日本の「高専教育」の輸出が本格化/タイに「KOSEN」5月開校
ブログ主の覚え書きです。
掲題の通り、日本の支援を得てタイに高専型教育が導入されました。その1校目が5月に開講したとのことです。
これに関しては、2月に読売新聞の特集記事があり、興味深かったので保存していました。開校の記事とともに記録しておこうと思います。
高専(高等専門学校)とは、専門職業教育と普通教育とを施す学校で、工業または商船に関する学科を置き1962年から開設されました。
5年制で、現在(読売新聞記事/2019/02/15時点)、国立51校の他、高率、私立各3校があります。機会、電気・電子、情報、建築なdの工学系を中心に実験・実習を重視した専門教育を15歳から行い、教員には博士号を有する者も多いそうです。卒業時に準学士(短期大学と同等)の称号を得ることができます。
準学士は米国式だと「AA」(Associate of Arts)degreeですね。
タイに開校する以前にも、モンゴルで日本の高専への留学経験者等が中心となって3校が開設され、今年、1期生が卒業するそうですが、開校から日本が関わるのはタイが初で、昨年夏に日タイ間で高専型教育の導入に関する協定を締結しています。
今後も他国での導入が進みそうで、既にベトナムにはノウハウを提供するために高専機構の事務所が開設され、マレーシアやインドネシア等も関心を寄せているそうです。
アジアでの展開に伴い、高専機構では「KOSEN」の商標登録手続きも進めているそうです。
下は読売の記事(一部)です。
参考記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43811780W9A410C1LKA000/
日経: タイに「KOSEN」 高専機構、現地の国立大と
2019/4/16 19:58国立の高専を運営する国立高等専門学校機構(高専機構)は16日、奈良市でタイ・バンコクの国立モンクット王工科大学トンブリ校と包括的学術交流協定を結んだ。日本が協力するタイでの高専設立プロジェクトの一環で、同校が運営母体となる「KOSEN」の2020年開校を目指す。
タイ側の関係者10人が奈良高専(奈良県大和郡山市)や鳥羽商船高専(三重県鳥羽市)、明石高専(兵庫県明石市)を視察する日程で来日。スウィット学長は調印式で「社会の課題を解決する人材を育成したい」と話した。
タイでは5月、同大学ラカバン校が運営する高専が開校する予定。日本同様、5年一貫の技術者教育を導入し、高専機構は7人の教員を派遣し運営支援にあたる。カリキュラムは主にメカトロニクス(機械工学)分野という。トンブリ校は2校目となる。
日本の高専の教育システムは産業立国を目指すアジア各国から注目されており、モンゴルでは留学経験者らが学校を設立。高専機構は運営支援を行ってきたが、開校から関わるのはタイのケースが初めてという。昨年8月、文部科学省とタイ教育省が日本型高専設置に向けた協定を締結した。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190512/k10011913351000.html
NHK:タイ 日本式の高専が開校 日本企業への就職も期待
2019年5月12日 15時30分日本企業が多く進出するタイで、即戦力となる技術系の人材を育成するため、日本の高等専門学校=高専の教育手法を取り入れた学校が12日開校し、新入生24人が入学しました。
この学校は日本とタイの両政府が進めるプロジェクトに基づいて、独立行政法人・国立高専機構などの支援で、首都バンコクにある大学内の敷地内に新たに設けられました。
日本からは合わせて教員8人も派遣されていて、開校式で国立高専機構の谷口功理事長は「世界が求めるレベルの実践力を持つ、創造力豊かな技術者になってほしい」とあいさつしました。
続いて新入生の代表のニチャパットさん(15)は「立派な技術者になって、タイのさらなる発展に貢献したい」と抱負を述べました。
今回入学した24人は、10倍以上の志願倍率を勝ち抜いてタイ全土から選抜され、授業料が免除されるだけではなく、奨学金の支給を受けながら、日本の高専が行っている技術系の人材を育成するためのカリキュラムに基づいて学ぶということです。
なかには日本語の授業も組まれていて、卒業生はバンコク近郊の経済特区などに進出している日本企業への就職も期待されています。
日本の高専の教育手法を取り入れた学校が海外で開設されるのは、モンゴルに続いて2か国目だということで、国立高専機構は今後も海外への展開を続けることにしています。
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