【森友文書事件】5分で分かる!財務省文書“書き換え”問題【和田政宗議員解説動画】
作成: 2018/03/16 最終更新: 2018/03/23 9:00
本日昼間、自民党の和田政宗参議院議員が緊急生中継で「財務省文書“書き換え”問題」を解説しました。和田議員は月曜日の参院予算委員会で質疑にも立つそうです。(テレビ中継あり)
上記の動画を観れば理解できますが、30分の動画を5分で理解できるよう、解説の内容を要約するのがこの記事の目的です。
【Cafesta】緊急生放送!これで分かる 財務省文書“書き換え”問題(2018.3.16) (約30分)
【内容】
- “書き換え”判明までの経緯
- 書き換えられた調書とは?
- 「特例的」とは?
- 調書に書かれている昭恵夫人の発言
- 2年前にも決裁文書から調書を削除した前科
- 「貸付契約」と「売買契約」の時系列を曖昧にして昭恵夫人の関与を印象づけるマスコミと野党
- なぜ「売買契約」において8億円の値引きがされたのか
“書き換え”判明までの経緯
前回のエントリーでも書いたように、今回の書き換え問題では告発されたとしても起訴できるかどうか微妙な案件で、仮に不起訴となったら、証拠は全て財務省に戻されてしまい、隠蔽される恐れがあった。
これを政治の力でこじ開けたというのが実態。官邸と財務省との激しいせめぎ合いがあった。
一部報道で、5日に国交省より報告があったのに官邸が隠していたというのはフェイクニュースで、官邸は財務省に突きつけ、一方、法務省にも協力を要請していた。
書き換えられた調書とは
書き換えられた調書とは
○契約に至る経緯などを説明
○付けても付けなくてもよい(別添扱いの文書)
↓
財務省は書き換えを軽く見たか?
「安倍」の文字を変換ミスしたり、「上西小百合」を「上田...」と間違うなど、推敲していない様子も窺える。
【決裁書のイメージ】
売買契約における決裁では、契約書本体や見積もりなどを添付するのは当然として、今回書き換えられた文書はかなり細かい経緯や背景などを説明するもので、決裁書に添付するのは異例。
実際に削除された内容(籠池氏の発言や複数の政治家の名前)は隠す必要がないものが大半だが、近畿財務局と森友学園との間で価格交渉が行われていたことをほのめかす記述が各所にあった。
↓↓↓
佐川理財局長の答弁と食い違う
「特例的」とは?
メディアは“首相夫人の存在を忖度”と印象づけているが...
なぜ特例的な内容になったか
特例: 通常3年間の貸付→10年間の貸付後購入 のこと
○小学校新設という公共的な事業
○森友学園の条件
国: 時価9億円で売却したい。
× 音楽大学の条件は7億円 ←折り合わず
○ 森友学園の条件
借受料2,730万円×10年=2億7,300万円 + 時価での売却
合計: 11億7,300万円
森友学園の方が好条件だった
調書に書かれている昭恵夫人の発言
籠池氏が勝手に言っていること。しかも、証人喚問の際に発言した内容と異なる。
財務省は2年前にも決裁文書から調書を削除した前科あり
以前のエントリーに書いたように、財務省は籠池氏から文書開示請求があった際に1枚丸ごと抜いていた前科がある。
「貸付契約」と「売買契約」の時系列を曖昧にして昭恵夫人の関与を印象づけるマスコミと野党
【貸付契約】
昭恵夫人が価格交渉に関与したとマスコミらによって印象操作されている契約・・・実はなんら影響はない。
H25.08 籠池氏が貸付後購入希望を国に伝える
H25.09 森友学園が取得等要望書を提出
(これ以降、国と森友学園で手続きのやりとり)
- H26.04 森友学園の話では「昭恵夫人から『いい土地ですから前に進めて下さいと』の言葉を頂いた」 → 事実ではない
H25.09 『10年間の貸付後購入する契約』締結
- H27.11 昭恵夫人付き職員が森友学園へFAX ※2「(10年貸付を50年貸付に延長等の要望に関し)希望には添えない」=ゼロ回答
ゼロ回答とは、労使交渉(春闘などの賃上げ交渉など)で、組合が要求した内容に対して何らよい回答を得られないときに使われる言葉。今回の騒動ではよくこの言葉が使われます。名前が出た政治家が籠池氏側から陳情を受けても(話を繋ぐくらいはしても)近畿財務局は決して聞き入れませんでした。これも「ゼロ回答」と表現しているのを散見します。
【売買契約】
野党が“不当な値引き”だと追求している部分・・・昭恵夫人は一切関係ない。
H28.03 森友学園から近畿財務局に新たなゴミが見つかったと連絡(※1)
H28.04 ゴミの処分費用を8億1,900万円と見積もり
H28.05 不動産鑑定士が土地の評価は9億5,600万円と見積もり
H28.06.01 森友学園に価格1億3,400万円を提示
H28.06.20 『売買契約』締結
時系列を無視した野党の質問に注意!
なぜ「売買契約」において8億円の値引きがされたのか
なぜ8億円の“値引き”がされたのか?①
○森友学園が借り受けた土地から新たなゴミが出た。
○ゴミを撤去すると開校予定日に間に合わない。
○ゴミの量を積算し、新たなゴミが出てきても賠償責任を追わないとの特約で売却=瑕疵担保責任の免除
近くにある豊中市の給食センター用地(元・国有地)は14億円のゴミ撤去費用を国が負担。
森友学園が買った土地は以前は湿地で生活ゴミの不法投棄が。
下図は以前ネットで見つけたものを保存しておいたものです。(右側の説明はともかく、画像で土地の状態を確認して下さい。)
1943年の地形を見れば分かるように河に沿った土地で、当時は“不法”投棄などという言葉さえ無かった時代。
【おまけ】問題の土地と周囲の状況
なぜ8億円の“値引き”がされたのか?②
森友学園の弁護士から、小学校建設の工期が遅れないよう国に即座のゴミ撤去を要請。
↓
学園の弁護士が現実的解決策として、ゴミの撤去費用を考慮した売買価格を国が示し、金額に納得できれば損害賠償を行わないと提案。
この頃の籠池氏の脅迫まがいの交渉の様子は録音テープなどで公開されている。 ※1、※3
↓
学園の提案に応じなかった場合、損害賠償に発展、建設中止を騒がれる可能性がある。
○新たなゴミにより、学園から損害賠償を盾に、強い要請を受け、応じたことが明白。
○それ以外の理由や政治家の名前は、売却の決裁文書には一切書かれていない。
8億円“値引き”の理由
○政治家らの忖度や関与ではなく、新たなゴミが主たる理由。
○8億1,900万円をゴミ撤去費用分として値引きしたが、施工業者は“実際には9億6,000万円かかる”とも。
和田議員の動画を拡散願います。
あわせてこちらもお読み下さい。
以下、補足・参考資料(記事等)
※1『財務省、森友との契約「特例」 面会時、籠池氏が録音』
2017年4月26日01時24分 朝日デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASK4T7VTSK4TUTIL07W.html
(リンク先に音声データあり)
森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、学園の籠池泰典氏が昨年3月15日に財務省幹部と面会した際、学園との土地取引について幹部が「特例」と述べていたことがわかった。地下で新たに見つかったごみについては「重要な問題」とし、話し合いに応じることを伝えていた。
朝日新聞はノンフィクション作家、菅野完(すがのたもつ)氏から面会の音声データを入手。籠池氏が取材に対し、自ら録音したものと認めた。
籠池氏は同月11日、賃貸契約を結んでいた国有地で小学校建設を進めている中、地中から新たなごみが見つかったと近畿財務局に報告。面会はそれを受けて籠池氏が申し入れた。(後略)
※2 安倍昭恵夫人付官邸職員の回答ファクス(全文)
(2017年3月23日 証人喚問の際に籠池氏が公表/FAXのタイムスタンプは2015年(H27)11月15日)
https://mainichi.jp/articles/20170324/k00/00m/040/053000c
【1枚目】
塚本幼稚園 幼児教育学園
総裁・園長
籠池 泰典様
前略 平素よりお世話になっております。
先日は、小学校敷地に関する国有地の売買予約付定期借地契約に関して、資料を頂戴し、誠にありがとうございました。
時間がかかってしまい申し訳ございませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました。
大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。
なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております。
内閣総理大臣夫人付
○○○(夫人付の官邸職員氏名)
○○○(携帯電話番号)
○○○(電子メールアドレス)
※明日より出張のため、携帯番号がしばらくつながらない可能性がございます。
ご迷惑をおかけいたします。
【2枚目】
籠池様
平素よりお世話になっております。
先日頂戴しました資料をもとに、財務省国有財産審理室長の田村嘉啓氏に問い合わせを行い、以下の通り回答を得ました。
1) 10年定借の是非
通常、国有地の定借は3年を目安にしているが、今回は内容を考慮し、10年と比較的長期に設定したもの。他の案件と照らし合わせても、これ以上の長期定借は難しい状況。
2) 50年定借への変更の可能性
政府としては国家財政状況の改善をめざす観点から、遊休国有地は即時売却を主流とし、長期定借の設定や賃料の優遇については縮小せざるをえない状況。介護施設を運営する社会福祉法人への優遇措置は、待機老人が社会問題化している現状において、政府として特例的に実施しているもので、対象を学校等に拡大することは現在検討されていない。
3) 土壌汚染や埋設物の撤去期間に関する賃料の扱い
平成27年5月29日付 EW第38号「国有財産有償貸付合意書」第5条に基づき、土壌汚染の存在期間中も賃料が発生することは契約書上で了承済みとなっている。撤去に要した費用は、第6条に基づいて買受の際に考慮される。
4) 工事費の立て替え払いの予算化について
一般には工事終了時に清算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中。
※2 国有地売却問題 二つの録音 「口裏合わせ」深まる疑念 「価格交渉」も浮上
毎日新聞2017年12月3日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171203/ddm/002/100/135000c
学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、11月27~30日の衆参両院の予算委員会で二つの音声データが新たな焦点に浮上した。ともに昨春、近畿財務局と森友側の協議を録音したもの。値引きの理由とされた地下ごみの存在の口裏合わせをするかのようなやりとりと、売却の最低価格を巡る交渉とも受け取れる内容だ。財務省はそうした意図を否定したが、反論の根拠はほとんど示さずじまいで、野党は今後も安倍晋三首相を追及する方針だ。【水脇友輔】
音声の一つ目は、昨年3月11日に森友側が財務局に連絡した新たな地下ごみの深さを巡るやりとりで、財務省は同月下旬から4月ごろだと認めた。
政府は、深さ3・8メートルと同9・9メートルから新たに見つかった地下ごみの撤去費用を8億円値引きの理由にしている。
だが音声では、3メートルより深いごみか不明だと訴える工事業者に対し、政府職員が9メートルまでごみがある「ストーリーをイメージしている」などと、ごみの量を過大に見せるかのような会話が記録されていた。
財務省の太田充理財局長は予算委で「会話の一部が切り取られたものだ」と反論。あくまで新たなごみの資料提出を森友側に求めた会合で、口裏合わせではなかったと釈明した。
しかし会計検査院の河戸光彦院長は、「9・9メートル」の根拠とされるくい打ち工事で出たごみが「浅い部分に存在したと考えられる」と述べ、政府の主張をほぼ否定した。太田局長は資料が実際に提出されたかどうかも明言せず、工事関係者の話など「いろいろな調査の結果」だと強弁した。
もう一つの音声では昨年5月半ばに、森友学園の籠池泰典理事長(当時)が国有地の「ゼロに近い形の払い下げ」を要求。当初のごみの撤去費用として政府が負担した1億3000万円は下回れない、と政府職員が釈明している。売却価格が1億3000万円未満になると、土地を売ったのに政府の収支がマイナスになってしまうからだ。
ただ同時に職員は「(差額が)ゼロに近い額まで努力する」とも回答。実際に土地は翌6月、1億3400万円で売却された。
先の通常国会で理財局長だった佐川宣寿国税庁長官は「価格を示したことはない」と答弁しており、野党は予算委で追及した。
すると太田局長は「金額のやりとりが一切なかったと受け止められたとしたらおわびする」とする一方、「金額」に言及しただけで「売却価格」は伝えていないと強引な理屈を繰り広げ、野党議員からは「涙が出ちゃうような答弁だ」とあきれる声が出た。
迷走する財務省を横目に安倍首相は「(検査院の指摘を)次の予算編成に生かすのが私の責任」と問題解明の責任を回避し、ごみの再調査も拒否した。
野党は「来年の通常国会でも聞いていく」(民進・大塚耕平代表)と反発している。
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コメント
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【ブログ主】
奥穂3190様
>リークについて
未確認情報ながら、朝日のスクープは大阪社会部とのこと。(月刊HANADAの花田編集長情報) これを信じると、大阪地検か近財。
近畿財務局リーク説:削除や改変を指示された部分は、近財にとってやましいことはあまりないのですが、強いて言えば、価格交渉の部分でしょうか。
しかし、森友学園との取引では、損な条件どころか、むしろ好条件での売却となっています。となると、立件されないのかもしれません。(野党やマスコミは“安倍首相夫妻が関与して不当に安く売却”でないと都合が悪いので、このことを隠そうとしますが。)
随意契約も、本来は競売とすべきなのでしょうが、実際には国有地の8割は随意契約での売却(※)とのこと。
すると、佐川理財局長を守るために余計な手間をかけさせられたとしたら、ムカつきますよね。
大阪地検リーク説:ブログでもご紹介した『報道特注』に出演していたMr.Xなる人物は「面倒くさい仕事をやらされ、上からプレッシャーをかけられた下の人間がリーク」という説明でした。個人的には、そんな理由でリークするの?と思いますが...
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※『国有地売却、8割が随意契約 行政の裁量働きやすく』(2017/4/5 日経)
学校法人「森友学園」に国有地を格安で払い下げていた問題では、国による評価額の査定や売却手続きが適切だったかも焦点になっている。問題の根底には国有地売却の8割以上を占める「随意契約」がある。競争入札でなく売却予定先と一対一で交渉するため行政側の裁量が働きやすい仕組みとの指摘があり、透明性の確保に課題を抱えている。
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佐川局長は財務省に一点の傷さえ付けたくなかったのでしょうか。それとも、単に前任者の時代の取引で認識不足ゆえに誤った答弁をしてしまったのでしょうか。
籠池氏の実態を知れば知るほど、あのような人物なのだから、価格交渉らしきことが明るみに出てもそれほど非難はされなかったと思うのですが。(とは言え、マスコミも野党も、敵=安倍首相の敵=籠池氏は味方とばかりに、籠池夫婦の異常性は隠しているんですよね。不当勾留とか言ってるし...)
こういう異常な状態で答弁の訂正も許されなかったのではないかと、この点は気の毒に思います。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/17 17:20
ブログ主様
マスコミの時系列無視の点、全く同感です。意図的な無視というより論理的分析能力が足りないのかも知れませんが。
前回書くのを失念した点に付き以下。
財務省の稟議形態については知るところはありませんが、売買等の決裁であれば、「鏡」に必要事項記載欄・承認欄を設け、価格の合理性を「別添」の説明書で述べ、和田議員の仰るように、経緯説明は「別紙」とするのが通常でしょう。売買の合意をかくかくしかじかの土地について行いたいので承認ありたい、価格は別添の通り適切、といった具合です。ひょっとすると「別添」に本件経緯については「別紙」ご参照、などと有ったかも知れず、そうなると別紙も決裁書類となる可能性がありますが、参考資料であるのが普通でしょう。決裁書作成担当は、異例扱いに対する理由を別紙でアピールしたかっただけで、文書管理上、別紙の重要性は余り認識されていなかったのが実態ではないでしょうか。そこに佐川氏の「面会記録は破棄」が登場してさあ困ったとなった訳です。
リークについてです。元を特捜とするには話が大き過ぎるので、削除前の手控えを持っていた財務省内部と考えるのが相当ではないでしょうか。朝日に話だけと持ち掛けられて見せた手控えが、記事となって悩んだ人がいたとすれば、状況は説明できるのでは。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/17 12:53
【ブログ主】
奥穂3190様
和田議員の解説が理路整然として分かりやすかったので、そのまま文字化しただけです。話し方も聞きやすく、さすが元アナウンサーです。
動画だと、偶然に目に触れるということはなかなかないので、文字に起こすことで検索などに引っかかれば、と思った次第です。
しかし、加計騒動の時もそうでしたが、マスコミは全く時系列を整理して報道しませんね。時系列に沿って見たら、安倍昭恵夫人の名前が出てくるのも貸付契約の話をしている時期なのに、いかにも土地代金の値引きに夫人が関わっているかのような印象操作ばかり。土地の値引きは、主に損害賠償をちらつかせての恫喝ですね。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/17 11:52
ブログ主様
要約掲載有難うございます。
佐川氏が焦って充分裏を取らぬまま国会答弁を行い、その後事情が明らかになっても訂正を渋った事と前提すれば、現段階で最も納得できる説明です。特に官邸の法務省への指示が重要。
それにしても自分で考えることもなく、記事のキャッチに感覚的・感情的に反応し、悪質な印象操作に引っ掛かる人のなんと多いことか。Yahooニュースのコメントを見て暗然とします。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/17 07:50