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2018/07/26

【書籍】「北海道が危ない」(砂澤陣・著/扶桑社)【アイヌ利権と人権団体、中国の脅威】

公開: 2018/07/26 10:21  最終更新: 2018/07/27 13:29  

ブログ主がアイヌ問題に興味を持ち、アイヌの血を引く工芸家の砂澤陣氏がご出演されている動画を観たことがきっかけで手にした本だが、「アイヌ問題」、正確に書けば「アイヌ利権」に留まらず、今、北海道を襲っている危機をあまねく網羅した非常に中身の濃いものであった。

まずは氏の緻密な調査に敬意を表したい。

 

「北海道を襲っている危機」と書いたが、これは「日本全体を襲う危機」と言っても過言ではなく、日本人なら知っておくべき事が書かれている。

氏が心血を注いでいる「アイヌ問題」は、放っておけば、「慰安婦問題」や「南京大虐殺」のように、日本を貶めるプロパガンダに使われることになり、また、「同和問題」(正しくは「似非(エセ)同和問題」)のように日本の社会に巣くう暗部として今後も続きかねない

 

いや、既になりつつある。

日本は同じ失敗を繰り返さないために「アイヌ」(氏の言葉を借りると、「プロ・アイヌ」や「アイヌ家」)の利権を潰し、アイヌの自治・独立構想に手を打たなければならない。

 

 

 

 

登場人物や企業、大学等は全て実名で書かれており、2016年9月1日発行と比較的最近なので、名前が出る議員はほぼ現役で、告発される内容も実に生々しい。

 

 

『赤い大地』などと揶揄されるほど「赤化」、「左傾化」されていると言われている北海道だが、その源泉もこの本でよく分かる。ブログ主が北海道について知りたいと思っていたことが全て書かれてあった。

この北海道(だけではないが)の体たらくを見たら、日本には道州制など絶対やってはいけないと思わせる。中央(官僚、与野党問わず国会議員)でもボンクラや、外国勢力や活動家の意を受けて動く者が多いのに、地方に権力を持たせて勝手なことをやらせたら日本は分断してしまうと思う。

内容についてはもう少し記述するが、最初に目次の大見出しと中見出しだけを抜粋して提示する。

 

序章 沖縄だけではない、北海道も危ない!

第1章 アイヌは先住民族なのか?

  • アイヌ民族はどこにいるのか?
  • 歪められた北海道の歴史
  • アイヌの自立を妨げるもの
  • 「アイヌ批判」を許さない空気

第2章 国民が知らないアイヌ利権の実態

  • 北海道アイヌ協会の闇
  • アイヌ協会の不正を告発する
  • 増長するプロ・アイヌ

第3章 アイヌを利用する人々

  • 「アイヌ先住民決議」採択の衝撃
  • 北海道と沖縄の共闘

第4章 北の大地を赤く染めた北教組とメディア

  • 新左翼の理論を生んだ北の大地
  • 日教組最凶の組織、北海道教職員組合
  • 「教育の政治的中立」などありえない
  • 北海道新聞は正確・公正なマスメディアか?

第5章 ここまで進んでいる中国の土地買収

  • 北海道の土地を買い漁る中国
  • 北海道でも進む商店街の中華街構想
  • 中国人に頼らざるを得ない労働現場の実態

おわりに

【巻末資料】北海道旧土人保護法(明治32年3月1日)

 

見て分かるように、第1章から3章まではアイヌ問題、第4章は北海道新聞に代表される北海道メディア(テレビ局も北海道新聞との資本関係がある)、第5章は中国の侵略について書かれており、第1章~3章とそれ以外で半々くらいのボリュームである。

このブログの最近のエントリーで既に「アイヌとは」ということを書いたが、改めて書くと、そもそもは、いわゆる「和人」(日本人)側から見た呼称として、エゾ→アイノ→旧土人→アイヌと変遷しており、アイヌが「アイヌ」と自称しだしたのは1860年頃(文久年間頃から)だそうで、しかも部族毎に分かれており、まとまったことはない。また、アイヌ以外の少数民族も北方の島を含めた北海道に存在した。

「和人」との混合は室町期から始まっているそうで、現在、北海道の観光地で見られるいわゆる「アイヌ文化」は前述のアイヌ以外の少数民族の文化を取り込んだりしている。そもそも、和人との交流が長いため、江戸期の終わり~明治にあった文化を仮に「原アイヌ文化」(ブログ主の造語)と呼ぶとすると、それは既にミックスされた文化である。現在の「アイヌ文化」は他の少数民族の文化も剽窃しており、また、昭和の観光ブームに乗ってショー化された文化である。

また、現在はアイヌ協会の支部長の判を貰えば「アイヌ」になれるので、現在の「アイヌ」は「血」とか「DNA」とかは関係ない話で、本来のアイヌ系の人と「(プロ)アイヌ」は乖離してしまっている。

名称からネガティブなイメージを持たれがちがな「旧土人保護法」も、実際は文字通りアイヌを保護するためのものということも本に掲載された文面から読み取れる。実際、これはアイヌ側が陳情して作られたものだという。

本来は保護がある間に「自立」の方向に進むべきで、実際、砂澤氏の祖先のように、そのように子どもや孫達を教育していったアイヌもいるが、それに甘えて、益々要求がエスカレートして行ったアイヌもおり、それが左翼活動家と結びついて、自治区だの独立だのという運動にまで繋がっている。

彼等が固執するのは「アイヌ=先住民族」とすることであり、平成20年6月6日に決議された『アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」は汚点であり、撤回されるべきである。

なお、この決議は鈴木宗男が中心となって行われた。

 

これはアイヌや北海道に根付いている左翼活動家だけの問題ではなく、道庁や札幌市役所の役人も共犯者で、問題の解決を計ろうとしたら役人の責任問題になるので自浄できない。地方の役人だけでなく、北海道を基盤とする国会議員や国土交通省や文科省といった役人も絡んでいる。根は深い。

 

ブログ主が以前チャンネル桜の官邸前デモに参加したとき、同時刻に国会議事堂前で行われていた反日集団のデモ参加者にはアイヌの民族衣装風の着物を羽織った者がいて、見ていたら議員会館の中に入っていったことは以前書いた。

 

プロアイヌがやりたい放題すればするほど、道民(一般人)のアイヌ全体に対するヘイトを生むことになり、プロアイヌはそれを利用して「差別だー」とやるという悪循環、砂澤氏の言葉を借りると「差別の再生産」が行われるのだからタチが悪い。

 

前置きが長くなったが、この本では、北海道の近世~現代(明治~昭和)史にも触れているので、現代に続く様々な問題の背景も分かると思う。

 

歴史の歪曲も多い。本の中でも書かれているが、現在行われている「シャクシャイン」の法要祭も実は中心となっている部族はシャクシャインと敵対していた側のアイヌだという。

松前藩側についていたアイヌもおり、「シャクシャインの戦い」は部族間での利権争いが本質とのことで、決して松前藩=和人vs.アイヌといった単純な二項対立の構図ではない。また、この本によると、現在、シャクシャイン側のアイヌが祭りに参加しないのは別の理由があるようである。

後述するが、平凡社の百科事典は、アイヌに関する記述は詳細だがかなり偏っている。一方に偏った目線の中にも事実が見え隠れしているような気がするので、岩波の広辞苑の「シャクシャイン」の項の記述と併せて以下に「シャクシャインの戦い」の説明を転記をしておく。

 

広辞苑: シャクシャイン【沙牟奢允】
江戸前期、日高地方のシブチャリ‐アイヌの首長。1669年(寛文9)松前藩の交易独占強化に反対するアイヌを率いて蝦夷(えぞ)各地で商船を襲わせ、さらに松前を攻めようとして謀殺された。(?~1669)

平凡社: シャクシャインの戦い
1669年松前藩支配に抵抗して起きたアイヌの近世最大の蜂起。東西両蝦夷地(えぞち)のハエ・アイヌとシブチャリ・アイヌ間の漁猟圏を巡る争いの過程で、後者の首長シャクシャインが東西蝦夷地のアイヌに反和人(シャモ)・反松前藩の檄を飛ばし、東は白糠(しらぬか)、西は増毛(ましけ)のアイヌが一斉に蜂起(石狩アイヌは不参加)。

和人の商船や鷹待(たかまち)らを襲撃した。大きな衝撃を受けた幕府は指揮権を発動。松前氏の一族松前泰広(旗本)や津軽弘前藩に出兵を命じた。

1669年10月、シャクシャインは松前軍の奸計で誅殺され、1671年、蜂起は最終的に鎮圧された。この蜂起は松前藩の成立に至る和人の蝦夷地南西部(現在の道南地方)における支配の貫徹。同藩の成立と藩政展開過程でのアイヌに対する過酷な収奪や漁猟場の破壊などが根本原因であった。

cf. Wikipedia: シャクシャインの戦い

 

 

沖縄の独立運動とも繋がっている。

ブログ主が興味を持って追っている、翁長雄志沖縄県知事の国連での演説(「民族自決権」を主張したもの)とも繋がっていたのには驚いた。

沖縄との共通性も多いが、沖縄は「基地」という分かりやすい=報道されやすい=ものがあり、たとえ左翼活動家の存在を隠して報道されても、特にSNSやインターネットの発達した現在では、あっという間に辺野古などで暴れている活動家の動画が拡散される。つまり、問題が顕在化しやすいが、アイヌ問題の場合は表面的な不正会計(※)といった問題が発覚しても、一部の役員の処分といった“トカゲの尻尾切り”に終わり、その本質は伝わりにくいのが困ったものである。

 

※ニュース動画の一例

アイヌ不正 北海道アイヌ協会釧路支部(秋辺得平氏コメント)
 2010/01/29 に公開

北海道アイヌ協会 不正(札幌支部)北海道アイヌ協会 不正(札幌支部)
 2010/03/12 に公開

 

沖縄との比較をもっと単純に言えば、「基地問題」とは言える(意味するところはともかく)が、「アイヌ問題」とは誤解を生みやすくて口に出すのは難しい。

 

第2章では、アイヌ協会による不正の実態もこれでもかと紹介される。砂澤氏は不正のカラクリを暴くために、わざと職業訓練を受けて、給付金の不正受給のテクニックを調べている。(なお、氏はその給付金の返還を申し出ているが受け取られないという。)

面白いところでは、元朝日新聞記者の本多勝一、医師で活動家の香山リカといった名前も出てくる。

 

ところで、本の中で「アイヌ民族はもういない」とTwitterに書いたことがきっかけで潰された札幌市議の話が出てくる。

その市議はHPなどで百科事典の定義を引いて釈明をしたそうだが、これが元で更に炎上させられた。

その事典は平凡社の大百科事典で、引用した説明が“改訂前”のものだったからで、既に、内容が“差別的”ということで書き換えられた版が出ていたからと言う。

ブログ主は電子辞書を持っているが、その中に、ブリタニカと平凡社の2つの百科事典が収録されている。ここ最近、辞典を引いていて平凡社の百科事典(マイペディア)がやけにアイヌ関連の見出し語が多く、説明が偏っているのに違和感を覚えていたが、その理由が分かった。

説明の中に「萱野茂のアイヌ語辞典によると」と断り書きのあるものもあった。(萱野茂=かやの しげる=アイヌ初の日本の国会議員で日本のアイヌ文化研究者)

砂澤氏によると、部族毎に言語も異なり、萱野氏が事典を作れば、それは萱野事典でしかないという。

 

ブログ主はどう考えてもアイヌの血は引いていないが、「日本人とは」を考える上でのルーツの一つであり、正しい研究がなされるべきだと思う。しかし、砂澤氏が危惧するように、河野本道氏のようなまっとうな研究家の成果が封殺され、プロアイヌ御用学者の“とんでも学説”だけが残るようになってしまいつつあることに警鐘を鳴らしたい。(→ブログエントリー『【北海道】「北海道博物館」は北海道“イデオロギー”博物館!?』)

 

 

【参考動画】チャンネル桜『【討論!】間接侵略の実態』

この動画は沖縄、北海道、対馬をテーマにした討論で、ブログ主はまだ途中までしか見ていないがリンクを貼っておく。

 

1/3【討論!】間接侵略の実態[桜H25/2/9]
https://youtu.be/8apc9JGKEro

2/3【討論!】間接侵略の実態[桜H25/2/9]
https://youtu.be/ord5MOkZj_E

3/3【討論!】間接侵略の実態[桜H25/2/9]
https://youtu.be/ZGuxOlQzHac

2013/02/09 に公開

パネリスト:
 奥茂治(南西諸島安全保障研究所理事長)
 河添恵子(ノンフィクション作家)
 川田ただひさ(札幌市議会議員)
 砂澤陣(工芸家・ブログ「後進民族アイヌ」管理人)
 友納徹(対馬協議会事務局長・一般社団法人IIFG副理事長)
 坂東忠信(元警視庁刑事通訳捜査官・外国人犯罪防犯講師)
 鳴霞(月刊「中国」編集長)
司会:水島総

 

【追記】イザベラ・バードの『日本紀行』

この本と同時に注文したのが掲題のイザベラ・バードの旅行記で、講談社学術文庫では上・下に分かれているが、下巻はかなりの部分が北海道、というよりアイヌの話だ。

 

 

時代は明治の初期だと思うが、彼女はアイヌの住居にも泊まり、アイヌのことを「未開人」という表現を用いて呼んでいるが、偏見はなく冷静な目で観察している。

 

 

 

 


 

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