【加計学園】愛媛県知事が新たに公開したメモは記憶を便りに書いたもの
本日(2018/05/11)、中村時広愛媛県知事が記者会見をし、1枚のメモを新たに公開しました。
これは朝日の記事(後述)によると「発言した職員が記憶をもとに作成した発言内容のメモ」だそうで、実際に発言したかどうかの証拠とは言えませんが、参考にはなります。
書いてある事柄自体はおおよそ事実でしょう。
面白いことに、朝日のweb記事には名刺の画像は添付されていますが、このメモは添付されていません。最後に書かれている「今後の対応」辺りが見られたら不味いのでしょうか。
○今後の対応
- 日本獣医師会の強い反対、その意向を踏まえて愛媛を除く四国3県獣医師会や四国他県の積極的な協力が得られない状況
- 賛同が得られるよう、各県の獣医師会等へ粘り強い働きかけを行う。
他に知事が言っている「職員はメインテーブルに座っていた。後ろじゃない」は、他社の初対面の訪問客などと打ち合わせをしたことがあれば分かりますが、後ろにいたかどうかは比喩のようなもので、メインに話をした人以外は記憶から消えやすく、「今でもわからない」「いたのかもしれない」という柳瀬氏の発言は不思議ではありません。
国会で柳瀬氏は10名くらいと発言していましたが、実際は6名だったようで、吉川泰弘元東大教授(現・岡山理科大獣医学部長)はこの日はいなかったとのことです。
しかし、知事が弁明しなくてはならないのはこの点だけではありません。
過去のエントリーでも指摘しましたが、最初に朝日がスクープした備忘録(4月13日付-「13」は手書き)は、その後、農林水産省で見つかった同様のメモ(4月3日付-「3」は手書き)から類推するに、会議などで配布する際に日付を手書きして書き込んで使っていたようで、そうなると、2015年4月13日に会議か何かがあって、そのときのレジュメ(資料)として使ったことが濃厚です。
しかも、最後の一文から、内部の会議に使ったらしいので、朝日に漏洩したのはその会議の参加者である県庁内部の人物である可能性が強いことになります。
個人用の備忘録と県知事は主張していますが、会議などで使用していたら、これはもう公文書ではないでしょうか。
これを弁明せずして、知事はなんの責任を果たしたと言えるのでしょうか。
【朝日新聞記事:愛媛知事「職員は子供の使いじゃない」柳瀬氏の名刺公開
https://www.asahi.com/articles/ASL5B7WPKL5BPTIL02V.html
愛媛知事「職員は子供の使いじゃない」柳瀬氏の名刺公開
2018年5月11日13時21分愛媛県今治市への加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐり、10日に国会に参考人招致された柳瀬唯夫・元首相秘書官の答弁について、愛媛県の中村時広知事は11日、定例記者会見で改めて批判し、会見後に柳瀬氏の名刺を公開した。柳瀬氏の発言として「本件は、首相案件」と記した県職員作成の文書と、答弁の内容に食い違う部分があったため、職員に詳しい報告を求めていた。
県の文書は、柳瀬氏が2015年4月2日に首相官邸で県や今治市の職員と面会した際の記録。中村知事は記者会見で「(柳瀬氏の)一部の発言は愛媛県の信頼に関わる。一般論として真実ではないこと、極論で言えばウソで、他人を巻き込む」と述べた。
柳瀬氏は国会で、加計学園の関係者との面会は認める一方、県と今治市の職員については「今でもわからない」「いたのかもしれない」と主張した。中村知事は「会った会わないでこんなに引きずらないといけないのか」と批判し、当時職員が柳瀬氏と交換した名刺を会見後に公開した。「27・4・―2」という面会の日付の赤い押印があり、柳瀬氏の出身省庁を示すとみられる「(経産)」と手書きで記されていた。
柳瀬氏は、10日の答弁で当初、面会相手が10人近くいて、主に話したのはメインテーブルの吉川泰弘元東大教授(現・岡山理科大獣医学部長)や学園の事務局の職員らだったとし、「あまりお話しにならなかった方は記憶からだんだん抜けていく」とも述べていた。
中村知事は「職員はメインテーブルに座っていた。後ろじゃない」と説明。面会したのは加計学園の関係者、県職員、今治市職員の計6人で、全員がメインテーブルに座ったとし、「職員に聞いたところ、この日は吉川氏はいなかった」とも述べた。
また、「県職員は子どもの使いじゃない」とし、職員が積極的に発言した、とも主張。発言した職員が記憶をもとに作成した発言内容のメモを会見後公表した。このメモには、県や市の獣医学部新設への取り組みや、獣医師会への今後の働きかけなど、県としての発言が10項目以上記されている。
参院予算委員会は、愛媛県と今…(以下有料記事)
【追加】今治市職員出張報告書(一部)
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コメント
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奥穂3190様
AERAのURLありがとうございます。後ほどよく読んでみますが、先ほどニュースで県知事のインタビューを部分的に見ましたが、かなり攻撃的ですね。
>4・2午後の面談は急遽決まったと今治市の記録からは推察できる
手元に保管しておいた出張報告書の一部を記事の最後にupしました。
出発の直前(前日の1日)に急遽、柳瀬氏との面会を知ったことが分かります。
愛媛の職員は準備が十分なのとは大きな違いですね。
昨年、加計の件で議事録などをよく読んでいた時、今治のサイトもよく見たのですが、議事録や提出資料なども几帳面にupしていて、構造改革特区の時は愛媛県として申請していたのも知っていましたが、こうしたサイトとともに市議会の議事録でも大学誘致の話も出てくるので、実務的な作業は今治市がやっていたイメージでした。
だから、東京出張の際の今治市の「おまけ」感には違和感があります。
この辺は県と市の上下関係みたいなものがあるのでしょうか?よく分かりません。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/05/11 22:45
主様
以下のサイトに中村知事会見書き起こしがあります。
dot.asahi.com/dot/2018051100068.html?page=3
熟読していませんが、先にコメントした点も含めて思うところ以下。
県職員は、発言内容を頭に叩き込んで面談に臨んだ(従って3年後に発言内容を纏めることができた)由。当然愛媛県は当日午後の面談予定を事前に知っていた事になる。
主様の記事を読み、4・2午後の面談は急遽決まったと今治市の記録からは推察できると理解していたが、予めあった加計学園・愛媛県のアポに今治市が急遽相乗りしたのか?
4・9に知事は面談について口頭報告を受けたと言っているが、知事の記憶する報告内容は備忘と一致しているのか。これは知事が職員を信頼しているかどうかの話ではない。知事の記憶の話。それが曖昧なら、秘書官の記憶を「うそ」呼ばわりはダブスタだろう。
投稿: 奥穂3190 | 2018/05/11 21:28