【文科省文書再検証】No.1 「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」
前回のエントリーの続きで、文科省メモの再検証シリーズです。
文科省メモの中には取り上げるほどの内容でもないものも多いのですが、一つは文書をブログに残しておく目的もあるので、今回はNo.1の「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」を取り上げます。
今回のメモは内容云々より、典型的な文科省メモの例なので、先に文書を提示します。
No.1 「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」(日付不明)
文科省メモが流出した初期に言われていたことですが、日付がないので、いつ書かれたのか分からないのと、各発言の主語(発言者)がはっきりしません。
それと、指摘したいのは、表題により読み手が先入観を持ってしまうこと。これがミスリードを引き起こしているような気がします。
この文書の表題は「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」ですが、これだと、内閣(地方創生推進室)と文科省が会議をした際の内閣府の発言を書き取ったように思いがちですが、そうではないのでは?という意味です。
初期の頃には分かりませんでしたが、内閣府には何人もの文科省からの出向者がいて、これがスパイのように折に触れてご注進メールをしていたことが明らかになっています。内閣府というだけで、国家戦略特区の担当でもない職員が資料をこっそりとPDF化して文科省に報告したことものありました。
「内閣府からの伝達事項」も、この類いの連絡かも知れないのです。
文科省のスパイが内閣府で話されていること、耳にしたことをまとめて都度報告していたとしたら...
こう考える根拠は、萩生田副長官の名前がついたメモが、調査の結果、打ち合わせした覚えのない課長補佐のフォルダから見つかったことがあるからです。
その時はその課長補佐が「確認せずに書いてしまった」というようなこと言い、萩生田氏に謝罪して終わりましたが、これも多分、萩生田副長官がこんなことを言っていた(聞いた)という報告が内部からあり、課長補佐はそのままメモに書き留めたのでしょう。
また、国会で自由党の森ゆうこ議員が義家副大臣に、「この日(メモに書かれた日付)、文科省と打ち合わせをしたか?」というような質問をしたことがあります。その時は、あっさりと「手帳に書いたスケジュールによると別の用事をこなしていた」と答えられ、すごすごと引き下がっていました。
これも、仮に義家副大臣がメモに書かれたような発言をしていたとしても、その相手は文科省ではなかったとしたら合点がいきます。
この調査では、どういう経緯でこの情報を得たのか、といったことまでは追求していません。(知ったけれど公表しなかったのかも知れませんが。)
ちなみに、『記者会見資料』によると、ヒアリングされた課長補佐は以下のように答えています。(文章ママ)
- 現在は、細部まで覚えていないものの、文書 No.1の同内容文書を作るとすれば、課長補佐以上が作るような案件なので、文書 No1の同内容文書は自分が作った個人メモなのだろうと考えているとのことである。(存在が確認された他の文書についても同様の認識。)。
- さらに、本文中に記載されている「官邸の最高レベル」という文言についても、細部まで覚えていないものの、ここにこうして記載されている以上、こうした趣旨の発言があったのだと思うとのこと。ただし、その真意は分からないとのことである。
空とぼけていないとしたら、彼女がゼロから創作するとも思えず、“聞いたこと”を書き留めたのではないかという印象です。
このメモが書かれた時期は、最後のパラグラフで「獣医学部新設を1校に限定するかは政治的判断である。」と書かれていることから、告示文を巡って内閣府と獣医師会が攻防を繰り広げている段階だと思われるので、メモを作成した期間(2016年9月~11月)の終わり頃と思われます。
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