【書籍】『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』(月間HANADA)/朝日新聞血風録(稲垣武著)
先日注文していた月間HANADA『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』が届きました。
というか、今朝郵便受けを見たらあったので、昨日届いていたのでしょう。(右側の本は後述)
まだ全く読んでいませんが、書き下ろしの評論と過去の朝日批判の名評論を再録したものです。
パラパラと見て、おっと思ったのは、過去の過去の誤報や虚報の新聞記事を画像としてグラビアや論文中に挿入してあり、非常に字は小さいのですが、鮮明なコピーなのでヘッドルーペなどで見ればちゃんと本文が読めること、そしてその虚報の顛末が説明されていることです。
これだけでも貴重です。
上に示した『朝日新聞血風録』(文藝春秋/稲垣 武著/1991/12/文庫版はこちら )と『偽りの報道 冤罪「モリ・カケ」事件と朝日新聞』(ワック/長谷川熙著/2018/2/26)はどちらも元朝日新聞記者が著した本です。
『朝日新聞血風録』は1991年販売と古い本なのですが、ブログ主は現在読んでいる本『徐勝-「英雄」にされた北朝鮮のスパイ 金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち-』(張明秀著/宝島社/1994.12)に著者の稲垣武氏の前書きの言葉が引用されていて興味を持ったので購入しました。
長谷川氏の本はタイトルからも分かるように最近の本であり、最近の朝日新聞の報道ぶりを扱っています。
一方、『朝日新聞血風録』の方は古い本ですが、前書きを読んだだけでも、体質、報道姿勢が全く変わっていないことに驚かされます。(というか、まだ前書きと後書きくらいしか読んでいないのですが。 )
以前のエントリー「『学園浸透スパイ事件』とその時代 No.1 朝日新聞の罪」でもこの本に触れていますが、正確に文を引用すると、
共産圏、特に中ソ、北朝鮮に対する甘さと自由主義圏、特にアメリカや韓国に対する厳しさという二重基準、ダブル・スタンダードが明確に存在していたことである。また、野党、特に社会党に甘く、与党自民党に厳しいというそれもあった。
それが社説や論評のたぐいならまだいい。読者の判断材料となるべきニュースの分野まで二重基準が入り込んでくると、情報操作に等しくなってしまう。
どうですか?
当時は現在と社会情勢が異なるので国名や党名は異なりますが、これを少し変えれば、今書いたばかりの文のようです。
しかも、著者は、内部にいて言論弾圧に等しい扱いを受けたり、決して社の方針に賛同しているわけではないが“長いものには巻かれろ”式に同調していく同僚の姿を見ていたわけで、耐えられずに定年を待たずして退職されたそうです。
その後も朝日新聞の報道ぶりを見ていて、現在(執筆当時)でも変わっていないことを確信して雑誌『諸君!』に91年7月号から10月号までの4回に渡って執筆しました。
すると、思わぬことに、朝日新聞OBから予想外の反響があって、激励と共に自分達の経験を寄せてくれたのだそうです。
ブログ主は前述の徐勝氏の起こした『学園浸透スパイ事件』の社会背景を調べているのでこの本を選択したのですが、この本の特筆すべきことは、数多の朝日批判本が出ている現在ではなく、90年代初期に著者はたった一人で朝日に立ち向かったことだと思います。
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