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2019/07/18

【韓国の瀬取り】読売新聞も金正恩のリムジン密輸ルートで「韓国隠し」

前回のエントリーに18日付読売の記事を追加しておきましたが、これはリムジンの密輸ルートにある尼崎市の企業に焦点を当てたものです。

日本の企業が不正に関わっていたならそれを追及することに不満はありませんが、なぜか、ナホトカに向かったはずの貨物船が韓国領海内でAIS(船舶識別装置)のスイッチを切って18日間位置情報を隠していたことをどこも問題視しないのかが不思議でなりません。

 

20190718_yomiuri02

 

なぜ、ブログ主がこれに拘るかというと、現在、日本政府(経済産業省)は韓国の輸出管理体制に疑惑の目を向けているわけで、かねてから韓国企業は瀬取りの疑いもあり、これは良い傍証になるからです。

さすがに、ブログ主が考えつくようなことはシンクタンク(C4ADS)が調査しているとは思いますが、「平壌からウラジオストクに飛んだ飛行機はカモフラージュで、実はDN5505号が北朝鮮と直接リムジンと石炭を瀬取りした」という仮説も理論上は成り立つからです。

また、レーダー照射事件の発端となった日本の大和堆付近での怪しい動きも記憶に新しいところです。

 

* * * *

 

BS朝日『日曜スクープ』の瀬取り特集(4月7日放送)

AISに関してはテレビで古川勝久・元国連北朝鮮制裁委員会専門家パネル委員が4月にも説明をされていました。但し、この時はAISの信号を送信したまま瀬取りをしていた、という例です。記録のために書き留めておこうと思います。

 

まず、この件に関する記事をご紹介します。(以前のエントリーに掲載したものを再掲) この瀬取りの疑いのある韓国船「Pパイオニア号」は米国の要請で韓国当局が留め置いています。

 


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43285990T00C19A4FF8000/
日経 韓国タンカー「瀬取り」関与か 石油製品4千トン、北朝鮮に
2019/4/3 

【ソウル=恩地洋介】海上で積み荷を移し替える「瀬取り」で北朝鮮船に石油製品を提供した疑いがあるとして、韓国当局が韓国籍タンカーを摘発し捜査を進めていることが3日、分かった。2017年9月に東シナ海の公海上で4300トンの石油精製品を北朝鮮の船に積み替え、国連安全保障理事会の制裁決議に違反した疑いが持たれている。タンカーは釜山港に係留されている。

制裁決議違反の疑いで韓国籍船の出港が禁じられるのは初めてという。聯合ニュースによると、捜査の発端は米国の通報だった。国連安保理が北朝鮮への石油輸出を厳しく制限する中、北朝鮮は瀬取りによる密輸を増やしている。米国は日本とともに海上の監視を徹底、北朝鮮への融和姿勢が目立つ韓国にも協調を求めている。

韓国海洋警察は1月30日に、韓国船籍「Pパイオニア号」の船長とその管理会社を船舶入出港法違反などの疑いで送検した。17年9月に北朝鮮の船舶2隻に対し、海上で石油製品を提供したとされる。

韓国外務省によると韓国の港には現在、他国船籍を含む計4隻の船舶が瀬取りなどの疑いで留め置かれている。これらの扱いについて、同省当局者は3日「米国や国連の北朝鮮制裁委員会と緊密に協議している」と述べた。

捜査当局から資料を取り寄せた韓国国会議員によると、18年にも韓国籍の船舶が瀬取りの疑いで捜査を受けたが、証拠不十分で係留措置は解除された。この船は18年5月から8月にかけて台湾の北300キロの東シナ海上に停泊したことが複数回確認された。17年以降、27回に渡り計16万トンの石油製品を運んだとみられる。

 

この事件は、古川勝久氏が出演されたBS朝日の『日曜スクープ』の『#74 2019年4月7日(日) 追跡!!北朝鮮「瀬取り」 拡大化する実態』で取り上げていました。(番組での発言内容をテキスト化したもので、参考になるサイトですから一読をお勧めします。)

ここでは、該当部分のみを引用します。

 


山口(キャスター)

私たちの想像以上に大規模に行われている瀬取りなんですが、その実態をこれから詳しく見ていこうと思います。私たちはある船に注目しました。これは瀬取りで摘発された船なんですね。韓国籍です、Pパイオニア号なんですね。

この全長110M、幅19M、総トン数が5160トン。原油や重油ではなくてガソリンなどの石油精製品を運ぶタンカーであるということなんです。

このPパイオニア号が何をしたかと言いますと2017年9月に北朝鮮のタンカー2隻に対して合計4320トンの軽油を積み替えた疑いが持たれていまして、去年10月韓国の海洋警察に摘発されています。Pパイオニア号なんですが船の位置情報から驚きの情報がわかってきたんですね。神戸大学 大学院海事科学研究科 航海マネジメントグループの若林伸和教授に分析をしていただきました。

6回の不自然な航海があるということなんです。摘発される前の半年間だけで6回。そのうちの一つをここで確認して行こうと思います。

Pパイオニア号の動きですね。2018年、去年の8月14日シンガポールを出港しました。ずっと進んでいって10月9日に韓国のプサンに到着をしているんですが、この航海にかかった日数が55日もかかっているんです。データ上は、この間どこにも寄港していないということなんですね。通常ですと2週間程度で到着する距離だということですから、つまり40日も多いという話になります。

利益を追求する商船では、そんなに長い間、航行に時間をかけるということは、燃料も使いますから、考えられないそうです。じゃあ、一体何なんだということになってくるわけです。詳しく調べると、台湾のやや北側の海域、拡大した図です。

 

20190704_bsasahi

 

このPパイオニアがずっと北上してきて、2回を大きく曲がっていますよね。およそ2日間、この海域にとどまっていたということが新たに分かってきたんです。若林教授がこういう分析をしています。船の往来が多く停泊すると危険であると。それから、碇を降ろすような浅瀬ではない可能性が高くて、この海域にとどまること自体が非常に不自然だと話しています。もう一つです。この海域は、領海や接続水域の外に当たるんですね。中国の権限が及ばないということなんです。領海や接続水域の外側、中国の権限が及ばない海域で2日間停泊していた、非常に怪しい動きなんですが、古川さんはこのPパイオニアの動き、どんな風に分析されていますか。

古川

比較的真面目な船ですね。どの船も安全目的のために、自分の位置情報をシグナルとして発信するというのが国際海事機構の規則として定められているんですが、普通、瀬取りなどを行う船の場合は、よくそれを消すんですね。ですけども、この船の場合は消さずにそのままやったと。ただ、ポイントはこのスローで動いている時に、どこかで止まったポイントがあるとすれば、そのタイミングで、例えば、そのシグナルを出していない北朝鮮のタンカーが来て横付けをしていた可能性が憶測されますが、衛星画像で分析しないと正確なとこが言えないかなとは思います。

山口

Pパイオニア号は位置情報出しているけども、ここに瀬取りに来た船が位置情報を消していて、この2日の間に、そこで瀬取りをやっていた可能性があるって事ですね。

古川

北朝鮮の船舶は基本的には出さない。自分の位置情報を隠すというのはあまり通常では考えられないこと。やはり、位置情報を消すのはやましい事をする時ですので。そういう船がいた可能性を丁寧に検証する必要があると思います。非常に的確な分析をされていると思います。

 

以下は個人的に気になる部分。

 


■違反企業の関係先が日本国内にも

山口

瀬取りですが、実際にこういうこともありました。実際に、北朝鮮の国連制裁違反をしたA社という会社があるんですが、ここの会社が複数のこの船を所有しています。これが日本に立ち寄っていたということがありました。この船、実は、日本でも保険に加入していたという事実もありましたし、この会社の事実上の支社が日本に存在しているということです。本当にこの実態見ると、古川さん、なんとかしなきゃいけないっていうのはありますよね。

古川

これはあくまで1社の事例で、他にも色々あるんです。

例えば、韓国が今、係留している石油タンカーのうちの一隻というのは、もともと香港の企業が持っていたんですけど、非常に怪しい、かねてから国連でも注目されていた中国の船舶企業集団です。この関係者って東京都内、今このスタジオから非常に近いところに会社を構えておりまして、そこの経営者なんです。それは、香港の企業を使っておそらく韓国の企業に売却して、それが今、韓国が係留しているタンカーの一つなんです。東京都内の取締役の顔ぶれを見ると、北朝鮮との船舶取引で中核的な企業の中心人物が取締役として就任しています。さすがに、やっぱりこういう状況というのをなぜ放置していると、寛大過ぎると思いますね。あまりにも今の日本国内の取締りの法律というのが既存の法律をベースにしてなんとか拡大適用しようということしか考えてないので、安保理決議が加盟国に要求するようないろんな制裁措置があります。これが全然追いついてない、ギャップがあるというのが現状ですね。

 

韓国が複数の石油タンカーを係留していることが分かりますが、その内の一隻は前回のエントリーで登場したDN5505の所有者Kazachuk氏の所有するもう一隻の船「Katrin」で、先月、Kazachuk氏の要請で韓国当局がこのタンカーをスクラップにしています。DN5505もリムジンの密輸の直前に香港の会社から購入したもの。

  • (NYTの記事:原文) The South Korean authorities have seized at least six ships since late 2017 on suspicion of sanctions violations. Last month, it began scrapping the Katrin. Officials said the dismantling was done at the request of Mr. Kazachuk, who did not want to continue accruing docking fees for the seized ship.

 

 

  


 

 

 

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