自衛隊の警備犬とは?
読売新聞で自衛隊呉基地の海自犬の訓練の様子などを追った『海自犬 瀬戸内を走る』という記事が10月10日から連載されています。
読売にしては珍しく、このシリーズはweb版でも公開されているようです。後ほどURLをご紹介しますので、興味のある方はお読み下さい。
災害の多い日本では、しばしば災害現場で働く救助犬を目にしますが、「海自犬」と聞くと、「あれ、陸自犬とか空自犬とかもいるのかな?」とか、「警察の警察犬は違うのかな?」と思わずにいられません。それで、少し調べてみました。
(下は読売の第1回記事。リンク先の記事の「続く」から次の記事を読むことができます。)
2018年10月10日
穏やかな瀬戸内の潮風と光。きれいな目をした犬の精悍せいかんな走り。心地よくて、つい忘れそうになる。ここは海上自衛隊呉基地(広島県呉市)の一角。明治時代から軍港として栄え、今も護衛艦や潜水艦などを擁する国内屈指の海自拠点だ。
その基地に、災害救助の厳しい国際基準をクリアした優秀な犬が複数飼育されていると耳にしたのは、梅雨時だった。東日本大震災など各地の災害現場で活動した実績もあるらしい。しかし、北朝鮮や中国に神経をとがらせるあの基地に、どうして救助犬が?(以下略)
それによると、正式には「警備犬」と呼ぶそうですが、海自の軍用犬を「海自犬」、空自の犬は「歩哨犬」と呼ばれていましたが、2013年(平成25年)10月1日に「警備犬」へ改称されたそうです。
歩哨とは「警戒・監視の任務にある兵」のことですが、想像するに、「歩哨」という“軍隊”的な言葉に反応する方々がいたのではないでしょうか。(自衛官の階級も日本は“軍国”色を排除した名称になっていますね。元航空自衛隊空将の織田邦男氏はどうせ英語で言えばGeneralだから別に構わない、というようなことを仰っていましたが。)
話を警備犬に戻すと、要するに、正式名称は「警備犬」で、その用途や所属によって、「海自犬」とか、「地雷犬」とか呼ばれているようです。
下のツイートは“ヒゲの隊長”こと自民党の佐藤正久氏。(画像はアメリカの軍用犬のようです。)
【警察庁と災害救助犬のベストや靴につき意見交換】
西日本豪雨災害に派遣した警察救助犬には保冷剤付マフラー着用の他、靴やベストも携行。足の肉球の感覚は行方不明者捜索に有効だが、瓦礫上や暑いアスファルト等には犬の肉球保護用として靴は有用。梯子登りにもベスト有用。自衛隊警備犬は未保有 pic.twitter.com/pZwV5Rarwo— 佐藤まさひさ(正久) (@SatoMasahisa) 2018年7月19日
米軍の軍用犬があまりにもかっこいいので画像を戴きました。
警察にも「警備犬」はおり、犯人の追跡などを行う「警察犬」とは異なり、爆発物の捜索やテロリストの制圧、災害救助などの警備任務を目的として運用されている、とのことです。(Wikipedia『警備犬』の項参照) 警察の警備犬もまた用途によっては「麻薬犬」などと呼ばれます。
しかし、自衛隊の警備犬はベストや靴といった装備がないなんて...。
冗談ですが、「差別だー」がお得意な方達はこれも問題にしてあげれば?
共産党の方々はこの警備犬も「人殺し装置」と呼ぶのでしょうか?
読売の記事の第二回に書いてありますが、そもそも自衛隊に『犬』が導入されたのは施設の警備のためのだそうです。なるほど、空自で『歩哨犬』と呼んでいたのも尤もですね。要するに『番犬』です。従って、特に部隊名のようなものもありません。
警備犬の訓練が82年に始まった経緯にも戦後史が絡む。いわゆる左翼の過激派に、まだ力が残っていた時代。呉の海自施設でゲリラ事件が起きた。大量の燃料を扱う貯油所には、60年代から「番犬」がいたものの、訓練されていない秋田犬や雑種たちだった。
陸上自衛隊には「警備犬」がいないのは不思議な気がしますが、第3回にその理由らしきものが書いてありました。
駐屯地内に多くの隊員を抱える陸自と違い、艦船などを中心に構成される海自の部隊には、警備に回す人的余力がない。これを補うのが警備犬だ。ただ、導入は基地ごとの判断で行われてきた。その点、全国15か所に約50頭いる海自の犬のうち、20頭近くを擁する呉の力の入れ方は違う。
陸自には番犬の必要性がなかったようです。
また、上にもありますが、導入は基地毎の判断で、日本警察犬協会が開く競技会への参加も自主的に行っているようです。米海兵隊との共同訓練も行っており、年4回、山口・岩国基地に出向いて爆発物操作の技術を学んでいます。
東北防衛局のサイトに、『自衛隊と軍用犬』というテーマで増田局長のインタビューがありますが、警備犬にジャーマンシェパードが使われる理由を語っていらっしゃいます。
そうですね、犬の種類は、ジャーマン・シェパードです。そもそも、日本の軍用犬の始まりは、第1次大戦でドイツの租借地であった青島、ここを日本の陸軍が攻略したときの戦利品としてですね、ドイツの軍用犬を入手したのが始まりというふうに聞いていますけれども、そのときの犬の種類がジャーマン・シェパードでありました。それ以来、軍用犬といえばジャーマン・シェパードが主体なわけですけれども、この犬は素直だし情緒が安定していて良いというふうに聞いています。
全文: http://www.mod.go.jp/rdb/tohoku/kyouryoku_kakuho/fmradio/2309gatuhousou-yamagata.html
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