【中国】米政権 郵便国際機関(UPU)に脱退通知は妥当である
アメリカが郵便の国際機関からの脱退を通知したニュースは、ニュアンスとしては、またトランプ政権が勝手なことを言っている、という伝え方をしていますが、少し詳しいニュースを見て、しごく尤もだと思いました。
まず、アメリカの言い分は「国際的な取り決めが中国などを不当に優遇している」というもので、制度の見直しを求め、認められなければ、1年後に正式に脱退するという通告なので、まずは是正を求めています。
後述するNHKのニュースを読むと分かりますが、第3グループ=発展途上国(中国はここに含まれる)から第1グループ=先進国(アメリカや日本はここに含まれる)に郵便物を送る場合、郵便料金の大半を先進国の郵便事業が負担するという取り決めになっているそうです。
この仕組みはある程度理解できます。
しかし、これは個人間で手紙などをやり取りすることを想定してのもの。
例えば、日本国内で封書は現在82円。発展途上国から日本に送る場合、この82円を負担するのは大変な場合があります。
しかし、個人が海外から簡単に商品を買えるようになった今ではひずみが出てくるのは当然です。中国のように都合のいいときだけ「発展途上国」を使う国があるのは明らかに不公平です。
これでは通販などで中国企業に対し国内企業の競争力が低下します。消費者は一見、中国から安く商品を購入できますが、国内の郵便に負担が掛かっているので、結局はアメリカ人や日本人が負担していることになります。
要するに、トランプ大統領が言っているのは、第3グループの国を見直せ、ということなのだと思います。
(下は記事をイメージ化したもの)
上の図で、中国の業者が郵送料を負担するのは国内分のみ。残りの費用はアメリカの郵政事業なのです。
おそらく、日本のJPだって、本来、中国の業者が支払って然るべき送料を年間何億も肩代わりしてやってることでしょう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181018/k10011675921000.html
米政権 郵便国際機関に脱退通知 中国不当に優遇と主張
2018年10月18日 19時05分アメリカのトランプ政権は、郵便物の料金の国際的な取り決めが中国などを不当に優遇しているとして、郵便の国際機関からの脱退を通知しました。トランプ政権が貿易摩擦で対立する中国との対決姿勢をさらに強めた形です。
アメリカの政府高官は17日、トランプ政権が郵便の料金などを国際的に定めるUPU=万国郵便連合に脱退を通知したことを明らかにしました。
その理由として高官は、中国からアメリカ向けに商品を輸送する場合、UPUで定めた重さ2キロ以内の小型の郵便物の配送料金の規定によって、アメリカ国内での配送料が不当に安く抑えられ、これが国内の製造業の不振につながっていると主張しています。
UPUは1874年に設立され、中国や発展途上国が国際郵便を送る際の料金は、アメリカや日本に比べて安く設定されているということです。
アメリカは加盟各国に制度の見直しを求め、認められなければ、1年後に正式に脱退するとしていますが、脱退の影響について高官は「郵便の料金に深刻な影響を及ぼすとは考えていない」と述べるにとどめています。
米中の貿易摩擦が激しくなるなかで、トランプ政権が国際郵便をめぐっても中国との対決姿勢を鮮明にした形で、アメリカメディアは対立をさらにエスカレートさせるものだと伝えています。
■UPU「決定は遺憾」
これを受け、UPUは17日、「決定は遺憾だ」とする声明を発表し、今後、アメリカ政府の代表とこの問題で協議する意向を明らかにしました。
また声明でUPUは「加盟各国が制度の恩恵を受けられるよう引き続き各国で協力していきたい」としています。
■中国「中国を持ち出す必要ない」
中国外務省の陸慷報道官は18日の記者会見で、「アメリカにはみずからの考えがあるのだろうが、中国を理由に持ち出す必要は全くない」と反発しました。
そして、「アメリカの脱退を遺憾に思う」としたうえで、「中国は一貫して多国間主義を守り、積極的にUPUに参加し、また支持していく」と述べて、郵便をはじめとする多国間の協力体制を支えていく姿勢を示しました。
■総務省などは状況を注視
現在、エアメールなどの郵便料金は、UPU=万国郵便連合で定めた規定によって決められています。
今後、アメリカがUPUから完全に脱退した場合、日本はアメリカと新たに国際郵便に関する2国間の協定を結ぶことになり、日本とアメリカの間の郵便料金についても影響が出る可能性があります。
このため、総務省や日本郵便などは今後の状況を見極めたいとしています。
■中国からの配送料 米郵政公社が負担
トランプ政権が不当だと主張するのは、中国から発送された郵便物のアメリカ国内での配送料を、中国側ではなくアメリカの郵政公社が負担する仕組みです。
UPU=万国郵便連合の取り決めでは、中国や途上国からアメリカなどの先進国に届いた郵便物は、経済力のある先進国側が国内の配送料の一部を負担し、途上国側の負担を低く抑えています。
アメリカ政府高官の説明によりますと、アメリカ国内の企業が重さ2キロの商品を郵便で国内の客に送る場合、20ドルから23ドル、日本円で2000円余りの料金がかかります。
一方、中国の企業が、重さが同じ2キロの商品をアメリカの客に送った場合、中国側が負担するアメリカ国内の配送料は5ドル、日本円にして560円ほどで、差額はアメリカの郵政公社が負担しているということです。
ネット通販の人気を背景に、中国からアメリカに届けられる国際郵便は急増しているということで、アメリカ政府高官はアメリカが負担している配送料は、年間で3億ドル(日本円にして330億円余り)に上っているとしています。
また、小型の郵便物は模倣品や麻薬などの取り引きにもつながっていると指摘し、対策が必要だと強調しました。
ホワイトハウスで通商政策を担当するナバロ大統領補佐官は先月、エチオピアで開かれたUPUの会合を前に新聞に寄稿し、「ロサンゼルスからニューヨークに荷物を送る費用は、北京からニューヨークに送るより高い。この不公平がアメリカの製造業を不利な競争にさらしている」として、UPUの取り決めの見直しを訴えていました。
■UPUとは
UPU=万国郵便連合は1874年に設立され、現在は国連の専門機関として、国際郵便のルール作りを行っています。
スイスの首都ベルンに本部があり、アメリカや中国を含む192の国と地域が加盟しています。
世界各国で郵便物の流通を発展させ、各国の利益につなげようという理念で発足しました。
加盟国の間での郵便物のやり取りは、万国郵便条約にしたがって行われています。
条約では経済規模によって加盟国を4段階に分類し、発送した国の事業者から、受け取る国の事業者に支払われる料金などが決められています。
このうち、日本やアメリカなどの先進国は第1グループに、中国や途上国は第3グループに分類されています。
UPUは総会にあたる「大会議」を4年に1度開いていて、おととし、トルコのイスタンブールで開かれた大会議では、アメリカを含む各国が料金の引き上げのほか、グループの数を6つから4つに減らしたり、これに応じて国ごとの分類を変更したりすることで合意したばかりでした。
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【ブログ主】
当方もこんな送料のカラクリがあるとは知りませんでした。
Amazonの中国人のマーケットプレイス(楽天のような出店している店)が数百円の商品を送料無料で売っているのを見て、よくこれで採算が取れるなと思っていたのですが、その店はおそらく中国国内の送料程度しか負担していないのでしょうね。
結局、日本の郵便局が肩代わりしているわけです。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/10/23 21:42
有益な情報を有難うございます。このような仕組みになっているとは知りませんでした。
投稿: chengguang | 2018/10/23 09:18