万世一系の皇統(2)過去にも「宮家」がなければ皇統が断絶していた/旧宮家復活を!
前回のエントリーの続きです。
先日チャンネル桜の『夢を紡いで』のシリーズに百地章先生が出演されて、過去に何度か皇統の危機があり、現在まで皇室が続いてきたのは宮家という存在があったからだというお話をされていました。
【夢を紡いで #65】旧宮家から皇族を!百地章氏に聞く「男系」による皇位の安定的継承[桜R1/5/10]
司会:中山恭子(参議院議員) ゲスト:百地章(国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授)
例えば、江戸時代後期の後桃園天皇(118代/在位:1770~1779)から光格天皇(119代/1779~1817)への譲位は113代の東山天皇(1675~1709)まで遡り、そこから傍系の閑院宮(かんいんのみや)家の光格天皇まで7親等離れています。
後桃園天皇から共通の男系祖先である東山天皇までは70年の隔たりがあります。
現在の旧宮家がGHQにより臣籍降下させられたのもたかだか70年ほど前ではありませんか。いつまで、GHQの呪縛に囚われているのでしょうか。
こうやって伝統を守ってきたものを、なぜ、現代人の浅知恵で途絶えさせようとするのか、理解に苦しみます。
いえ、その意図が分かっているので危険視しているのですが。
「女性天皇」(父親の系統で皇統に繋がる、例えば愛子内親王)は伝統的には独身ですが、仮に結婚された場合、その子どもは既に皇統を次いでいるとは言えません。
また、「女性宮家」は、本来は男系のみが「宮家」なので、この発想自体が皇統破壊の第一歩なのですが、仮に女性宮家として「眞子内親王」が宮家を創設された場合も、例えば田中さんと結婚したら、その宮家は田中家となり、皇統は繋がっていません。
こうして、皇室制度という伝統を破壊するのが目的なのです。
ところで、動画を観て驚いたのが、「元号の存続」を巡ってパブリックコメントを募集していたこと。気付かない方が悪いと言えばそれまでですが、気付いた人間だけの意見を聞いてどうしようと思ったのでしょうか。
3月21日の首相の国会答弁
なお、動画の中で言及している国民民主党の大塚耕平氏と安倍総理の旧宮家復活に関わるやり取りですが、百地氏が仰るように、少し言葉が不十分だとは思いますが、「GHQの決定を覆すということは全く考えてはいない」という部分ばかりに焦点を当てて、後段の発言が軽んじられているように思います。
また、その後の産経新聞の報道では、阿比留記者が総理から直接聞いたことには、総理の真意は「全ての宮家を復活するつもりがない(一部なら~)」という意味だということを書いているそうです。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/198/0060/19803200060005a.html
第198回国会 財政金融委員会 第5号
平成三十一年三月二十日(水曜日)○大塚耕平君 (前略)
同様に、このGHQの指示に基づいて十一宮家と二十六人の皇族の方が皇籍離脱をしたという、これをこのままにしておいて本当に戦後政治の総決算ができるというふうにお考えですかという質問をさせていただいております。○内閣総理大臣(安倍晋三君) 皇籍を離脱された方々はもう既に、これは七十年前の出来事で、七十年以上前の出来事でございますから、今は言わば民間人としての生活を営んでおられるというふうに承知をしているわけでございます。それを私自身がまたそのGHQの決定を覆すということは全く考えてはいないわけでございます。
他方、恐らく皇位の継承との関係で御質問されているんだろうと、こう思うわけでございますが、同時に、この安定的な皇位の継承を維持することは国家の基本に係る極めて重大な問題であると考えておりまして、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があると、このように考えております。
なお、同じ議事録の中で麻生太郎大臣が、やはり大塚議員の質疑に答えて「女性天皇」・「女系天皇」に言及しているので抜き書きしておきます。
○大塚耕平君 (前略)
その上で、財務大臣にお伺いをいたします。
昨日、渡辺委員は皇室の今後の安定性というお立場から御質問をされたと思うんです。私も全く同じ問題意識を持っておりまして、そういう意味で、官房長官が新天皇御即位後に皇統継承の在り方についてできるだけ速やかに議論をしていきたいというようなニュアンスの御発言をされて、新聞記事にもなっておりますけれども、そういう意味では、まず新天皇の御代が長く続かれて安定されることをお祈り申し上げますが、先々ずっと安定的に皇統が継承していくためには、女性天皇の話も今もちろん出ております、まあこれ、どうされるかは今後の対応でありますが。それから、GHQの指示で皇籍離脱をされた方々がたくさんいらっしゃるわけであります。
この女性天皇の在り方と皇籍離脱をされた皆さんの考え方について、副総理として麻生副総理のお考えを伺いたいと思います。○国務大臣(麻生太郎君) 財政金融委員会で述べるのはいかがなものかという感じが率直なところですな。少なくとも、この種の話は相続税法の話から入った話で、昨日はね、話でしたけど、相続税法で語られるようなレベルの話ですかね、これは。憲法とか民法とか、そういったようなレベルの話から入ってこないと、この種の話はうかつなことは申し上げられないのではないのかなと、昨日、渡辺先生の質問のときに似たようなことを御答弁申し上げたと思いますけれども。
そういった形で、この女性天皇、女系天皇、いろいろお話がありますけれども、私どもとしては、一番の肝腎なことは、少なくとも国家は、今百九十幾つ世界中に国があるんだと思いますけど、その中で百二十五代にわたって天皇というものがきちっと存続して、まあ皇紀二千六百七十八年とかいろんな表現ありますけれども、そういった中でこういったものが綿々と続いているというのは、これは日本の最も世界に冠たる宝なんだと、私どもはそう思っておりますので、そういった意味では、これまで続いてきた長い間の伝統とかいうものをうかつに変えられるというのは、我々の知恵とか我々のレベルの話で、もっと広く多くの方の知識、見識、そういったものを集約した上でこの種の話は語っていただかぬと、我々の浅はかな知恵でうかつなことを申し上げるのはいかがなものかというのが率直な実感です。
旧宮家の復活に反対する左翼に対する反論
下の画像(キャプチャ)は、復活戴くとしたら最有力候補の伏見宮家について、このように反論すべしと言う百地氏のアイディアです。他の宮家も含めると8名くらいの若い方がいらっしゃるそうなので、同様な理論武装をすべきと考えます。
旧宮家復活の手続きは?
- 皇室会議(皇室会議には皇室の方が含まれているので意見が反映される)の議を経て、国民の代表(国会)で議論し、特例法で対処すべき。
- 現時点では悠仁親王の代まで60~70年後まではは安泰なので、今きちんと準備をしておけば更に安泰である。
というお話でした。今は御代代わりの直後で、ある意味、皇室ブームのようなものもあり、また、悠仁親王を脅かす事件もあったので、国民の関心が高い内に是非万全にしておくべきと考えます。
【正論】
動画で話された内容を含め、今年2月に百地氏が寄稿された産経の『正論』記事。
関連動画
■陛下のお言葉(譲位の意向=当時のマスコミ用語では生前退位)の頃の討論
【討論】皇室攻撃報道と女性宮家策動[桜H29/6/17]パネリスト: 加瀬英明(外交評論家)、小堀桂一郎(東京大学名誉教授)、斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)、長尾たかし(衆議院議員) 、
水間政憲(近現代史研究家・ジャーナリスト)、八木秀次(麗澤大学教授・一般財団法人 日本教育再生機構理事長)司会:水島総
■女性宮家の議論が付帯事項に盛り込まれたことでの討論
【討論】政治的妥協でいいのか?皇統譲位の儀[桜H30/3/17]パネリスト: 有村治子(参議院議員)、加瀬英明(外交評論家) 小堀桂一郎(東京大学名誉教授)、斎藤吉久(宗教ジャーナリスト) 髙清水有子(皇室評論家) 、水間政憲(近現代史研究家・ジャーナリスト)、村上政俊(元衆議院議員・皇學館大學非常勤講師)、村田春樹(「今さら聞けない皇室研究会」顧問)、八木秀次(麗澤大学教授・一般財団法人 日本教育再生機構理事長)
司会:水島総
【竹田恒泰】女性宮家問題と旧皇族復帰について[桜H24/1/30]
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