【愛媛県文書】『新聞、テレビの受け売り「モリカケ安倍陰謀説」の無責任』を読んで【iRONNA】
産経デジタルの『iRONNA』に掲載された田中秀臣・上武大学ビジネス情報学部教授の寄稿文は、モリカケ、そして愛媛県知事の応対に関して、的確にポイントを突いた鋭い考察だと思います。
web上で3ページある記事ですが、ここでは、加計学園に関することだけ(1ページのみ)抜粋してとりあげてみます。(「読了まで8分」と表示されますが、実際はせいぜい2分もあれば読めるので是非全文を読まれることをおすすめします。)
https://ironna.jp/article/9809?p=1
新聞、テレビの受け売り「モリカケ安倍陰謀説」の無責任
田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題で、愛媛県から国会に提出された「新文書」が話題となり、国会で野党が安倍晋三首相を追及している。一方、学校法人「森友学園」(大阪市)をめぐる国有地売却問題では、籠池泰典被告夫妻が保釈され、記者会見を開いて注目された。
つまり、メディアは相変わらず「モリカケ」である。まず、これらの「モリカケ新現象」について簡単にコメントしておく。加計問題に関して、愛媛県の新文書の要点は、2015年2月25日に加計学園の加計孝太郎理事長が安倍首相と会って、自ら学園の獣医学部構想を話し、それに対して首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と答えたことが重大事らしい。従来の安倍首相の国会答弁と生じた矛盾が争点のようである。
だが、この矛盾は本当に争点なのだろうか。安倍首相の答弁では、国家戦略特区への加計学園の関与を知ったのがいつなのか、という文脈での話である。問題になっている日時は、加計学園が国家戦略特区に関与する以前の話であり、時系列的に全く無縁である。しかも、問題の日に首相と加計氏があった証拠も証言もない。
ところが、メディアや識者の一部は、まるで機密事項の打ち合わせで両者が隠密行動をしていたかのような印象操作に余念がない。だが、単に「獣医学部いいね!」と言うだけで隠密行動をとるというのは、奇怪な妄想だろう。
ちなみに、問題の日の前後には加計理事長と安倍首相は何度も会っていて、記録にも残っている。「いいね」がそんなに国家機密的な発言なのだろうか。
いいかげん、この種の「疑惑」を抱く人はそろそろ自らの思考そのものを省みてほしい。要するに、これは単なる「安倍下ろし」という政治的な策動の一環にすぎないのだ。(続きは後述)
赤くマーキングした部分は、散々ブログ主もしてきてきたように、2015年4月2日の愛媛県職員や加計学園関係者、今治市職員が柳瀬総理秘書官や藤原地方創生推進室次長と面会した時点でさえ、第26次構造改革特区の結果が出ていない状態で、これは構造改革特区の話なので、仮に2月25日に総理と加計理事長が面会(恐らく、電話で会話くらいはしたのかも知れない)したとしても、国家戦略特区でのプロセスとは関係ありません。
なお、個人的には、メモに書かれた会話の内容が正しいかどうかはともかくとして、実際、2月25日には電話かなにかで総理と理事長は会話したのだと思います。
森友問題でもそうでしたが、マスコミも一部野党も、時系列を分からないようにして印象操作をするのはいい加減にして欲しいと思います。
(続き)
報道では全く注目されていないが、そもそも新文書では、政府側の発言として、獣医学部構想についての技術的なアドバイスはあっても政治的介入はできないと断言している。問題はこれで終わりのはずだが、政治的な思惑だけで「モリカケ」は動いているので、終焉(しゅうえん)はないだろう。もう一度書くが、「疑惑」を無反省に抱く世論にも重大な責任はある。テレビや新聞の受け売りはそろそろやめたらどうだろうか。
(引用終わり)
この部分を読み、「あれ?そんな断言はあったかな?」と探してみたら、No.17の文書(愛媛県職員の「個人メモ」の一節のようです。(こちらの記事に主要な文書は掲示してありますが、下に転載。)
この2の②の部分を下記に引用します。
2.加計学園からの報告等は次のとおり。
①(省略)
②下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県においても、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望があったが、政治的な動きは難しい旨回答。
田中氏は「政治的な動きは難しい」と答えたのは下村大臣と解釈したようです。
確かに「実施いただけないか」という表現からそんな印象も受けるのですが、そうなると「県においても」が浮いてしまうので、やはり加計学園から「県からも官邸に非公式に働きかけて欲しい」という要望があり、県が「難しい」と回答したことを書いたものだと思います。
それはともかく、「政府側の発言として、獣医学部構想についての技術的なアドバイスはあっても政治的介入はできないと断言」というのは、「断言」は別として、言っていることは間違っていません。
愛媛県職員の復命書やNo.24~26のメモ(多分、東京事務所の職員が書いたもの)をを読めあ分かりますが、柳瀬氏が言っているのは、“文科省や獣医師会がぐうの音も出ないようなよい構想を提案しなさい”とうことで、“他の大学との差別化を図れる提案を”のような技術的なアドバイスをしているだけです。
「自治体がやらされモードではなく」という言葉もそうですが、“(獣医学部新設の解禁は政府としても是非実現したいが、)それはあなた方の努力が必要”という叱咤激励に他なりません。
これこそ、総理や秘書官の介入ではプロセスを動かせないということを意味しているのではないでしょうか。
最後に、この職員の「備忘録」や「個人メモ」について少し述べておきたいと思います。
多分、この方は耳にしたものをなるべく詳細に書き留めようとしているのだと思います。ただ、一旦この方の脳内フィルタを通した文が読みにくく、第三者が読むと意味が取れない文章を書いているので、ミスリードさせられる危険性があるのです。
(強調のための)フォントの混在も、そういう好みだと言われれば反論してもしかたがないことです。これにいちゃもんをつけるのは、一部野党なみの言いがかりです。
また、日付の表記方法がバラバラなのも、本人が気にしないならそのままでしょう。
実際、ブログ主が文書を作成することを考えても、同じような文書をたくさん作っていると別の文書からコピペして改編することはよくあります。日付をコピペして「日」だけ直すとかもしょっちゅうあり、このようにフォントを頻繁に切り替える方なら、その時にもフォントや全角/半角が混在してしまうことがあります。もし、文書ソフトが一太郎ならATOKを使っているはずなので、「3/3」のように入力しても、変換候補に「3/3」や「3月3日」も出て、Enterキーを押す回数で変換候補を選択し間違えることもあるでしょう。
朝日や農水省に備忘録が渡った経緯など、説明がなされていないこともありますが、それはそれとして、証明できなことを疑わしいと騒ぎ立てるのはマスコミや一部野党と同レベル。
問題は、上に提示したNo.17でも分かりますが、「個人メモ」は追記(ex. 「なお、3月4には~」の部分)して更新されている形跡があるということ。そのため、時系列もはっきりしないし、他人が正確に読め取れない文書を一次証拠としては使うべきではないのです。
尤も、今回は個人メモも公開してくれたお陰で、蓮舫が5月10日の質疑以前にこのメモを見ていたらしいことが分かりましたが。
« CIAの沖縄世論解説書『沖縄の基地政策』 | トップページ | 【加計学園問題】3分で読める加計学園問題【今何が問題とされているのか?】 »
« CIAの沖縄世論解説書『沖縄の基地政策』 | トップページ | 【加計学園問題】3分で読める加計学園問題【今何が問題とされているのか?】 »
コメント