【NHK】「タトゥー隠して」 ラグビーW杯で国際団体が呼びかけ
NHK BS1のニュースを見ていたら、来年のラグビーW杯の前に、ラグビーの国際統括団体(ワールドラグビー)が海外の選手に対し、日本では公共のプールなどで入れ墨を隠すよう呼びかけているという話題がありました。
入れ墨を入れる文化がある(※あった)マオリ族がいるニュージーランド(オールブラックス)は「日本の文化を尊重する」と呼びかけに応じる方針で、ほかの出場チームからもこれまでに異論は出ていない、というだけの内容です。
たまたまワールドラグビーがそのような呼びかけをしただけで、日本側が要請したわけでもないようです。
恐らく、日本の文化に配慮して、そのような呼びかけをしたのでしょう。
しかし、ニュースの伝え方に違和感を覚えました。
下はテレビニュースを文字で再現したものです。
「タトゥー隠して」 ラグビーW杯で国際団体が呼びかけ
来年、日本で開催されるラグビーワールドカップをめぐrラグビーの国際統括団体が選手らに対し、ある呼びかけをしていることが分かりました。ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」は、来年のワールドカップ日本大会の期間中、タトゥーをした選手は、日本国内の公共のプールやジムなどを利用する場合、マリンスポーツの服などでタトゥーを隠すよう勧めているのです。
海外では、文化やファッションとして捉えられているタトゥー。
(ここで、渋谷の町を行く入れ墨をした外国人のカットをいくつか挿入。)
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外国人観光客からはこんな意見が。
(吹き替えなし。音声は一部が切り取られていて全体は不明ですが、聞こえた部分はおおよそ字幕の通り。)
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今回の措置について、ワールドラグビーは、日本ではタトゥーが暴力団を連想させることがあり、抵抗を感じる人に配慮するための措置だと説明しています。
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(次に日本人通行者のインタビュー:男性「慎んだ方がいいよ、というのが今まで...〔ここで途中カット〕...難しいですよね。」、若い女性「怖いですけど、別に、関わらなければ何の問題もないかな。」)
日本国内では、入れ墨・タトゥーに対する抵抗感が根強く、入れ墨のある人の利用禁止を明示している施設も少なくありません。(バックに、「刺青の方は入浴禁止」と書かれた温泉施設の映像)
官公庁のアンケートでは入れ墨のある人の浴場の利用を断っているホテルや旅館がおよそ56%にのぼっています。
ニュージーランドの代表チームは「日本の文化を尊重する」と呼びかけに応じる方針で、ほかの出場チームからもこれまでに異論は出ていないということです。
このニュースの伝え方を見て、文化的対立を煽っていたり、あるいは、入れ墨に対する日本人の感覚が世界標準と異なる、ということを強調するニュースになっていると感じませんか?
ニュージーランドチームの発言を特に取り上げていますが、ラグビーの選手(に限らず、例えばサッカー選手や野球選手もですが)、海外の選手は入れ墨を入れていることが多く、ラグビーだけで言えば、日本のトップリーグには入れ墨をした外国人選手も多く、日本代表にもポリネシア系の選手で入れ墨を入れている選手も多くいます。
日本では既にサッカーのW杯も開催したことがあるし、仮に外国人選手が滞在中にジムやプール、温泉施設を使ったとしても、普通、一般の日本人と一緒に利用するとは思えません。
浴場やプールでは、居合わせる日本人が嫌がるだけなので、そうした施設側も、もし、外国チームから利用の要望があれば、セキュリティの面からも貸し切りにするでしょう。
オールブラックスは過去にも日本に何度も来ているし、日本人がそれほど狭量なら、とっくの昔に日本で開催されるスポーツの世界大会などで軋轢を起こしているはずです。
ブログ主が言いたいことは、日本人は、外国人の入れ墨(そのもの)に対しては、ある程度、文化の違いと理解し、特にナショナルチームの選手に対しては、ちゃんと臨機応変に対応しているだろうということです。そして、それをNHKがなぜ殊更に問題視するようなニュースに仕立てるのだろう?ということです。
ニュースに挿入された街角インタビューも気になります。
彼等にどのような質問をしたのかは一切分かりません。しかし、外国人観光客は(日本の入れ墨に対する拒否の姿勢?に)批判的な意見のみ、日本人は入れ墨に対するネガティブな意見だけ、というのも偏っていないでしょうか。(渋谷辺りで若い人に聞いたら、入れ墨に抵抗がない人も多そうですが。)
特に、外国人に対してどのように質問したのか、大変気になります。彼等はNHKに利用されていないでしょうか。
* * * *
※マオリの入れ墨について
ブログ主は90年代に出張でニュージーランドに行ったことがきっかけで、その後4回、ニュージーランドを旅行しました。
その当時、マオリだからと言って、入れ墨をしている人は、北海道・白老のアイヌの見世物ダンスのような舞台に上がっている人くらいしか見ませんでした。日本よりは入れ墨に抵抗感がないとは言え、例えば顔中に入れ墨を入れたマオリ系のビジネスマンなど見かけませんでした。
上の画像は、当時入手した本ですが、MOKOというのはマオリ語で「入れ墨(の文様)」の意味で、本によると、模様は家紋のように定まったものではないそうです。また、女性の場合は口(唇)から顎にかけた部分に入れます。従って、スペースに限りがあるので模様のバリエーションは限られています。
この本は「20世紀のマオリタトゥー」というもので、写真家は、入れ墨を入れている人を捜し回ってカメラに収めたものです。
マオリ女性の入れ墨はかなり若い時に入れ、対して、男性は大人になってから入れるので、(撮影当時)入れ墨をしている女性は皆老婆でした。つまり、このような入れ墨の習慣はとっくの昔に廃れてしまったのです。
ただ、最近、NHK BSの旅番組で、およそ伝統的ではない入れ墨をしたマオリと称する女性を見たので、今はアイデンティティの主張のために入れ墨をする人もいるのかも知れません。
* * * *
下はブログ主がオーストリアで入手したドイツ語の日本のガイドブックの「ヤクザ」の説明です。(ヤクザが女性名詞とは知りませんでした。 恐らく、Mafia〔マフィア〕が女性名詞だからだと思います。)
ブログ主はヤクザについて詳しくありませんが、ちょっと説明には首をかしげる部分もあります。
それはともかく、“「”を付けた部分からは、「ヤクザで有名なものが入れ墨だ」という説明が書かれており、特に桜の文様は「罪人の太く短い人生を象徴する」と書いてあります。
日本人も、欧米人の入れ墨は犯罪者とは関係ないということを知っておくべきではありますが(実際、知っていると思いますが...)、オーストリア人も日本ではヤクザと入れ墨は結びついていると知るべきと、実際に、ガイドブックが教えてくれているのです。
ブログ主がNHKに感じるのは、個々の文化を破壊するグローバリズム、共産主義的なものです。
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下はweb版のニュースですが、りゅうちぇるの意見なんてどうでもいいと思います。(リンク先動画がありますが、テレビニュースとは異なり、観光客のインタビューはありません。)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180921/k10011638751000.html
タトゥー隠して」 ラグビーW杯で国際団体が呼びかけ
2018年9月21日 6時33分
来年、日本で開催されるラグビーワールドカップをめぐりラグビーの国際統括団体が選手らに対し、公共のプールなどでタトゥー、いわゆる入れ墨を隠すよう呼びかけていることがわかりました。
ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」は、来年、開催されるラグビーワールドカップ日本大会の期間中、公共のプールやフィットネスジムなどを利用する際には、タトゥーを隠すよう選手やサポーターに対し、呼びかけました。
そのうえで、プールなどではマリンスポーツなどで使われる「ラッシュガード」と呼ばれる服を着用するなどしてタトゥーを隠すよう勧めています。
これについて「ワールドラグビー」は、日本ではタトゥーが暴力団を連想させることがあり、抵抗を感じる人に配慮するための措置だと説明しています。
タトゥーは海外では文化やファッションとして捉えられていて、このうちラグビーの強豪ニュージーランドではタトゥーは先住民族・マオリの文化で家系や社会的地位を表します。
複数の代表選手がタトゥーを入れていますがニュージーランドの代表チームは「日本の文化を尊重する」と呼びかけに応じる方針で、ほかの出場チームからもこれまでに異論は出ていないということです。
ただ、今回の呼びかけについて日本側の受け止めはさまざまでツイッターには「海外の文化を尊重するべきではないか」という意見も多く投稿されています。
「タトゥー隠して」海外反応は
ラグビーワールドカップ日本大会でラグビーの国際統括団体が選手らにタトゥーを隠すよう呼びかけていることについて海外メディアは日本国内のタトゥーに対するイメージを解説するなど関心を持って伝えています。
このうち、イギリスの新聞、「デイリー・ミラー」は「マフィアに間違われるとして、スター選手たちのタトゥーに警告」という見出しで伝えています。
またイギリスの公共放送BBCは、日本でタトゥーが暴力団を連想させるようになった背景について、「1960年代に派手な入れ墨をした“YAKUZA”が登場する仁きょう映画が多く制作されたため」と解説しています。
一方、ツイッターには海外からのとまどいの声が相次いで投稿され、「多くの選手がタトゥーを入れているのに、なぜ日本は自国でワールドカップを開催することにしたのだろう」とか、「これからはラグビーの試合を見るたびに、選手たちがマフィアの一員に見えている人たちがいることを思い出してしまう」といった否定的な意見が多く見られます。
日本では抵抗感根強く
日本国内では入れ墨・タトゥーに対する抵抗感が根強く、たびたび議論が起きています。
温泉施設やプールなどでは入れ墨がある人の利用禁止を公式のホームページに明示している施設も少なくなく、観光庁が平成27年に全国のホテルと旅館を対象に行ったアンケートによりますと、回答があったおよそ600施設のうち、入れ墨がある人の浴場の利用を断っている施設はおよそ56%に上りました。
先月にはタレントのりゅうちぇるさんが両肩に妻と子どもの名前を刻んだタトゥーの写真をインスタグラムに投稿したところSNSには「本当に身勝手な親だ」「タトゥーの件で結構がっかり」といった批判の声が相次ぎました。
こうした意見に対し、りゅうちぇるさんは、「こんなに偏見ある社会どうなんだろう。仕方ないよね。ではなく、僕は変えていきたい」と投稿し、ツイッターなどには支持する意見も寄せられるなどタトゥーに対する受け止めはネットユーザーの間でも議論を巻き起こしています。
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