【「徴用工」裁判】韓国政府を訴えた原告団は「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」が支援?
公開: 2018/12/20 17:30 最終更新: 2018/12/20 22:43
前回のエントリーで、約1,100名の元・(自称)徴用工が韓国政府を相手取り補償を求める裁判を起こしたことを書きました。
18日の時点ではフジしか伝えていませんでしたが、本日になり、BS1の定時ニュースでも伝え、韓国のメディアも伝え始めたようです。
これがヒントになり、この原告団を組織した団体(の一つ)が分かりました。
まずは、韓国の聯合ニュースの記事です。
https://m-jp.yna.co.kr/view/AJP20181220000700882?section=politics/index
強制徴用被害者・遺族 約1千人が韓国政府を提訴へ
2018.12.20 09:38
【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代に強制徴用された韓国の被害者や遺族が、韓国政府に対し韓日請求権協定に基づく資金の支払いを求める訴訟に相次ぎ参加している。現在2件の訴訟がそれぞれソウル中央地裁で審理中だが、さらに1000人ほどを原告とする訴訟代理人が近く同地裁に訴状を提出する予定だ。
強制徴用問題を巡り、韓国大法院(最高裁)は日本企業の賠償責任を認定している。被害者らは韓国政府に対しても、韓日請求権協定に基づく資金の扱いの責任を問う姿勢だ。昨年8月、強制徴用被害者と遺族の6人は国を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。続いて今年4月には271人の被害者と遺族が同様に提訴した。原告側は「1965年の韓日請求権協定当時に日本から受け取った資金は、徴兵・徴用で犠牲になった人たちの血と汗の代償として受け取った被害補償金」とし、それを政府が経済発展に費やしたとして訴えた。
被害者らは先に日本政府に損害賠償を請求する訴訟を起こしたが、日本の裁判所は韓日請求権協定に基づく経済支援に含まれているとして請求を退けた。そこで被害者らは韓国政府を相手取った。請求額は1人当たり1000万~1億ウォン(約100万~1000万円)で、計33億ウォン余りとなっている。
「昨年8月、強制徴用被害者と遺族の6人は国を相手取り損害賠償を求める訴訟」という部分で、昨年、BSフジ・プライムニュースで司会の反町氏が見つけてきたニュースのことだと分かりました。
その記事を再掲します。
元徴用工ら、韓国政府に賠償請求 (日経新聞 2017/8/14 19:31)
【ソウル=山田健一】太平洋戦争時に旧日本軍に徴用されて軍需工場などで働いた朝鮮半島出身の元徴用工とその遺族の計6人が、1人あたり1億ウォン(約960万円)の損害賠償を韓国政府に求める訴訟を14日までにソウル中央地裁に起こした。韓国政府の責任を問う訴訟は珍しい。元徴用工を支援する市民団体「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」が明らかにした。
原告は1965年の日韓請求権協定によって日本政府から韓国政府に支払われた3億ドル(約330億円)の無償提供資金が、元徴用工個人に支払われなかったのは不当と主張している。市民団体側は、原告を今後千人規模に拡大したいという。
元徴用工に対する賠償責任を巡っては、日本政府は日韓請求権協定を結んだことで解決済みという立場。韓国では大法院(最高裁)が2012年に韓国人の個人の請求権は消滅していないとの判断を示して以降、地裁や高裁で日本企業が敗訴する例が相次いでいる。
ここに「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」の名前があったのです。
韓国では日本と異なり結審が早いという話なので、その後どうなったのかと思っていたのですが、聯合ニュースの記事により、現在審理中で、更に追加の訴訟を起こした、ということが分かりました。
この団体を調べると、Wikipediaに「アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件」というのが見つかり、これによると、
「1991年に慰安婦に対する賠償を日本政府に求めた初の裁判。2004年、最高裁判所にて原告の敗訴が確定した。」
とあるので、日本から金を取れなかったから韓国政府にねだってるだけのようです。
【追記】NHKのニュースによると、
>原告側は「徴用の被害者が日本のどの企業で働かされたのか、多くの遺族は把握していない」として、本来は日本企業に賠償を求めたくても現実的には韓国政府を相手取って訴えを起こすしかない人たちもいるという事情を説明
とのことで、個別の日本企業に請求できないという事情もあるようで、また、フジテレビが報じたところによると、来年2月には日本企業相手に大規模な訴訟を起こすとも予告しています。
取れるものはどこからでも取ろうということのようですね。
下はNHKの記事。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181220/k10011753841000.html
「徴用」めぐる問題 1000人余が韓国政府を提訴
2018年12月20日 11時33分
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、強制的に働かされたと主張する韓国人やその遺族ら1000人余りが、韓国政府を相手取り、補償を求める訴えをソウルで起こしました。「徴用」をめぐっては、日本企業に賠償を命じる判決が韓国で確定しましたが、今回の訴訟の原告側は、韓国政府が補償すべきだという立場です。
訴えを起こしたのは、太平洋戦争中、「徴用」によって日本の企業で強制的に働かされたと主張する韓国人や遺族らおよそ1100人です。
原告側は、「徴用」をめぐる問題では、日韓国交正常化の際に日本政府から資金を受け取った韓国政府が補償すべきだという立場で、1人当たり1億ウォン(日本円にしておよそ1000万円)の補償を支払うよう韓国政府に求めて、20日、ソウル中央地方裁判所に訴状を提出しました。
原告側は、こうした訴えをすでに3件起こしているということです。
「徴用」をめぐっては、日本政府が、1965年の日韓国交正常化に伴う請求権・経済協力協定で3億ドルの無償資金協力などを行い、請求権の問題は「完全かつ最終的に解決された」としています。
ただ、当時、韓国政府は、「徴用」されたという人にはほとんど補償せず、日本からの資金を高速道路や製鉄所の建設などに充てて、急速な経済発展につなげました。
その後、韓国政府は、改めて、「徴用」されたという人らの一部に慰労金や医療費を支払うなどしてきましたが、20日の訴えを起こした原告側は、これまでの対応は不十分だったと主張しています。
「徴用」をめぐっては、韓国の最高裁判所で日本企業に賠償を命じる判決が相次いで確定し、日本政府が韓国政府に対して適切な対応をとるよう求めています。原告「日本の資金は韓国政府が使ってしまった」
原告や弁護士、支援団体はソウルで記者会見を開きました。
原告側は、日本が1965年の国交正常化の際に行った3億ドルの無償資金協力について「相当な部分は強制労働などの被害者に対する損害賠償という性格を帯びていたにもかかわらず、韓国政府が使ってしまった。今回の訴えは、これを遺族に返還するよう求めるものだ」と説明しました。
そして、韓国の最高裁判所で日本企業に賠償を命じる判決が確定したものの、韓国政府の責任を追及することは可能だという考えを示しました。
また原告側は「徴用の被害者が日本のどの企業で働かされたのか、多くの遺族は把握していない」として、本来は日本企業に賠償を求めたくても現実的には韓国政府を相手取って訴えを起こすしかない人たちもいるという事情を説明しました。韓国 政策指針 徴用問題に触れず
韓国大統領府は20日、外交や安全保障に関する政権としての政策指針「ムン・ジェイン(文在寅)政府の国家安保戦略」を発表しました。
この中で日本との関係については「地理的・文化的に近い隣国で、世界平和と繁栄のために協力しなければならないパートナーであり、『未来志向的で成熟した協力関係の構築』を目指す」としています。
歴史認識をめぐる問題に関しては「真実と正義の原則に立ち、歴史をあるがままに直視して、賢く解決していくことを基本とする」としています。
そのうえで、「歴史のわい曲」や、島根県竹島に関する日本の主張には「断固として対応する」としていますが、「徴用」をめぐる問題には触れていません。
慰安婦問題については、2015年の日韓合意は「被害者中心のアプローチが欠けていた」という立場に基づき、元慰安婦の女性たちの「名誉回復や心の傷を癒やす方策を着実に模索する」としています。
« 【「徴用工」裁判】Yahooは1日で削除「元徴用工、韓国政府を相手取り、約110億円補償求め提訴へ」の記事 | トップページ | 「赤鼻のトナカイ」はいじめの曲!?、アメリカ社会の行きすぎたポリコレ(ポリティカルコレクトネス) »
« 【「徴用工」裁判】Yahooは1日で削除「元徴用工、韓国政府を相手取り、約110億円補償求め提訴へ」の記事 | トップページ | 「赤鼻のトナカイ」はいじめの曲!?、アメリカ社会の行きすぎたポリコレ(ポリティカルコレクトネス) »
コメント