【愛媛県文書】中村時広愛媛県知事の発言、愛媛県新文書と今治市の文書に齟齬!?
ブログ主は中村時広愛媛県知事の5月11日の会見を見てはいないのですが、会見の様子をまとめたAERAの記事を読みました。(リンク先は記事を転記したブログエントリー)
この中で下のようなやり取りがあります。
──今の段階では、面会がどういうふうにセットされて、今治市から声がかかったとのことだが、細かい点で面会に至った経緯は。
それは本当に分からないです。これも聞いてはみたが、そもそも4月2日に県が県の立場を説明していただきたいという話は3月終わり、けっこう直前だった。日にちまで分からないが3月後半と言っていた。今治市からの話だったので、担当者も変わる時期だったので、あわてて対応した。その手前のところでどう面会がセットされたかは把握できていません。
次に、愛媛県の文書(職員の「個人メモ」)を見てみます。前回に引き続き、No.20です。日付は「27.3」(3月)。
3月24日の報告を書いていることから、それより少し後に作成されたメモだと思いますが、藤原次長との面談日程は確かにこの頃今治市から連絡があったようで、愛媛県知事の言う、「3月後半」、「今治市からの話」と整合性がとれます。
その下に、「同学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したいので、県と今治市にも同行願いたいとの要請があったと今治市から連絡があった」とあります。これをこのまま読むと、3月末に柳瀬秘書官と面会することが決まっていたように思えます。
次に、4月2日の東京出張に同行した今治市職員の復命書の一部を見てみます。
ここには、「当初の行程に加え、15:00から■…■(柳瀬氏との面会?)が4月1日に急遽決まったため」と、3時からの柳瀬秘書官との面会は出張の前日に急遽決まったと書かれています。
つまり、
- 今治市は4月1日に知ったと言い
- 愛媛県職員の個人メモでは、3月(末?)に今治市から連絡があったと言い、
齟齬があるのです。
但し、この職員の作成する「個人メモ」は他のメモを見ても書き加えている様子が見られるので、これも、4月1日の連絡で知ったことを書き加えた可能性はあります。
先に流出した「備忘録」も、内容は限りなく議事録に近いものですが、農水省に渡したもの(4月3日付)と内部の会議に使ったもの(?4月13日付)では目的に応じて文章を一部変えていました。
愛媛県の新文書(但し「個人メモ」部分)では、藤原次長との面談をアレンジしてくれたのは柳瀬秘書官であり、そもそもの目的は藤原次長に会うことだったはずです。
そこで気になるのが、No.27の文書。
これは、確認したら、11日の会見で配布した、“記憶を頼りに当時作ったメモを再現したもの”と一緒です。(→ブログ記事『【加計学園】愛媛県知事が新たに公開したメモは記憶を便りに書いたもの』)
しれっと混ぜていますが、最近作ったものなのです。
つまり、オリジナルではないわけですが、オリジナルは“藤原次長説明用メモ”だったのではないでしょうか?
なのに、「(柳瀬首相秘書官説明用)」という副題に違和感があります。
思うに、政局にされているのが「柳瀬秘書官と面会したかどうか」だったので、いかにも東京出張は柳瀬秘書官に会うのが目的と見せかけたくて、こういう文書を新たに作ったのではないでしょうか?
愛媛県から出てくる文書は、実際に“その時点”で作られたものと信用することはできず、盲信するのは危険です
« 【愛媛県文書】5月21日に新たに見つかった文書、実は5月10日以前に蓮舫に渡っていた!? | トップページ | 【愛媛県文書】下村博文文科大臣の「けしからん」発言の意味と時期 »
コメント
« 【愛媛県文書】5月21日に新たに見つかった文書、実は5月10日以前に蓮舫に渡っていた!? | トップページ | 【愛媛県文書】下村博文文科大臣の「けしからん」発言の意味と時期 »
【ブログ主】
奥穂3190様
以前、ご教示いただいた「No.24~26の文書は『個人メモ』とは別人が書いた」ということから考えていた事を新エントリーにまとめました。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/05/27 08:23
【ブログ主】
加計学園側が“風呂敷を広げちゃった”みたいなコメントを出しましたね。
これに関しては、一応、今治市の記録を待ってから記事にしようと思っています。
さて、先に戴いていたコメントの返信を返す前に、以前から考えていた事を新しいエントリーに書きました。
いやぁ、読めば読むほど、「個人メモ」の部分の時系列が不明すぎて、(書いた本人はそのつもりではないにしても)読まされる方は色々推理しなくてはなりません。
私が取り敢えず出した結論(推理)は、下村大臣の「けしからん」発言の時期が2014年12月ではないか?ということです。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/05/26 22:27
news.yahoo.co.jp/pickup/6283936
おやおや、なんだか「撒き餌」観測が当たりのような形勢。
投稿: 奥穂3190 | 2018/05/26 21:24
主様
愛媛県文書17の信頼度については、今後今治市からどんな文書が出てくるかによるのでしょうが、以下の疑問を感じます。
①中村知事は獣医学部の今治市新設を支持し、推進していたのでしょうか?松山と今治の対抗意識といったものはないのか?松山市長から県知事に転身して、愛媛県政を一挙に掌握と評されている御仁です。
②文書15~20の5件の報告のうち、3件が今治市からの伝聞。
15の県・市・学園の面談も県はオマケで出席感。自治体としては県が格上なので、今治市が県を蔑ろにするのを避けたものの様に思えます。
実際に面談して、発言を聞いた加計学園の職員は単に「学園関係者」と記述。報告を書いたのが「僕ちゃん」レベルで、課長クラスが同席していたのかも知れませんが、県はまるで傍観者です。
③文書17では、非公式な政治的働きかけを(僕ちゃんレベルで?)断っていますが、この面談だけが県・学園の二者間のもの。学園から直接県への申出があったと冒頭に記述があり(言い訳めいて私には聞こえますが)、明らかに他の報告が書かれた経緯・状況とは別パターンで、県がいきなりの主役扱い。
オマケに、県が会った翌日に今治市長と学園関係者が別途面談し、同内容が説明されたとある。今治市は市長レベルで加計と対応している訳ですが、何故この場合に限り、熱心な推進者であり協力者である今治市を差し置いて、学園関係者は県と先に会ったのか?僕ちゃんは、市長・学園の面談の事実とその面談内容をどうして知ったのか?
(なんだか怪しい)
一方、3・3の学園・県面談の主目的は、学園が県の官邸への働きかけ、県の財政的援助を求めることであって、首相・理事長面談は(傍観者的)県から協力を得る為の撒き餌的「話」であった可能性もあるとは思います。
投稿: 奥穂3190 | 2018/05/26 11:53
【ブログ主】
DIE様
担当者は代わったのでしょうか?確か、知事も異動の頃だから云々と言っていましたが、3月の個人メモを書いた職員と4月2日に出張した職員と同一人物ではないかと思います。
それはともかく、おっしゃるような経緯だったとは思います。
言いたかったのは、この職員のメモは自在に加筆される信用ができないもの、ということです。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/05/24 14:11
【ブログ主】
いえいえ。
この記事で言いたかったのは、この個人メモは一度作成したらプリントしてファイルしたようのものでなく、職員のPCにでも入っていて、都度、加筆しているんですよね。
27の文書に関するコメントはその時理解できず失念したのかも知れません。失礼しました。
あとから加筆するものだから色々な情報がごちゃまぜになり、時系列がよく分からなくなっています。(多分、職員の頭の中も)
安倍総理や下村大臣の発言も、構造改革特区の頃の話ではないかと思います。構造改革特区なら、文科省から直接指示や指導があるのは理解できます。
さっき時期を確認してたのですが、構造改革特区の第26次は2014年10月14日~11月14日が募集期間。どのくらいで結果が出るのか分かりませんが、15年3月12日には再検討の要請ということで文科省からの結果が公開されています。
そして、27次は国家戦略特区と一本化され、募集期間が4月28日~6月5日。
問題となっている2015年2月25日とか個人メモが書かれた3月、4月は端境期ですね。4月2日頃になってようやく「国家戦略特区でやってみたら」というアドバイスをもらったわけですから。
あと、県知事黒幕説も同意です。
今日の虎ノ門ニュースで有本氏も言っていましたが、中村知事は過去にも公文書とは言えない「メモ」を利用していた前科があります。
経歴から中央政界にも繋がりがあるでしょうし、その繋がりは反自民です。
週刊誌は書かないでしょうが、政治記者とかは既に分かっているんでしょう。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/05/24 13:59
県は3月末に同行の要請を市から受けていたが返事をしておらず、4月1日からの新担当は官邸同行の件は引き継ぎを受けておらず内閣府への出張のみのつもりの状況で「明日一緒に行きますよね?」と問われ急遽同行が決まった…くらいで整合性はとれそうですが
投稿: DIE | 2018/05/24 13:51
主様
今治市記録との齟齬については当初から気になっていたので、表題を見て「そうそう!」とばかり、記事内容をよく読まず投稿してしまいました。今記事をちゃんと読むと、既に主様が書かれたことで、汗。
可哀そうな僕ちゃんは、知事に言われて(君、秘書官にも説明したよね、ナンテ)頭に叩き込んだ(次長用)説明内容を書き出した訳です。この知事には意図的に話さない部分があって、これも黒幕印象の一因。
投稿: 奥穂3190 | 2018/05/24 13:33
主様
1.主様指摘の今治市記録との齟齬について
このメモの作成者(以下僕ちゃん)には、独特の癖があって一定の期間に生じた事柄を追記で一つに纏めるのです。
20番のメモの読み方は番号の順に。
3・24の今治市からの報告(秘書官・学園間の面談に係るもの)は「1」で終了。
「2」は3・24の後発事象です。こういった場合に僕ちゃんは、「また」といった繋ぎの言葉をいれ、多分連絡は電話だったのでしょう、日付を省略。
15番、「1」と「2」は一纏め、「3」は僕ちゃんが知った後発事象。
16番、「1」は加計・加藤面談に係る今治市からの報告、「2」は僕ちゃんが知った(恐らく)後発事象。
17番「1」・「2」一纏め、「2」の「なお」以降は追記。「3」は後発。
18番一つの事象。
2.加計学園の登場人物の記述について(オマケ)
15→「学園関係者」及び吉川副学長
16→今治市からの伝聞で「加計学園」
17→「学園関係者」
18・19→今治市からの伝聞で「学園関係者」
20→今治市からの伝聞で「田丸相談役、渡邊事務局長」
17番に関する先のコメントで「加計学園担当者」と書いたのは、副学長でもなく、相談役、事務局長でもないレベルの人間が、僕ちゃんの相手方だと思ったからです。
3.主様指摘の27番の内容について
本文書に関する最初のコメントで次のように書きました。
「27の秘書官用メモの内容が実際に話されたかどうかは判然としない。7では県・市から次長への説明を行ったと明記されているが、9の秘書官部分にはそれがない。然し、9に「日本獣医師会が反対している中で、愛媛県獣医師会が賛成しているのは評価できると27メモの内容が登場しているので、同メモの一部が説明された可能性はある。」
主様からの反応はありませんでしたが、私は流出の黒幕は知事ではないかと疑っています。この意味で言論テレビの記事が楽しみです。主流派との対立で自治体長が宗旨変えをすることは珍しくありませんし、(能力に問題はあっても実直な)僕ちゃんにこっそりブツを野党に流す意図も度胸もありますまい。
投稿: 奥穂3190 | 2018/05/24 13:22