【対韓輸出規制】韓国のフッ化水素の輸入窓口は化学材料業者
公開: 2019-07-08 10:55:40 最終更新: 2019/07/09 15:00
日本政府(世耕経産大臣)や萩生田光一氏がフッ化水素などの化学品に関して「行き先が分からない」と発言したことに対し、朝鮮日報に専門家の反論が掲載されました。
反論自体はどうでもいいのですが、やはり、メーカー直の取引ではなく、間に輸入業者(化学材料業者)が入っていることが分かるので、覚え書きとしてメモしておきます。
もし、メーカー(LG、サムスン、etc.)は必要な量しか注文・納品されていないというのであれば、この業者の「輸入量」と「国内販売量」が一致しているかどうか?ということが問題となるわけですが。(2019/07/09 記事の後に追記)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/08/2019070880024.html
輸出優遇除外:フッ化水素の化学兵器転用、日本の主張を韓国の専門家が反論
2019/07/08自民党の萩生田光一幹事長代行が「(日本が輸出した)化学物質の行く先が分からないような事例(がある)」と発言したことを巡って、韓国政府は「そんなことはない」と否定した。韓国の業界や専門家らも「現実味がないだけでなく、科学的にも話にならない」という立場だ。
産業通商資源部(省に相当)は7日、「日本側の報道が出た後、関連の事実を確認したが、化学物質(フッ化水素)が韓国を経て北朝鮮に輸出されたことはなかった」と説明し、さらに「韓国は南北対立の状況にあるだけに、戦略物資に関する国際コントロール体制を最も厳格に順守している。日本政界の一部の主張は受け入れ難い」と反論した。
サムスン電子やSKハイニックスなど韓国の半導体メーカーは、化学物質の転用可能性について「不可能」だとしている。メーカー関係者は「フッ化水素は韓国の化学材料業者を通して日本から輸入してくる。原材料の通関手続きを経て、精製して完成品になれば半導体メーカーに納品する。全てのプロセスが徹底して監視・管理されており、中間で(化学物質が)よそに漏れるというのはあり得ない」「正確に注文した量だけ倉庫に入り、注文量と入庫量の差も絶対出ていない」と語った。
また「フッ化水素は化学兵器を作るのに利用できる」という日本の主張について、専門家らは「事実上不可能」という立場だ。
李悳煥(イ・ドクファン)西江大学化学科教授は「兵器として使う毒ガスは、ほとんどがリンや塩素の化合物で、フッ素化合物はない。フッ素化合物を武器として使うには、不便な点が一つや二つではない」と語った。
もちろん、半導体製造に使われるフッ化水素が漏れたら、人や動植物に深刻な被害を与えることはあり得る。2012年に慶尚北道九尾で起きたフッ化水素酸(フッ酸)ガス漏れ事故では、工場の労働者5人が死亡し、18人が中毒症状を起こした。だがこれは瞬間的に大量のフッ化水素ガスにさらされた場合にのみ起こることであって、ごく微量でも殺傷効果を出さなければならない毒ガスには適合しない。李教授は「フッ素は自然の状態で漏れたら、ほかの物質とすぐに結合し、容易に毒性を失う」と語った。
上記は朝鮮日報の記事ですが、輸入者について中央日報では少し異なる説明をしていました。
現在のサムスン電子やSKハイニックスは大きく2つにエッチングガスを供給されている。ステラケミファなど日本企業から直接高純度のエッチングガスを輸入し、あるいは韓国にある協力企業が買い入れた一般のフッ化水素を高純度に加工した製品を調達する方式だ。
メーカが直接購入するものと化学材料業者経由のものとあるようです。
その業者が「一般のフッ化水素を高純度に加工した製品」なんて作れるのかどうかは知りません。中央日報はこう書いているけれど、半導体製造に使わないなら、高純度にする必要は無いのかも。
いずれにしても、ごく少数の企業しか日本から戦略物資ともなりうる化学品を購入していないようです。
【記事全文】
https://japanese.joins.com/article/327/255327.html?servcode=300§code=300&cloc=jp|main|top_news
日本でなければ台湾でも…サムスン副会長、フッ化水素を探しに東奔西走
2019年07月09日09時32分
昨夜、日本に到着したサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が日本政府が取り引き規制の対象に含まれた半導体先端素材3つ(フッ化水素・フォトレジスト・ポリイミド)の取引先を探すために東奔西走している。李副会長は日本羽田空港に到着した直後である7日夜にも取材陣の質問に発言を控えて「梅雨ですね」と短く答えて準備された車両に搭乗した。
7日、日本経済新聞は李副会長が取引先の企業幹部に会って日本以外の工場から韓国に素材調達を要請するだろうと報じた。日本以外に台湾・シンガポールに生産拠点をもつ素材会社ステラケミファから高純度のフッ化水素(HF・エッチングガス)を調達するための目的と見られる。フッ化水素は半導体の製造工程の中で回路の形通りに削るエッチング工程に使われる。IT業界によると、エッチングガスは毒性があって長時間保管が難しい理由に「JIT(Just in time・適時供給)」が必須だ。
サムスン電子の要請と違い、ステラケミファは現在の日本政府の最終承認を得てこそ台湾などの地域からで韓国にエッチングガスを輸出することができるという立場だと知らされた。日本経済産業省がエッチングガスをはじめ、戦略物資の輸出許可権を握っているため、これを考慮した措置に見られる。
現在のサムスン電子やSKハイニックスは大きく2つにエッチングガスを供給されている。ステラケミファなど日本企業から直接高純度のエッチングガスを輸入し、あるいは韓国にある協力企業が買い入れた一般のフッ化水素を高純度に加工した製品を調達する方式だ。
匿名を要求した半導体業界関係者は「ガス形態のフッ化水素でなくても液体などケミカル形態のフッ化水素を使うことができるだろうが、円滑な工程のためには高純度のエッチングガスを十分に確保するのが良いだろう」と説明した。
他の取り引きの規制品目であるフォトレジスト(PR)を生産する日本現地企業のTOKも李副会長の現地日程に含まれる可能性がある。TOK関係者は最近、時事通信とのインタビューを通じて「米国のファーウェイ(華為技術)の制裁が多少緩和されるという期待感が大きくなったが、突然政府の輸出規制が不可能になり失望感が大きい」として「極紫外線(EUV)のフォトレジストは生産量が少なく、韓国でも生産施設があり影響は制限的になる可能性もある」と伝えた。TOKは仁川松島(インチョン・ソンド)に生産拠点を構えている。
李副会長の帰国は9日が有力視されている。ただし、サムスン電子は「何も決まっていない」という立場だ。
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