【新内閣発足】野党とメディアのスクラム-柴山文科大臣への『教育勅語』質問
公開: 2018/10/04 13:05 最終更新: 2018/10/05 10:04(柴山文科大臣と記者のやり取りを追記)
ブログのアクセスログをふと見たら、ずいぶん前に書いた、あるブログエントリーへのアクセスが伸びているのに気づきました。
それは『教育勅語』について書いたもの。
- 3月31日閣議決定の教育勅語に関する政府見解(答弁書)とは? (2017/12/13)
- 『教育勅語』(教育ニ関スル勅語)を読んでみよう!【現代語訳】 (2017/12/14)
後者は前者の記事にリンクが貼ってあるのでついでにアクセスしたのかも知れませんが、前者の記事へのアクセスが増えていたのです。
記事タイトルの「3月31日」とは「2017年3月31日」で、当時、“モリカケ”の“モリ”、即ち森友問題を巡って、野党が教育勅語を肯定する発言を行った稲田朋美議員を攻撃するために、その前後に国会で集中的に教育勅語を取り上げていたのでした。
昨晩のニュース番組で、新しく就任した柴山昌彦文科大臣に対して、会見後のマスコミによる質疑応答で教育勅語に関する質問をしていた(ニュースで流れたのは大臣の回答部分だけ)のは見ており、柴山大臣に続き、菅官房長官の発言のシーンも映し出されたので、恐らく、教育勅語に対する政府見解を問うていたのでしょう。ブログ記事へのアクセスはそのためかと思われます。
今朝の産経新聞では論説委員の阿比留瑠比氏の『柴山発言、どこが「バカ」か』というコラム(『極言御免』)がありましたが、さっそく野党が食いついています。
【阿比留瑠比の極言御免】柴山発言、どこが「バカ」か
2018.10.4 01:00更新子供の頃、友人らと「バカと言う者がバカだ」と言い合った覚えがある人は少なくないだろう。共産党の宮本岳志衆院議員が3日、自身のフェイスブックに書き込んだこんな言葉を見てふと記憶がよみがえった。
「またバカが文部科学大臣になった。教育勅語(ちょくご)を研究もせずに教育勅語を語るな!」
これは、柴山昌彦文科相が2日の就任後の記者会見で、明治天皇が人が生きていく上で心がけるべき徳目を簡潔に示した教育勅語に関し、次のように述べたことへの反応である。
「アレンジした形で、今の例えば道徳などに使える分野が十分にあるという意味では、普遍性を持っている部分がある」
「同胞を大切にするとか、国際的協調を重んじるといった基本的な記載内容について、現代的にアレンジして教えていこうと検討する動きがあると聞いており、検討に値する」
宮本氏がどれほど深く教育勅語を研究してきたのかは寡聞にして知らないが、この柴山氏の発言がどう子供じみた「バカ」という悪口と結びつくのだろうか。(後略。残りはリンク先でお読み下さい。)
なお、今朝の虎ノ門ニュースで有本氏が言及していた平成26年4月の前川喜平元事務次官の答弁(於:参院文教科学委員会)も阿比留委員がコラムで紹介している話です。
思ったより大騒ぎになっているのを、今朝の虎ノ門ニュースで実際の質疑応答動画を観て、ブログ主は野党とメディアによるスクラムだと理解しました。
【公式mextchannel】柴山文部科学大臣会見(平成30年10月2日):文部科学省
- https://youtu.be/Ec1Fw9sQIzw (NHKの記者の質問は14:46辺り~)
文科省公式サイト: http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1409897.htm (現時点ではテキストの会見・質疑応答は掲載されていませんが、後ほどここにupされます。←【2018/10/05追記】upされていまたので、このエントリーの後半に転記。)
NHKの記者の質問は、過去の柴山氏のツイートで「戦後教育のあり方がバランスを欠いていた」と書いていたのを見つけて、その本意を聞くもので、それに続いて社名を名乗らない記者が教育勅語について、「過去の文科大臣は『至極まっとうなことが書かれている』と言ったが、大臣は?」という質問をします。
この流れを見て気づくと思いますが、もう、過去の発言を探し出し、揚げ足を取ろうという気が満々の質問です。おそらく、これを受けての野党の反応を取材するまでがセットでしょう。
以前は、新総理大臣に「靖国参拝をするか?」というがお決まりの質問で、法務大臣には「死刑執行の判を押すか?」が定番。前者だと隣国の反応を報じるまでがセットでしたが、これと同様です。
新大臣の記者会見をもう一つご紹介します。岩屋防衛大臣就任会見での質疑応答を文字起こししたものです。
平成30年10月2日(22:45~23:31) 防衛大臣臨時記者会見 防衛省記者会見室
質問者の会社名や記者名は書かれていませんが、テキストにこのように書かれています。(一部抜粋)
Q:大臣は日中戦争から太平洋戦争に至る戦争は侵略戦争だとお考えでしょうか。
A:いわゆる歴史認識ですけれども、先に安倍総理が新たな談話を発表されたものに集約されていると考えております。
Q:大臣の言葉で聞かせてください。侵略戦争と考えますか、考えませんか。
A:まさに安倍談話に私は集約されていると思いますし、私自身も談話の中身というものに当時非常に共感・共鳴をしましたので、まさにそこに集約されていると思います。
Q:侵略戦争だと考えますか、考えませんか、御自身の言葉で語ってください。
A:私が独自の見解を述べる立場にはないと思っております。
Q:これだけの大きな軍事組織を監督される立場になられたわけですから、侵略戦争について語られないというのはおかしいのではないですか。
A:したがって、先ほどから申し上げておりますように、安倍総理の談話を私も支持しております。
Q:御自身の言葉で語っていただけないですか。
A:これが自分の言葉だと思いますが。
ブログ主がコピペをミスったのではありません。本当にこう質問しているのです。
さて、今回の内閣改造について読売新聞が発足した2日から3日にかけての世論調査をしており、「評価」38%、「しない」45%と報じていましたが、同日の紙面では9月21~23日に行った内閣支持率と政党別支持率も公表していました。
それによると、内閣支持率は、「支持する」50%(前回50)、「しない」39%(同41)で、政党別の支持率は以下の通りです。
自民: 43(40)
立憲: *5(*6)
国民: *0(*1)
公明: *3(*4)
共産: *2(*2)
維新: *1(*1)
希望: -(*0)
社民: *0(*0)
自由: *0(-)
その他: *0(*0)
支持政党無し: 42(45)
今回の内閣を安倍総理は「全員野球内閣」と名付けていました。そう言えば、この後に野党にインタビューして「さしずめ、○○内閣ですね」という無意味で下らないネーミングをニュースにするのも定番メニューになっていますね。
紋切り型の表現を使うなら「外野の声」ですが、支持率5%以下の野党など、外野守備にもつけない「ベンチ外の声」です。
新内閣には、こうした「雑音」を気にすることなく、粛々と仕事をして頂きたいと思っています。
【2018/10/05追記】柴山文科大臣と記者のやり取り
記者)←NHK
大臣はご自身のツイッターで今年の8月17日に「私は戦後教育や憲法の在り方がバランスを欠いていたと感じています」とツイートされていますが、戦後教育や憲法の在り方がどのようにバランスを欠いていたと感じてらっしゃいますか。
大臣)
その私のツイートの趣旨はですね、やはり教育というのは当然のことながら私たちの権利と共にですね、義務や規律ということについても教えていかなければいけないと、これは当然のことだと思っております。ただ、戦前、義務とか規律が過度に強調されたことへの、これもまた大きな反動としてですね、個人の自由とかあるいは権利ということに重きを置いた教育、あるいは個人の自由、非常に最大の価値とする日本国憲法が今制定をされたということだと思っております。そういう中で憲法については、我々、憲法尊重養護義務のある公務員ですから、ここではその在り方について言及をすることは避けたいというように思うんですけれども、少なくとも教育においてはですね、権利や義務、あるいは規律ということをしっかりバランスよく教えていくと、こういったことがこれから求めらるのではないかと、そういう趣旨でツイートしました。
記者)←別の記者?
関連してなんですけれども、教育勅語について、過去の文科大臣は中身は至極まっとうなことが書かれているといった発言をされているわけですけれども、大臣も同様のお考えなんでしょうか。
大臣)
教育勅語については、それが現代風に解釈をされたり、あるいはアレンジをした形でですね、今の例えば道徳等に使うことができる分野というのは、私は十分にあるという意味では普遍性を持っている部分が見て取れるのではないかというふうに思います。
記者)
それはどの辺が今も十分に使えると考えてらっしゃいますか。
大臣)
やはり同胞を大切にするですとか、あるいは国際的な協調を重んじるですとか、そういった基本的な記載内容についてですね、これを現代的にアレンジをして教えていこうということも検討する動きがあるというようにも聞いておりますけれども、そういったことは検討に値するのかなというようにも考えております。
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