【沖縄県知事選2018】佐喜真候補の奇妙な政治公約「携帯料金4割減」」のわけは?
以前のエントリーで沖縄県知事選での保守側の敗因の一つとして、経済政策がさほど県民を引きつけなかったのではないかというブログ主の見解を書きました。実際、「○○無償化」の類いの政策は玉城デニー氏も言っており、県が国の政策の邪魔をしようが毎年3千億もの一括交付金は手に入るので、こうした「ばらまき政策」では差が付きません。
念のために書いておくと、この、県が自由に使える予算は翁長雄志前県知事の功績ではありません。その前の知事の仲井眞弘多氏が交渉の末勝ち得たものです。それは、街中(まちなか)にあって危険な普天間飛行場の辺野古移設という道筋をつけた見返りとも言えるものですが、次の選挙で翁長知事に負けたのは、これを逆手に取られたからでした。
『沖縄を売った男』とは刺激的なタイトルですが、これは仲井真知事の批判本ではありません。当時、沖縄メディアにこのようなレッテルを貼られ、さんざんにネガティブキャンペーンを貼られたのです。
さて、掲題の佐喜真候補の「携帯料金4割減」という公約ですが、これは玉城陣営から散々馬鹿にされて攻撃の材料になってしまいました。「基地問題が県のマター(問題・事案)でないなら、携帯料金だってそうだろ!」という感じです。
ブログ主は正直に言ってこの公約にさほど疑問は感じていませんでした。アニメで説明しているように無料のWi-Fiスポットの増設等、自治体でも可能な方法も示しており、また、補助金を当てにしたばらまき政策の一つ、くらいにしか思っていなかったのは確かなのですが、確かに県知事の公約としてはやや違和感はありました。
なぜこのような公約を出したのか?
その理由が分かったのは、昨日放送されたチャンネル桜の『Front Japan桜』です。
県知事選の分析に、沖縄放送局のキャスターであるボギー・テドコン氏と惠隆之介氏が出演されており、惠氏が次のようなことを暴露していました。
【Front Japan 桜】NHKセクハラ事件/ 内閣改造→消費税凍結→参院選→憲法改正~加藤清隆 /沖縄知事選の後~惠隆之介、ボギーてどこ ん[桜H30/10/4]
キャスター:水島総・髙清水有子
■ ニュースPick Up
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■ 安倍改造内閣と国政の行方
ゲスト:加藤清隆(政治評論家)
■ 総括・沖縄県知事選挙
ゲスト:
惠隆之介(ジャーナリスト)
ボギーてどこん(チャンネル桜沖縄支局キャスター)
※ スカイプ出演
該当の発言は1h43m21s辺り~(https://youtu.be/Qzs29tLEWSQ?t=1h43m21s)
「今度の選挙の時にですね。某大臣(が)、携帯電話の料金を安くしますというのを真顔で言って、秘書を使わして、沖縄の携帯電話の会社に『早くディスカウントしろ』という指示を出したんですね。とても県知事選挙にはそぐわないキャンペーンを展開した方々もおられます。」
この発言は、外野からあれこれ介入してくる声が多かった、という文脈の中で発せられたものです。この場合、「外野」とは自民党の中央のことでしょう。大臣と言っているので、沖縄北方対策担当大臣のことかと思われます。
「携帯電話料金の値下げ」と言ったら、説明するまでもないでしょうが、最近、菅官房長官がそのような発言をしました。
ブログ主は野田聖子総務大臣(当時)は評価しておらず、もちろん、携帯電話料金が下がることは歓迎ですが、内閣官房長官の発言としては違和感がありました。
総裁選の直前のことであり、人気取りと見る向きもありますが、それでも、管轄省庁の頭越しに言うべきことなのだろうか?と。
惠氏の発言に話を戻すと、この大臣職は正確には、沖縄及び北方対策担当(大臣)と言い、内閣府特命担当大臣、即ち内閣府直轄の組織です。
この動画でも別の場所で惠氏が仰っていますが、中国の脅威を啓蒙したり、沖縄の若者を啓発するビラを作ったところ、この大臣から烈火の如く怒られたと言います。「中国を刺激するな」と。
そこで、惠氏はそのビラを自力で配布しました。(この話は以前もチャンネル桜『沖縄の声』でも言っており、ブログ主は微力ながら、配布の費用の足しにと寄付をしました。)
内閣府と言えば、別の番組では、ある自民党の議員が尖閣諸島に上陸して建造物を建てる話を相談したところ、菅官房長官に止められたと言っていました。尤も、この時の話を聞いただけでは内閣府の見解を伝えただけなのか、官房長官の意見かははっきりしませんが。(「もう遅い」という言い方で止められたそうです。)
モリカケの時に、よく、「内閣府が人事権を持っている(から、官僚が忖度する)」、「内閣府に権力が集中しすぎる」という批判がありました。これは多分に、安倍政権への中傷であったり、不満を持っている官僚が懇意の政治家に言わせたりしていることはあると思いますが、現在の政権下では内閣府がかつてないほどの権力を掌握していることは確かです。
ブログ主が関心を持って追っているアイヌ問題も、追求していくと内閣府に突き当たります。
現在、北海道で着々と進んでいるプロジェクト、国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園も内閣官房アイヌ総合政策室でやっていることです。座長は菅義偉内閣官房長官。但し、実質的に会議を取り仕切っているのは北海道選出の堀井学氏ですが、この公園は、「アイヌ」活動家の間では自治領という位置づけになっています。
安倍総理の補佐役、片腕として菅官房長官が有能であるのは認めます。他人に同調は求めませんが、有能であることと国益に適う人物かは別の話。ブログ主だけでも内閣府やその長である官房長官に警戒の目を向けていくこととします。
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