CIAの沖縄世論解説書『沖縄の基地政策』
公開: 2018/05/28 19:25 最終更新: 2018/05/29 9:19
面白いレポートが見つかりました。
沖縄の基地政策を理解するための解説書(原題:A Master Narratives Approach to Understanding Base Politics in Okinawa)というもので、それを報じる沖縄タイムスの記事が以下のもの。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258250
「日本政府は歴史に鈍感」強調も、米の責任棚上げ CIA沖縄世論解説書
2018年5月28日 09:28
【ジョン・ミッチェル特約通信員】米中央情報局(CIA)がまとめた沖縄世論操作の解説書は、県民が訴える沖縄差別にも焦点を当てている。
日本政府の対応を「鈍感」と批判し、沖縄のメディアや政治家が基地負担と差別を結び付けていると非難。
一方、米国自身は無関係だと責任を棚上げしている。(以下有料記事)
なんか怒ってるw
下はもう少し詳しい記事ですが、レポートを批判する記事なので、レポートの内容を説明するものとは言えません。
https://this.kiji.is/373566946832172129?c=62479058578587648
「米軍抑止力に懐疑的」「基地で経済は活発化」 CIAが沖縄世論の解説書
2018/5/28 05:005/28 08:21updated【ジョン・ミッチェル特約通告員】米中央情報局(CIA)が、基地を巡る沖縄の世論をどう操作するか研究し、解説書をまとめていたことが分かった。抑止力や環境問題の議論を
避け、経済効果や文化交流、災害救助といった「利点」を強調するよう指南。日本政府の差別的な取り扱いを批判しつつ、米国は無関係だと主張している。
「沖縄における基地と政治」と題された解説書は全60ページ。2012年CIAオープンソースセンターが米政府の政策立案者向けにまとめたもので、「公用限定」に分類される。本紙が情報開示請使で入手した。解説書は県内の報道などを詳細に分析し、県民の思考様式を検討。「落とし穴」を避ける方法を示す。
抑止力で米軍駐留を正当化する議論について「『なぜ私たちばかり』という県民の疑問に答えるものではなく、いら立ちで迎えられるだろう」「ほとんどの場合、懐疑派に否定される」と指摘する。鳩山由紀夫元首相が「抑止力は方便だた」と発言したことも例に挙げる。
環境問題も慎重に取り扱うよう提案する。「県民の環境保護の要求は、同盟にとって脅威になる」「県が日本政府に対して、日米地位協定改定など基地跡地の環境対策の拡充を使める可能性がある」と警戒する。特に沖縄での枯れ葉剤使用と投棄が明らかになったことに懸念を表明。環境事故には迅速で透明性のある対応を取るよう促す。一方、強調すべき点には経済効果を挙げ「県は基地のない沖縄という将来像に必要な財源を明示できていない」「県庁内の現実主義者たちは基地に関する日本政府からの見返りを確保しようとしている」と分析。「沖縄の基地は地域の安全を守り、経済・文化交流を活発にしている」と主張する。
さらに、災害救助や人道支援任務の「効果」に触れ、自衛隊による平和、家族、地域社会を強調する広報活動をまねることを提案する。「沖縄メディアは懐疑的に見るだろうが、県民は受け入れてくれる可能性がある」とみている。
色々感情的に書いていますが、レポートの内容は、CIAが沖縄に関する新聞報道や教材、テレビ番組、史跡、博物館、文学、大衆娯楽(音楽など)を収集、分析し、5つの「物語」(narratives)に分類したものです。
物語というよりは、キーワードとかテーマとか言った方が分かり易いかも知れませんが、それは、『被害者』(Vitimization)、『差別』(Discrimination)、『平和的人々』(Peaceful Peoplle)、『美しい島』(Beautiful Island)-美ら島(ちゅらしま、ちゅらじま)と訳すべきかも知れません-、『アジアの交差点』(Asia Crossroad)の5項目で、上に挙げた素材や資料を分類して紹介しています。
簡単に言ってしまえば、“沖縄の政治家や活動家はこういう文脈で反基地活動を行っている”という報告です。
実は、タイトルで検索したら、このレポート(PDF)がネットに上がっていたので、ダウンロードしてみました。
- app.okinawatimes.co.jp/documents/cia20180528.pdf
(「CIA "Base Politics in Okinawa"」の括弧内の文字列で検索すると見つかります。)
どうも、公式にweb上にupされたものでは無さそうなのでリンクは貼りませんが。
読みたい方は早めにダウンロードしてください。
P.2~5が結論で、それ以降はその根拠となる証拠(新聞記事、テレビ番組、etc.)を列記したものです。
アメリカ人が読むためのものなので用語の解説や人物の解説もなされています。(ex. 「琉球処分」、「大江健三郎」)
最初の数頁だけ読んでみましたが、例えば、『被害者』というテーマでは「ひめゆり」(P.10)が紹介されていて、“「ひめゆり」は東京製作の映画では「英雄性」や「自己犠牲」がテーマ。沖縄では「強制集団自決」と結びつけられる。”というような説明のあと、映画や史跡の紹介があります。
ブログ主も子供の頃にドラマなどで見た記憶があるのですが、内容は全く覚えていません。ただ、当時は「ひめゆり少女隊」とか「ひめゆり部隊」みたいな呼び方をしていた記憶があるので、上の説明と合致しているようです。
なかなか面白そうです。
もう少し追記するかも知れませんが、一旦公開します。
【追記】 Summary of Okinawa's Master Narratives
P.3を画像化したものを掲示します。
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