【朝日】慰安婦報道訴訟、植村氏の請求棄却/植村氏の記事は何故悪質なのか
先日、植村隆・元朝日新聞記者が週刊文春と西岡力氏とを相手取って提訴した訴訟に対し、東京地裁が請求棄却としました。(係属部は民事第33部/事件番号は平成27年(ワ)第390号)
「棄却」というのは申し立てについて審理した上で理由がないとして排斥することです。一方、「却下」とは申立てそのものを不適法として門前払いすることです。
既に櫻井よしこ氏の前例があったので当然の事と思い、それほど関心を持たなかったのですが、文春の記事のタイトルを知ったので少し調べて見ました。
まず、下は植村隆元記者の請求棄却を報じる記事。
https://www.sankei.com/affairs/news/190626/afr1906260008-n1.html
慰安婦報道訴訟、植村氏の請求棄却 東京地裁
2019.6.26 11:59「慰安婦記事を捏造(ねつぞう)した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏(61)が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授(63)に計2750万円の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。原克也裁判長(大浜寿美裁判長代読)は「指摘は公益目的で、重要部分は真実」などとして植村氏の請求を棄却した。植村氏側は控訴する方針。
朝日新聞記者だった植村氏は平成3年8月、韓国人元慰安婦とされる女性の証言を初めて掲載した。西岡氏は記事について「意図的に事実を捏造した」と批判する論文を発表し、26年の雑誌「週刊文春」では「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」との見出しを付けた記事で同趣旨の指摘をした。
判決では、植村氏は、元慰安婦とされる女性について日本軍に強制連行されたとの認識がなかったのに、「戦場に連行された」との事実と異なる記事を書いたと認定。「強制連行したと報道するのとしないのとでは報道の意味が変わり得ることを十分に認識していた。記事は意識的に言葉を選択して記載したもの」として、西岡氏らの指摘は真実性があるとした。
植村氏は、文春の記事で平穏な生活が侵害されたとも主張していたが、判決は「植村氏が大学教員を務めることの妥当性について問題提起をする目的があった」とし「公共の利害にも関わることを考慮すると、表現の自由の範囲内」として訴えを退けた。
判決後に会見した植村氏は「非常に危険な司法判断。言論人として堂々と闘いを続ける」と述べた。
PR文芸春秋法務・広報部は「当然の判決と受け止めています」とのコメントを出した。
記事にも書かれているように、西岡氏と文春の記事は別々に書かれたもののようですが、検索して記事の一部を画像で見たら記事中に西岡氏のコメントが掲載されていました。(2014年2月6日号記事/画像は雰囲気が分かるようにお借りしたもので、西岡氏のコメントは見切れていて読む事はできません。)
なお、上記産経記事では文春の1つの記事にしか言及していませんが、もう一つ、2014年8月21日号の『慰安婦火付け役朝日新聞記者はお嬢様女子大クビで北の大地へ』という記事が対象だそうで、上の画像や記事のタイトルからも想像がつくように、また、週刊文春を読んだ事がある方なら分かると思いますが、軽い噂話やゴシップ記事のような扱いだったのだと思います。
西岡氏に対しては、画像の記事へのコメントの他、4本の論文や著作に関する請求です。
* * * *
植村氏の記事は何故悪質なのか
植村隆氏は1991年8月11日付でこの記事を書いており、関西先行で、東京本社版では翌12日に一部を削除して掲載したと、2014年の読売新聞の検証記事で読みました。
慰安婦報道の発端は吉田清治という人物の虚偽の証言や著書ですが、これは80年代の話で、当然、このような記事が出れば専門家や記者が後追いで取材します。例えば、日本では秦郁彦氏が調査をし、韓国でも、女性記者が済州島で調査をしました。
1989年に吉田の著書が韓国で翻訳されると、済州島の済州新聞は1989年8月14日に許栄善記者による記事を掲載、そこで済州島城山浦の85歳の女性の「250余の家しかないこの村で15人も徴用したとすれば大事件であるが、当時はそんな事実はなかった」という証言を紹介し、吉田の著作には「裏付けの証言がない」と批判した[7][8]。また同記事で済州島の郷土史家金奉玉も、数年の追跡調査で吉田証言が事実ではないことが判明したとし、吉田の本は「日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物」と批判した[9][3]。 (Wikipedia『朝日新聞の慰安婦報道問題』より)
こうした調査により、90年頃には「強制連行」したという吉田証言は眉唾らしいとなっていたのですが、植村氏の書いた記事で、「挺身隊の名の下で」という衝撃的な“証言”が飛び出したのです。
“嫌がる女性を無理矢理連れ去った”という話ではなく、「挺身隊」、即ち、勤労奉仕だと騙して女性を集めたという別のストーリーが出てしまい、下火になりかけていた慰安婦問題に再び火を点けることになりました。
つまり、彼は吉田清治に匹敵する「罪」を犯した事になります。
ないものを「ある」とでっち上げられたら、それを「ない」と証明する事がどんなに困難な事か、つい最近も「モリカケ」で経験しましたが、朝日はこれに乗じて、再び慰安婦キャンペーンを開始します。
大人しくしていたら、一連の朝日の慰安婦捏造報道に紛れて一般の人には忘れられていったかも知れないのに、わざわざ訴訟を起こして自分から話題を振りまいているのですから、ただでさえない“名誉”が毀損されても、それは自業自得というものです。
【参考】
- ブログエントリー: 【朝日新聞慰安婦報道】櫻井よしこ氏側勝利判断は妥当である/附:慰安婦報道訂正記事
- 動画: チャンネル桜 【西岡力】元朝日新聞記者・植村隆氏からの挑戦状[桜H27/1/13]
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