「文科省メモ」と愛媛県職員の「個人メモ」の類似性
公開: 2018/05/31 13:32 最終更新: 2018/05/31 18:09
これはブログ主の見解ですが、この2つの作成者、課長補佐と愛媛県職員は捏造まではしていないのではないかと思っています。
文科省メモが流出した当初は分かりませんでしたが、当時、内閣府には文科省からの出向者というスパイが跋扈しており、そこで知り得た情報をPDFにしてメールで報告したり、内閣府内のメールを文科省に転送したりしていました。恐らく他の方法でも情報を流してたでしょう。
課長補佐は自分が出席していない打ち合わせのメモまでも作成しています。
このことから、彼女は自分が直接耳にしたことだけでなく、外部からの伝達で知ったことをメモにまとめていたのでしょう。つまり、伝聞情報です。
そして、メモは自分や情報を既に共有している仲間だけで分かればいいので、主語が省かれたりしており、第三者が読むと、発言者は誰か、決定事項なのかそうするという予定なのか、真意がはっきりしません。
愛媛県職員のメモも「○○がこう言ってたのを××から△△が聞いた」のような記述も多く、作成者の頭の中と第三者とでは前提知識に差がありすぎて読んでも分かりにくい文が多いのです。
一つの例が、前回のエントリーで挙げた以下の文。
2.加計学園からの報告等は次のとおり。
①(省略)
②下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県においても、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望があったが、政治的な動きは難しい旨回答。
解釈は既に上のエントリーで書いたので省略しますが、田中秀臣教授も誤解していました。
ただ、「捏造をしていない」のと「書かれていることは真実」とはまた別の話です。
再び文科省メモに戻りますが、文科省の調査では、メモに書かれたことを聞いた(知った)経緯までは報告されておらず、課長補佐も忘れたととぼけているので、真相は分かりませんが、噂レベルや伝聞の伝聞で、真実ではない情報が書かれている可能性は大いにあります。
それと、課長補佐が政界のスキャンダルにしようと意図して流出させたのではないと思います。
これは、最初に流出した文書のうち8枚(※)の内、全く報道されなかった1枚の文書に気づいた時にそう感じました。
※日刊ゲンダイのサイトに今でも掲示されています
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205600
無理筋が現実に…加計学園「総理の意向」文書を全文公開
2017年5月18日
その1枚とは、下の文書。(これについて書いたエントリーはこちら) 自分の名前が書いてある文書を流出させるでしょうか。
多分、これは誰か(多分、ピーチなんとか)に、用途を知らされずに渡しただけではないかと思います。
これとよく似た構図なのでは?と思わせるのが愛媛県から流出して朝日新聞が報じた「備忘録」。
「27.4.13」の「13」は手書きなので、2015年4月13日に会議か何かで使ったものだと推測できますが、内容は4月2日の内閣府や官邸訪問の記録。
出張は関係者(加計学園、愛媛県+愛媛県東京事務所、今治市)が揃って行っており、既に情報は共有できているので、あらためてこの三者がこのような文書を使って打ち合わせる必要はありません。
一つ考えられるのが、上司に対する定例報告会のようなもの。
この13と言う日付が書かれた文書は「27.4.3」と書かれた文書と異なり、内部向けに説明するような文が書き込まれています。(→『【愛媛県備忘録】朝日が報じたのは県庁内部向けの文章、内部からの流出か?』)
推測ですが、この日に中村時広知事(を含めた上層部?)に出張の成果などを報告したのではないでしょうか。その際、説明の為に「13」という日を書き入れてコピーを出席者に配布したのではないか。
職員は流出させる意図はなくても、13日に受け取った誰かが流出させたのだとしたら...。
そうすると、文科省の課長補佐も愛媛県職員も、自身の落ち度はあるとは言え、過大な濡れ衣を着せられた被害者でもあるのかも知れません。
【追記】上記内容を簡単にTweetしたところ、下記のような情報を寄せられました。
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