【北朝鮮拉致】拉致と認定されない拉致 寺越武志さんのケース
「拉致被害者」と言うと、一般には12件17人の認定被害者の方を思い浮かべますが、政府から公式に認定されていない「特定失踪者」と呼ばれている方々がいます。
特定失踪者問題調査会によると、全国の約470人を拉致の疑いを排除できない「特定失踪者」としています。
しかし、拉致であることが判明しているのに、このどちらにも含まれていない方もいます。
その一人が寺越武志さんです。
「メディアは死んでいた」(阿部雅美著/産経新聞出版)にも、寺越さんのことは第4章に「不自然」(P.136~)と題されて書かれています。
寺越さんは63年に石川県志賀町(しかまち)の高浜漁港から叔父さん2人と能登半島沖に出漁中に行方不明になりました。漁船だけ発見され、家族も海で亡くなったものとして葬儀も済ませたところ、24年後に北朝鮮から叔父さんの手紙が届き、武志さんも生存して北朝鮮で生活していることが判明しました。
この本に書かれていることのいくつは、改めて「ああ、そういうことがあったな」と思い出すことも多く、寺越さんの事件もその一つだったはずですが、たまたま5月に読売新聞に『北の息子と「最後」の対面』というタイトルで久しぶりにこの事件を思い出していました。
読売新聞は6月12日の米朝首脳会談の日程が決まった後に、見開き2頁で『基礎からわかる拉致問題』の特集を組んでいましたが、それより1週間前に寺越さんとお母さんの再会を記事にしていました。
下がその記事です。
この記事にも書かれていますが、武志さんは「北朝鮮船に救助された」と語っており、家族は当然この不自然さに気づいていますが、拉致と言ってしまうと武志さんの身に危害が加えられることを恐れ、家族会にも加わらずにいます。
ブログ主がこの事件を知ったのはいつだか忘れてしまいましたが、時々、寺越さんとお母様との再会は新聞記事になっている記憶があるので、多分その記事の一つででしょう。
なお、「メディアは死んでいた」で知りましたが、2001年に寺越さんは本を出版されているそうで、邦題を『人情の海』というものだそうです。
ネットに公開されているというので調べて見たところ、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏のブログにダウンロードできるようにPDF掲示されていました。
ブログ主は読んでいませんが、当然のことながら、金日成を礼賛する内容で、阿部雅美氏も「一読はお勧めしない」と書いています。
荒木和博BLOG: 2005年5月8日 『人情の海』
なお、寺越さん同様、拉致であることが判明していて認定されていない被害者には、74年6月に埼玉県上福岡市〔現・ふじみ野市〕から拉致された高敬美ちゃん(読売記事では6歳/本では7歳)と3歳の弟、剛ちゃん幼児がいます。
この2人のケースが認定されないのは日本国籍ではないためで、日本人の母親は殺害されたとみられているそうです。
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