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2018/10/09

【語源】history(歴史)とstory(物語)、story(階)

公開: 2018/10/09 11:18  最終更新: 2018/11/13 12:02  

今日(10月9日)の虎ノ門ニュースを観ていたら、「ヒストリーの語源はストーリー」という発言がありました。(→【2018/11/13追記】)

別に揚げ足を取ろうと言うつもりはなく、ブログ主は人の話は鵜呑みにはしないので、複数の辞書にあたってみました。(主に研究社大英和辞典)

その結果、間違いと言うほどのことではありませんが、history(歴史)とstory(物語)はどちらかが語源というより、「二重語」(姉妹語)なのだということが分かりました。

「二重語」とは聞き慣れない言葉ですが、同語源の語で語形と意味が異なる語です。英語において、この2つの語の語源はラテン語の「historía」(歴史、物語)です。

二重語の他の例としては英語の「shirt」(シャツ)と「skirt」(スカート)があります。

これはどちらも「短い」という意味の語から派生した語で、シャツは「短い上着」という意味で、「short」(短い)とも同根。

 

「history」の原義は「調査で得た知識, 過去を知ること」で、基本となる概念は「知識」です。

 

ところで、辞書を引いていて知ったことがあります。

「story」にはもう一つ、「(建物の)階」という意味があります。

例えば、She lives in a two-story [two-storied] house.(彼女は2階建ての家に住んでいる)の様に使い、「何階建ての」の「階」の意味です。なお、「何階に(ある)」と言うときは「floor」を使い、My office is on the first floor.で、米語なら「私のオフィスは1階にある」(イギリス英語なら「2階にある」の意/イギリス英語では「1階」は「the ground floor」と呼ぶ)です。

 

辞書を引いたお陰で、なぜ「階」を表すのに「story」が使われるようになったのか、というのを初めて知りました。

「中世の建築で、各階の別を示すための装飾として、窓にそれぞれ異なった歴史物語を描いたことから」、階のことを「story」と呼ぶようになった、のだそうです。

なるほど。「two-story house」は「2つの物語が描かれた家」ということなのですね。

 

下はブログ主がスイスで撮った建物の壁絵ですが、こんなイメージでしょうか。

 

1997_sw02

 

下は2枚の写真を上下に合成したもの。

 

1997_sw01

 

 

【2018/11/13追記】

先ほど、注文しておいた『日本国紀』が届きました。

ページを開いて「序にかえて」を読むと、「ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています」と書かれており、このブログエントリーで説明したように、同じ語源を持つ二重語だというご認識です。おそらく、番組では記憶違いをされていたのかと思います。

ただ、どこかの書店で虎ノ門ニュースでの発言そのままのポップが使われているようです。(あるサイトに掲載されていた画像) つまらない揚げ足取りをされないよう、この書店には訂正して欲しいと思います。

 

Nihonkokuki01

 

 

 


 

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