【書籍】「海の武士道」-英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」と工藤俊作艦長-
ブログ主が観た動画の覚え書きと関連書籍のご紹介です。
【沖縄の声】中国、14日より沖縄近海にて無断で海底資源試掘 日本政府は拱手傍観!/SAPIO紹介[H30/7/21]
該当箇所(41:59~)
※ネット生放送配信:平成30年月7月20日、19:00~
出演:
恵 隆之介(ジャーナリスト・沖縄支局担当キャスター)
島 あずさ(沖縄県在住ラジオパーソナリティー)
番組に出演された惠隆之介氏が月刊SAPIOに執筆した記事『422名の英軍将兵の命を救った帝国海軍中佐の「武士道」』を紹介しています。
この帝国海軍中佐とは駆逐艦「雷(いかずち)」の工藤俊作艦長で、惠氏が著した『敵兵を救助せよ』を元に作成された『DVDブックも紹介されます。
このDVDブックは山形県の道徳の教材として使われているそうで、雑誌の影響でサマースクールなどで子供達に見せたいといった問い合わせが来ているとのこと。また、海上自衛隊の幹部候補生学校でも使われているそうです。
しかし、番組内では以上のような説明のみだったので、もっと知りたくなり、DVDブックを購入してみました。
マンガ版もあるようです。
工藤艦長と後述するサムエル・フォール卿のエピソードはをテレビ番組『奇跡体験!アンビリバボー』が取り上げたそうで、この番組を観たことがある方は想像がつくかと思いますが、番組は再現ドラマをスタジオで観ながらトークするという形式です。
DVDの内容はこの映像を再編集したもので、再現ドラマを中心に惠氏のインタビューも収録されていました。
本体はDVDブックというくらいなので本の形式をしています。内容はDVDとほぼ同じですが、人物の略歴を紹介するコラムなども加筆されており、短いですが、本としても読める内容です。
ここで紹介される工藤俊作館長が指揮した駆逐艦「雷」と英軍のサムエル・フォール卿のエピソードを簡単に説明すると...
1942年(昭和17年)3月1日、ジャワ海で日本海軍艦隊に撃沈された英国艦「エクゼター」と「エンカウンター」の乗員は21時間漂流していたところ、哨戒航行中の雷がこれを発見しました。
艦影を見つけて味方だと思った漂流者は、それが日本海軍だと分かると絶望に襲われますが、工藤艦長は全員救出を命じ、生存者422名を救います。雷の乗員はたった120名だったそうです。
服や食糧を与えてから甲板に整列を命じられた英国海軍士官に工藤館長が告げた言葉は「貴官達は勇敢に戦われた。本日は日本帝国海軍の名誉あるゲストである。」というものでした。そして、翌日、英国軍兵士はオランダの病院船に引き渡されます。
このことは長らく知られていませんでしたが、この時に助けられたフォール卿が1998年にこの件を英タイムズ紙に投稿し、世に知られました。フォール卿は退役後外交官になりサーの称号を受けていました。
実はこの年の5月には天皇皇后両陛下が訪英される予定があり、この時のタイムズには元捕虜が天皇陛下の謝罪を要求する投稿も掲載されたそうです。(これぞ、両論併記ですね。)
また、1987年には米海軍の機関誌にもフォール卿の書いた『武士道(Civility)』という寄稿文が掲載されたそうです。
工藤館長はこの件を一切語らず、日本では知られることなく亡くなりましたが、フォール卿の努力が実って墓所が見つかり、当時89歳の卿は2008年に来日、66年9ヵ月ぶりに墓前での再会を果たしました。DVDはこの時の映像から始まります。
なお、DVDブックの帯には、本書を使用した中学校道徳授業の指導案をウェブサイトに掲載してあると書いてありますが、発行元の育鵬社のサイトを見たところ、それらしいページは見つかりませんでした。問い合わせフォームはあるようなので、そこから問い合わせたらいいかと思います。
工藤艦長の墓所は埼玉県川口市の薬林寺にあるそうです。
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