【アイヌ新法】新法めぐり「国の反省と謝罪」など12項目を要望【アイヌ利権】
公開: 2019/01/17 14:32 最終更新: 2019/01/17 14:52
HTB北海道ニュースの、今国会にて提出される予定のアイヌ新法に関する特集動画が掲載されていました。(リンク先はYahooニュースに転載されたもの。リンク先に8分程の動画あり)
<北海道>アイヌ新法の概要明らかに 広がる落胆の声
1/15(火) 19:03配信
政府から示された「アイヌ新法」案が所謂「アイヌ」の方達には不満と言うことで、何が問題点なのか、HTBが取材したものです。
大変分かりやすいので、内容を記録しておくことにします。
以下、動画の内容をテキストで再現します。(敬称略)
アナ(以下、断りがない時はアナウンサーかナレーション): 政府が3月の成立を目指す「アイヌ新法」。年末、概要が明らかになりました。
菅義偉内閣官房長官(アイヌ政策推進会議・座長): 「皆様の願いが実現するよう、しっかりと対応していきます。」
しかし、その内容を巡って、不満の声が上がっています。
紋別アイヌ協会代表・畠山敏: 「なんで我々のいうことを一つも聞いてくれねえ。」
(スタジオ)
今日の特集は「アイヌ新法」についてです。
政府は、法案を今月招集される国会に提出して、3月中の成立を目指しています。初めてこの法律の中でアイヌ民族を「先住民族」と明記しました。
また、アイヌ文化を生かした地域振興に取り組む自治体には交付金をが付与されたり、アイヌの伝統儀式のための鮭の捕獲について特例措置が設けられることになります。
コメンテーター: 「あの、先住民族っていうのはね、世界で最注目されている中で、日本てちょっとアイヌ民族に関しては遅れをとってますよね。世界レベルで言うとね。でも、ようやくこれ、追いついてきたんだなあって、ちょっと感じてたんですけど...」
ただですね、まさにその広瀬さんのおっしゃったように、国際的な視点と歴史的な視点から見ると、実は問題点が浮かび上がってきます。
(札幌市内)
先週末、札幌でアイヌ政策を考える市民会議が開かれました。
宇梶静江: 「(政府は)文化、文化と言ってくれるんだけど、なんか、語りの文化、刺繍の文化、木彫りの文化。でも、私たちの仕事についてはなんにも触れないわけ。それがないので生活も成り立たない。」
浦河町出身の「アイヌ」、宇梶静江さん。アイヌ民族の生活の向上を訴えています。
最新の調査でも、アイヌの人々の生活保護率は平均の1.4倍という現状です。
宇梶: 「粗末にされ続けてきているわけ。この、粗末にされていることを受け入れちゃいけないの。
(アイヌの歴史)
アイヌ民族への法の規制は明治の始めから始まります。
旧土人保護法はアイヌ保護が目的でしたが、実際にはアイヌの土地や財産を奪い、収入源である漁業や狩猟を禁止。北海道開拓がもたらしたアイヌの困窮は払拭されませんでした。
(1997年国会)
「決議に御異議ありませんか?」-「異議なし!」-「御異議なしと認めます。よって、法案は...可決致しました。(フェードアウト)」
1997年アイヌ文化振興法が成立します。しかし...
内容は文化面に特化し、アイヌの人々が求めた奪われた土地の権利や漁業・狩猟などを行う集団としての権利の返還はありませんでした。
(総理官邸)
今年3月の新法成立に向け、政府は各地で530人のアイヌから新法に何を望むか聞き取りました。
(都内)
宇梶さんもその一人です。
国の担当機関に何度も出向き、教育や生活支援を求めました。しかし、今回の新法でも、奪われた権利の回復に何も言及されていないことが明らかになりました。
紋別アイヌ協会代表・畠山敏: 「日本政府で、アイヌに対して、全て土地から資源から、採取・狩猟、全てを奪っといて、何一つまた返してないわけね。そういう事に私、憤りを感じてね。ちょっとこれは...」
紋別アイヌ協会の代表、畠山敏(はたけやまさとし)さん。江戸時代までは自由に鮭を採っていた。その権利を戻して欲しいと訴えています。
去年9月、畠山さんは道の許可を得ずに儀式に使う鮭を捕ろうとしました。
男性の声: 「警察が来てます」
道警: 「今、(漁を)やるんであれば、我々止めますよ。魚を捕るんなら。
畠山: 「魚を捕るよ」
道警: 「で、あれば、やらせられないんで。」
畠山: 「供物、神々にあげる魚が何もないから。」
道警: 「うん、うん」
伝統儀式のためのアイヌの鮭漁について、道は、事前申請があれば許可しています。
一方、畠山さんは、「鮭を捕る権利は元々先住民族アイヌが持っていたもの。漁に許可が必要なのはおかしい」と主張。警察に止められ、漁を断念しました。
(市民集会)
新法では、アイヌの鮭漁について「配慮する」という表現に留まる見込みで、現行制度の何が変わるのか不透明です。
畠山: 「(日本政府は)奪ったものを返せ。それと、先住権を外国のように認めなさい、と。」
先住民族の政策に詳しい専門家は多くの先進諸国が先住民族の土地の権利や自己決定権(※)を認める政策を始めている、と指摘します。
※自己決定権: self-determinationの直訳だが、先住民族や少数民族を語る文脈では「民族自決権」の意味で使われる。
じこけってい‐けん【自己決定権】
(self-determination)自分のことを自分で決める権利。国家の独立と内政不干渉の権利や、医療方針の決定などで個人の自律性が尊重される権利。
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
室蘭工業大学・丸山博 名誉教授: 「今日の国際社会の人権尊重の潮流を踏まえれば、この、日本政府のアイヌ新法案ていうものはそれに逆行するものでありまして、権利を保障するってことは、あのー、先住民族を抱える国が、その権利を保障する義務を負いますから。」
アイヌ新法の概要が明らかにされた3ヵ月あまり前、国連は日本政府に勧告を出していました。
アイヌの人達の土地や狩猟などを含む天然資源に関した権利が十分に保障されておらず、改善するよう求めました。
(平取町二風谷の集会)
萱野茂二風谷アイヌ資料館・萱野志朗 館長: 「国連が言っているところの、先住民族の権利については全く触れられていないというのは私としては不満。」
女性「民族としての権利は認めてないですよね。」
胆振の平取町でも新法についての話し合いが行われていました。
紋別徳司: 「おれね、まだね、その新法がどうのこうのとか、全然、訳分かってないから...何とも言えないんだけど。ははは(笑い)」
アイヌの猟師、紋別徳司(もんべつあつし)さん。
撃ち取った鹿を業者に売ったり、加工品を作ったりして生計を立てています。アイヌ民族としての生活基盤が成立して、その上に文化が育つと考えています。
紋別: 「普通にやっぱり、狩猟ができて、秋アジを捕って、採ったお返しに儀式とかをやってきたから、やっぱり、アイヌらしい生活をしていくためには、山での、アイヌが採ってきたものをちゃんと採れるようにするべきだと思うし、自由にアイヌがアイヌとして生活できるような空間、それがないと精神的な文化が途絶えてしまうような気もしますですねぇ。」
先住民族の権利に詳しい弁護士は、アイヌの訴えが新法に反映されない理由をこう解析します。
市川守弘弁護士: 「国としては、(アイヌの)集団の権利を絶対に認めない、と。そこをはっきりさせれば、今回の新法は大成功なんですよ。国側からすれば。
(アイヌは)集団としての権利権限を持っていた。土地を支配していた。自然資源を支配していた。その地位を認めて、初めて和人と対等になるわけですよ。和人国家と。
で、そういう法律にはなっていないから、本当の差別を解消するということにはなっていない。」
(スタジオ)
HTBがアイヌ新法の制定に関わる、国のアイヌ政策推進作業部会の部会長で、北海道大学アイヌ先住民研究センターの教授に、今回の新法について取材を申し込みましたが、この取材については、「法案はまだ公表されておらず、その内容は一般に知りうるところとはなっていません。そのような時に評価・・コメントを行うのは適切を欠くと考えます。」という回答を受けています。
* * * *
以下は、上記記事のテキストです。
アイヌ政策推進会議政府が3月の成立を目指す「アイヌ新法」の概要が年末に明らかになりました。その内容を巡り、アイヌ民族の復権を目指す人々からは落胆の声があがっています。
アイヌ新法について政府は今月召集される国会に提出し、3月中の成立を目指しています。初めて法律の中でアイヌ民族を「先住民族」と明記しました。またアイヌ文化を生かした地域振興に取り組む自治体には、交付金が付与されたり、アイヌの伝統儀式のためのサケの捕獲について、特例措置が設けられます。11日に札幌でアイヌ政策を考える市民会議が開かれました。浦河町出身のアイヌ、宇梶静江さんはアイヌ民族の生活の向上を訴えています。最新の調査でもアイヌの人々の生活保護率は平均の1.4倍という現状です。「(アイヌは)粗末にされ続けている。その粗末にされ続けていることを受け入れてはいけない。」と現状を嘆きます。紋別アイヌ協会の代表畠山敏さんは「日本政府がアイヌに対して全て土地から資源から採取狩猟、全てを奪っておいて、何も還していない。そういうことに憤りを感じている」と声を荒らげます。江戸時代までは自由にサケを獲っていた、その権利を戻してほしいと訴えています。新法ではアイヌのサケ漁について「配慮する」という表現にとどまる見込みで、現行制度の何が変わるのか不透明です。先住民族の国際的な政策に詳しい室蘭工業大学名誉教授の丸山博さんは、多くの先進諸国が先住民族の土地の権利や、自己決定権を認める政策を始めていると指摘します。そして「今日の国際社会の人権尊重の潮流を踏まえれば、この日本政府のアイヌ新法案というのは、それに逆行する」と断言します。(詳細は動画で)
どうしたらアイヌになれるの?
アイヌ協会各支部長の承認が必要です。
アイヌ政策拡大に対する反対署名
菅義偉官房長官を座長とするアイヌ政策推進会議は、現在は北海道内で行われている「アイヌ利権」を全国展開しようとしています。
当ブログではこの法案に反対する署名に協力しています。
署名を呼びかける『日本国民の声・北海道』のサイトはこちら。
上記サイトの署名ページはこちら。(印刷して使える署名用紙もあり)
おまけ: 『週刊金曜日』記事
週刊金曜日の社長は、元朝日新聞記者として慰安婦記事を書き、櫻井よしこ氏を名誉毀損で訴えて敗訴した植村隆氏です。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181206-00010000-kinyobi-soci
アイヌ、新法めぐり「国の反省と謝罪」など12項目を要望
2018/12/6(木) 11:21配信
来年にも国会に提出予定のアイヌ新法案をめぐり、アイヌ側の要望を取りまとめた要求書が14日、国に手渡された。
アイヌらでつくる「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」が作成。昨春以降、内閣官房アイヌ総合政策室と行なった7回にわたるチャランケ(交渉)を踏まえたもので、要求は12項目に上る。
この中で、(1)従来の国のアイヌ政策でアイヌの権利や文化が深刻な打撃を受けたことへの国の反省と謝罪、(2)「アイヌ民族議会」などを通じた自決権の確立、(3)新設の「交付金制度」は、アイヌが幅広い目的で主体的に使えるようにする、(4)アイヌ文化復興に向け漁労、狩猟、採集を認める。登録制による伝統的サケ漁の解禁、生存捕鯨の権利確立、自然条件に恵まれた土地の返還などを求めている。
アイヌ遺骨問題をめぐっては、(10)国および当事者である大学や研究機関の謝罪、問題解決に向けた枠組み作り、今後の研究利用をやめることなどを盛り込んだ。
要求書提出後に国会内で行なわれた国会議員との勉強会で、会の共同代表を務めるアイヌの多原良子氏は「アイヌモシリが北海道と改名されて今年で150年だが、アイヌ民族にとっては苦渋の150年間だった。新法はアイヌがこの地で人間らしく生きるための法律であってほしい」と訴えた。
しかし国は、新法に謝罪や先住権を明記することに消極的だ。勉強会で、北海道4区の本多平直衆院議員(立憲民主党)は「要求と政府との間には大きな差がある。(新法成立には)自公の議員の力も必要だ」と述べた。
「(国会議員の反応には)ガックリきたが、アイヌ遺骨問題で日本は正義をきちっと見せてほしい。『先住民族の権利に関する国連宣言』12条でも遺骨返還の規定がある」(木村二三夫・平取アイヌ遺骨を考える会共同代表)
(斉藤円華・編集部、2018年11月23日号)
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