【改正アイヌ新法】自民党、法案了承/日本維新の会・丸山ほだか議員が問題点を質疑
公開: 2019/02/06 12:31 最終更新: 2019/02/10 8:23
昨日、従来の「アイヌ文化振興法」を全国展開するための「改正アイヌ新法」が自民党内の会議を通過しました。今後、与党内の手続きなどを経て、国会に提出されます。
https://this.kiji.is/465349443773695073?c=39550187727945729
政府の責務、先住民族を明記
2019/2/5 12:29自民党は5日、国土交通部会などの合同会議を党本部で開き、アイヌ民族を支援する新法案を了承した。法案ではアイヌを法律で初めて「先住民族」と明記し、アイヌ文化の振興や啓発の実施を「政府や地方自治体の責務」と位置付けた。政府は与党内の手続き後、閣議決定し今国会に提出する。
法案は、「アイヌの人々が民族として誇りを持って生活でき、誇りが尊重される社会の実現を図る」と強調。アイヌ文化の維持と振興への交付金制度の創設を盛り込んだ。
交付金制度は政府のアイヌ施策の基本方針に基づき、市町村がアイヌ文化の継承などを目的とした計画を作成。計画に沿う事業に交付金が支給される。
なお、現行の振興法自体が「旧土人保護法」に変わって成立したもので、これ自体が「アイヌ新法」と呼ばれる(※)ため、タイトルには「改正アイヌ新法」としましたが、当ブログ内では、現在議論されている法案のことを単に「アイヌ新法」と呼ぶことをご了解下さい。(Twitterのハッシュタグでも「#アイヌ新法」となっているようです。)
※【アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律】(Wikipediaより)
通称アイヌ文化振興法、アイヌ文化法、アイヌ新法。 1997年(平成9年)5月8日に成立、同年5月14日公布、同年7月1日施行。 この法律の附則2条により、北海道旧土人保護法(明治32年法律第27号)および旭川市旧土人保護地処分法(昭和9年法律第9号)は廃止された。
さて、上の記事にある法案(実際にはまだ公表されていない)ですが、この短い記事の中でも看過できない問題点があります。「先住民族」と明記することの危険性は既に何度も当ブログ内で書いているので、ここでは『アイヌ文化の振興や啓発の実施を「政府や地方自治体の責務」と位置付け』という部分に注目すると、今まで、北海道内の施策であったアイヌの様々な利権が、各自治体、つまり、日本全国に拡大するのです。
後述しますが、東京にはアイヌ支部もあり、関東にもいわゆる「アイヌ」が存在します。こうした「プロ・アイヌ」が各地の自治体で特権を有することになるのです。
「アイヌの儀式に使う魚を自由に捕らせろ」、「ここはアイヌの聖地だから自由に使わせろ」、等々。また、生活水準の低かったアイヌを救済する目的の「旧土人保護法」の流れから、未だに北海道ではアイヌ向けの様々な補助金制度がありますが、これが他の自治体でも適用されることになります。
以下、これを踏まえて、維新の丸山議員の質疑や、その他気になることを覚え書きとして書き留めておきます。
* * * *
インデックス
- 2019/02/05 衆議院予算委員会 日本維新の会・丸山ほだか議員の質疑
- 他にもアイヌ新法に疑義を呈する方達が...(藤井厳喜氏、青山繁晴氏)
- 『北海道が危ない!』(砂澤陣著)がオンデマンドで発売開始に
- 縄文の歴史が乗っ取られる!?
2019/02/05 衆議院予算委員会 日本維新の会・丸山ほだか議員の質疑
動画は衆議院の国会中継サイトのアーカイブス(5日の予算委員会)からでも観られますが、下のサイトにアイヌ新法に関する質疑部分を切り取った動画がupされています。
時間数にして数分なので、ご覧になった方が早いかと思いますが、質問のポイントは、
- 法案策定にあたり参考にした、アイヌ協会が行った生活調査は回答数(サンプル数)が少ない。
- しかも、そのアイヌ協会は過去に様々な不正会計を行っている問題のある組織。
- このアイヌ協会の役員が政府のアイヌ政策推進会議の構成員となっている。
- 「アイヌ」は(道内で)様々な生活保障(ex. 学資助成)を受けられるが、この対象になる「アイヌ」はアイヌ協会が認定した者。
- 「アイヌ」の認定に透明性や第三者性はあるのか?
- また、一部の国民だけにこうした保障を与えるのは、憲法第14条に謳う、法の下の平等(門地(=生まれ)による差別を禁止)に反するのではないか?アイヌ以外の国民から見れば「逆差別」ではないか?
といったところで、全て、至極当然な疑問です。(ブログ主の覚え書きとして、自分が書き取ったメモ:https://twitter.com/Daishi_hundred/status/1092661206437978112)
これに対して、答弁したのは内閣官房アイヌ総合政策室長 ハシモト・モトヒデ氏と安倍総理で、
内閣官房アイヌ総合政策室長:(1~3に対して) 不正解家問題は2010年に道庁が公表したもので、アイヌ協会釧路支部で領収書の改ざんや、水増し請求があった。しかし、役員が責任を取って退任し、不正受給金は返還されている。再発防止策も徹底したと聞いている。
アイヌの方の意見を聞くという意味で、菅義偉内閣官房長官が座長を務めるアイヌ政策推進会議に協会の理事が入って貰っているが、(この方は)不正とは関わりがない。総理:(4~6に対して) 道庁によると、修学補助金の支給にあたり、北海道アイヌ協会理事長等の推薦書が出され、同協会では戸籍等の客観的な資料を元にして推薦書を作成しているものと承知をしている。
道庁は推薦書を踏まえ、貸付の管理は適切に行っている。更に、アイヌであることの確認に加え、各家庭の経済状況も踏まえているため、法の下の平等を定めた14条に反するものではないと(道庁は)認識している。
室長が言っているように、現在、政府のアイヌ政策推進会議の構成員となっている人達に全く問題がないかどうかは、アイヌ系日本人であり長年アイヌ協会の不正問題告発を行っている砂澤陣氏が資料を揃えていらっしゃるところなので、間もなく、明らかにされるでしょう。
また、総理の答弁も、アイヌ協会が戸籍などの客観的資料を元に認定と言っていますが、戸籍にアイヌか否かなど書いてあるわけではないので、嘘です。
以前、砂澤陣氏による解説動画でちらりと観たことがありますが、(アイヌ系と分かる)おじいさん等の名前を書く欄がある程度の申請用紙で、要するに自己申告の家系図程度のものです。
現状、国会では維新(と、もしかしたら維新と会派を組んだ希望の党)くらいしか追求してくれそうにないので、維新には頑張って頂きたいところです。
他にもアイヌ新法に疑義を呈する方達が...(藤井厳喜氏、青山繁晴氏)
上記以外にもSNSでは何人かいらっしゃいますが、たまたま本日放送の『虎ノ門ニュース』で藤井厳喜氏が、ニッポン放送の『飯田浩司のOK! Cozy Up!』で青山繁晴参議院議員(※)がアイヌ新法を取り上げて批判されていました。(リンク先はYouTubeで頭出し済み。/虎ノ門ニュースがリンク切れの場合はこちら。)
公開期間は限定されていると思うので、お早めにご試聴下さい。
※青山氏の発言要旨
アイヌの方の人権や文化を守るというのは正しいが、国連で「日本は先住民族をいじめた」ということを認めろということが反日工作もあり、ずっと言われている。それは事実に反するし、それに悪用されないかということを懸念している。
以前、NHKが、許可を得ずに鮭を捕ろうとして警官に止められたアイヌのニュースを報道していましたが、(リンク先はそれを保存したブログ記事) そこでもアナウンサーがこのようなことを言っていました。
アイヌの人たちの権利をめぐっては、スイスのジュネーブにある人種差別撤廃条約委員会で先月30日、日本政府に対して天然資源や土地に関する権利が十分に保障されていないとして改善を求める勧告が出されています。
先住民族として認めると言うことは、「土地や資源を返せ」という議論に繋がるのです。
『北海道が危ない!』(砂澤陣著)がオンデマンドで発売開始に
紙の本は既に絶版になっており、電子ブックのみの販売でしたが、ペーパーバックが入手できるようになりました。
縄文の歴史が乗っ取られる!?
これはまだ誰も指摘していませんが、ブログ主が非常に危惧していることがあります。
少し前に、新たな世界遺産に北海道と東北の縄文遺跡群を、という記事がありました。
https://www.sankei.com/life/news/190124/lif1901240011-n1.html
縄文遺跡群を推薦候補に 33年世界遺産登録へ文化審
2019.1.24 08:40国の文化審議会は23日、世界文化遺産を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森、岩手、秋田の3県)について、平成33(2021)年の登録に向け、引き続き国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦候補とする方針を確認した。地元の準備状況などを見ながら今夏にも最終決定する。
33年夏のユネスコ世界遺産委員会で登録審査に臨むには、政府決定を経て来年2月1日までにユネスコに推薦書を提出する必要がある。
日本最大級の縄文集落跡「三内丸山(さんないまるやま)遺跡」(青森市)などで構成。同審議会は昨年7月に推薦候補に選んだが、「1国1件」の推薦枠をめぐり、自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)と競合。政府は同11月、奄美・沖縄を優先することを決め、縄文遺跡群の推薦は見送られていた。
これとは別に、河北新聞に最近このような記事がありました。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180816_33026.html
縄文の聖地でアイヌ儀式 一関・祭畤地区の有志が復活
2018年08月16日木曜日
万物に宿る神と先祖に感謝をささげるアイヌ民族の儀式「カムイノミ」が8日夜、「縄文の聖地」の一つとされる一関市厳美町の祭畤(まつるべ)地区で執り行われた。
縄文ゆかりの地にアイヌの儀式を復活させようと有志でつくる実行委員会が昨年から始めた「焔祀(ほのおまつ)り」の一環で、今年は約30人が来場した。
アイヌの長老で東京アイヌ協会名誉会長の浦川治造さん(80)=千葉県木更津市=が、神を表すヤナギの神木「イナウ」を祭壇に立て、祈りの言葉を唱えた。
アイヌの最高神とされる火の神をたたえ、お神酒を薪の火に献上した浦川さんは「先祖を敬う気持ちを感じてほしい」と話した。
地元の祭畤山(990メートル)頂上付近には巨石の石積みがあり、歴史研究家の間では縄文遺跡の「まつりば」が転じて「祭畤」になったとされている。今井久喜実行委員長は「祭畤は縄文文化の聖地でありながら、価値が一般に浸透していない。アイヌと縄文の出会いの場として地元の協力で儀式を続けていきたい」と語った。
北海道では、「アイヌの聖地」と主張する場所がいくつかあり、そこの使用権のようなもので過去に何度もトラブルになっています。また、関東でも、どこそこがアイヌの聖地という話を時々聞きます。
アイヌと呼ばれた人々(実際は様々な部族の総称であり、行政上の「他称」ですが)は縄文人のDNAが色濃く残っています。(DNA解析に関するエントリーはこちら)
ブログ主が危惧するのは、「縄文文化=アイヌの文化」としようとする動きがあるのではないだろうか、ということです。
以前のエントリー『【北海道】北海道の土地が危ない! 帯広市拓成町のその後』でも、何やら、アイヌと縄文を結びつけるような石碑やら立て看板やらが建てられているのを小野寺まさるさんがレポートしていましたが、これも根拠です。(下はその画像の一部を転載)
しかし、「アイヌ」協会が「アイヌ」と認めないアイヌ系日本人はもちろん、「アイヌ」が「シャモ(和人)」と呼ぶ多くの非アイヌ系日本人にも多かれ少なかれ縄文人の子孫です。
弥生人は別に縄文人を駆逐したわけではなく、二者(及び、その他の人種も)自然と混交して今の「日本人」となっています。
縄文文化は「日本人」の文化であり、歴史です。
いずれにしても、今後ともこの動きはウォッチしていく必要がありそうです。
* * * *
最後に、あらためて誤解なきよう書いておきますが、明治期に日本を訪れたイザベラ・バードという旅行家が「未開人」とその旅行記の中で呼んでいた人々、一般的な日本人とは異なる生活様式や風習を持っていた人々がいたことは事実です。
「先住民族」とは言いませんが、北海道にあった地方文化の一つでしょう。
故金田一京助教授(※)のように、文字を持たないアイヌの言葉を採集・研究した方もいらっしゃいます(実際は複数の部族~砂澤氏によると、英語で言うなら「band」」と呼ぶべきレベルとか~に分かれていて、部族毎に言葉の解釈は異なっていたそうですが。)。
きんだいち‐きょうすけ【金田一京助】 ‥キヤウ‥
言語学者。盛岡生れ。東大・国学院大教授。アイヌ語・アイヌ文学の研究を開拓。石川啄木と親交があった。著「ユーカラの研究」「国語音韻論」など。文化勲章。(1882~1971)
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
ブログ主は少なくともこのような研究成果は保存して行くべきだとは思っています。
しかし、現代のアイヌ風味ラップとか創作ダンスや美術をアイヌ文化とは認めがたいし、文化の伝承よりも「生活の保障」を求めているのが現代「アイヌ」で、その「アイヌ」認定も杜撰な判定方法で行っているとしたら、これを「民族」と位置づけるのはもはや無理があると考えます。
* * * *
当ブログではこの法案に反対する署名に協力しています。
署名を呼びかける『日本国民の声・北海道』のサイトはこちら。
上記サイトの署名ページはこちら。(印刷して使える署名用紙もあり)
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