なぜ「安重根の記念碑」が宮城県の大林寺にあるのか?
公開: 2019-08-10 12:31:12 最終更新: 2021/05/16 20:14
以前、たまたまTwitterで見かけた、安重根の記念碑を示す案内板。
「こんな物を税金で建てるな!」というコメントと共にupされていた画像です。
今日もたまたまこの碑と徴用工像、慰安婦像を同列視するツイートを見かけたので、今回は、なぜ宮城県に安重根の記念碑があるのか?というお話です。
このような案内板が立っていると言うことは、安重根の“整地”として訪れる韓国人観光客が多いのかも知れません。
「安重根記念碑」という名称も実はおかしいのですが、その記念碑の意味が正しく韓国人に伝わっているのでしょうか...
『日韓2000年の真実』(名越 二荒之助)によると、この碑は安重根と千葉十七の友情を顕彰する碑なのだそうです。
千葉十七は明治18年に宮城県に生まれ、今はこの碑のある大林寺に眠っています。
彼が旅順刑務所で安重根(1879~1910)の看守の任務を命ぜられたのは27歳の時。安とはほぼ同年代です。
この本を読んで知ったのですが、逮捕後に安を取り調べてみると、安重根は事実を正しく認識しておらず、伊藤博文に恨みを持ったのは様々な誤解からでした。
無知な愛国者というわけです。
逮捕されて後、自分が誤解をしていたと気付いた安は獄中で伊藤公やその家族にお詫びしたいと真情を吐露し、千葉もそんな安に筆や墨、紙などを差し入れて、できる範囲の処遇をしました。(安重根は書が上手だったそうです。)
明治43年(1910年)2月14日に安は死刑判決を受けますが、罪を認めていた彼は控訴はせず、3月26日に処刑の日を迎えます。
そして、刑場に向かう直前、安は千葉に、世話になったお礼として書をしたためて贈ります。
千葉は日本に帰国しても安の遺墨や遺影を仏壇に供えて供養し続けました。
月日が流れ、昭和54年の安重根の生誕百周年が韓国で行われることとなり、千葉十七の遺族はその遺墨を寄贈します。
こうしたことがきっかけで、二人の友情を称える碑を建てようということになり、有志によって寄付された金で1年半後に千葉の眠る大林寺に記念碑が建てられたのです。そして、石碑には、安重根が千葉に贈った遺墨の「為国献身軍人本文」が刻まれました。
現在はこのようなエピソードは忘れられているか、あるいは韓国では違うストーリーになっているのかも知れませんが、せめて日本人は事実を知っておくべきでしょう。
安重根が伊藤博文を暗殺したのは勘違いからと書きましたが、その内の一つは「伊藤博文が明治天皇の父君である孝明天皇を殺したから」というものです。彼は韓国人が思っているような義士でも何でも無いのです。もちろん、この理由を韓国人は知りません。尤も、韓国人にとっては、日本の偉い人を殺したからというだけで英雄なのです。韓国人が日本人への嫌がらせのつもりで、サッカースタジアムに安重根の肖像画を掲げたことがありましたが、むしろ、そんな韓国人を馬鹿にしたらいいのです。
【2021/05/16追記】以下の動画は韓国人YouTuberの『湿TV』さんが、“反日精神病”の韓国人向けに作った動画です。
- 이토히로부미를 죽인 안중근의 진실【伊藤博文を殺した安重根の真実】(2021/02/09)
- 예고편(予告編) 안중근이 이토히로부미를 죽인 15가지의 이유【安重根が伊藤博文を殺した15個の理由】Feat.누가죄인인가(誰が罪人なのか)(2021/02/11)
- 본편(本編)안중근이 이토히로부미를 죽인 15가지 이유【安重根が伊藤博文を殺した15個の理由】(2021/02/16)
【追記】ふと思ったのですが、安重根の裁判記録や調書ってなぜ公開されないんでしょう。ブログ主が知らないだけかも知れませんが。
安重根が自分の過ちに気付いて伊藤博文やその家族に謝罪の意を表していたことなどは、上述の本に書かれているくらいですから、どこかに書かれたものがあるはずですよね? それを公にしたくない力が働いているような気がします。
【2019/09/16追記】その後、和田政宗議員の働きにより、案内板は撤去されたそうです。(リンク先は撤去をアナウンスする和田議員のツイート)
【2023/02/11追記】安重根と千葉十七の逸話は、もしかしたら、脚色されている可能性があります。→こちらのエントリー参照。
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コメント
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>とおりすがりさん
>
>「安重根事件公判速記録(初版)翻刻版」 歴史のなかの闇を探る
ありがとうございます!
調べたら、市立図書館にもありました。機会を見て読んでみようと思います。
感謝します。
投稿: 大師小ブログ管理者 | 2020/07/14 00:46
「安重根事件公判速記録(初版)翻刻版」 歴史のなかの闇を探る
価格 2700+税円
判型:A5判、216ページ、並製
ISBN 978-4-8265-0596-3
初版発行年月 2014年2月25日
発売日 2014年2月25日
というのが出版されています。
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投稿: とおりすがり | 2020/07/12 16:01