【false equivalence】大臣答弁を『ご飯論法』と言って悦に入ってるが...
昨日、ブログのアクセス解析を見たら、以前書いた記事「【国会】『ご飯論法』-上手い喩えだが、実は的外れ」へのアクセスが伸びていることに気づきました。
その時は理由は分からなかったのですが、しばらく経って、ユーキャンの流行語大賞候補に「ご飯論法」がノミネートされていると知りました。
おそらく、「ご飯論法って何だっけ?」と調べた方がアクセスして下さったのでしょう。
「ご飯論法」とは、「ご飯食べたか?」-「(実際に食べたのはパンなので)ご飯は食べていません」というような「はぐらかし」のことですが、上記記事に書いたように、提喩(ていゆ)という比喩の一種で、「ご飯(白米)」=部分=で「食事」=全体=の代用をさせることを意味します。(部分や特殊なものを表す言葉で全体や類を指す。)
別の例では「『手』が足りない」の「手」(hand)で「労働者」(workman)を指すのも提喩。
逆に、「『花』の命は短くて...」のように、「花」=全体=を「桜」=部分=の意味で使うのも提喩です。
そこで、以前書いたブログエントリーをツイートしたところ、コメント(リプライ)で教えて戴いたのが、「false equivalence」(直訳:偽の等価性)という言葉。(Twitterをやっていると、頭の良い方、語学に堪能な方から教えて戴く機会が多々あり、勉強になります。)
Wikipediaでこの項(英語)を見ると、次のような例が出てきます。
- "They're both living animals that metabolize chemical energy. There's no difference between a pet cat and a pet snail."
「ペットの猫もペットのカタツムリも、エネルギー代謝をする生き物である。故に両者に違いは無い。」
- "The
Deepwater Horizon oil spill is no different from your neighbor dripping
some oil on the ground when changing oil in his car."
「ディープウォーター・ホライズン(BP社の石油掘削施設-2010年に原油流出時期を起こした)の原油流出はあなたの隣人が車のオイル交換をする際にオイルをこぼすのと違いは無い。
「エネルギー代謝をする」、「オイルをこぼした」という共通部分を持ってして、「両者が等しい」とする論法のようです。
* * * *
以前のブログエントリーでは加藤大臣や佐川理財局長の答弁を「ご飯論法」と呼ぶのは的外れでは?ということを書いたわけですが、この「的外れ」と言うか、「詭弁」を指すのが「false equivalence」です。
そして、「一瞬等価に思えるので変な説得力があり、受け手が反射的に納得して分かった気になってしまう」から気をつけろ、と、危険性に重きをなす文脈で使われるそうです。(これも教えて戴きました。)
図にするとこういうこと。
「ご飯論法」というネーミング自体は上手いと思いますが、すっかり忘れられたこの言葉を引っ張り出してきたユーキャンは、単に政権批判をしたいんでしょうね。
« 【外国人労働者受け入れ】健康保険法改正案(医療保険制度) | トップページ | 【朝日新聞慰安婦報道】櫻井よしこ氏側勝利判断は妥当である/附:慰安婦報道訂正記事 »
« 【外国人労働者受け入れ】健康保険法改正案(医療保険制度) | トップページ | 【朝日新聞慰安婦報道】櫻井よしこ氏側勝利判断は妥当である/附:慰安婦報道訂正記事 »
コメント