コミンテルンの謀略とグローバリズム【虎ノ門ニュース(2018/12/04)江崎道朗氏出演回】
少し前に、中米諸国からメキシコを経由して、米国を目指す「キャラバン」の影に米投資家ジョージ・ソロス氏の存在があるという報道がありました。(記事後述)
現在は世界の出来事や紛争は「国」(国vs,国)という単位ではなく、「ナショナリズムvsグローバリズム」の戦いというという見方が一般的になりましたが、上の記事はさもありなんといった感があります。
また、国家の中枢、あるいはその外部にいて国家を動かすグループを「国家内国家」、「ディープステート」と言いますが、「アメリカは~」とか「ソ連は~」といった国単位では世界の動きを語りきれなくなっています。
昨日(12月4日)の虎ノ門ニュースではゲストに江崎道朗氏がご出演されましたが、ブログ主は丁度今、江崎氏の『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』を読んでいるところだったのでグッドタイミングでした。
- コミンテルンの謀略と日本の敗戦 (PHP新書) 新書 – 2017/8/11
江崎 道朗 (著)- 世界を操るグローバリズムの洗脳を解く 新書 – 2015/11/27
馬渕睦夫 (著)
まだ、途中までしか読んでいないのですが、最終章がゾルゲ事件なので、この辺りまでの歴史をカバーしているようです。
この本を読み始めたのは、今まで馬渕睦夫・元駐ウクライナ大使の著書や動画で勉強していてコミンテルンについてもっと知りたいと思ったからです。
馬渕氏の本では、このように説明されます。
- 国際主義(グローバリズム)の思想の行き着いた先が、一つは共産主義であり、もう一つが金融のグローバル化。
- この2つは真逆のように見えるが、実は同根であり、どちらもユダヤ人の作り出した世界。
- 共産主義もグローバリズムも行き着く先は独裁。
金融のグローバル化とは、国家の枠組みを超えて、金融資本家が世界を牛耳るということです。
国際主義者も共産主義者も「国家」という枠組みを壊すのが目的の一つなので、それを達成するための過程で、その国の伝統や価値観を破壊する行為を行います。
そのため、この二者は親和性があり、あるときは同一であったり、あるときは実行者とその資金援助者の関係であったりします。
例えば、江崎氏の本では「ロシア革命によってコミンテルンが誕生」とありますが、馬渕氏の本では「ロシア革命はユダヤ人を救済するための革命」で「その資金を援助したのがユダヤの大金融資本家」、となります。
従って、江崎氏の本を読み始めたのは、第二次世界大戦の対日工作のを直接行為者としてのコミンテルンのことも知るべきだと思ったからです。
ユダヤ人と書きましたが、気をつけなくてはならないのが、ユダヤ人国家の建設を目指したシオニズム運動は民族主義でありナショナリスト。一方、離散したユダヤ人(ディアスポラ)の内の一握りの金融資本家が国際主義でありグローバリストということになり、対極的な存在です。
冒頭に書いた、移民キャラバンに裏で資金提供しているジョージ・ソロス氏もユダヤ人金融資本家です。
虎ノ門ニュースの中で出てきたハリー・デクスター・ホワイトはリトアニア系ユダヤ人移民の子だそうです。(Wikipediaより) 彼は、在米日本人の資産凍結を提唱したり、ハルノートの原案を起草した人物として紹介されました。
ところで、百田尚樹氏が言及したハーバート・ノーマンが日本にいた宣教師の子で日本生まれと聞いてピンときました。
馬渕氏の本に「宣教師に仕掛けられた大正デモクラシーによる日本文化の破壊」という章があります。
大正デモクラシーを歴史で習うときに必ず出てくる吉野作造はクリスチャンですが、日本をキリスト教化しようとする宣教師の動きに呼応したのが、共産主義者や社会主義者、民主主義者でありキリスト教徒、というが馬渕氏の説明です。
更にこの背景はというと、前述の江崎氏の本に詳しいのですが、明治期の富国強兵・殖産興業の元で苦しめられた労働者の存在があります。これの救済のために労働運動が起こります。
また、文学界で白樺派という一派が興ったのもこの頃。これは人道主義(ヒューマニズム)という言葉で括れるかも知れませんが、明治期から共産主義や社会主義が入り込む土壌が形成されており、宣教師が大きな役割を果たしてたのです。
よしの‐さくぞう【吉野作造】 ‥ザウ
政治学者。宮城県生れ。東大教授。海老名弾正門下のクリスチャンで、大正初年に民本主義を主唱。政治・外交・社会の民主化要求の論陣を張り、知識層に巨大な影響力を持った。「明治文化全集」を編集。(1878~1933)
しらかば‐は【白樺派】
明治末から大正にかけての近代文学の一派。雑誌「白樺」により、人道主義・理想主義を標榜。自然主義文学退潮後、大正文壇の基軸となる。美術にも関心をよせ、印象派の紹介などに寄与。
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
番組ではコミンテルンをテーマにして説明されたのですが、決して、共産主義vs.民主主義のような単純な二元論で語れる話ではありません。
また、日本共産党だけが諸悪の根源と見るのも誤りで、例えば、1960年代、日本共産党がソ連から背離する時期があり、その時、ソ連共産党は対日工作の拠点を日本社会党の一派に求めます。(『日本社会党興亡史』)
ということで、マクロとミクロの視点から、この2冊はセットで読まれるといいと思います。
ところで、番組の中でデュープス(dupes: だまされやすい人, (人・権力などの)手先, お先棒.)という言葉が出てきましたが、米FBI長官のエドガー・フーバーによる分類で、これも江崎氏の著書に出てきたのでご紹介すると、下のようになります。
- 公然の党員
- 非公然の党員
- 同伴者(フェロー・トラベラーズ)
- 機会主義者(オポチュニスト=日和見主義者、ご都合主義者)
- デュープス
以下は、馬渕氏の動画(比較的新しいもの)
【林原チャンネル】 ひとりがたり馬渕睦夫 再生リスト
【林原チャンネル】 ノンフィクション作家・河添恵子 再生リスト
- https://www.youtube.com/playlist?list=PL7MaEu9i584c5i6pZVy2-IgOXE64MHnir
- 馬渕大使との対談動画あり。テーマはスパイ、共産主義とグローバリスト、ディープステート、等
そして、十数年ほど前に読んだ大澤武男氏の本を思い出しました。
読んだのは別の本ですが、大澤武男氏はユダヤの研究者で、この方の本を読むと、なぜ、ユダヤ人が迫害されたのかがよく分かります。
ナチスのホロコーストの影に隠れてしまっていますが、ユダヤ人はヨーロッパ中で嫌われていました。
誤解が無きよう書きますが、迫害や嫌われた理由を正当化するものではなく、正しくは、ユダヤ人の何を彼等は恐れたのか、という方が正しいでしょう。それだけユダヤ人が優秀だと言うことになります。
参考記事
この記事は「大紀元」(『法輪功』関連団体のメディア)なので、左翼団体、共産主義、マルクス主義といった言葉が踊りますが、その資金源がジョージ・ソロス氏ということに目を向けるべきでしょう。他のメディアのソースも参照する必要があると思います。
https://www.epochtimes.jp/2018/11/38324.html#.XADo1Pg3n5Q.twitter
移民キャラバン、ペンス副大統領「海外左翼団体が援助」
2018年11月30日 15時39分
国際社会は、中米諸国からメキシコを経由して、米国を目指す「キャラバン」と呼ばれる移民集団に注目している。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)などの最新報道によると、移民キャラバンのなか、米国への入国を諦め、帰国やメキシコの定住を選ぶ人が増えている。いっぽう、ペンス米副大統領や一部の米メディアは、キャラバンの背後に資金援助を行う左翼団体があると指摘した。
約7000人規模の「キャラバン」は10月中旬に中米から出発して北上していた。米FOXニュースの司会者ローラ・イングラハム(Laura Ingraham)氏は10月17日、ツイッターで、キャラバンに援助する組織が暗躍していると指摘した。「移民キャラバンの旅費は一人あたり7000ドル(約79万3566円)かかる。しかしホンジュラスの1人当たり平均収入は2300ドル(約26万743円)しかない」
FOXニュース電子版10月27日付によると、ペンス副大統領はインタビューで、海外左翼団体がキャラバンに資金を提供しているとの見方を示した。
「キャラバンはホンジュラスの左派団体によって組織された。ベネズエラはその一部を援助している。これはホンジュラス(フアン・オルランド・エルナンデス)大統領から聞いた話だ。大統領が直接私にそう言った。(キャラバンが)北上する理由は一つしかない。不法入国して米の法制度を挑発することだ」
副大統領は、不法移民集団の取り締まりを、ナチスファシズムから逃れた難民の受け入れ拒否と同等視するメディアの論調を非難した。
左派団体の目的は「国境をなくす」
今年3月、第1回目の移民集団約1800人が米国を目指していた。10月に発生した2回目の移民集団と同様に、極左団体「Pueblo Sin Fronteras(国境なき人々)」が直接関与している。
3月23日、「国境なき人々」は公式フェイスブックアカウントで声明を発表し、移民キャラバンは「国境の廃止」を目指しているとした。
国境をなくすことは、国家の解体を意味する。マルクス主義は、「社会主義社会の後に誕生した共産主義社会では、能力に応じて働き、必要に応じて受け取るという生産モデルを通じて、無階級、無国境、無通貨、無私有財産の社会を実現していく」と唱えている。左翼団体の狙いは、共産主義を資本主義の米国に浸透させることだ。
米ニュースサイトWND(19日付)によると、「国境なき人々」は、「CARAファミリー拘留プロボノ・プロジェクト」からの支援を受けた。同プロジェクトは、「カトリック法律移民ネットワーク」「アメリカ移民評議会」「難民および移民のための教育・法律サービスセンター」「アメリカ移民弁護士協会」から資金を提供されている。
WNDは、米投資家ジョージ・ソロス氏が率いるオープン・ソサエティ財団(OSF)は、この4つの団体のうち、少なくとも3つの団体に対して援助を行っていると伝えた。マッカーサー基金、フォード財団、カーネギー国際平和基金も資金面でサポートしているという。
「国境なき人々」は、「国家労働者ネットワーク(National Day Laborer Network)」の下部組織になる。
「国家労働者ネットワーク」はまた、「正義・平和のために一致団結し、恐怖に抵抗して自由の道を目指すキャラバン社会主義組織(United for Justice and Peace, Caravan Against Fear and Freedom Road Socialist Organization)」に属している。これらの左翼団体は企業や財団と複雑な関係を持っているという。
ソロス氏は今年4月初め、オレゴン州の州知事選挙で、2期目を目指す現職のケイト・ブラウン氏(民主党)に対して政治献金を行った。ブラウン氏は4月5日、ツイッターで、トランプ政権のメキシコ国境警備計画に参加せず、オレゴン州から警備隊を派遣しないと明言した。パイセクシュアルと公言したブラウン氏は米国初のカミングアウトしたLGBTQ知事でもある。
ソロス氏は2016年9月20日、移民と難民の雇用機会を創出する計画に5億ドル(約567億円)を投じると表明した。米フォーブス誌の同年9月21日の報道によると、ソロス氏は他の民間資本に対して移民支援に参加するよう呼び掛けた。
(翻訳編集・張哲)
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