デモクラシーとデマ(デマゴギー)
公開: 2018/09/30 12:30 最終更新: 2018/10/01 9:18(語句のミス…○デマゴーグ、×デモクラシー の訂正)
今回は雑談です。
昨日放送されたチャンネル桜の『日本よ、今...闘論!倒論!討論!』(※1)を観ていたら、面白いやり取りがありました。
パネラーのお一人の川口マーン惠美氏が、「EUがイギリスのEU離脱の国民投票をやり直せなどと言っているが、EUの都合いい結果が出るまで国民投票をやれというのか? 民主主義とは何か?どこまでが民主主義で、どこから全体主義か分からなくなっている。」という趣旨の発言をしたところ、藤和彦氏が「民主主義というのは第一次世界大戦で初めてプラスの=ポジティブな=意味に転じた。それまではマイナスの意味だった。」と発言し、どなたかが、「(民主制じゃなくて)『民衆制』」と仰っていました。
これは偶然にもつい最近ブログ主もふと気になって調べていた言葉でした。
下は広辞苑の「民主主義」の説明。
みんしゅ‐しゅぎ【民主主義】
(democracy)語源はギリシア語の demokratia で、 demos(人民)と
kratia(権力)とを結合したもの。権力は人民に由来し、権力を人民が行使するという考えとその政治形態。古代ギリシアの都市国家に行われたものを初めとし、近世に至って市民革命を起こした欧米諸国に勃興。基本的人権・自由権・平等権あるいは多数決原理・法治主義などがその主たる属性であり、また、その実現が要請される。
山路愛山、社会主義管見「第一の要件は―を土台にした政府を作ることである」
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
「demos」というのは、古代ギリシアの「区、市」という行政区を指す言葉と同時に、そこに住む「市民、民衆、平民階級、大衆、庶民」という意味です。(研究社 新英和大辞典 第5版より)
「democracy」はそれと「kratia」(権力)と結びついた語、というのは広辞苑の通りで、ギリシア語の「demokratia」が英語のデモクラシー(やドイツ語の「Demokratie」)の語源です。
ブリタニカ国際大百科事典によると、もう少し詳しい説明があり、一部を引用すると、
民主主義は、古代においては愚民政治ないしは暴民支配を意味するものとして、しばしば嫌悪され、望ましい政治形態として受け入れられるに至ったのは近代においてである。
と、パネラーの方が仰っていたとおりのことが書かれています。
近代以前、君主政治は貴族政治の国も多く、民主主義が根付いたのは近代、というのは不思議ではないのですが、原義はこれほどまでネガティブな言葉だというのは想像しませんでした。
暴民とは「騒動・乱暴をはたらく人民」のことですが、昨今、国会前で騒いだり、総理の街頭演説を妨害したりと、一部の“市民”は、まるで近代以前の暴民支配に戻そうとしているかのようです。
そしてそれを扇動しているのが朝日新聞や東京新聞、沖縄二紙のようなメディアやリベラル系と言われる野党議員。
ありもしない「総理の関与」を捏造し、少なくとも、1年以上「モリカケ」をやっても犯罪性を証明できないにもかかわらず、いまだに新聞や野党議員は騒ぎ立てています。
ブログ主は朝日新聞のサイトでユーザー登録しているので、メルマガで1日に数回ヘッドラインを送ってきます。有料会員ではないので全文は読めませんが、自殺した近畿財務局のご遺族のインタビューとか、「モリカケ議員の今」(民進党の福島のインタビュー)、みたいな記事をいまだに連日のように掲載しています。
このように、あることないこと=デマ=で愚民を煽動しようとしているわけですが、この「デマ」という言葉、意味は辞書で引くまでもないのですが、“新解さん”によると、日本語の「デマ」はドイツ語由来の言葉、「デマゴギー」だと分かります。
デマ[1]
〔← ド Demagogie〕
(一)△扇動的(謀略的)な悪宣伝。
(二)自分の利益のためにする(でたらめの)悪口や うわさ話。
「デマが飛ぶ」
「デマを飛ばす」
「とんでもないデマだ」
新明解国語辞典 第七版 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2013
「デマゴギー」は英語では「demagogy」ですが、これも元はギリシア語。
「(デマを用いる)煽動政治家」、「民衆煽動家」の意味では「デマゴーグ」(英:demagogue/独:Demagoge)になります。
もう気づかれたかと思いますが、語頭の「dem-」は「democracy」と同様に「demos」が語源です。
「デマゴーグ」(←訂正前は「デモクラシー」となっていました)の語源は「demos」+「agōgós」で、「agōgós」とは「導く者」(=leader/独:Führer)を意味する言葉。つまり、「民衆の指導者」で、「古代ギリシアの民主政治において、その声望および弁舌によって民会の決議に影響を与えて政治を左右する者」の意味でした。(ブリタニカ国際大百科事典より)
デマゴギーの意味が現代のようなデマになり、ネガティブなものになったのはいつかは分かりませんが、デマゴーグは元は中立的な言葉だったようです。
ブログ主がデマとかデモクラシーとかの語源を調べたのは、最近観た別の動画(※2)がきっかけでした。
URLなどは後述しますが、「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表の我那覇真子さんが動画の中で話された「ギリシャの雄弁家 デモステネスの演説と時代背景」というを観たからです。
デモステネスという人物は、広辞苑によると、
デモステネス【Dēmosthenēs】
古代ギリシアの政治家・弁論家。マケドニア王フィリッポス2世の侵略に対し、アテナイ市の自由・独立を守るため、親マケドニア派のイソクラテス・アイスキネスと対立し、三つの反フィリッポス演説を行なったが、のち、民会で死刑判決を下されて自殺。(前384~前322)
で、まさしく本来の意味でのデマゴーグ。
番組では『プルターク英雄伝』という本から、古代ギリシアの英雄からデモステネスを選んで紹介していました。
ここにデモステネスと対比してデマネスという人物が登場します。
実はブログ主はこれを観て、「デマの語源はデマネス?」と思って調べ始めたのでしたが、上述の通り、この想像は外れていました。![]()
番組では我那覇さんが朗読する部分がテキストで紹介されており、現代の日本にも通じる興味深い話なので是非全編をご覧になることをお薦めしますが、画面のキャプチャで一部をご紹介します。
ここでデモステネスの政敵のデマデスという人物が登場します。彼は弁舌だけならデモステネスを凌ぐと言われていましたが、その人格の違いでデモステネスは後々まで弁論家として語り継がれ、一方デマデスのことは誰も口にしない、という内容です。(画像省略)
さて、現代のデマデスは誰でしょうか。
一見、弁が立つように見えて、愚にも付かないことを3時間もダラダラとしゃべり続けた立憲民主党の代表がいましたが...
また、現代のニコデマスは?
保守と革新にどちらにも受け入れられようとしつつ、長いもの(中国)に巻かれようとしていた前沖縄県知事でしょうか。国を売ろうとする親中派の議員は国政与党にもいますが。
動画では本の朗読の前に我那覇さんが説明していますが、日頃、演説をする機会が多いために、勉強のためにこのような古人の演説を学んでいるそうです。
動画では前後しますが、この我那覇さんの朗読を聞いた(読んだ)後に彼女の街頭演説を是非お聞き下さい。
* * * *
【※1】
【経済討論】トランプと世界経済の行方[桜H30/9/29]
パネリスト:
川口マーン惠美(作家)
高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
藤和彦(経済産業研究所 上席研究員)
三橋貴明(経世論研究所所長)
宮崎正弘(作家・評論家)
渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総
【※2】
チャンネル桜 【我那覇真子「おおきなわ」#38】「帰れ!帰れ!」野次・罵声~実況!これが「オール沖縄」の正体だ![桜H30/9/28]
司会:我那覇真子(「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員・チャンネル桜沖縄支局キャスター)
①県知事選投票日前、最後の宜野湾キャラバン
②Stop!!世論誘導選挙街頭宣伝中に起こった左翼妨害行為
③我那覇真子、県庁前での演説(13:49あたり~)
④ギリシャの雄弁家 デモステネスの演説と時代背景
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