【対韓輸出規制】日本政府が発した「守秘義務」という言葉
公開: 2019-07-12 18:49:59 最終更新: 2019/07/13 6:53
本題の前に...
本日、韓国から産業通商資源部(省に相当)の2名が来日し、日本の経産省の課長級の職員2名が会談しました。
韓国のメディアによると、来日したのは全贊洙(チョン・チャンス)貿易安保課長とハン・チョルヒ北東アジア通商課長だそうですが、日本政府は「協議」ではなく、「説明」だとしています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47276670S9A710C1MM8000/?n_cid=SNSTW001
日韓当局、輸出規制で初会合 半導体材料3品目巡り
2019/7/12 14:05
日韓両政府の輸出管理の担当者が12日、経済産業省内で事務レベルの会合を開いた。日本政府が韓国向けの輸出規制を強化して以降、初の会合となる。世耕弘成経産相は2国間協議や規制強化の撤回を拒否する姿勢を示しており、経産省は今回の会合は「事務的な説明の場であり、輸出管理当局間の協議ではない」と強調している。(以下略)
* * * *
今のところ、公式な発表(経産省の告知と政府関係者実名で発言したもの)としては、下記のこと以上のことは公表されていません。「北に流れた」という発言をFNNが報じました(※1)が、これは与党幹部という匿名の情報です。
抜き打ち検査の結果、今回、明らかに大量に、行き先の分からない輸入が発覚。
(「今回」の時期については、有本香氏が7月11日の虎ノ門ニュースにで萩生田光一氏から電話で聞いたという情報としては「昨年暮れ」。昨年11月に輸出書類の問題で3日間の輸出規制がありましたが、これかも知れません。一度輸出許可を取ったら3年間許可申請の必要が無い運用だったので、引っかかるとしたら通関の所です。)
7月1日に経産省からPDFで配布された通知に「ストック販売(需要家未定の取引)を規制する」ということが書かれていたことは「行き先の分からない輸入」を裏付けするものです。
韓国メディアの報道から、半導体メーカー以外に化学材料業者が輸入していたことは分かっており、仮に半導体メーカーが横流ししていたとしても、需要家は自分(半導体メーカー)として輸入しているはずですから、論理的に考えると、この化学材料業者が怪しいことになります。
【2019/07/13追記】昨晩(12日)のプライムニュースでは世耕大臣がTwitterで挙げた理由〔経緯)の3番目に拘っていたのですが、確かにこれを挙げる必要性はあったのか、という疑問は持ちますが、韓国が「国家間の協定を簡単に破る、信頼に足らない国」ということを象徴する行為ではあり、謂わば、「傍証」として意味はあると思います。
経緯③ さらに今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次ぎ、その上で、旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が示されず、関係省庁で相談した結果、信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない。
* * * *
ここからが本題です。
韓国側は詳細を聞き出そうとしていますが、日本側の回答は「守秘義務がある」のみ。この言葉は複数のメディアが報じていました。
ブログ主は、この「守秘義務」という言葉が引っかかります。
普通、「守秘義務」と聞いたら、「誰に対してだろう?」と思うはずなのです。メディアはなぜこれを問いたださないのでしょうか。
「(情報を提供した)第三者」がいないと「守秘義務」などという言葉は使わないのではないでしょうか。そして、一番あり得るのは「アメリカ」でしょう。
もちろん、日本政府がこれ以上のことを言わないのですから、「情報提供者(国)があるのかどうか」質問しても答えないでしょうが、メディアがこの言葉に拘らない、あるいは、この言葉が示唆するものを伝えないのは、「日韓の報復合戦」のように問題を矮小化しておきたいからではないかと思います。
以下、「守秘義務」という発言のソースを示しておきます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46982190U9A700C1EA2000/
政府、「不適切事案」説明せず
2019/7/5付日本経済新聞 朝刊政府は韓国向けの輸出規制を導入した理由について「不適切な事案が発生した」などと説明している。ただ具体的にどんな事案があったのかは全く明らかにしていない。
政府は貿易管理上の規制を実施するのは、国際的な枠組みに参加している各国の自主判断に任されているからだと説明する。世耕弘成経済産業相は「輸出管理を適切に実施するため、運用上の対応をしている」と強調。不適切な事案を明確にしない理由についても、経産省は「守秘義務がある」と説明するだけだ。
韓国政府が世界貿易機関(WTO)の協定違反と主張しているのに対し、日本は国際ルールである関税貿易一般協定(GATT)21条の「安全保障上の例外措置」などを理由に違反には当たらないとの立場だ。
輸出規制は元徴用工問題で韓国の対応を促すための事実上の対抗措置との見方が多い。元徴用工への慰謝料の支払いを日本企業に求めた韓国の司法判断は、日韓関係に深刻な影響を与えている。
韓国側に一義的な責任があるとはいえ、具体的な説明が乏しいままで輸出規制にまで踏み込むことに国際的な理解が得られるか不透明だ。
安倍晋三首相は4日夜のNHK番組で「ボールは韓国側にある。国際法の常識に従って行動してほしい」と語った。
https://www.sankei.com/column/news/190710/clm1907100004-n2.html
2019.7.10 07:45|
【社説検証】韓国への輸出規制 産経は「法で対処は当然だ」(一部引用) 規制の厳格化を安全保障上の措置だとする日本政府は、韓国に不適切事案があったとするが、その内容は「守秘義務がある」などと明らかにしていない。
【※1】
https://www.fnn.jp/posts/00047123HDK/201907051933_livenewsit_HDK
軍事転用可能な物品が韓国から“北朝鮮”に!? 韓国への輸出管理強化の背景とは
2019年7月5日 金曜 午後7:33(一部引用)また、与党幹部によると「ある時期、今回のフッ素関連の物品に大量発注が急遽入って、その後、韓国側の企業で行方が分からなくなった。今回のフッ素関連のものは毒ガスとか化学兵器の生産に使えるもの。行き先は“北”だ」と指摘する。
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