりません。千利休が取り入れたと言われています。
このエントリーを書くために調べて見たのですが、Wikipediaの「茶室」の項にはこのような説明がなされています。
躙口は、千利休(ブログ主註:1522~1591)が河内枚方の淀川河畔で漁夫が船小屋に入る様子を見てヒントを得たという伝説がある。しかし、躙口の原型とみられる入り口は、武野紹鴎(※)の時代の古図にも見られ、また商家の大戸に明けられた潜りや能舞台における切戸(囃し方の入り口)など同類の試みは多種見られることから、利休の発明とは言えない。
※武野紹鴎 たけのじょうおう【紹鷗】 ゼウ‥
室町後期の茶人。泉州堺の納屋衆の一人。もと武田氏、のち武野(たけの)氏。一閑居士・大黒庵と号。珠光の門人宗陳・宗悟に茶道を学び、侘(わ)び茶の骨格を作り、千利休に伝えた。(1502~1555)
他には、「狭い茶室を広く見せる効果」云々という説明もありました。
何からヒントを得たのかは知られていないようですが、躙り口を説明するときには、武士でさえ刀を預け、頭を下げて茶室に入ることから、身分に関わらず一人の人間として一対一で向き合う...などと言われます。
個人的には、視覚的効果よりは精神的効果を狙ったものだとは思いますが。
いずれにしても、躙り口の原型は不明のようですが、以前のエントリーでご紹介した『醜い韓国人―われわれは「日帝支配」を叫びすぎる』(朴 泰赫著/1993年)にこのようなことが書いてありました。
「金持ちの両班(ヤンパン)の家は高いダムと呼ばれる塀が敷地全体を囲んでいた。(中略)内棟の厨房から塀までは、小さな溝が掘られていて、厨房からの洗い物などの水を流した。厨房から流れた水を流すためと、犬の出入り口として塀の下の方に『躙口』(スゥチェクニョク)が設けられている。(中略)この汚水と犬の出入り口の躙口がどうして日本では茶室の躙り口という言葉になったのか、今でも不思議に思っている。」
(゚Д゚)ファッ!
まあ、塀に空けられた口であって建物の出入り口ではないので、これを真似たとは思えませんが、名称が同じなのは面白いと思いました。
ただ、実際、草庵風の茶室は朝鮮の古い民家によく似ています。
だから、絵で見た朝鮮の民家にインスピレーションを受けたとしても不思議ではありません。
躙り口は「躙る」(膝をおしつけるようにして、じりじりと動く)+「口」でしょうが、むしろ、韓国語の方がそのような用途なのに何故「躙口」なのだろう?と不思議に思います。
ちなみに、「躙」という漢字は「蹂躙(じゅうりん)」の「りん」で、「踏む」とか「踏みにじる」とか、そのような意味です。
ただし、茶道では、利休の時代(つまり、豊臣秀吉の時代)に朝鮮の雑器に「わび・さび」を見いだし、高麗茶碗と呼んで珍重されたので、朝鮮半島の文化が採用されても不思議ではないのですが。(その後、茶器として使うために注文して作らせるようになった。)
あ、豊臣秀吉が朝鮮の陶工を日本に拉致してしまったので、朝鮮の陶芸が廃れた、というのは半分は嘘だと思います。
もし、失われた工芸技術があるとしたら、李朝時代は儒教思想のために職人のような技能者が蔑まれていたので、技術が途切れてしまったのでしょう。
前述の本には、面白いことが書いてありました。
日本では、○代続くうどん屋とかカステラ屋とか、尊敬の対象になりますが、韓国では特に「食堂」は恥ずかしいことなのだそうで、夫の職業を聞かれてトラックの運転手とか理髪店、調理師といった技能職は恥ずかしくて言えず、例えば、就職の面接で実家の職業を尋ねられた時には「事業主」と答えるそうです。(この本が書かれた当時の話かも知れませんが。)
そして、「そういう職業を堂々と言う、日本人は恥を知らない一段下のやつらだ」と、『侮日』に繋がるのだそうです。
韓国の産業界の構造もこれなんでしょうね。
規模で言えばサムスンはトヨタよりずっと大きい。が、トヨタを支えている、部品を供給する中小企業は韓国では育たないから、ネジ1本だって日本に頼らなくてはならない。
おまけ。
https://www.recordchina.co.jp/b682572-s0-c30-d0058.html
韓国の伝統文化財を日本人が修理?韓国議員の発言が物議
Record china 配信日時:2019年1月25日(金)2019年1月25日、韓国・聯合ニュースによると、韓国与党・共に民主党の孫恵園(ソン・ヘウォン)議員が、韓国の螺鈿漆器の保存処理技術について「大きな問題がある」と指摘した。
孫議員は23日、「国立中央博物館の人事に介入した」との疑惑に関する記者会見を行った際、韓国の螺鈿漆器の保存処理技術を問題視した。孫議員は「韓国は螺鈿漆器の修理を日本人に依頼している」とし、「日本は可逆的に修理するが、中央博物館には20年以上にわたり螺鈿漆器修理の間違った組織があり、韓国が螺鈿漆器を修理すると15世紀の遺物も新品のようになってしまう」と説明した。
しかしこれに対し、韓国の保存処理専門家や学者からは反論の声が上がっているという。ある木材保存処理専門家は「日本では高麗螺鈿についての研究が多く行われていたが、主なテーマは文様と様式だった。漆の技法についての科学的調査は韓国の方でより多く行われた」と主張。また「中央博物館は文化財を保存、復元する際、可能な限り伝統の材料と技術を用いて国際的規範を守っている」と強調した。
美術史を専攻したある教授も「螺鈿漆器の保存処理に詳しい職人が日本にいるとは思わない」とし、「日本では螺鈿より蒔絵が発達した」と述べたという。
これを受け、韓国のネットユーザーからは「韓国の文化財を日本式で修理するなんてあり得ない」「韓国の親日派は日本=最高と思い込んでいる」「たとえ技術が劣っていても、韓国の技術者に修理させるべきでは?」「他の技術は日本に及ばないかもしれないが、螺鈿漆器は朝鮮半島のものだから日本に優れた技術があるわけない」など、孫議員の発言に不満を示す声が上がっている。
一方で「韓国のどこに専門家がいるの?」「螺鈿漆器の専門家の意見は?これじゃあ生物専門家が科学博士の言葉を批判しているようなものだ」「韓国で螺鈿漆器はずいぶん前に消えた。専門家がいるとは思えない。『韓国の方が知識が多い』とか『あなたの知識では不十分』といった幼稚な主張を日本は笑ってみているだろう」「日本では工芸品を高く売っても買う人たくさんがいるけど、韓国は誰も買わない。だから修理技術も発展しない」などと指摘する声も上がっている。
ブログ主はNHK BSで時々やっているドキュメンタリー、例えば、新しく寺の宝物殿などを建立するときに、その装飾を担当する工芸家とか、古いものを修復する作業を紹介する番組を観ることがありますが、そうそう需要がある技術ではないと思われるのに連綿として続いていることに驚きます。
そう言えば、何年か前に韓国の南大門が火災で焼失、復元していましたが、その復元技術の稚拙さが話題になっていたことがありましたね。(龍の絵とかググると出てくると思います。)
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