【森友問題】朝日が指摘した決裁書の改ざん なにやら、加計問題と似たような話に...
公開: 2018/03/03 最終更新: 2018/03/04 14:01
現在、国会では野党議員による森友問題の追及が行われています。朝日新聞が3月2日付朝刊で、土地取引に関する決裁書の書類が“書き換え”られた形跡があるとの報道を行ったからです。
ブログ主は、日本維新の会の足立康史議員ではありませんが、現在、司法の手に委ねられている案件なので、国会で国会議員が検察ごっこをしても税金の無駄だと、この問題にはあまり関心がないのですが、3月3日付の和田政宗議員(自民党・参議院)のブログ『朝日新聞の記事 なぜ「改ざん」ではなく「書き換え」なのか』を読み、更に、たまたま、チャンネル桜の『Front Japan 桜』(3月2日 高山正之氏出演回)で朝日の記事ほぼ全文を読む機会があったので、なるほど、いくつか怪しい点があると思いました。
まず、和田政宗議員のブログにリンクが貼られている朝日の記事はこうなっています。(無料で読める部分のみ引用)
土地の賃貸と売却契約の決裁文書、書き換えか 森友問題
2018年3月3日05時00分学校法人・森友学園(大阪市)との国有地取引をめぐり、財務省の公文書の内容が契約当時とその後に国会議員らに提示したものとで違っている問題で、朝日新聞が文書を確認したところ、2015年の貸し付け契約の際の決裁文書と、16年の売却契約の際の決裁文書が、いずれも違っていたことがわかった。ともに、学園との交渉経緯についての記述が消えていたり、別の内容に変わっていたりしていた。
学園側との土地取引をめぐっては、この二つの契約が大きな節目で、いずれも契約当時、財務局内部で決裁を受けるための文書が作成され、それぞれ決裁されている。決裁文書には決裁の完了日や幹部の決裁印が押されている。
貸し付け契約の際の決裁文書に…
和田議員のブログからこの記事に飛んでみたものの、これだけではよく分からなかったのですが、ここで言っているのは、森友学園の土地取引に関して2セット(貸し付け契約時、売買契約時)の決裁書があり、昨年2月に森友学園の問題が発覚してから国会議員に開示された2セットの決裁書では、オリジナルの決裁書と文言が変わったり、一部の文言が消えていた、ということです。
「決裁書」そのものはフォーム(所定の書式、用紙)、つまり、権限者が判を押すための紙で、“書き換え”られた書類というのは決裁書に添えられた書類でしょう。(この後に提示する画像を見ると、計算書のようなものと、今までの経緯を説明しているような文書からなる添付書類です。)
話が前後しましたが、和田政宗議員が疑問視しているのは下記の2点。
- 朝日の書き方で違和感があるのが、「文書を入手」ではなく「文書を確認」としていること。
- 文書の「改ざん」ではなく「書き換え」としているところ。
上に挙げたweb版の記事では情報不足ですが、実際の紙面はこちら↓。
まずは記事全体の画像から2について。
「改ざん」と「書き換え」。 辞書を引くまでもありませんが、「改ざん」とはこういう↓意味です。
かい ざん[0] 【改〈竄】
-する(他サ)
〔「竄」は文字を改める意〕
そこに書いてある文字を、自分に有利な字面に書き直すこと。
「小切手の改竄」新明解国語辞典 第七版 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2013
「書き直すこと」と「書き換え」は同義だと思うのですが、ブログ主の感覚だと、改竄は「原本を書き換えること」で、朝日が言っているとおりとしたら、この場合は、国会議員に配布する為にコピーをとる際に元文書のワープロ文書(役所なのでWordではなく一太郎かな?)をコピーして、部分的にタイプし直したり、削除したのだと思います。
この場合でも「改竄」と言ってもおかしくはありませんが、この記者はそういう(原本の改ざんではなく別のバージョンを作ったという)ニュアンスの違いを出そうとしたのかも知れません。
ということで、ブログ主は、あまりこの点は問題視しないのですが、和田議員は元NHKの記者。言葉のプロなので、和田議員の感覚の方が正しいかと思います。
下はクローズアップされた記事のキャプチャで、これなら細部も読めるかと思います。
もう一つの和田議員の疑問は、「文書を入手」ではなく「文書を確認」としていること。
和田議員は、
“この書き方は普通、朝日が文書を誰かに見せてもらったことを意味する。
文書を持っているのは、捜査をしている検察と、財務省内部、会計検査院のいずれか。
そのどこかから見せてもらった(リークを受けた?)可能性が強い。
(※ただ、朝日は現物を入手しており、持ち駒として隠している可能性もゼロではない。)”
と書いています。
これにはほぼ同意で、「最近誰かに見せてもらった」以外には「(手元にある)オリジナルのコピーと照らし合わせて確認した」というふうにも読み取れますが、議員に配布された昨年2月には朝日も入手していたでしょうから、素直に読めば、最近見た、あるいは最近入手したと想像できます。(他の可能性は後述)
「見せてもらった」とすると、何者か(財務省の人間?)が原本を持ち出して、朝日の記者と落ち合い、その場で朝日の記者が持っている配布資料と照らし合わせてメモをとったことになりますが、それなら、コピーを貰うでしょう。(あるいは、見せてもらった書類をその場でコピーをとるでしょう。)
問題は、見せてもらったか入手したかではなく、
財務省内部の人間が朝日に原本を流出させたこと
だと思います。
加計の時は“メモ”でしたが、財務省の人間が原本を外部の人間に見せた(あるいは、コピーをとって渡した)となると、秘密漏洩の罪に当たるでしょう。だから、これを「確認した」とぼかした言い方で誤魔化したのだと思います。そして、加計の時も、外部に流出したメモと微妙に異なる〈下線が引いてあったり、フォントが異なる)メモが存在していました。
記事を読むと、後半に「関係者によると、文書の内容が変わったのは昨年の2月以降と見られる」と書いてあります。
これは、そうしようと思えばいつでもこの書類にアクセスできる人間であることを示唆します。
が、もう一つ考えられるのは、この頃に朝日もオリジナルのコピーを入手していた可能性です。
関係者の証言のように書いていますが、朝日はとっくに2つのバージョンの書類があったことを知っていて(持っていて)、ここまでこのネタを暖めていた、という推理です。
今まで出さなかったのは、森友学園の問題については、「名誉校長」だの、「100万円の寄付」、「夫人付きの秘書のファックス」、「安倍晋三記念小学校」だのとネタはいくらでもあり、ここまで「書き換え」ネタを出す必要がなかったからとも考えられます。
ただ、言えるのは、前述のように、
財務省内に朝日と通じている人間がいること
だと思います。
しかし、和田議員もブログで仰っているように、森友問題とは、あくまでも財務省の問題で、
政治家が国有地取引に入り込む余地はなく、
財務省内部で何があったか、
財務省と森友側で何があったかに行きつく
だけです。
この件を長々と国会内で質疑するのは、税金の無駄であり、国民をバカにしています。
なお、この問題の本質は昨年の11月に高橋洋一氏が産経に寄せた『森友問題は「財務局のチョンボと籠池被告のゆすり」「野党や朝日の追及は的外れ」』という記事が分かりやすいです。
【追記】この件でちょっと新たな情報がありました。別のエントリーとします。
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