【朝日新聞・慰安婦問題】櫻井よしこ氏の会見および言論テレビを観て
公開: 2018/11/17 16:36 最終更新: 2018/11/18 16:52(アゴラチャンネルの動画を追加)
昨日16日、外国特派員協会にて、元朝日新聞 植村隆記者のとの裁判(札幌地裁)に勝訴した櫻井よしこ氏の記者会見がありました。
日本外国特派員協会 会見映像 オフィシャルサイトFCCJchannel
https://www.youtube.com/channel/UCaY31Acbdk1WUQfn304VCZg
Yoshiko Sakurai: "The Legal Fight over Reporting of Comfort Women"
https://youtu.be/4DWL11J2s4U (11月16日)※上記YouTubeチャンネルから前日15日の植村隆氏の会見動画を視聴することもできます。
ブログ主はリアルタイムで最初と最後の方を見ただけで、途中の部分(記者からの質疑と応答の一部)を観ていないのですが、迎える側の協会が櫻井氏への敵意がむき出しでひどいものでした。
林いずみ弁護士を同伴されていましたが、その場でたった一人で彼等と対峙する櫻井氏は毅然とされて、気高さを感じました。
敵意がむき出しと書きましたが、それは冒頭の進行役による英語での紹介からしてそうでした。
うろ覚えですが、「元」ジャーナリストで、日本会議のメンバーで、(歴史)修正主義者の...という表現で、確か、日本会議の前にはわざわざ「右翼の」(right wing)とまでつけていたと記憶しています。
もちろん、櫻井氏は「現在も」ジャーナリストであるので、すかさず訂正させていらっしゃいました。おそらく、政治活動家というようなレッテルを貼りたかったのでしょう。
「日本会議のメンバー」というのは事実と異なり、また、「修正主義者」(revisionist)とは特定のイデオロギーを含んだ言葉ですので、これも訂正していました。彼女は「事実誤認を正そう」とはしていますが、決して修正主義者ではありません。繰り返しますが、revisionistはそれほど特殊な言葉なのです。
このような状況での会見および質疑応答で、ブログ主が観た質疑応答部分では、ニコ生のナナオ氏の視聴者からの質問代読以外は、質問と言うよりは論戦を挑むという感じでした。
中には、櫻井氏が時々寄稿する産経新聞が、慰安婦問題などの記事タイトルに「歴史戦」と付けること、そのような新聞に寄稿することも批判的に質問していて呆れました。
また、最後に質問した記者は、最初、「新聞社に属していますが、一人の言論人として質問します」などと言って、長谷川綾という名前だけで社名を名乗らなかったのですが、櫻井氏にはお見通しで「北海道新聞の方ね」と見破っていました。(なお、「北海道新聞 長谷川綾」で検索すると色々出てきます。)
いくら新聞社名を隠そうと、北海道新聞の記者だから、その会見場に入れたはずですが。
話題はもちろん裁判のことですが、以前のエントリー『【朝日新聞慰安婦報道】櫻井よしこ氏側勝利判断は妥当である/附:慰安婦報道訂正記事』に書いたように、裁判官は事実認定に基づき、“櫻井氏が植村隆氏は「事実を知っていながらわざと『女子挺身隊の名の元で強制連行された』云々と書いた」と信じるのは尤もである”(これを『真実相当性』と呼ぶそうです。)という判断をしました。
また、櫻井氏の書いた論文(雑誌の寄稿)は、「確かに、植村氏の名誉を損ねる」ものではあるが、その『公共性』ゆえ、過失は認められない、という判決を下したわけです。
* * * *
この会見の後、言論テレビの収録をされたようで、夜はいつもの『櫻LIVE』と『花田編集長の右向け右』の2枠を使って2時間かけ、裁判の検証番組が放送されました。
裁判の詳細は重複するので省略しますが、この中で印象に残った、というか、あらためて気づいたのは、植村隆氏の書いた記事のインパクトの大きさです。
彼は、「朝日以外の他紙も報道していたのになぜ自分の書いた記事だけ」という戸惑いがあったようですが、この番組を観て、その罪深さが分かりました。(下は記事の再掲)
植村隆氏の署名記事が掲載された1991年8月11日の当時は、ブログ主はインターネットも使える立場でしたが、確かまだダイアルアップで、家ではいちいち電話線に繋いで利用し、その間、電話代がかかるので、新聞などを悠長に読むこともありませんでした。
従って、自分の家で取っている新聞以外を読む機会はほとんどなく、ブログ主は、朝日が飛びついた吉田清治証言も彼が書いた本もリアルタイムでは知りませんでした。
「強制連行」という言葉は70年代終わりに知ったので、少なくともそれ以前からあったのですが、それは(主に男性の)労働者について使われ、若い女性を“強制的”に“連行”して、しかも“慰安婦”にしたということは言われていませんでした。
しかし、それを吉田が言い出したのです。
当然、日本からも秦郁彦氏のような研究者が調査し、強制連行の舞台とされた済州島の女性記者が聞き取り調査をしましたが、いくら調べてもそれを裏付ける証拠はありませんした。
【2018/11/18追記】たまたま下記の動画を見つけて視聴しました。朝日新聞が過去の慰安婦報道を訂正した直後にこれを検証する動画です。
20140807 朝日新聞「大誤報」を検証する 池田信夫×石田雅彦×石井孝明
アゴラチャンネル 2014/08/08 に公開この中で、NHKのディレクターをしていて「強制連行」を調べていた池田氏(別のディレクターは「慰安婦」について調査)が、この当時のことを語っていますが、NHKも調査をして、済州島辺りではそもそも強制連行の証拠が見つからなかったと語っています。
当時、吉田証言はメディアや言論界はほとんど無視をしていたそうですが、朝日だけが執拗に食いついていたと見ていたそうです。
また、朝日の慰安婦虚報問題に関して、やはり植村氏の記事が一番悪質で、女子挺身隊と慰安婦の混同はあり得ないと非難しています。
そんなときに彼の記事によって、初めて“生き証人”が出てきたのです。
そして、それは“女子挺身隊の名で”という衝撃的な内容で、「慰安婦」と「強制連行」が結びついた瞬間でした。
番組内で、西岡氏はかなり衝撃を受けたというようなことを仰っていましたが、その後、調べて行くと、いくら探しても証拠はなく、段々と、その嘘に気づいて戦う決意をされたようです。
ブログ主は当時おそらく「女子挺身隊」という言葉は知らなかったと思います。多分、下の画像のように、「『勤労奉仕』をする女性とか学生さん」という言い方が口語では一般的だったと思います。
例えば、戦時中が舞台のドラマなどでも、「勤労奉仕に励む」という言い方をしていたと思います。
いずれにしても、彼の記事で「女子挺身隊」と「強制連行」が初めて結びつけられたのでした。
そして、その後、「強制徴用」などという珍妙な言葉まで作られるのですが、この話題は別に書きます。
彼が記事を書いた当時は、韓国国内で、「挺身隊」が「身を挺する」ということで「慰安婦」と混同されていた事実はあるようです。それは朝日の慰安婦虚報問題が発覚して検証記事を掲載したときに朝日新聞が言い訳に使っていましたし、彼もそう主張していました。
しかし、日本人であり、教養もある植村氏が、しかも、日本人読者向けに書く記事で混同するとは思えません。その他の証拠と併せても、植村氏が“意図的”に、「女子挺身隊の名で戦場に連行され」と書いたとしか思えない、と言うのが櫻井氏が論文で書いたことで、また、今回の裁判で裁判官も認めた=真実相当性=のです。
彼がそれを“フェイク”だと言うのなら、彼が証拠を出せばいいだけなのですが、自称“強制連行された”慰安婦の金学順氏も、その記事が書かれた当時、「養父に騙されてキーセン(※)学校に売られた」と答えているし、彼が聴いたという証言テープも存在せず、その時の取材メモさえ無くしたというのではお話になりません。
キーセン【妓生】
(朝鮮語kisaeng)朝鮮の官妓(かんぎ)。役人などを歌舞で接待した。現代の韓国で接客業の女性を指す場合がある。キーサン。
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
なお、日本ではキーセンのような官製の芸妓も売春婦もいません。しかし、戦後の賠償問題を解決するのに、当然、酒席での接待のようなことはあり、そのような場合は民間の飲食店に連れて行きました。
そこで、インドネシアのスカルノ大統領に見初められたのがデヴィ夫人。もちろん、デヴィ夫人がキーセンのような仕事をしていたわけではありません。
この当時、このような汚れ仕事は政商とかヤクザが係ったのですが、その中で在日朝鮮人も大きな役割を果たしていました。この辺りの話は『ヤクザと妓生が作った大韓民国』(副題:日韓戦後裏面史/菅沼光弘著/ビジネス社)に詳しいです。(但馬オサム氏が企画・構成で、対談のような形式になっています。)
閑話休題。
朝日は慰安婦問題に関して数多くのフェイクニュースを流しつつけましたが、その中でも、植村隆氏の書いた記事の罪深さは格別重いもの、というのがお分かり頂けたでしょうか。
下は、植村氏が記者会見で主張した内容です。
4つ目の、「ジャーナリストの世界では私の正しさが証明されている」とは、いったい、どこのパラレルワールドなのでしょうか。
ただ、昨日の言論テレビを観ていて、ブログ主の勘違いでなければ、彼は、「正しい」を「正義」の意味で使っている風でもありました。
つまり、「か弱い女性を(強制連行かどうかは関係なく)性処理の道具にした」という道義的責任を追求するすることが正義だと勘違いしている気がします。
いわゆる、「ポリティカル・コレクトネス」という立場です。
下は何度か掲載した朝日の慰安婦報道の検証記事の一部抜粋ですが、これにもその姿勢の一端が見て取れます。
数々の虚報を流したことを反省するどころか、今日的な問題にすり替えて開き直っています。
朝日新聞や植村隆氏が、その犯した罪(crimeではなくsin)を全く反省せずにいまだに日本と日本国民、そして我々の祖先の名誉を毀損し続けるのはこのためです。
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